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起立性調節障害で朝起きられず学校へ行けない子どもへ|親ができる朝の対応

起立性調節障害で朝起きられず学校へ行けない女の子のイラスト

朝になると体が動かない。

頭痛やめまい、吐き気、強いだるさがあり、学校へ行きたくても行けない。

前の日には、「明日は学校へ行く」と話していたのに、朝になると布団から起き上がれない。

そんな日が続くと、親御さんも、「本当にそんなにしんどいの?」「学校に行きたくないだけでは?」「夜はゲームをしているのに、どうして朝だけ起きられないの?」と、どう受け止めればよいのか分からなくなると思います。

しかし、起立性調節障害のお子さんでは、学校へ行く気持ちがあっても、朝になると身体がついてこないことがあります。

本人自身も、「昨日は行くと言ったのに」「また休んでしまった」と自分を責めているかもしれません。

この記事では、起立性調節障害で朝起きられず学校へ行けないお子さんについて、病気そのものの詳しい説明よりも、

  • 朝、親はどう接したらよいのか
  • 無理に起こした方がよいのか
  • 午後から元気になるのはなぜなのか
  • 学校への連絡は誰がしたらよいのか
  • 遅刻や午後登校でもよいのか
  • 家庭でどのように支えていけばよいのか

という、親御さんが実際に困りやすい部分を中心にお伝えします。

起立性調節障害の症状、検査、病院での治療などを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

最初に知っておいてほしいこと
  • 朝は無理に立たせず、まず体調を確認する
  • 午後から元気になっても、仮病とは限らない
  • 「学校へ行けるか」より「今、何がつらいか」を聞く
  • 親御さんが欠席や遅刻の連絡を代わってもよい
  • 起立性調節障害は、気合いや根性だけでは解決しにくい

前の日は「行く」と言っていたのに、朝になると動けない

起立性調節障害のお子さんから、

「夜は明日こそ行こうと思っている」
「制服も用意した」
「でも朝になったら体が動かなかった」

という話を聞くことがあります。

最初から学校を休むつもりだったわけではありません。

ところが朝になると、

  • 頭痛がする
  • めまいや立ちくらみがする
  • 吐き気がする
  • 体に力が入らない
  • 頭がぼんやりする
  • 動悸がする
  • 強いだるさがある

といった症状が重なり、起き上がること自体が難しくなる場合があります。

本人も「昨日は行くと言ったのに」「また休んでしまった」と自分を責めているかもしれません。

そこへ「昨日は行くって言ったでしょう」「頑張ったら行けるでしょう」と繰り返し言われると、学校へ行けないことへの不安や自責感がさらに強くなることがあります。

午後から元気でも「仮病」とは限りません

朝はあれほどしんどそうだったのに、午後になると起きてきて、夜にはスマホやゲームを楽しんでいる。

親御さんが「本当に体調が悪いの?」と思ってしまうのも無理はありません。

しかし、起立性調節障害では午前中に症状が強く、午後から動きやすくなることがあります。

また、横になってスマホを見ることと、起きて着替え、食事をして、移動し、学校で何時間も過ごすことでは身体への負担が違います。

そのため、「夜にゲームができる=朝も学校へ行ける」とは限りません。

ただし、夜遅くまでスマホやゲームを続けると睡眠時間が後ろへずれることはあります。全面的に禁止するのではなく、本人と相談しながら使う時間を調整していきましょう。

朝、親御さんができる4つの対応

① 症状が強い時は無理に立たせない

強い頭痛やめまい、吐き気がある時に、無理やり布団から起こしてすぐ立たせる必要はありません。

起きられそうな時も、

  • まず体を起こす
  • 座った状態で少し待つ
  • 体調を確認する
  • 大丈夫そうならゆっくり立つ

というように段階を踏みます。

ただし「起立性調節障害だから一日中寝たままでよい」という意味ではありません。

症状が落ち着いている時間には、座って過ごしたり少し体を動かしたりしながら、無理のない範囲で生活リズムを整えていきます。

② 「学校へ行ける?」より体調を聞く

朝起きた瞬間から、

「今日は行ける?」
「何時間目から行く?」
「テストはどうするの?」

と聞かれると、本人の頭の中が学校のことでいっぱいになることがあります。

まずは、

「今日は何が一番しんどい?」
「頭痛と吐き気ならどちらが強い?」
「水分なら少し飲めそう?」

など、今の体調を短く確認してみてください。

学校の話は体が少し落ち着いてからでも構いません。

③ 学校への連絡は親御さんが代わってもよい

体調が悪く、不安も強い朝に、欠席や遅刻の連絡まで本人に任せると、それだけで疲れてしまうことがあります。

調子が悪い時期は親御さんが代わってもよいと思います。

また、

  • 遅れて登校する
  • 午後から登校する
  • 保健室を利用する
  • 別室登校を利用する
  • 課題だけ受け取る

など、その子に合った方法を学校と相談してみてください。

毎日朝から教室へ行くことだけが、学校とのつながりではありません。

④ 一度は医療機関で確認する

まだ起立性調節障害と診断されていない場合は、小児科などへ相談してください。

朝起きられない、頭痛、めまい、動悸などは、起立性調節障害以外でも起こることがあります。

特に、

  • 失神を繰り返す
  • 運動中に意識を失う
  • 胸痛や強い動悸がある
  • 食事や水分がほとんど取れない
  • 急激に体重が減っている
  • これまでにない強い頭痛がある
  • 強い落ち込みや「消えたい」という発言がある

といった場合は、早めに医療機関へ相談してください。

「休ませるか、行かせるか」の二択ではありません

親御さんが一番悩むところだと思います。

「このまま休ませて大丈夫?」
「無理をしてでも行かせた方がいい?」

でも、完全に休むか、毎日朝から登校するかの二択だけではありません。

例えば、

  • 2時間目から行く
  • 午後から行く
  • 保健室や別室で過ごす
  • 体調のよい日に短時間だけ参加する
  • 学校へ行かず課題だけ受け取る

といった方法もあります。

その日の体調や学校の状況に合わせて、担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどと相談してください。

「朝から最後まで登校できたか」だけで、その子の回復を判断しないことが大切です。

小さな変化も大切な前進です

起立性調節障害は、調子のよい日と悪い日を繰り返すことがあります。

昨日は少し動けたのに、今日はまた寝ていると「元に戻った」と感じるかもしれません。

でも、

  • 起きて過ごせる時間が増えた
  • 水分が取れるようになった
  • 食事量が増えた
  • 頭痛の回数が減った
  • 入浴できるようになった
  • 少し外出できた
  • 午後から学校へ行けた
  • 自分で体調を説明できた

こうした変化にも目を向けてください。

明日の朝学校へ行けるかだけではなく、自分の体調に気づき、無理をする前に休めることも将来につながる大切な力です。

家庭でできること

体調のよい時間を使って、少しずつ生活を整えていきます。

水分は一度に大量に飲むのではなく、飲める時に少しずつ取ります。水分や塩分について主治医から指示がある場合は、その内容を優先してください。

症状が強い朝に無理に運動をさせる必要もありません。

午後など動きやすい時間に、

  • 座ったまま足首を動かす
  • 家の中を少し歩く
  • 短時間外へ出る

など、できる範囲から始めます。

朝に吐き気が強く食べられない場合も、一食分を無理に食べさせる必要はありません。

みそ汁やスープ、小さなおにぎり、卵、豆腐、バナナなど、その時に食べられるものから少しずつ試してください。

顔色が悪い、強い疲労感や息切れがある、月経量が多い、体重が減っているなどの場合は、貧血や鉄不足などについて医療機関で相談することも大切です。

親御さん自身も疲れています

起立性調節障害では、お子さんだけでなく親御さんも毎朝判断を迫られます。

「今日は起こす?」
「休ませる?」
「学校には何と連絡する?」

それが毎日続けば、親御さんも疲れて当然です。

「もっと厳しくした方がいいのかな」
「私の接し方が悪かったのかな」

と自分を責める必要はありません。

家庭だけで抱え込まず、学校、医療機関、スクールカウンセラーなども頼ってください。

当院でできるサポート

当院では、整体で起立性調節障害そのものを治すという考え方はしていません。

診断や薬の調整は医療機関の役割です。

そのうえで、

  • 身体の緊張や呼吸
  • 睡眠や生活リズム
  • 食事や水分
  • 活動量や体力
  • 学校への不安
  • 本人の自責感
  • ご家族の声のかけ方

などを一緒に整理します。

身体の緊張が強い場合には、強く押したり無理に体を動かしたりせず、やさしい刺激でその子が安心して受けられる範囲の施術を行います。

整体によって起立性調節障害の循環異常そのものが改善すると確立されているわけではありません。

そのため、医療機関での診断や治療を基本としながら、身体・心理・生活習慣の面から補助的にサポートします。

また、本人がうまく話せない場合も、最初から詳しく説明してもらう必要はありません。

親御さんからお話を伺ったり、うなずきや筆談、スマートフォンへの入力など、その子に合った方法で進めています。

よくある質問

Q
朝は起きられないのに、夜にゲームができるのは仮病ですか?
A

ゲームができることだけで仮病とは判断できません。起立性調節障害では午前中に症状が強く、午後から動きやすくなることがあります。ただし夜遅くまでゲームを続けると睡眠時間が後ろへずれることもあるため、本人と相談しながら使う時間を調整してください。

Q
毎朝、無理にでも起こした方がよいですか?
A

強い頭痛やめまい、吐き気がある時に無理やり立たせる必要はありません。一方で寝たままの生活が長く続くと体力が低下する場合もあります。主治医とも相談しながら、体調のよい時間に座る、少し動くなど段階的に考えてください。

Q
学校への欠席連絡は親がしてもよいですか?
A

体調が悪く不安も強い時期は、親御さんが代わっても構いません。体調が安定してきたら、自分で先生へ伝えるなど、本人にできることを少しずつ増やしていけばよいと思います。

Q
病院に行かず整体だけで様子を見てもよいですか?
A

おすすめしません。似た症状が別の病気で起こることもあります。まず小児科などで状態を確認し、そのうえで必要に応じて整体などの補助的なサポートを利用してください。

まとめ

起立性調節障害で朝起きられず学校へ行けない時は、

  • 怠けや気合いの問題と決めつけない
  • 午後から元気でも朝の症状を否定しない
  • 症状が強い朝は無理に立たせない
  • 「学校へ行ける?」より体調を確認する
  • 遅刻や午後登校、別室登校なども検討する
  • 医療機関での確認を土台にする

ことが大切です。

目標は、明日から毎日朝一番に学校へ行くことだけではありません。

自分の体調に気づき、無理をする前に休み、困った時に助けを求められるようになることも大切な前進です。

お子さんだけでなく、親御さんも一人で抱え込まないでください。

病院には通っているけれど生活面も一緒に整理したい、親としてどう接したらよいか迷っているという場合は、現在の様子をお聞かせください。

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参考文献

  • 文部科学省『生徒指導提要(改訂版)』2022年12月
  • 『不登校は1日3分の働きかけで99%解決する』:森田直樹
  • 『人間脳を育てる―動きの発達&原始反射の成長』:灰谷孝
  • 『「脳の疲れ」がとれる生活術』:有田秀穂
  • 日本小児心身医学会「起立性調節障害」