医者からアルコール依存症と言われて通院しています。
断酒会にも入って助けてもらっています。
当院にもアルコール依存症の方が数名いらっしゃいます。本当に難しい病気だと実感いたします。私はまだまだ力不足ですが精一杯!私ができることをサポートさせていただきます。
すぐに改善するということではありません。医療機関や断酒会や家族会などにも参加されている方も多いです。
アルコール依存症については、しっかりと病院で治療をしてもらってください。その補助的なものとして当院でも少しでもお役に立てることがあればと思っております。
依存症については、当院では他にも、いろんな方がいらっしゃいます。自律神経を専門的に学んでおり、その中でもいろんな依存症を学んできました。心と身体と思考の面からも詳しく学んでおります。
ゲーム依存やスマホ依存についてはこちらを御覧ください。
アルコール依存症は、本人だけでなく家族にも大きな影響を与える病気です。この記事では、当事者やその家族が知っておくべき基本情報や対策について、わかりやすく解説していきます。
アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、アルコールの摂取をコントロールできなくなる病気です。飲酒が日常生活や健康、仕事、人間関係に悪影響を及ぼしても、飲むことをやめられなくなります。
主な症状
- 飲酒量のコントロールができない
- 飲酒をやめると禁断症状が出る(手の震え、不安、イライラなど)
- 飲酒が最優先になり、他の活動や人間関係を犠牲にする
- 飲むための言い訳を作る(ストレス解消や気分転換など)
依存症がもたらす健康への影響
- 肝臓の負担が大きくなり「脂肪肝」になることもある
- 肝臓の障害が起こることもあるのですぐに医療機関へ行くこと
- 記憶力低下(脳が萎縮して判断力なども鈍化する可能性がある)
- 脳が萎縮すると感情の部分も小さくなり「怒り」などが抑えられなくなる
- 骨がもろくなる
- 高血圧や心臓の病気になることもある
- 睡眠障害になることもある
- ガンのリスクは増えます
家族への影響とサポートの重要性
- 不安や怒りが多くなる
- 飲酒による経済的負担が大きくなる
- 家族内でも人間関係が壊れやすい
- 助けようとするあまり共依存になることもある
- 家族は正しい知識を持って医療機関の助けを借りながら一緒に解決するべき
- 家族が孤独にならないように注意
- 家族の健康も非常に大切
- 第三者に入ってもらうことで境界ができる(流されない)
- 家族は冷静に支えることで本人が回復できることもある
- 家族だけで解決しようとしないことが重要
当事者の方へ
アルコール依存症は意志の弱さではなく、脳や体の変化による病気です。一人で解決しようとせず、必ず専門家や支援団体の力を借りるようにしてください。
まずやって欲しいこと
アルコール依存症では、まず「内科」を受診してください。自分で認めたくないとは思いますが、医療機関を受診することで、今のあなたの悩み、苦しみ、ご家族の悩みが少しずつでも減って行かれることを願います。
専門機関に連絡する
アルコール依存症治療を専門とする病院や支援団体に相談し、必要なサポートを受けましょう。
東大阪市で専門でされている医療機関などはこちらです。参考にしてみてください。
厚生労働省のアルコール依存症のページ
自分の飲酒パターンを記録する
飲んだ量や時間、理由(なんでお酒を飲みたくなるのか)を書き出すことで、自分の飲酒習慣を客観的に見ることができます。
毎日、だらだら飲んでいると習慣化してしまいます。これをお読みの方は、すでになっているかもしれません。
変えるのは自分です。強い意志を持って専門機関と一緒に頑張っていきましょう。
信頼できる人に相談する
言いにくいとは思いますが家族、友人、または医療機関に正直に話しましょう。
自助グループの役割と参加の意義
自助グループに参加することで同じ立場の人と情報交換できます。そしてそれが情緒的サポートになることもあります。
専門的なケースワーカーさんのサポートもしっかりと受けることが本人やご家族にとって重要なことです。
断酒に向けた具体的なステップ
- 今のお酒の量を記録する
- 断酒の目標を具体的に決める
- 家族や友人に相談し病院、自助グループに参加する
- 環境を整える(家にお酒を置かない、居酒屋に行かない)
- 代わりの趣味を取り入れる(運動がオススメ)
- 飲みたくなったら「5分だけ我慢してみる」「水を代わりに飲む」
- できていることの進捗日記をつける
- 再発しないようにするが失敗しても再挑戦するという意志を持つ
- 医療機関でお願いして抗酒剤なども考える
- 長期間かかるものと認識して焦らない
健康的な生活習慣を身に付ける
肝臓を回復させる食生活、日常生活を送るようにしてください。しっかり朝起きて、朝食を食べ、適度な運動をして、昼食を食べ、適度な運動や趣味をして、夕食を食べ、お風呂にゆったり入り、しっかり眠るようにしてください。
規則正しくして、ストレスをうまく発散することが重要です。
治療を受けることの重要性
日常生活に支障をきたしていて医療機関に受診され、障害者手帳をもらえるケースもあります。
常に誰かの援助がなければ日常生活がおくれない場合が1級、日常生活・仕事に支障が出ている場合が2級、仕事に制限がある場合は3級(もしくは障害手当金)となります。
また費用面での目安は次のとおりです。
精神科救急病棟に入院した場合の1ヵ月の自己負担分は、3割の約31万8000円前後(精神科急性期治療病棟の場合は約19万5000円前後)ですが、3割とはいえ高額になります。
費用がかさむ場合、家計の負担が軽くなるよう、高額療養費制度を利用するケースがほとんどです。
自分と向き合うために大切なこと
アルコール依存症から回復するためには、自分と正直に向き合い、変化を受け入れることが重要です。
- 自分の状態を認める(客観的に観る)
- 過去の失敗に囚われすぎず、精神的に弱いのではなく病気だと理解する
- サポートを受け入れる(自分一人で解決しにくいと理解する)
- 自分の飲酒の引き金を理解し、それから逃げる
- できたことをノートに書き、コツコツと積み重ねていく
- アルコール以外の趣味を見つける
- 自分を大事にする!特に健康維持
- 他人と比べず自分を認めて褒める
家族の方へ
家族もまた、アルコール依存症の影響を強く受けます。当事者を助けたい気持ちは理解できますが、対応を間違えると問題が悪化することもあります。
家族ができること
注意していただきたいのは辛い姿を目の当たりにしても流されない事が重要だということです。そして家族の方が背負いすぎて疲弊しないようにしていただきたいのです。専門的は医療機関などのサポートを必ず受けてください。
サポートを受ける
家族自身もカウンセリングや支援グループに参加することで、心の負担を軽くすることができます。
また専門家のアドバイスやサポートを受けるようにしてください。
冷静になる
感情的に接すると、相手が防御的になり話し合いが難しくなります。
伝え方のポイントとしては、穏やかな語り口調で、ゆっくりと相談者の反応をみながら 伝えていくことが必要です。
病気として理解する
アルコール依存症は単なる “飲みすぎ” ではなく、治療が必要な病気です。非難や叱責では解決しません。
また飲酒を中断すると、一時的に禁断症状がでることがあります。これが本当に辛い、ご家族も見ているのも辛いをいうことを良く聞きます。
飲酒中断後2~3日で出現する(振戦せん妄)可能性があります。
全身の震え、ひどい発汗、不眠、高血圧、興奮、幻覚、見当識障害などの症状が現れることがあります。
家族が知っておくべき接し方・やってはいけない事
『お酒で起こった問題を家族が尻拭いする』、『飲み屋のつけを代わりに払う』、『外で飲んで暴れられると困るので家で一緒に飲む』などの行動をイネイブリング(飲酒を可能にし、助長すること)と呼びます。
家族は、このようなことはしないことが重要です。
言ってはいけない言葉とその理由
アルコール依存症の人への言葉選びは非常に重要です。正しくない言葉は本人を傷つけたり、罪悪感や孤立感を強めて問題を悪化させる可能性があります。
- こんなに飲むの
- 止めようと思えば止められますか
- あながのお酒を飲むせいで家族が迷惑している
- 意志が弱いね
- 少しくらいなら飲んでもええやん
- 私やったら、そんなに飲まないわ
- ほんまに変わる気あるの
- 何を言っても無駄やな
- 飲むか飲まないかは、あんた次第やね
これは悪化させてしまう言葉になります。
逆にこう言い換えてみてください。
- あなたがどれだけ泣いているのか!しんどいのか!私は理解しているよ
- 一緒にサポートしてくれる所を探そう
- あなたが助けを求めるとき、私はそばにいるから
- 今の状況は変えられると信じているよ!一緒に考えよう
成功体験から学ぶ
私はまだまだ未熟ですので数は少ないですが、ご感想もいただくこともあります。その中の1つです。良かったら御覧ください。
克服した当事者の体験談
アルコール依存症の方から感想をいただきました。
主訴はアルコール依存症ではありません。
背中の緊張で息苦しく、離婚によるストレスから自律神経を乱して不眠、めまい、頭痛、下痢などの自律神経症状でご来院されております。アルコール依存症もあり、当院でも注意深くサポートさせていただいております。
50代 男性 Aさん
Aさん
本当にお辛いのにありがとうございます。遠方よりお越しくださいまして感謝いたします。日常生活が今よりも少しでも楽になられますように、これからも私のできる範囲でサポートさせていただきます。
当院でお力になれること
お酒を飲んだ時のお身体の反応を消化吸収から考えます。
まずは「胃」で吸収されます。およそ20%が吸収されます。あとは小腸で吸収され、肝臓で処理されます。ですので分解にはいろんな酵素や栄養素が必要になってきます。自分の分解できる量を越えないようにお酒の量を調節することが重要となってきます。
アルコール依存症の方の演劇を鑑賞
令和7年1月18日(土)新聞記事で「アルコール依存症」の演劇が心斎橋であることを知りました。そこで勉強を兼ねて観劇に行ってまいりました。
「あなたのとなりに」16~20日に行われたそうです。小劇場「ウイングフィールド」は小さな劇場で靴を脱いで会場入りしました。演者さんとの距離も近く、とても新鮮な感じでした。全体でも30人くらい入られていた感じでした。
私の小学校の担任の先生がシニアの俳優をされていて演劇の観劇は年に一度くらいは行かせてもらっております。また都合がつけば観に行きたいと思っております。
ご本人もアルコール依存症だったという福本利雄さん(71)が演劇を通じてアルコール依存症のことを発信されています。
私の知らない情報、患者さん本人の心理、家族の苦悩、ソーシャルワーカーの本音、断酒会での出来事、抗酒剤などのお薬についてなど、本当に依存症の難しさを実感した内容でした。
当院にもアルコール依存症の方がいらっしゃいます。その方への接し方で日々悩むこともありますが、なんとか少しづつ快方に向かわれています。
今後も少しでもお役に立てたらと思います。言葉がけ1つ、ご家族の心理、ご本人の心理、ソーシャルワーカーさんとのやり取りなど、参考になることがたくさんありました。
アルコール依存症は本人と家族だけでは、なかなか良い方向へ向かうのは難しいと私は考えております。しっかりと医療機関にかかることが大事です。また私たちのような医療従事者などでもサポートできることがあります。
最後にはアルコール依存症専門のソーシャルワーカーさんの座談会などもあり、本音の部分や難しさを教えていただきました。
内容は3部作となっておりました。
「笑ってゆるして」
断酒会のメンバーの劇でした。メンバーそれぞれの「お酒」との出会い、苦悩、克服方法がわかりやすかったです。
「SALT」
ケースワーカーさんからの視点をうまく表現されていました。断酒していた自分の子供が再びお酒を飲んでしまったという母親の苦悩も描かれていました。
「やがて窓辺にあかねさす」
アルコール依存症の家族会が終わった後の描写でした。「こうしておけばよかった」など後悔もあると思いますが、皆で助け合って生きていく苦悩が描かれていました。
ソーシャルワーカーさんとの座談会
ソーシャルワーカーさんの率直な意見や感想が聞くことができて勉強になりました。
久しぶりの心斎橋を後にしました。たくさんの外国人の方がいました。それにしても「ひっかけ橋」から難波への道のりでは、以前と違ってドラッグストアがやたらと多いことに気づきました。
対策
アルコール依存症の治療は、以下のステップを含みます。
- 受診する 内科や精神科で診断を受け、適切な治療計画を立てます。
- 薬物療法 欲求を抑える薬や、飲酒を続けると体に不快感をもたらす薬が使われることがあります。
- カウンセリングやリハビリ 心理療法やグループセラピーで、飲酒をやめるためのスキルを学びます。
- 支援グループへの参加 同じ経験を持つ人々との交流は、大きな励みになります。
- 信頼できる専門的に知識のある人に話を聞いてもらう
自分のことを分かってくれる人、認めてくれる人が一人でもいると「情緒的サポート」となります。この人の存在は、あなたが改善していく上で非常に重要なのです。
最後に
アルコール依存症は一人で戦う必要のない病気です。当事者も家族も、周囲のサポートや専門的な助けを借りながら、少しずつ前進することが大切です。
あなた自身や大切な人の健康と幸せのために、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
まとめ
- まずは医療機関を受診する
- 自助会、断酒会に参加する
- 自分を客観的に観る
- できたことをノートに書く
- 身体を整え、心理面でも信頼できる人に話を聞いてもらう