

自律神経が乱れて、慢性疲労です。
どうやったら解決できるのか、自律神経について、もっと知りたいです。
このようなお悩みを解決します。
ポリヴェーガル理論というものについてのお話です。
簡単にいいますと自律神経の中の複数の迷走神経のお話です。
自律神経を考える上では迷走神経は、とても大切なことです。
その迷走神経について少し考えていきたいと思います。
興味のある方は、どうぞご覧になってください。
自律神経について詳しく知りたい方
ポリヴェーガル理論とは
「ポリ」とは、「複数の」という意味です。
「ヴェーガル」というのは、「迷走神経」のことです。
簡単にいいますと「人間は安心して、安全な環境にいることが大切ですよ」ということなんです。
そうでないと防御反応で心身ともに影響を受けることがあります。
自律神経の働き
自律神経は自分の意志で動かすことができない神経です。
「心臓を5分止めてください!」
できませんよね。このように自分の意志で動かすことが出来ないんです。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は「動く」神経です。副交感神経は「休む」神経です。
ストレスがあったら、交感神経が働きますが、これは全て正解ということではないのです。
ストレスがあったら働く神経
ストレスがあるとします。軽いストレスの場合は、まず副交感神経が働くのです。

イメージしてみてください。4月、進学しました。
はじめての教室です。ちょっと緊張していますよね。
前の席の子や後ろ、横の子と、とりあえず挨拶したり、話たりしますよね。

その時、コミュニケーションを取りたいな~と思ったらどうしますか?
ちょっと微笑んで、挨拶しますよね。(少しだけ緊張しながら)
この時は、副交感神経が働くのです。
これは迷走神経がやってくれています。

その次に、もっと強いストレスがきた場合は、「戦うか逃げるか」の交感神経が働きます。

それよりもっと、緊急に命にかかわるようなストレスが起こった場合は、「動くことができない=フリーズ」状態になってしまうのです。これは、迷走神経がやってくれています。
このように、迷走神経は複数の種類があるといわれています。
ストレスと迷走神経

左の健康な人を基準に考えていきます。
例えば繊細さんなら①のストレスレベルで交感神経レベルになってしまいます。そして②のストレスレベルではフリーズになってしまいます。健康な人なら笑って過ごせるレベルの①でも交感神経が優位になり緊張してしまうということです。
またすぐ怒るようなタイプの人は、②のレベルでも交感神経レベルなので、すぐ怒るけどフリーズには、なかなかならないというような人になります。
どちらが良い悪いとかではありません。ストレスに対しての耐性なども影響することがあります。
ちょっと軽いストレス
①有髄(ミエリン鞘)の迷走神経
比較的新しい迷走神経。横隔膜から上をコントロールしています。
哺乳類の特徴的なものです。脳幹の「疑核」に入ります。

もうすこし強いストレス
②交感神経
戦うか、逃げるかのストレス
交感神経の働き | 副交感神経の働き | |
早くなる | 脈 | 遅くなる |
細くなる | 血管 | 広がる |
上がる | 血圧 | 低くなる |
少なくなる (喉がかわく) | 唾液 | 多くなる |
動きが悪くなる | 胃腸 | 動きがよくなる |
大きくなる (黒目が大きくなる) | 瞳孔 | 小さくなる |
アドレナリン・ノルアドレナリン | ホルモン | アセチルコリン |
多くなる | 呼吸 | 少なくなる |
顆粒球が多くなる (ニキビ、吹き出物ができる) | 免疫 | リンパ球が多くなる (減ると風邪、インフルエンザ) |
命にかかわるようなもっと強大なストレス
③無髄の迷走神経(一番古い原始的なもの)
例えば、私は阪神淡路大震災を経験しております。
今でも、強烈な印象です。この時、自分の体は、全く動かすことができませんでした。
いわゆる「フリーズ」の状態です。
幸い怪我はありませんでしたが、とても怖い経験をしました。
逆に力が抜けることもあります。
ビックリしすぎたら腰を抜かすって経験ありませんか?
これは「シャットダウン」といいます。
これは背側迷走神経集合体といわれています。孤束核へ戻ります。

参考文献:「ネッター」より
ストレスの第一段階は副交感神経
人間関係で友好的にコミュニケーションをするときは、笑います。
これは副交感神経です。
詳しくいいますと迷走神経です。
有髄の迷走神経で、安心・安全の場合は腹側迷走神経集合体となります。
耳・喉・咀嚼などに関係しております。疑核に戻ります。

参考文献:「ネッター」より
安心・安全がカギ
どんな環境でも安心・安全でいられることでストレスに対する身体の反応が安定してきます。
そうでないと防御反応で筋肉が緊張したりしてしまうのです。
ただ、人間はわざと戦ったりして、戦いを求めることも事実です。
「今ここ」を意識する
マインドフルネスという瞑想みたいなものがあります。
今ここを感じる訓練です。
呼吸を意識して、腸をやさしく触れたりするのも良いといわれています。
心と体と自律神経がつながって落ち着いていくのです。
「笑う」ということは若さと美貌の秘訣といわれています。
食べる前に笑うと消化吸収も助けてくれます。
笑顔で生活をできたらいいですね。
面白くなくても笑顔でいますと、表情筋から脳は反応して、楽しい気持ちにさせてくれますので、どうぞ笑ってお過ごしくださいね。

参考文献:「ポリヴェーガル理論」を読む
参考文献:うつは「体」から治せる!
まとめ
- 迷走神経の働きから自律神経を考える
- 迷走神経には複数ある
- ストレスに対して反応する脳の部分から考える