介護職の仕事をしていて不眠で悩んでいます。
人に気をつかいすぎて、自分は、いつも二の次になってしまい、最終的に、しんどくなってしまいます。
何とか眠れるようになりたいです。
地震などの被災地の状況をニュースで見ても極端に苦しくなってしまいます。
どうしたらいいですか?
このようなお悩みを一緒に解決していきましょう。
60代女性で眠れなくてお悩みの方です。性格的には、とにかく「人のために」「人に喜んでもらえるように」が口癖のような「社会的には素晴らしい」と思われるような方です。
まずはグッスリ眠れない原因は、どのようなものがあるかを見ていきました。
そして対策をしていきました。
睡眠は環境、または準備が大切だと私は考えております。もしかしたら間違った「睡眠に対する認識や強い執着」が安眠の邪魔をしている可能性もあります。不眠でお悩みの方は、この機会にどうぞ、ご自身の生活習慣などを見直してください。
介護職のお仕事の方は本当に立派で尊敬します。ですが「自分よりも他人が大切」という社会的には良い人が多く、自分の体が辛くても「頑張りすぎてしまう」人が、多くいらっしゃいます。優しすぎるママさんも子供のことを考えすぎてお辛くなってしまうケースもあります。
また自分と他人との境界が不安定なので「地震などの災害」の時にも共感脳が働きすぎて「共感疲労」で辛くなってしまいます。
同じようなお悩みの方は、どうぞ参考にしてください。
他人に振り回されず自分のことを少し大切にできるようになる
不眠症でお悩みの介護職の女性の解決法
介護職をされておられる方は、皆さんお優しいので、自分がしんどくても頑張りすぎてしまう傾向にあります。そして自分の睡眠まで削ってしまい、体力が低下して睡眠の質が悪化して不眠になられる方もいらっしゃいます。
グッスリ眠れない原因と対策
ストレスとストレス対策
ストレスを感じると交感神経(動く神経)が働きます。(軽いストレスは副交感神経で対応できます)
すると筋肉が緊張して、心拍数が上がったり、呼吸が浅くなったりしてしまいます。
本来なら夜は副交感神経が働いて欲しいのですが交感神経が働いてしまい眠れなくなってしまうのです。
まずは4つのストレスを把握し減らすことです。そしてストレス耐性を増やすことが大切です。
具体的な対策としては、悩んでいることなどを友人や知人など、あなたの事を理解してくれている人に「聞いてもらう」ということが大切なのです。(情緒的サポート)
また不安や、イライラすることを紙に書きだす作業も有効です。自分の思考、身体から吐きだすことが大切なのです。内にこもりすぎて溜め込みすぎることで煮えあがった鍋の蓋がグツグツして耐えられなくなってしまうと身体の不調、症状として現れてくるのです。またセロトニンを分泌させることが大切です。同じリズムの運動、朝日を浴びる、良質のタンパク質を摂ることがおすすめです。セロトニンが増えると物質変換してメラトニンになるので睡眠を誘発しやすくなります。(対処能力)
不規則な生活習慣を見直す
介護職の方は夜勤などで生活習慣が乱れてしまうことがあります。
仕事の場合は仕方ないことがありますが、休日に寝だめするなどはできませんので睡眠、体内時計のバランスが崩れてしまいます。
睡眠の質を上げる準備としてましては部屋は暗くして、あまり光を入れないでください。
パソコンやスマホは寝る2時間前までにしてください。パソコンやスマホのブルーライトは目から光で覚醒してしまい睡眠の質が落ちてしまいます。
お酒は睡眠の質が悪化する
お酒を飲むと入眠はしやすくなりますが、飲んでから3時間で「アセトアルデヒド」という毒の物質に分解されます。これは交感神経を刺激します。つまり眠りを浅くしてしまうのです。さらに、利尿作用がありますので、おしっこに行きたいくなります。だから寝る前にお酒を飲むのは避けてください。
仕事も大切ですが・・・
早朝、出勤して夜中まで残業!
こんな生活をしていれば疲労が重なり、体力が低下し睡眠不足にもなってしまいます。
できるだけ、仕事の段取りをつけて、パフォーマンスが下がらない様にしたいです。
働き方改革といわれますが、仕事の内容を落とさずにタイムスケジュールを管理して、効率よく働くことは大事だと考えております。
真面目で一生懸命な人ほど、仕事人間になり、社会性は広がりますが、自我が小さくなってしまいます。知らず知らずに我慢していて、感情の抑圧も働いてしまします。それが不眠へと繋がることもあるのです。
お悩みの方に、このような質問をしてみたことがあります。
Aさん!
どうして介護の仕事をしておられるのですか?
人の喜ぶ顔を見るのが好きなのよ。
それが私の生き甲斐なのよ。
でも、どうしてそこまでされるんですか?
結局、自己満足なのかな~(笑)。
このようなことが、不調になる原因なのです。どうしてなのか、わかりますか?
「人が喜ぶ = 自己満足」
逆に「人を喜ばせられない ⇒ 自分は満足できない」ということになります。
人の為と書いて「偽り」と読むのです。「人の為」なのにですよ。
人の為に何かすることで、自分を満たすということは、自分に何か欠けているということがあるのです。それでは、やがて無理が来て心身共に疲弊してしまうことになるのです。
人を喜ばすことはエネルギーが必要です。人は「承認欲求」というのがあるので、人に認められたり、頼られたり、褒められたりすると、とても「やる気」「喜び」も出てきます。
でも欠けている自分を満たそうとするので、人を喜ばすことでしか、自分を満たすことが出来なくなる可能性があるのです。そうすると心身ともに疲弊して不調になってしまうのです。例えばSNSで「いいね」が気になる方は疲労しやすいとも言えます。
喜んでもらおうと過剰に人に気を使い、気配りをし、必要以上に人に尽くしてしまいます。そうでないと自分を信じてあげることができないからです。これでは「他人ありき」というのが前提になってしまうのです。
自我と社会性でいいますと社会性が、ものすごく強くなってしまう状態なのです。
このような状態が続くと、めまい、頭痛、吐き気、やる気がでない、不眠などの症状が出てしまうことがあるのです。ですので今一度、自分を見直してみてください。
あなたは、本当は何が欠けていて、何が満たされていないのですか?
ひょっとしたらご主人からの褒め言葉や愛情不足、母親からの愛情不足、幼いころ親から愛されなかった愛着の問題などを「他人の喜び」「他人を喜ばせる」ことで代償しているかもしれないのです。
大人になっても、未だに解決されていない心の悩みが、代わりに出てきているのかもしれません。
共感脳が働きすぎる
自分が、その被害にあったわけでもないのに「共感脳」が働きすぎると、不安になったり辛くなったりしてしまいます。人といいのは感情があるので、ある程度は反応してしまうものなのですが、極端にお辛くなられる方もいらっしゃいます。
この場合、共感しすぎて心理的なストレスとなります。心理カウンセラーや介護職や医療従事者の方の多くにPTSDのような症状が出ることがあると研究されています。(米国のチャールズ・フィグレー心理学者)
あまりにも共感しすぎることで、自分もそのような心理状態になってしまい、そして自律神経がそれに反応してしまうことになります。(自律神経の特徴は主人公がわからないので他人のことでも反応してしまう)
境界が揺らぎやすい方に多くみられるのが親・養育者との関係性です。小さい時に虐待を受けたり、過干渉だったりすると自他の境界があいまいになりやすいです。例えば親が怒っているのは自分が悪いからだという間違った認識を持つようになってしまうことがあるのです。また発達障害・自閉症などの場合も境界がハッキリしない方が多いです。
心身の症状としては、だるい、イライラする、めまい、食欲不振、頭痛、眠れない、朝起きれない、不安になる、やる気が起こらない、集中力がなくなる、忘れっぽくなる、自分が嫌になるなどが起こることがあります。
共感しやすい方は、社会的にみて「良い人」です。感受性が強く、優しく、思いやりがあり、人に気を遣うことができる、使命感が強く責任感が強い、完璧主義、○○しなければならないが口癖、過去にトラウマ的な経験をしたことがある人は要注意です。
予防としては、ストレスから逃げることです。辛いニュースなどを見ない(遠ざける)、SNSなども見ない、自分だけの時間を作る、気持ちのわかってくれる人に相談する、アロマやヨガをする、運動をするなどが有効ですので、やってみてください。
また共感しやすい方は、境界があいまいなことが多いです。この方はアスペルガー症候群の傾向があり、感受性が強い方でした。ですので自分と他人の境界を明確にする訓練をしていきました。
自分の身体をタッピングするだけでも、自分と他人が違う(境界を作る)という認識になり、少し冷静になれることがあります。赤ちゃんが何でも口に入れるのも自他の境界を認識する行為です。口の感覚から「自分」と「自分以外」というのを認識して獲得していくという作業になるのです。これを意識して実践していく必要があるのです。
ふわふわする眩暈などでお悩みの方には当院へお越しいただいた時に、一緒にワークをやっていきますので、宜しくお願いします。
境界を作る
- 自分軸で考えるようにする(「私は○○がしたい」「私が怒っている」「私が好き」など)
- ストレスからは、たとえ家族でも距離を置くことも必要
- 身体を軽くタッピングして体の感覚を感じる(境界を感じる)
- 先回りして心配しすぎないようにする(脳が疲れる)
介護職の不満がストレス
このようなことが日常的に起こっていると、「やる気がなくなったり」「不眠」「疲れやすく回復しにくい」「食欲がなくなる」などの症状にお悩みの方も出てきます。
性格的に「真面目」「完璧主義」「自分より人の為に尽くす」「責任感が強く一生懸命やりすぎる」などの人は要注意です。
グッスリ眠るための具体的な対策
なんといっても「準備」が大切です。それと「7時間寝ないといけない」というような執着が、余計に眠れなくしてしまうことが多いので注意してください。
リラックスできるように寝る前にやっていただくリラックス法をやってみる。
こちらについては当院にご来院いただき、その場で指導さえていただきます。自分でできるようになるまでしっかりとお手伝いさせていただきます。
アイマスク・耳栓
眠れない時ってものすごく過敏になっていることがあります。
隣の家のテレビの音や話し声まで気になってしまいます。
これは不安や恐怖などから過敏になりすぎて執着してしまっているということも考えられます。
こんな時はアイマスクや耳栓もお役立ちアイテムとなることがあります。
一度、試してみてください。
お風呂
お風呂の一番の目的は身体の中の体温である「深部体温」です。
寝る前の1時間前にはお風呂に入って準備してください。
そして、だんだん深部体温が下がって1度くらい下がった時が一番眠りにつきやすくなるのです。
38~40度くらいのお湯に15分くらいつかることを目安にしてみてください。
食事
よい睡眠をとりたいなら、朝食は食べてください。
朝食はとくにトリプトファン(たんぱく質)を含むものを食べていただくとセロトニンの材料になりますのでおすすめです。
必要なトリプトファンは1日、120mgです。
睡眠を改善したいときは4~5倍の500~600mgが必要です。
【トリプトファンの多く含む食べ物】
豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。 その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。
パジャマ
フードがついているものは避けてください。
固い生地のものより、柔らかい生地を選んでください。
リラックスできる服装にしてください。
レッグウォーマーはおすすめです。靴下は履かないでください。(体温調節機能がうまく働きません)
部屋の温度など
できればエアコンはつけていただいた方がいいです。
苦手な場合は事前に冷やしたり温めておいて、寝る直前に消すというのを試してみて下さい。
除湿や扇風機もうまく併用してください。
グッスリ眠るための裏技
スマホを目覚まし時計代わりにしない
電磁波の影響を受けるので、頭の近くにおいて眠らないでください。
寝る前のスマホは厳禁です。目からの刺激で覚醒してしまいます。
朝の味噌汁
体内時計を規則正しく働かせてくれるのが、朝日を浴びることと朝食です。
毎日、規則正しく食事をすることは大切だと考えます。
できれば大豆製品がおすすめですので、和食中心の味噌汁がいいですね。
蒸しタオル
蒸しタオルで目の疲れを解消してください。
レンジでもできますが、これも電磁波なので、できればお湯につけて目を覆ってください。
目の疲れがかなりマシになりますよ。
寝だめより昼寝
週末の休みで前日夜更かしして、休みは昼間で寝てしまうような「寝だめ」は基本的にできません。
毎日の昼寝を15分くらいするのがおすすめです。
温めすぎは逆効果
なんでも、ほどほどがいいですね。
電気毛布や湯たんぽは布団を温めるだけに使ってください。
眠るときは使わないようにしてください。
枕が自分に合っているか、わからない
枕が合わないと眠りへの影響と肩コリが起こってしまう可能性があります。
私のオススメは「MOGUシリーズ」の枕です。
当院の60代女性、不眠症でお悩みの方の解決のヒント
とにかく眠れないということへの執着がすごくある方です。
いつも眠れなかったらどうしようと考えてしまうくらいだそうです。
数年前もなっていたのですが、あの時は、この薬が効いたのに、今回は全然、よくならないのでどうしよう?と不安になられます。
不安とは「今ここ」の自分を感じることができていない状態ですので、落ち着いて、五感を働かせることが大切です。
「上気」といって、頭でばかり考えすぎていて気が上に上がりすぎているので、気を下に降ろすことが必要ですので、特に足の感覚を研ぎ澄ますようにお伝えいたしました。
上気の状態ですと気が上に上がるので、ふわふわした感じになる方が多いのです。
すぐに良くなるということではありませんが、3か月くらいの期間で体調を整えていかれることがおすすめです。
なんでもかんでも薬で押さえ込むというよりも、自分で「よくなってやるんだ」という気持ちも大切です。
昨日の自分よりも、良くなっていることが0.1でもあるはずですので、脳や思考の癖を悪いことばかり向けずに、良くなっていることを探す癖をつけていただくのも、変化を実感していただけて、ゴールの見えないトンネルからの一筋の光となってくれるのです。
経過
最初は、なかなか変化がでませんでした。
考え方などが、なかなか変えれませんでした。
ですが、施術を進めていき、身体の感覚の大事さを実感していだけるようになってきました。
ここで3カ月くらいかかりました。
自分の体に元気がないと、いい仕事、役に立つことなど、全力でできないということがわかったそうです。
とても心配されていたのは「うつ病」になってしまわないかということでした。「うつ病」にはいきなりなりません。自律神経失調症になり、抑うつ状態になり「うつ病」となります。ですので「うつ病」になる前に対処することが必要なのです。
自分の体の変化に気づかれ、体が楽になると仕事も、頑張れることに気づかれました。
そこで定期的なメンテナンスをされることで、現在は元気に仕事ができ、睡眠もぐっすりと8時間眠れるようになられました。
不眠に対する対策
- スリーグッドシングス(今日あった「良いこと」を3つ思い浮かべながら眠る)
- 執着しすぎない(何時に寝なければならない、何時間眠らなければならない、上を向いて寝なければならないなどはNG)
- 寝床は寝るためのもの(ベッドで考えすぎないこと、いつも考えていると考える癖がついてしまう、考えだしたら一度起きてみる)
- 風呂に入って深部体温が1度下がるくらいに寝ると熟睡しやすい
- スマホやパソコンは寝る2時間前までにする
- ベッドでスマホやパソコンは見ない
- スマホを目覚まし時計代わりに絶対しない
- 朝日を浴びる
- 昼間に運動、活動して交感神経を高める
- タンパク質をしっかり摂取する
- 頭寒足熱を心がける
- 寝る前に当院がオススメする睡眠瞑想体操を実施する
まとめ
- 昼間の運動
- 朝日を浴びる
- 寝る準備が大切
- 寝る前に悩み事をしない
- 寝る前は今日あった3つ良いことを思い出す