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スーパーの陳列棚を見るとめまいがする|商品を探すとフワフワするのはなぜ?

スーパーの陳列棚を見てめまいを感じる女性のイラスト

「スーパーに入るとフワフワする」

「陳列棚の商品を探していると気持ち悪くなる」

「家では大丈夫なのに、ドラッグストアやショッピングモールではめまいがする」

このような症状で悩んでいませんか?

スーパーには、商品、文字、色、人の動き、照明など、非常に多くの視覚情報があります。

そのため、目から入る情報と、内耳や身体から入る情報を脳がうまく整理しにくくなると、フワフワ感や不安定感、吐き気などを感じることがあります。

医学的には「視覚誘発性めまい」と呼ばれる症状があり、PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)などでも、スーパーや人混み、複雑な模様で症状が強くなることがあります。

ただし、「スーパーでめまいがする=PPPD」というわけではありません。

この記事では、なぜスーパーの陳列棚を見るとめまいが起こることがあるのかを、視覚・内耳・身体のバランス機能からわかりやすく解説します。

スーパーの陳列棚を見るとめまいがする人は珍しくありません

めまいというと「グルグル回る」症状を想像する方が多いかもしれません。

しかし実際には、

  • フワフワする
  • 身体が揺れている感じがする
  • 足元が安定しない
  • 頭がボーッとする
  • 吐き気がする
  • 目が疲れる

など、さまざまな感じ方があります。

特に視覚の影響を受けやすい方では、

  • スーパー
  • ドラッグストア
  • ホームセンター
  • 大型ショッピングモール
  • 人混み
  • 細かな模様の床や壁

などで症状が強くなることがあります。

一見すると別々の場所ですが、「視覚情報が非常に多い」という共通点があります。

スーパーの陳列棚を見ると、なぜフワフワ・めまいがするの?

私たちは「目」だけでバランスを取っているわけではありません。

身体のバランスには主に、

  • 視覚
  • 内耳
  • 筋肉・関節・足裏などの感覚

の3つが関係しています。

目からは、「周囲に何があるか」「自分がどちらへ動いているか」という情報が入ります。

内耳にある三半規管や耳石器は、「頭が回転した」「傾いた」「加速した」といった動きを感じ取ります。

さらに足裏や筋肉、関節からは、「身体がどちらへ傾いているか」「床にどのように立っているか」という情報が脳へ送られます。

脳はこれらをまとめて、姿勢やバランスを調整しています。

スーパーでは大量の視覚情報が入ってくる

スーパーの中では、右にも左にも商品棚があります。

商品には、

  • 文字
  • 色
  • 写真
  • 値札
  • パッケージ

などが細かく並んでいます。

さらに、

  • 人が歩く
  • カートが動く
  • 自分も歩く
  • 商品を探して視線を左右に動かす

ということが同時に起こります。

自宅などに比べると、脳が処理する視覚情報はかなり多くなります。

歩くと棚が流れて見える「optic flow」とは?

スーパーを歩くと左右の陳列棚が後方へ流れて見えるoptic flowの説明イラスト

スーパーの通路を前へ歩くと、自分は前進していますが、左右の商品棚は後ろへ流れていくように見えます。

このように、自分が動くことで周囲の景色が流れて見える視覚情報を「optic flow(オプティックフロー)」といいます。

車を運転している時も、前方の景色はゆっくり近づく、すぐ横のガードレールは速く後方へ流れるという見え方をします。

これもoptic flowです。

スーパーでは、

自分が歩く
↓
左右の商品棚が流れて見える
↓
大量の商品や文字も一緒に動いて見える
↓
その中から目的の商品を探す

という複雑な視覚処理が必要になります。

視覚刺激に敏感になっている方では、このような環境でフワフワ感や不安定感が強くなることがあります。

目と内耳の情報が合わないと気持ち悪くなることがあります

視覚と内耳の情報のズレでめまいが起こる仕組みをミステリーハウスで説明したイラスト

例えば遊園地のミステリーハウスでは、

  • 床が傾いて見える
  • 壁が斜めに見える
  • 周囲が動いているように見える

といった視覚情報が入ります。

一方で内耳や足裏からは、それとは少し違う情報が入ります。

すると脳は、「自分が傾いているのか」「周囲が傾いているのか」を判断しにくくなり、フラッとしたり気持ち悪くなったりすることがあります。

幾何学模様や縞模様、細かなタイル、人混みなどでも症状が出る方がいます。

車や電車でスマホを見ると酔うのも関係があります

車内でスマホを見ると視覚と内耳の情報がずれて乗り物酔いが起こる仕組みのイラスト

スーパーのめまいと乗り物酔いは同じ病気ではありません。

しかし、「視覚と内耳から入る情報を脳がまとめる」という点では共通しています。

例えば走っている車の中でスマートフォンを見ると、目からは「画面は動いていない」という情報が入ります。

一方、内耳からは、「車が曲がった」「加速した」「揺れた」という情報が入ります。

つまり、目は「止まっている」、内耳は「動いている」というズレが生まれます。

このような感覚情報のズレは、乗り物酔いを説明する代表的な考え方です。

電車や車の中で本を読むと気持ち悪くなるのも、似た仕組みが関係します。

前庭動眼反射(VOR)はどんな働きをしている?

視覚と内耳の連携に関係する仕組みの一つが、前庭動眼反射(VOR)です。

例えば一点を見ながら頭を右へ動かすと、眼球は反対方向へ動きます。

これによって、頭が動いても見ている対象が大きくブレないように調整されています。

歩きながら景色を見ることができるのも、このような仕組みが働いているためです。

VORキャンセルとは?

VORとVORキャンセルの働きとめまい・乗り物酔いとの関係を説明したイラスト

一方、頭と一緒に動く対象を見続けたい時もあります。

例えば、手を目の前に出し、その手と頭を同じ方向へ動かす場合です。

この時にVORがそのまま働くと、眼球は反対方向へ動いてしまいます。

そこで脳はVORを調整し、目と頭が一緒に対象を追えるようにします。

これを「VORキャンセル」といいます。

ただし、「車に酔いやすい=VORキャンセルが悪い」「スーパーでめまいがする=VORに異常がある」と単純には判断できません。

めまいには、視覚、内耳、眼球運動、身体感覚、不安や疲労など複数の要素が関係します。

視覚誘発性めまいとは?

動いているものや複雑な視覚情報を見ることで、めまいや不安定感が誘発されたり強くなったりする状態を「視覚誘発性めまい」と呼びます。

例えば、

  • スーパーの商品棚
  • 人混み
  • 高速道路を流れる景色
  • 大型スクリーン
  • 細かな模様
  • スマートフォンのスクロール

などで症状が出ることがあります。

これは単純に「目が悪い」という意味ではありません。

視覚・内耳・身体感覚を脳が統合する仕組みが関係していると考えられています。

PPPDでもスーパーや人混みでめまいが強くなることがあります

PPPDは「持続性知覚性姿勢誘発めまい」と呼ばれる慢性的なめまいの一つです。

主に、

  • フワフワする
  • 身体が揺れる感じがする
  • 不安定感がある

といった症状が続きます。

特徴として、

  • 立っている
  • 歩く
  • 身体を動かす
  • 乗り物に乗る
  • 動くものを見る
  • 複雑な視覚刺激を見る

ことで症状が強くなることがあります。

ただし、スーパーでめまいがするだけでPPPDと判断することはできません。

めまいには、

  • 良性発作性頭位めまい症
  • 前庭性片頭痛
  • メニエール病などの内耳疾患
  • 視覚の問題
  • 血圧や循環の問題
  • 薬剤の影響

など、さまざまな原因があります。

自律神経や不安も関係するの?

めまいが繰り返されると、「スーパーでまたフラフラしたらどうしよう」という不安が強くなることがあります。

めまい
↓
また起こるのが怖い
↓
身体や周囲を警戒する
↓
緊張する
↓
さらに症状を感じやすくなる

という循環になる方もいます。

これは「気持ちの問題」という意味ではありません。

視覚・前庭・身体感覚と、不安や自律神経反応がお互いに影響し合う場合があります。

こんな場合はまず医療機関へ

次のような症状が急に出た場合は、整体より先に医療機関での評価が必要です。

  • 突然の激しいめまい
  • ろれつが回りにくい
  • 片側の手足に力が入りにくい
  • 強いしびれ
  • ものが二重に見える
  • 突然の激しい頭痛
  • 歩くことが難しい
  • 急に耳が聞こえにくくなった

また、スーパーでのめまいが何度も続く場合も、まず耳鼻咽喉科などで一度確認してもらうことをおすすめします。

スーパーでめまいがする時にできること

症状が強い時に無理をする必要はありません。

  • 疲労が強い日に長時間買い物をしない
  • 陳列棚を長時間見続けない
  • 近い商品ばかりではなく時々遠くを見る
  • 症状が強くなったら安全な場所で休む

などから始めてみてください。

一方で、長期間すべての視覚刺激を避け続けることが良いとは限りません。

状態によっては、前庭リハビリテーションなどが検討されることもあります。

おおくま整骨院ではどう考える?

おおくま整骨院では、「スーパーでめまいがする=自律神経が原因」とは考えません。

まず、

  • どんな場所で起こるのか
  • 頭を動かすとどうなるのか
  • 目を動かすとどうなるのか
  • 乗り物酔いはあるのか
  • スマートフォンを見るとどうなるのか

などを詳しくお聞きします。

必要に応じて、頭と視線の動きの協調や、VOR、VORキャンセルなどを確認し、どのような動きや視覚刺激で症状が出やすいのかをみていきます。

これらは病気を診断するための検査ではありません。

耳や脳などの病気が疑われる場合には、医療機関での検査が必要です。

医療機関で大きな異常が確認されていないものの、スーパーや人混み、乗り物などでフワフワする方については、身体の緊張や疲労、不安、呼吸なども含めて身体全体の状態を確認していきます。

よくある質問

Q
スーパーだけでめまいがすることはありますか?
A

あります。

視覚刺激に敏感になっている方では、普段は大丈夫でも、スーパーや人混みなど視覚情報の多い場所で症状が強くなることがあります。

Q
ドラッグストアでもフワフワするのは同じですか?
A

似た仕組みが関係する場合があります。

ドラッグストアも商品や文字が多く、視線を頻繁に動かす環境です。

Q
スーパーでめまいがするとPPPDですか?
A

いいえ。

PPPDではスーパーなどで症状が強くなることがありますが、それだけでは判断できません。

Q
車でスマホを見ると酔うのも関係がありますか?
A

視覚と内耳の情報のズレという点では共通する部分があります。

ただし、乗り物酔いと視覚誘発性めまいは同じものではありません。

まとめ

スーパーの陳列棚を見て、

  • フワフワする
  • 気持ち悪くなる
  • 足元が不安定になる

という症状には、視覚情報が関係していることがあります。

私たちは、

  • 視覚
  • 内耳
  • 筋肉・関節・足裏

などから入る情報を脳でまとめながら、身体のバランスを保っています。

スーパーでは、大量の商品や文字、人の動き、自分が歩くことで生まれるoptic flowなど、多くの視覚情報が入ります。

こうした刺激で症状が強くなる「視覚誘発性めまい」は医学的にも知られています。

ただし、「スーパーでめまいがする=PPPD」「VORやVORキャンセルに問題がある=それが原因」と単純に判断することはできません。

症状が続く場合は、まず耳鼻咽喉科などで適切な評価を受けることが大切です。

そのうえで、医療機関では大きな異常が確認されないものの、スーパーや人混み、乗り物などでフワフワする場合には、視覚・前庭・身体感覚という視点から状態を確認していくことも大切です。

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参考文献

  • Staab JP, et al. Diagnostic criteria for persistent postural-perceptual dizziness (PPPD): Consensus document of the Bárány Society.
  • Bertolini G, Straumann D. Moving in a Moving World: A Review on Vestibular Motion Sickness.
  • Koch A, et al. The Neurophysiology and Treatment of Motion Sickness.