

最初の頃よりは、手洗いも早くなり、だんだんマシには、なってきているのですが、治っていくには、どのような段階があるのでしょうか?
私は、今、どのくらいの状態か、知りたいです。
このような、お悩みを少しでも和らげることができれば幸いです。
強迫性障害のお話しの3回目です。
強迫的な行動や潔癖症と言われる方の原因となる可能性のあることを紐解いていきます。
過去の原因がわかっても対処しにくいかもしれませんが「あなたの責任ではないんですよ」ということがわかったら少し心が軽くなるかもしれません。
また良くなっていくには、段階があります。
今、自分がどの段階にいるのかを把握することも大事です。
もしも興味がございましたら、どうぞ、ご覧ください。
- 確認恐怖や洗浄強迫でお悩みの方
- 手洗いが2時間以上やめられない方
- 玄関の鍵を何度も確認してしまう方
- ガスの元栓を何度も確認してしまう方
- 外出してもカギを閉め忘れていないか不安になる方
- 左右均等に並んでいないと気持ち悪い方
- ある数字だけが気になったり不吉に感じたりして困っている方
強迫性障害の心の中では葛藤が常にある
子供のころの衛生面が影響する
潔癖症というのは、ある日突然やってくるということではありません。
影響の多くは子供の頃の育った環境のことが多いといわれています。
親が潔癖症だと子供も潔癖症になりやすいそうです。
特に長男、長女は最初の子供なので大事に育てられ、衛生面も神経質になりがちなんです。
一人っ子も比較的なりやすいと言えます。
しょっちゅう過保護的に手を洗いなさいとか、着替えなさいとか言われることが多く、砂遊びやどろんこ遊びができなかった子も多いかもしれません。
特に子供は母親の影響を受けやすいと言えます。
子供のころは自分で判断できないので母親が汚いと言えば子供は無条件で汚いと思ってしまうのです。
認知の歪みが邪魔をする
認知の歪みといって○○しなければならないというのが口癖の人は厳しく育てられた経験があるかもしれません。
- 女の子だからおしとやかにしなさい
- 汚いから砂場で遊ばないようにしなさい
- 汚いから遊具を触らないで
- 自宅へ帰ったらちゃんと手を洗いなさい
- 自宅へ帰ったらすべて洗濯機に入れなさい
- 動物をさわらないで
こんな感じです。(当たり前のことも多いですが、度を越すと日常生活が過ごしにくくなってしまいます)
そして例えば手を洗わなかったら、ものすごい病気になるようなイメージを親から植え付けられたとしたら子供は想像力がものすごく強いことが多いのでそうなってしまうと思い込んでしまう傾向にあります。
それが大人になってもなかなか抜けないのです。
そして自分が正しくて世の中が間違っているように感じてしまいます。そんな価値観が生まれてしみこんでしまうのです。世の中、なんて不潔なんだ~と思ってしまうのです。
潔癖症や強迫性障害になってしまいやすい方
本人の性格として多いのが過剰な責任感がある方です。
危険をさけるために、何かをしなければならないと思ってしまう方。
子育て中のママに多いですね。真面目な女性に多いです。
思考と行動の混同
考えと行動を同じと解釈してしまう。
「私がこう考えたら、こういうことが起きる」という偏った考え。
過剰なコントロール意識
自分の考えが重要で全て自分がコントロールしなければならないという偏った意識の方が多いです。
しばしば周りも自分と同じルールに従わせようとします。それが度がすぎると周りの家族も日常生活に支障がでる場合があります。
しかし、この強迫観念は仕事などではとても優秀で会社からはとても評価の高い場合も多いです。
メリット、デメリットというものがありますので、その辺も頭に入れて置くことが大切です。悪いことばかりではありません。潔癖症では家の中は常に綺麗でしょうから、それは、とてもいいことなんです。ただ度を超すとちょっと、ご家族もお辛いかもしれません。いろんな強迫観念と強迫行為があります。
CY-BOCSにおける強迫観念および強迫行為
強迫観念 | 強迫行為 |
汚染に関する強迫観念 | 洗浄と掃除に関する強迫行為 |
攻撃的な強迫観念 | 確認に関する強迫行為 |
性的な強迫観念 | 繰り返される儀式行為 |
収集、溜め込む強迫観念 | ものを数えるという強迫行為 |
魔術的考えや迷信的強迫観念 | 整理整頓に関する強迫行為 |
身体に関する強迫観念 | ものを集め、溜め込む強迫行為 |
宗教的な強迫観念 | 過剰な魔術的ゲーム、迷信的行動 |
その他の強迫観念 | 他人を巻き込む儀式的行為 |
その他の強迫行為 |
参考:「子どもの強迫性障害診断・治療ガイドライン」
この強迫性障害は現在、100人に4人くらい、いるといわれているのです。まだ研究では、どうしてなってしまうのか?ハッキリとわかっていませんが脳の中のセロトニンが関係しているのではないかといわれています。
この病気になったのは、あなたや家族のせいではありません。だから家族は「そんなに手を洗うのは無意味だからやめなさい」とは言ってはいけません。本人は十分理解しているけど、やめることができないのです。
参考:「ケッペキさんは、今日もゆく!」
テレビのCM効果が影響する
商品を売るために過度な恐怖心をあおるようなCMがあります。
手はバイ菌だらけ外はウイルスでいっぱい、生ものを切った、まな板は不潔、除菌しないと病気になる、水回りは不潔、人間は不潔!
こんなことをテレビでするもんだから、だいたいの人は刷り込まれて、信じてしまって、人間不信にまで、なってしまう人も出てきてしまうんです。
それで人間関係が壊れてしまうこともあるんですよ。
潔癖症はある日突然やってくる
潔癖症の素質を持っている人が、ある日、突然、発症してしまうというケースもあるんです。トリガーはその人によってさまざまです。他人が信じられなくなってしまうんですね。潔癖の人は自分がやっていることが正しいと信じ切っていますのでタチが悪いのです。
他人にも、その儀式のような行動を押し付けようとしてしまうからです。
ましてや家族は絶対に、その通りにやらないとイライラされてしまうのです。
ガラスのハート!潔癖症の人は心が弱い
潔癖症の人は神経が過敏です。神経質です。いつも緊張している状態です。他の人が気にならない細かいところまで気にし過ぎてしまっています。ですが違う面では全然気にしていない部分も見受けられます。
例えばトイレはものすごく気になり、むちゃくちゃく綺麗にしているけれども玄関は全く気にならないということもあり得るのです。もちろん、そのように神経質になるということは普通の人よりも体が何倍も疲れてしまいます。
だから普通の人よりも心も何倍も疲れてしまい弱くなってしまうのです。環境などに対する変化にも、とても柔軟性がなく、お辛いことが多いです。自分のルールを崩したくないので崩れそうな時はストレスになってしまいます。
環境などの変化はストレスですからね。本当はやりたくないけど仕方なくやっているというのが多い人ほど疲弊してしまい、なおかつ嫌なことを無理矢理しているので、ストレスが凄く溜まってしまうのです。
性格的にも完璧主義の方が多いので人に任せることができず自分だけが疲れ切ってしまうのです。他人のやったことが気にくわないというか任せられないのです。
良くなっていった方の事例
海外から日本を見たときに、何て日本って綺麗な国だったんだろうと感心して、潔癖症、強迫的な行為がよくなっていった方がいらっしゃいます。(インドに行かれたそうです)
そして、向こうの国の人はそれでも生活をしていて別に全員が病気になって早死にするということではないと気づかれたのです。
ということで外から一度、自分を、自分の生活を見直してみることで意識が変わる可能性はあります。
その方は、お仕事で相談業務を担当しておられました。心の優しい方で毎日、お辛い方の相談を親身に受けておられました。ですが人一倍責任感が強くて優しい方なので相談に来られる方、一人一人の悩みを自分のことのように受け止められ、一緒に涙を流してしまうように、とても共感してしまったのです。
それが積み重なってきますと自分で処理しきれなくなって1年がすぎるころ、自分がうつ病のような状態になってしまい心療内科では自律神経失調症と診断されてしまいました。
いつも頭痛とめまいがあり腰痛、肩こり、首の痛みに悩まされ不眠症になってしまわれました。そこで思い切って休職させていただくことにしたのです。そのころになると強迫観念や確認恐怖がものすごく出ておられてました。書類の数字を何度も確認してそれが夜も気になってしまっておられました。休職中にインドの方へ旅行に行かれました。それから帰国されて、ものすごく表情も明るくなられて、別人のようになられました。一度、違う環境に身をおくというのも自分を見つめ直すキッカケになるのかもしれませんね。
すべての方が同じようになるということではありません。ですが参考にしていただけたらと思います。
良くなった経過
整体で体力を回復させ脳の管理能力を正常にすることで神経伝達やホルモン、血流すべてが正常に近づいていきメンタル面でも自分で安定していかれたのが、よかったのだと思います。
こうしたことも潔癖症、強迫性障害を克服するためのヒントの一つになるかもしれませんね。
回復の段階
回復には、目安として3段階あります。
段階 | 具体的な症状 |
軽快 | 少し良くなったが、ぶり返す可能性が高い。油断しないこと。 |
寛解 | 回復まで、もう少し。強迫観念が浮かんでも、やり過ごすことができる。日常生活もかなりラクになる。 |
薬ありの回復 | 薬の効果で回復している状態。薬は継続する必要がある。 |
薬なしの回復 | ほぼ解放された状態。社会復帰もできる。健康な生活を送れる。 |
まとめ
- 4つのストレスを減らす
- ストレス耐性を付ける
- 体力を満タンにする
- 体力をつけて社会復帰ができる