子育ては本当に難しいと感じることがあります。
自分が毒親に育てられたので子育ての正解なんてわかりません。
できたら自分の子供には「へこたれない大人になって欲しい」と願っています。
私は、どうしたらいいのでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
私も大学生の息子が2人います。親の思うようには、なかなかうまくいかないものだとつくづく感じます。
「自分のように育って欲しい」、または「自分のようには、ならないで欲しい」など、子育てをしていると悩み事も多いですよね。
乳幼児や幼児期の子供にとっては親が絶対的な存在です。子供にとって親に見捨てられると生きていけないから「言う事」を聴いて育ちます。
ですので、例え親が間違った意識や認識を持っていても親の言う通りに覚え込んで、それが正しいと思い込むのです。ただし人には価値感があり、それぞれ違うこともあります。あなたの間違った認識が、今の日常生活を生き辛くさせている場合もあるのです。
これを認知の歪み(ベイシック・ミステイク)、または「超自我」といいます。
その子供にとっては、親のエゴなども性格形成では非常に影響してしまいます。
親も人間です。完璧なんてあり得ません。子供と一緒に成長するものだと私は感じております。
私もそうでしたが、「男のくせに、泣くな!」などと言われて育てられました。
そして私の時代ですと学校の先生に怒られるのは「あなたが悪い事をしたからだ」などという昭和的な慣習がありました。子供の意見など信じられず先生が絶対だという親も多かったのです。
先日「不適切にもほどがある」というドラマがありました。昭和と令和をタイムマシンで行き来するドラマです。とても懐かしく思いました。昭和の慣習が今だったらNGということがとっても多いです。思わず笑ってしまいました。これが正に認知の歪みです。
どうぞ子育てにお悩みの方、毒親のもとで育った方、一人で悩まずに、参考にしてください。
凝り固まった子育てに少し余裕ができる
褒められて育った子供はへこたれない
「褒められて育った子供は、へこたれない大人になる」というデータがあるそうです。「褒められて、同時に厳しく叱られた」経験が多いとより、へこたれない大人になる傾向が強いそうです。
逆に「褒められず、厳しくも叱られない」と、へこたれない力が最も弱かったそうです。
子供にきちんと向き合い、褒めるべきところは大いに褒めて、悪いところは、ヒステリックに怒るのではなくしっかり叱る姿勢が重要だと考えます。
子供への無関心や放任は一番、好ましくないと分析されております。
育った環境の影響
いろいろな育った環境によって、ストレスを受けやすく「不安」「恐怖」「神経質になりすぎる」「ヒステリックになる」「子供に虐待してしまう」などが起こってしまう場合があります。
ここで岡田尊司先生の「愛着障害」という書籍を読んで考えたことがございます。
子供の成長過程では、やはり親の存在は絶対的なものです。とくに母親です。
安全基地があって、いつでも子供は安全な場所に帰ることができるという安心感がある環境が必要なのです。そして外敵やいろんな刺激、違った環境に飛び出して「経験」というものをドンドンしていくことで自立へ繋がっていきます。
この安全基地がないと子供の育つ過程でいろんな不具合が出てきてしまいます。
参考文献:「愛着障害」より
「3月のライオン」という漫画
「3月のライオン」という将棋の漫画があります。映画化されました。幼い時に両親をなくして父親の友人に育てられた少年が主人公です。
そこで形成された愛着というものを、すごくうまく表現しておりました。
主人公の少年は寂しさの中の強さ、自分には甘える場所がなく幼くしてプロの将棋士になります。そして周囲の大切な人たちに支えられて強く生きていきます。
親がいても、あまりに親が神経質すぎて子供にうるさく言いすぎるのも、もちろん、良くありません。あまりにも強い躾も虐待と同じようになってしまいます。
「親」という漢字は「木の上に立って見る」と書きます。つまり「見守る」だけでいいんです。
私にも大学生の息子が2人いますので、できるだけ、見守りたいと思っています。助けがいる時に、全力で助ける!これが親として大事なんだと考えています。
レールの上をただ歩くだけではなく、自分で考えて歩いていける力をつけていって欲しいなと思っています。
我が家の子育て教訓
有名な子育て論です。私が大事だと考えているものです。参考に御覧ください。
- 乳児はしっかり肌を離すな
- 幼児は肌を放せ手を離すな
- 少年は手を放せ目を離すな
- 青年は目を放せ心を離すな
小さなケガをして大きなケガを防ぐ
危ないからといって、少し高いブロックの上から、子供が飛び降りるのを止めさせる!
これにより、現代では運動系では「登る」、「引き寄せる」、「飛ぶ」などの「力」と「バランス」能力が低い子供が多くなっているそうです。体の柔軟性にも関係してきます。
小さい失敗をたくさん経験させることにより、大きな失敗を避けることができるのです。最近の子供は、転倒した時に、手が前に出ないそうです。
ですので、過保護すぎて、何でもかんでも「危ないから、やらせない」というのは、結局、本来持っている子供の能力までも低くさせてしてしまう可能性があるのです。
汚いからといって公園の砂場で遊ばせない
あまりに神経質になりすぎると子供は潔癖症などになってしまいます。菌やウイルスに抵抗力が低くなり弱くなってしまいます。すると極端に免疫力が低下して、よく風邪を引いたり、アレルギー反応が強くでてしまうこともあるそうです。
喘息の子供が増えたのは、衛生的に綺麗になりすぎて、菌などに対する抵抗力が少なくなったのも原因のひとつだと言われています。
愛着(アタッチメント)とは
愛着とは、主に赤ちゃんとお母さんなどの間で築かれる、心理的な結びつきのことです。
特定の人と結ぶ情緒的な心の絆です。強い信頼関係とも言えます。
それにより「感情の基盤」を学習し出来上がっていくのです。
赤ちゃんは、おっぱいが欲しいとき、オムツが濡れたとき、びっくりしたり、驚いた時、などに泣くことで自分の気持ちや欲求を表現します。
その時、普通は、お母さんやお父さん、世話をしてくれる人が、すぐに駆け寄って、対処してくれます。声をかけたり、抱っこしたりしてコミュニケーションをとってくれます。これが大事なのです。
赤ちゃんって特に3か月くらいまでは、大体、誰にでも、すっごく笑ってくれるものなのです。
赤ちゃんは本能的に「この人は世話をしてくれる優しい人」と認識できるそうです。3か月を過ぎてくると、普通の人と自分を助けてくれ世話をしてくれる人の区別がついてきます。
これが「愛着形成」というものなのです。これは成長過程で絶対に欠かせないものなのです。
昔は「1~2歳くらい」で形成され、形成期を過ぎてしまうと二度と形成されないと言われていたことがありました。
しかし、今は年齢に関係なく、大人であっても愛着は形成されると考えられています。
愛着障害になるのは親からの虐待、育児放棄、愛されなかった、強い躾などということなどが原因で起こることが多いです。ただし、親からの愛情を受けて育っても、愛着障害になることもあります。
例えば、下に兄弟ができて、自分に振り向いてもらおうとして、わざと悪いことをして親の目を引こうとすることなどがあります。簡単にいうと「かまってちゃん」です。こんなことが続くと「自分は愛されていないんだ」と間違った認識を持つようになってしまうのです。
だから兄弟が出来た場合などは上のお子さんにも、ちゃんと注意を向けてあげて欲しいのです。
愛着が形成されていくには、この3つのステップが大切です。まずは「安全基地」が最初にできることが重要です。安全基地が出来て初めて、外へ探索することができるのです。自立の第一歩です。
愛着基地の形成
探求基地の形成
基地の拡大
このような順序で形成されていきます。そうなると「心が強く」なり感情のコントロールもできてくるのです。
愛着障害の症状
なぜ愛着が必要なのか
もしも、やったことがない世界や初めて行く場所などがあると、それをやってみようとします。知的好奇心や探求心が芽生えます。それには安全地帯がないと、なかなか前に進まないのです。
その時って不安、心理的、身体的苦痛を感じることがあります。そんな時に、お母さんのところに戻って、安心感を得るのです。
子供はこのように「探索」と「避難」を繰り返して好奇心、積極性、ストレスに対する忍耐力を身に着けていくのです。
あなたの愛着スタイルを知る
ちなみに私は「安定型」がメインで少しだけ「回避型」でした。どれが良くて悪いとかではありません。自分の特徴を知ることで対人関係のストレスを減らすことが可能なので参考にしてください。
愛着障害の具体例
反応性愛着障害
・養育者へ安心や慰めを求めるために抱きついたり、泣きついたりすることがほとんどない
・笑顔が見られず、無表情なことが多い
・他の子どもに興味を示さない、交流しようとしない
自閉症などがあるとこうなりやすいです。
守ってくれる人を求めなくなってしまいます。
脱抑制型愛着障害
・ほとんど知らない人に対してもなんのためらいもなく近づく
・知らない大人に抱きつき慰めを求める
・落ち着きがなく乱暴である
こんな様子の時もあります。
・養育者との別離・再会のときに、養育者に対して視線をそらしながら近づく
・抱っこされている間、全然関係ない方向を見つめている
・見知らぬ場面において特定の養育者を頼りに(安全基地に)する素振りが見られない
学校などに安全基地がないと養育者から離れられないことがあります。
道徳的な判断が難しい
感情の判断や善悪の区別が難しくなります。
原因としては
・養育者との「別れ」などで愛着対象がいなくなってしまう
・養育者から虐待を受けるなど、不適切な養育環境で育てられた
・養育者が子どもに対して最低限の世話はするものの、無関心であったり放任したりしていた
・養育者のような立場の大人が複数いて、世話を焼いてくれる人が頻繁に変わってしまっていた
・兄弟差別など、他の子どもと明らかに差別されて育てられた
愛着を形成するには
・だっこなど、親子でのスキンシップをこまめにとるようにしてください
・授乳、オムツかえなど、子どもの欲求に敏感に反応してあげてください
・親子での細やかなコミュニケーション(まだ話せないような年齢の子どもに対しても、子どもと会話をしているように声掛けをしてあげてください。歌を歌ってあげたりしてください)
オキシトシンとも関係すると思われますが「ハグ」「抱っこ」など肌と肌とのふれあいが大切です。
また感情の基盤が弱いので、どんな顔をしたらいいのか、どんな感情を出したらいいのかがわからないことがあります。
このような時は、支援者や養育者が一緒に遊んだりしながら「これは嬉しいことだね!」「これは悲しいことだね!」と体験したことや経験したこと、感情を感じたことを言語化することが大切です。これをラベリング支援といいます。
これができてくると、少しづつですが感情の基盤ができてきます。
愛着障害で起こる可能性のある大人の疾患
・うつ病
・心身症
・不安障害
・境界性パーソナリティ障害
他にも起こりうるものもございます。(体のあちこちが痛くなるような病気。神経変性を起こし超過敏になっている状態。)
しかし発達系とは区別した方がいいです。
(自閉症や多動(ADHD)などとは区別する。)
つまり、現状の症状がある場合は、愛着や育った環境なども関係しており、そちらに対してもアプローチすることで解決のヒントとなることがあるのです。
まとめ
- 愛着形成がされていない自分に自信が持ちづらい
- 愛着は自己肯定感と関係する
- 愛着形成ができていないと自立しにくいことがある
- 愛着形成ができていないと体の緊張などが強くなることがある
- 人には承認欲求があり愛着がとても重要
- 発達障害があると愛着障害になることも少なくない