
線維筋痛症は、全身の痛みや強い疲労感、睡眠の問題などが続くことがある病気です。
病院で検査を受けても大きな異常が見つからず、
「気のせいでは?」
「年齢のせいでしょうか?」
「この痛みと一生付き合わないといけないの?」
と不安を抱えている方も少なくありません。
近年では、線維筋痛症は筋肉や関節だけの問題ではなく、脳や神経の痛みの感じ方の変化が関係している可能性が指摘されています。
そのため、身体だけでなく、
- 睡眠
- ストレス
- 自律神経
- 栄養状態
なども含めて考えていくことが当院では大切だと考えております。
この記事では、線維筋痛症の特徴や自律神経との関係、そして当院が大切にしている「身体が安心しやすい状態づくり」について、できるだけわかりやすくお伝えします。
- 東大阪で線維筋痛症や慢性的な全身の痛みに悩んでいる方
- 「原因不明の全身の痛み」に困っている方
- 病院で「異常なし」と言われたけれどつらい方
- 痛み止めを飲んでいるが、生活のしんどさがあまり変わらない方
線維筋痛症とは?
線維筋痛症(Fibromyalgia=FM)は、全身の広い範囲に痛みが続き、強い疲労感や睡眠の問題などを伴うことがある慢性の病気です。
血液検査や画像検査で、線維筋痛症そのものを示す明確な異常が見つからないこともあります。そのため、症状の広がりや続いている期間、日常生活への影響などを確認し、似た症状を起こすほかの病気の可能性も考えながら診断されます。
線維筋痛症では、筋肉や関節の状態だけでは痛みの強さを説明できないことがあります。脳や脊髄を含む神経系で、痛みの情報を処理する仕組みの変化が関係していると考えられています。
線維筋痛症でよくみられる症状
- 全身の痛み
- 朝のこわばり
- 強い疲労感
- 睡眠の質の低下
- 頭痛
- めまい
- 便秘、下痢、腹部の張りなどの胃腸症状
- 不安感
線維筋痛症は人によって症状の現れ方が異なります。
全身の痛みが中心の方もいれば、疲労感や睡眠の質の低下、不安感などが強く現れる方もいます。
また、天候やストレス、睡眠不足などによって症状が強くなることもあります。
なぜ痛みが強くなるの?
私たちの身体には、脳から脊髄へ信号を送り、痛みを抑える「ブレーキ」のような仕組みがあります。
この仕組みを下行性疼痛抑制系といいます。

線維筋痛症では、痛みの情報を強める仕組みと、痛みを抑える仕組みのバランスが変化している可能性があります。そのため、軽く触れただけでも強く痛く感じたり、痛みが長く残ったりすることがあります。
睡眠不足や不安、ストレスが重なると痛みが強くなる方もいますが、これらだけが線維筋痛症の原因という意味ではありません。
だからこそ、痛む場所だけでなく、睡眠や身体の緊張、生活上の負担も含めて考えていくことが大切です。
線維筋痛症は女性に多いの?
線維筋痛症は女性に多くみられるとされていますが、その理由は十分に解明されていません。
ホルモンの変化や痛みの感じ方、睡眠、ストレスなど、複数の要因が研究されています。
線維筋痛症は性格によって起こる病気ではありません。男性にもみられるため、性別だけで判断することはできません。
線維筋痛症と自律神経の関係
線維筋痛症の方の中には、
- 疲れやすい
- 眠りが浅い
- めまい
- 動悸
- 胃腸の不調
- 不安感
などの症状をあわせて感じる方もおられます。
これらすべてを、自律神経だけで説明することはできません。
ただし、痛みが長く続くことで身体が緊張し、眠りが浅くなり、疲労が回復しにくくなるという悪循環が起こる場合があります。
また、眠れないことで疲労が強くなり、さらに痛みを感じやすくなる方もおられます。
そのため当院では、痛む場所だけでなく、
- 睡眠
- 呼吸
- 身体の緊張
- ストレスや生活上の負担
- 食事や栄養状態
なども含めて確認しています。
病院ではどのような診断・治療をするの?
線維筋痛症を確定する、単独の血液検査や画像検査はありません。
痛みの広がりや続いている期間、疲労感、睡眠の状態、日常生活への影響などを確認し、似た症状を起こすほかの病気の可能性も考えながら診断されます。
治療では、線維筋痛症について正しく理解すること、体調に合わせた運動、睡眠や生活リズムの見直しなどを土台にしながら、必要に応じて薬物療法や心理的な支援などが組み合わされます。
当院では診断や薬の調整はできません。病院での治療を土台にしながら、身体の緊張、睡眠、日常生活のしんどさなどを補助的にサポートします。
痛みと付き合いやすい状態をつくる3つの視点
線維筋痛症では、痛む場所だけに働きかけても、つらさの全体が変わらないことがあります。
痛みが長く続くことで、
- 身体を動かすのが怖くなる
- また痛くなるのではと不安になる
- 全身に力が入り、呼吸が浅くなる
- 眠りが浅くなり、疲れが取れにくくなる
- 調子の良い日に頑張りすぎて、翌日に動けなくなる
といった悪循環が起こる方もおられます。
そのため当院では、「痛みをゼロにすること」だけを目標にするのではなく、身体が過度に警戒しにくくなり、日常生活でできることを少しずつ増やしていくことを大切にしています。
痛みの感じ方や生活背景は一人ひとり異なるため、次の3つの視点から現在の状態を確認します。
① 痛みを強めにくい優しい整体
線維筋痛症の方の中には、軽く押された刺激でも強く痛く感じたり、施術を受けたあとに疲労が残ったりする方がおられます。
そのため当院では、痛む場所を強く押したり、無理に関節を動かしたりする施術は行いません。
身体が楽に感じる姿勢を探し、その姿勢で約90秒間待つ「ストレイン・カウンターストレイン」など、刺激の少ない方法を使います。
「我慢できる強さ」ではなく、
「これなら怖くない」「力を抜いて受けられる」
と感じられる範囲で進めることを大切にしています。
首や肩、背中だけでなく、呼吸のしやすさや顎、胸まわり、骨盤、足など、全身の緊張を確認します。
その日の体調に合わせて刺激量を変え、施術後に強い痛みや疲労が残りにくいように調整します。
② 不安や生活上の負担を整理する
痛みが長く続くと、身体だけでなく気持ちも疲れてきます。
「また痛くなったらどうしよう」
「このまま動けなくなるのでは」
「家族に迷惑をかけたくない」
「もっと頑張らないといけない」
このような不安や我慢が重なることで、身体に力が入り、眠りにくくなったり、動くことを避けたりする方もおられます。
当院では、性格や気持ちが線維筋痛症の原因だと決めつけることはありません。
ただし、痛みとどのように付き合っているか、生活の中で何に困っているかを整理することは、日常生活を立て直すうえで大切です。
お話を伺いながら、
- 調子の良い日に頑張りすぎていないか
- 痛みを避けるために動けなくなっていないか
- 家族や仕事のことで無理を続けていないか
- 眠れないことへの焦りが強くなっていないか
- 一人で我慢しすぎていないか
などを一緒に確認します。
不安や痛みを無理に消そうとするのではなく、「今の状態でも、できることは何か」を少しずつ探していきます。
③ 食事・睡眠・活動量を見直す
線維筋痛症は、特定の栄養素やサプリメントだけでよくなる病気ではありません。
しかし、食事量が少ない、欠食が多い、睡眠時間が不規則、ほとんど身体を動かしていないなどの状態が重なると、疲労感が強くなり、回復しにくくなる場合があります。
当院では、食事内容や生活リズムを確認し、血液検査の結果をお持ちの場合は、その内容も参考にしながら無理のない方法を一緒に考えます。
食事では、特定の食品だけを増やすのではなく、
- 肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質
- 野菜や海藻類
- ご飯などの炭水化物
- 魚やナッツなどに含まれる脂質
を、体調に合わせて食べられているかを確認します。
また、痛みがあるからといって一日中動かない状態が続くと、体力が落ち、少しの活動でも疲れやすくなる場合があります。
反対に、調子の良い日に急に長時間動くと、翌日に痛みや疲労が強くなることもあります。
最初は、
- 数分だけ歩く
- 椅子に座って足首を動かす
- 肩や背中を小さく回す
- 寝たまま膝を左右に倒す
など、運動後や翌日に症状が大きく強まらない範囲から始めます。
「できる日だけ一気に頑張る」のではなく、少ない量でも無理なく続けることを目指します。
痛みだけでなく、生活全体を一緒に確認します
線維筋痛症では、痛み、睡眠不足、疲労、不安、活動量の低下などが互いに影響し合っていることがあります。
そのため当院では、身体だけ、心理だけ、栄養だけに原因を決めつけません。
- 痛みを強めにくい施術
- 不安や生活上の負担の整理
- 食事・睡眠・活動量の見直し
を、その方の状態に合わせて組み合わせます。
最初からすべてを変える必要はありません。
まずは、今の生活の中で負担になっていることと、無理なく変えられそうなことを一緒に探していきます。
自律神経の緊張や身体のこわばりについて詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
線維筋痛症でお悩みだった40代女性のケース
40代女性。
全身の痛みが続き、病院で線維筋痛症と診断されていました。
痛みによって外出も減り、日常生活にも支障が出ている状態でした。
お母様から「娘が線維筋痛症で困っています」とのご相談をいただき、ご来院されました。
主訴
- 首肩の痛み
- 背中の痛み
- 頭痛
- 指や肘の関節の痛み
- 膝や足の痛み
- 胸がしめつけられるような感じ(息苦しい)
- あちこち痛みが移動する感じ
- 全身スッキリすることがなく眠れない
生活背景として伺ったこと
お話を伺うと、子どもの頃から周囲に気を配り、自分の感情やつらさを表に出すことが少なかったそうです。
また、不妊治療やご家族、愛犬のことなど、心身に負担のかかる時期も経験されていました。
もちろん、こうした性格や人生の出来事が、線維筋痛症の原因だと断定することはできません。
ただ、痛みが続く中で抱えている不安や生活上の負担を整理することは、日常生活を立て直していくうえで大切だと考えました。
ご主人との関係は良好で、身近に支えてくれる存在がおられたことも伺いました。
施術と経過
当院では、
- 痛みを強めにくい優しい整体
- 身体の緊張や呼吸を確認する全身調整
- お話を伺いながらの心理サポート
- 食事や生活面のアドバイス
を組み合わせながら進めました。
最初は痛みの波が大きく、調子の良い日と悪い日の差もありました。
ご本人からは、少しずつ身体の緊張が減り、睡眠や日常生活にも変化を感じるとのお話がありました。
約6か月ほど経過した頃には、「夫婦2人で生きていく決心がついたんです」と穏やかな表情で話してくださいました。
同じ時期に不妊治療にも一区切りがつき、ご自身のこれからの人生について、少しずつ気持ちを整理できるようになったと話してくださいました。
痛みの変化との因果関係は断定できませんが、ご本人にとって大切な節目だったのだと思います。
ご本人の感想
「先生、痛みが半分以下に減り、生活がしやすくなりました。
外出もでき、主人と外食も楽しめるようになりました。
ありがとうございました。
親身に相談にのっていただき、心強かったです。
今後も定期的にメンテナンスに通いますので宜しくお願いします。」
院長からひとこと
線維筋痛症では、痛む場所だけをみても、つらさの全体像を説明できないことがあります。
この方の場合も、身体の緊張、睡眠、生活上の負担、これからの人生への不安などを一緒に整理しながら進めました。
すべての方に同じ経過がみられるわけではありませんが、痛みだけに振り回されず、外出や食事など「できること」が少しずつ増えることは大切です。
「主人と外食に行けるようになりました」と笑顔で話してくださったことが、今でも印象に残っています。
よくある質問
- Q線維筋痛症は整体で治りますか?
- A
整体で線維筋痛症そのものを治療することはできません。
当院では病院での治療を土台にしながら、痛みを強めにくい施術、身体の緊張、睡眠、生活上の負担などを補助的にサポートします。
- Q病院に通院しながら整体を受けても大丈夫ですか?
- A
はい。病院での診断や治療を続けながら、整体を併用される方もおられます。
当院では医師の診断や薬の内容を変更することはできません。現在受けている治療や服用している薬がある場合は、分かる範囲でお伝えください。
- Q線維筋痛症は女性に多いのですか?
- A
線維筋痛症は女性に多いと報告されています。
ただし男性にもみられるため、性別に関係なくご相談いただけます。
- Q線維筋痛症がよくなる体操はありますか?自分でできることはありますか?
- A
線維筋痛症に「これだけで必ずよくなる」という体操はありません。
ただし、体調に合わせた散歩などの有酸素運動、軽い筋力運動、ストレッチなどは、症状を管理するうえで役立つことがあります。
最初は、
- 数分程度のゆっくりした散歩
- 椅子に座って足首を動かす
- 肩や背中を小さく回す
- 寝たまま膝を左右へゆっくり倒す
など、翌日まで強い痛みや疲労が残らない量から始めます。
調子の良い日に急に運動量を増やすよりも、少ない量を無理なく続けることが大切です。
当院では、このような運動を「脳と身体が警戒しにくい運動」と説明しています。痛みが強い日は無理に行わず、その日の状態に合わせて調整してください。
- Qオメガ3は線維筋痛症に良いですか?魚の油を食べた方がいいですか?
- A
オメガ3脂肪酸は、サバやイワシなどの青魚に多く含まれる脂質です。
ただし、オメガ3を摂ることで線維筋痛症がよくなるという効果は、現時点では十分に確立していません。
治療を目的に高用量のサプリメントを自己判断で使用するよりも、まずは魚、肉、卵、大豆製品、野菜などを含め、普段の食事全体を整える方が現実的です。
血液を固まりにくくする薬を使用している方や、手術を予定している方は、オメガ3のサプリメントを始める前に医師や薬剤師へ確認してください。
まとめ
線維筋痛症は、全身の広い範囲に痛みが続き、疲労感や睡眠の問題などを伴うことがある病気です。
血液検査や画像検査で明確な異常が見つからないこともありますが、痛みが気のせいという意味ではありません。
筋肉や関節だけでなく、脳や神経による痛みの処理、睡眠、身体の緊張、生活上の負担などが複雑に関係していると考えられています。
そのため、
- 痛みを強めない範囲で身体を動かす
- 睡眠や生活リズムを整える
- 身体の緊張をやわらげる
- 不安や生活上の負担を整理する
- 食事全体を見直す
など、複数の方向から取り組むことが大切です。
当院では病院での治療を土台にしながら、痛みを強めにくい施術と、身体・心理・食事・生活面からの補助的なサポートを行っています。

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参考文献
- 『線維筋痛症がわかる本』:戸田克広
- 『ソマティック・エクスペリエンシング入門』:ピーター・A・ラヴィーン/アン・フレデリック
- 『不安のメカニズム』:クレア・ウィークス
- 『痛みからの解放』:ピーター・A・ラヴィーン/マギー・フィリップス
- 『身体に閉じ込められたトラウマ』:ピーター・A・ラヴィーン
- 『痛みの考え方』:丸山一男




