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大人のアスペルガー(ASD)で生きづらい方へ|本人・家族の困りごと、仕事、接し方

大人のアスペルガー(ASD)で生きづらい方へ

「人とうまく話せない」
「仕事では真面目にやっているのに、なぜか怒られる」
「急な予定変更があると頭が真っ白になる」
「家族に気持ちを分かってほしいのに、話がかみ合わない」

このようなことで悩み、「自分は普通にできない」「社会に向いていないのでは」と自信をなくしている方がおられます。

一方、ご家族からは「何度説明しても伝わらない」「気持ちを分かってもらえない」「悪い人ではないのに、一緒にいると疲れてしまう」という相談を聞くこともあります。

当院にも、発達の特性をお持ちの方や、そのご家族から同じようなお話を伺うことがあります。

この記事で一番お伝えしたいのは、本人だけが悪いわけでも、ご家族だけが悪いわけでもないということです。

そしてもう一つ。

仕事や人間関係で何度もうまくいかなかったからといって、「自分には生きていく力がない」「働ける場所なんてない」と決めてしまわないでほしいと思っています。

自分に合う仕事や環境が見つかることで、力を発揮できる方もいます。

一緒に仕事を探したり、職場との間に入ったり、困ったときに助けてくれる人もいます。

この記事では、大人のアスペルガー・ASDで実際にどんなことに困りやすいのか、本人と家族の両方の立場から考えていきます。

この記事を読んでほしい方
  • 大人になってから「自分は人と少し違うかも」と感じている方
  • 仕事は真面目にしているのに、人間関係や臨機応変な対応でつまずきやすい方
  • 人と関わりたいのに、会話や付き合いでとても疲れてしまう方
  • 失敗が続き「自分は社会に向いていない」と自信をなくしている方
  • アスペルガー・ASDの家族やパートナーとの接し方に悩んでいる方
  • 「何度話しても伝わらない」「気持ちを分かってもらえない」と感じているご家族
  • ASDの特性を活かせる仕事や働き方を知りたい方
  • 本人も家族も、これから少し楽に生きる方法を一緒に考えたい方

アスペルガーは現在「自閉スペクトラム症(ASD)」に含まれます

以前は「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」などと呼ばれていましたが、現在の診断分類では、おもに自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)という名称が使われています。

診断を受けた時期によって、今も「アスペルガー症候群」と診断されている方もいます。

この記事では、検索される方に分かりやすいように「大人のアスペルガー」という言葉も使いますが、医学的な説明ではASDと表記します。

ASDには、

  • 人とのコミュニケーションで困りやすい
  • 相手の意図や曖昧な表現を読み取るのが難しいことがある
  • 急な変更への対応が苦手
  • 決まった手順や興味のあることを大切にする
  • 音・光・においなどを強く感じることがある

などの特徴があります。

ただし、同じASDでも一人ひとり全く違います。

話すことが得意な人もいますし、人と関わることが好きな人もいます。仕事が非常にできる人もいれば、生活の段取りに苦労する人もいます。

「ASDだからこういう人」と決めつけることはできません。

なぜ大人になってから困ることが増えるのでしょうか

子どもの頃は大きな問題を感じていなかったのに、社会人になってから「なぜか周りとうまくいかない」と悩み始める方もいます。

社会に出ると、

「空気を読んで動いて」
「適当にやっておいて」
「それくらい分かるでしょう」
「臨機応変に対応して」

という、答えのはっきりしない場面が一気に増えます。

仕事の内容そのものはできても、人間関係、電話、突然の依頼、複数の仕事の優先順位などが重なることで、力を出しにくくなることがあります。

政府広報でも、大人になって仕事でのつまずきや周囲とのずれ・摩擦が増えたことで、発達障害に気づく場合があると説明されています。

大人のASD本人が困りやすい10のこと

もちろん全員に当てはまるわけではありませんが、実際の相談や当事者の声からは、次のような困りごとがみられます。

  • 急な変更があると混乱する
  • 臨機応変に動くことが苦手
  • 曖昧な指示が分かりにくい
  • 電話や突然の質問でうまく答えられない
  • 人と話したあとにどっと疲れる
  • 相手を怒らせていないか必要以上に気になる
  • 仕事を理解するまで少し時間が必要
  • 片付けや予定、お金などの管理が苦手なことがある
  • 人付き合いは疲れるが、一人になるのも寂しい
  • 失敗が続くと「自分はダメな人間だ」と思ってしまう

ここで私は、最後の「自分はダメな人間だと思ってしまう」ことをとても心配しています。

  • 仕事で一度失敗した
  • 人間関係がうまくいかなかった
  • 転職してもまたうまくいかなかった

そうした経験が何度も重なると、本来は「この仕事や環境が自分に合わなかった」という話だったはずなのに、「自分は社会に必要とされていない」というところまで考えてしまうことがあります。

ASDだから必ず社交不安やうつ状態になるわけではありません。しかし、不安や抑うつなどの問題を併せ持つ方もおられ、必要に応じてそれぞれの問題への支援が必要になります。

家族・妻・夫が困りやすい10のこと

反対に、ご家族にもつらさがあります。

  • 会話がかみ合わない
  • 共感してほしいのに違う答えが返ってくる
  • 言葉がストレートで傷つく
  • 話し合いが途中で進まなくなる
  • 「言った・言わない」が繰り返される
  • 約束や予定の受け取り方が違う
  • 家族の体調や気持ちを察してもらえないと感じる
  • 同じ問題が何度も繰り返される
  • 自分の伝え方が悪いのではと家族側が悩む
  • 嫌いではないのに、一緒にいることに疲れてしまう

ここも大事です。

「ASDなのだから家族が理解して我慢しましょう」という話ではありません。

家族にも生活があります。気持ちがあります。

本人を理解することと、家族が全部を我慢することは別です。

成人ASDの支援ガイドラインでも、本人だけでなく家族・パートナーへの情報提供や支援の重要性が示されています。

実際に困っている方の声

当院の実際のご相談内容です。

個人の体験談ですので、すべてのASDの方に当てはまるものではありません。

①「人と関わるのは苦手。でも孤立するのもつらい」

40代の女性の会社員、「人と関わるのは苦手だけど、孤立するのも非常につらい」と話されてました。

仕事では、理解に時間がかかる、臨機応変に動くのが苦手、周囲をイライラさせたと感じると焦ってさらにミスをするという悩みを抱えていました。

それでも、期待してくれている上司がいるため「辞めるのは逃げるようで苦しい」と悩んでおられます。

私は、この方のような悩みを「コミュニケーションが苦手」の一言だけで終わらせたくありません。

人とうまく関わりたい、仕事もきちんとしたい、周りに迷惑をかけたくないという思いが強いからこそ、無理をして周囲に合わせ、結果的に心も体も疲れてしまう方がいます。

②「毎日会話にならない。分かってもらえない」

今度はご家族側のお困りごとです。

夫がアスペルガーで困っている女性から、「毎日会話にならない、共感ももちろんしてくれなくて辛いです」というご相談がありました。当然、奥さんのストレスは毎日、マックスになってしまいます。

例えば奥さんが『今日、仕事で嫌なことがあってしんどかった』と話したとします。

奥さんとしては『大変だったね』と聞いてほしいのに、夫から『だったら仕事を辞めたら?』と解決策が返ってくる。

すると奥さんは『そういう話をしているんじゃない』と感じ、夫は『じゃあ何を言えばよかったの?』と分からなくなることがあります。

どちらも相手を傷つけようとしているわけではなく、欲しい答えと相手が返した答えが違っているのです。これ、我が家にもあるかもしれません。(笑)💦

③「悪い人ではない。でも話し合いができず疲れてしまった」

ASDとADHDの夫についてお困りの女性は、「一番困っているのは、話し合いがきちんとできないことです」と話されてました。

一方で、その方は夫の悪いところだけを話しておられるわけではありません。

  • 仕事をして家計を支えてくれる
  • 犬の世話やお風呂洗い、ゴミ出しなどもしてくれる
  • 具合が悪いときには家事もしてくれる
  • 一緒にいて楽しいときもある
  • 感謝している部分もある

それでも、約束や会話のすれ違いが続き、疲れてしまったと悩んでおられました。

これって現実なのだと思います。

「ASDの夫だから冷たい人」ではありません。

優しい人も、家族思いの人も、一生懸命働いている人もいます。

それでも、毎日の小さなすれ違いが何年も積み重なると、本人も家族も疲れてしまうことがあります。

人によって「見えているもの」が少し違うことがあります

「人によって物事の受け取り方が違う」ということを理解するための例として見てください。

花子ちゃんはどちらの箱を探す?

花子ちゃんがどちらの箱を探すかを使って、自分と相手が知っていることの違いを説明するイラスト

花子ちゃんが赤い箱にお菓子を入れて部屋を出ました。

その間に太郎くんがお菓子を青い箱へ移しました。

では、戻ってきた花子ちゃんは最初にどちらを探すでしょうか。

答えは「赤い箱」です。

私たちは「自分が知っていること」と「花子ちゃんが知っていること」を分けて考える必要があります。

このような課題は、相手が何を知っているか、どう考えているかを推測する研究に使われてきました。現在では、成人ASDの人が全員この課題を苦手とするわけではなく、課題の種類によって結果も異なることが分かっています。

大切なのは、「自分が分かっていることを、相手も分かっているとは限らない」ということです。

これはASDの有無にかかわらず、家族のすれ違いを減らすうえでも大切です。

大きな「A」に見えますか?小さな「H」に見えますか?

大きなAと小さなHを使って、全体と細部への注目の違いを説明するイラスト

小さな「H」がたくさん集まって、大きな「A」になっている図です。

最初に大きな「A」が目に入る人もいれば、小さな「H」が先に目に入る人もいます。

ASDの研究では、細かな部分に注意が向きやすかったり、全体をつかむまでに時間がかかったりする傾向について研究されています。ただし研究結果は一様ではなく、「ASDの人は必ずHに見える」というものではありません。

この図も診断のためではなく、「同じものを見ていても、注目している場所が違うことがある」と考えるために使うと、とても分かりやすいと思います。

家族とのすれ違いを減らすためにできること

ASDの特性がある方とのコミュニケーションでは、「察してほしい」よりも、分かりやすく具体的に伝えた方が伝わりやすい場合があります。

例えば、「もう少しちゃんとして」ではなく、「使った食器を20時までに流しへ持っていってほしい」「早めに帰ってきて」ではなく、「今日は19時までに帰ってきてほしい」と伝えます。

そして、大切な話では最初に、「今日は解決策を考えてほしい」「今日は答えはいらないから、10分だけ話を聞いてほしい」と目的を伝えてしまうのも一つです。

突然答えを求めると頭の中が整理できない方には、少し考える時間を作ったり、口頭だけではなくLINEや紙に書いたりすると話しやすくなることがあります。

当院でも、突然の訪問や電話では混乱しやすく、メールやLINEなら考えて返答しやすいというお話を耳にすることがあります。

NICEも、成人ASDへの支援では曖昧な表現や比喩を減らし、具体的で構造化された説明や、必要に応じて書面・視覚情報を使うことを勧めています。

夫婦の会話で、話を聞いてほしいと具体的に伝えることでコミュニケーションのすれ違いが減る例

ASDでも向いている仕事はあります

私は、ここをこの記事でとても大切にしたいと思っています。

仕事で何度も失敗すると、「自分は働けない」「どこへ行っても同じだ」「自分なんて社会に必要ない」と思ってしまう方がいます。

でも、一つの職場でうまくいかなかったことと、働く力がないことは同じではありません。

ASDの方には、人によって、

  • 一つのことに深く集中できる
  • 興味のある分野を深く調べられる
  • 小さな違いによく気づく
  • 決められた手順を正確に続けられる
  • 好きなことに高い専門性を持てる

といった強みがみられることがあります。

もちろん、これも全員に当てはまるわけではありません。

大切なのは、「ASDに向いている職業」を探すことより「自分が力を出せる条件」を探すことです。

得意なことから仕事を考えてみる

自分の特徴合いやすい可能性のある仕事・環境
一つのことに集中するのが得意プログラミング、設計、研究、制作、動画編集など
細かい違いによく気づく検品、品質管理、校正、データチェックなど
決まった手順が安心製造、定型事務、倉庫作業、清掃など
人とのやり取りで消耗しやすい少人数の職場、在宅、一人で進められる仕事
好きなことを深く追求できるIT、技術職、研究職、クリエイティブ、専門職など

「自分一人で仕事を探さなくてもいい」ということも知ってほしい

  • 自分に合った仕事が分からない
  • 面接が怖い
  • 何度も仕事を辞めて自信がない
  • 職場にどう説明したらいいのか分からない

そんなとき、全部を一人で解決する必要はありません。

発達障害者支援センターでは、本人や家族からの相談を受け、就労についてもハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどと連携して支援しています。

また、ジョブコーチという制度もあります。

ジョブコーチは本人だけを支援するのではなく、実際の職場に入り、本人と会社の両方を支援します。仕事の教え方や職務内容、職場環境についても必要に応じて助言します。

当院でも、就労について相談に乗ったり、自分に合う仕事や支援先を一緒に考えてくれる人の存在をお伝えすることがあります。(当院からも紹介できますので、お気軽にご相談ください)

制度の内容や利用条件はそれぞれ違いますが、「自分一人で仕事を探さなくてもいい」ということは知っておいてほしいと思います。

仕事探しに悩む人を家族、就労支援、ジョブコーチ、相談員が一緒に支えるイラスト

自己肯定感が下がってしまった方へ

ASDの特性そのものより、これまで言われ続けてきた言葉の方がつらいという方もいます。

「なんでそんなことも分からないの?」「普通は分かるでしょう」「何回言ったら分かるの?」こうした経験が積み重なると、「自分はおかしい」「自分は何をやってもダメ」と思いやすくなります。

でも、苦手な環境でうまくできなかったことと、人としての価値は別です。

国立障害者リハビリテーションセンターも、診断名だけを見るのではなく、その人が何をできて、何が苦手で、どんな魅力があるのかを見ることが大切だと説明しています。

リフレーミング|見方を少し変えてみる

リフレーミングとは、嫌な出来事を無理やり良い出来事に変えることではありません。

「別の見方もできないかな?」と考えてみることです。

例えば、

今までの見方別の見方
人付き合いが苦手少人数なら丁寧に関われるかもしれない
こだわりが強い好きなことを深く追求できる
慎重すぎるミスを防ぐためによく確認できる
細かいことが気になる小さな違いに気づける
予定変更が苦手見通しのある環境なら力を発揮しやすい
失敗した次に気をつけるポイントが一つ分かった

ただし、「苦手なことも全部長所です」と言いたいわけではありません。

本当につらいことを無理にポジティブに変える必要もありません。

「自分はダメだ」と100%自分を否定する前に、違う角度から一度見てみるための方法です。

こだわりや人付き合いの苦手さを別の視点から捉えるリフレーミングのイラスト

心と体が疲れ切っている方もいます

  • 人に合わせ続ける
  • 失敗しないようにずっと緊張する
  • 家に帰ってからも今日の会話を何度も思い返す
  • 明日の仕事を考えるだけで不安になる

この状態が続けば、心だけでなく体もしんどくなることがあります。

当院でも、

  • 首や肩に力が入りっぱなし
  • 頭痛が増えた
  • 夜になっても頭が休まらない
  • 眠りが浅い
  • 胸がドキドキする
  • 人と会う前から不安になる
  • 休日は何もする気になれない

といったお話を伺います。

ASDそのものを整体で変えることが目的ではありません。

しかし、緊張し続けている体をゆるめたり、呼吸しやすい状態をつくったり、睡眠・食事・運動・考え方を一緒に整理したりすることはできます。

必要に応じて、医療機関や発達障害の専門支援、就労支援などにつなぐことも大切だと考えています。

当院が大切にしていること

私は、「みんなと同じようにできるようにしましょう」と言いたいわけではありません。

  • 苦手なところは工夫する
  • 得意なところは使う
  • 一人では難しいところは助けてもらう
  • そして、疲れ切っているときには体を休ませる

それでいいと思っています。

ASDの診断がある方も、診断は受けていないけれど「自分もそうなのかもしれない」と感じている方も、ご家族も、それぞれ悩み方は違います。

だからこそ、診断名だけでその人を見るのではなく、その人が今、何に困っているのかを一緒に考えることを大切にしています。

本人も家族も、どちらか一方だけが悪いわけではありません

大人のASDについて調べていると、「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」といった特徴がたくさん出てきます。

でも実際のお悩みは、もっと複雑です。

本人には、「真面目に働いているのに、なぜかうまくいかない」「人と関わりたいのに、人といると疲れる」「また失敗するのではないかと怖い」という苦しさがあります。

家族には、「一番分かってほしい人に分かってもらえない」「悪い人ではないのに話が通じない」「自分ばかり我慢しているようで疲れた」という苦しさがあります。

どちらかを責めても、なかなか解決しません。

まず大切なのは、本人と家族では物事の受け取り方や伝わり方が違うことがあると知っておくことです。曖昧な言い方よりも「何をしてほしいのか」「いつまでなのか」などをできるだけ具体的に伝え、すぐに返事を求めず考える時間を作ることも役立ちます。

口頭でのやり取りが難しいときは、紙に書いたりLINEを使ったりする方が伝わりやすい場合もあります。本人だけ、家族だけで何とかしようとせず、必要に応じて周囲の人や専門家に相談することも大切です。

仕事がうまくいかないときは、環境との相性も考えてみる

学校や仕事で失敗が続くと、「自分は何をやってもダメだ」と感じてしまうことがあります。特に周囲とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、同じことで何度も注意されたりすると、自信を失ってしまう方も少なくありません。

ただ、うまくいかない理由がすべて本人にあるとは限りません。仕事内容そのものが合っていない場合もあれば、指示の出し方や職場の雰囲気、人間関係、働く時間などが負担になっていることもあります。

実際に、環境や仕事内容が変わることで、それまで苦手だったことが問題にならなくなったり、逆に得意な部分を評価されたりすることもあります。

「できないこと」ばかりを見るのではなく、どんな仕事なら続けやすいのか、どんな環境なら力を出しやすいのかを整理していくことが大切です。本人や家族だけで判断が難しい場合は、医療機関や支援機関、就労支援などに相談しながら考えていく方法もあります。

もし「死にたい」「消えたい」という気持ちが続いている、自分を傷つける方法を具体的に考えているといった場合は、仕事の問題としてだけで済ませず、できるだけ早く家族や医療機関などに相談してください。

仕事がうまくいかなかったことと、その人自身の価値は別の話です。合わない場所で無理を続けるより、環境や働き方を見直した方がよい場合もあります。

よくある質問

Q
大人になってからASDやアスペルガーの特徴に気づくことはありますか?
A

あります。子どもの頃は大きな問題がなくても、就職や結婚などで人間関係が複雑になり、コミュニケーションの苦手さや強いこだわりに気づくことがあります。

Q
仕事が長続きしないのはASDが原因なのでしょうか?
A

ASDだけが原因とは限りません。仕事内容、人間関係、指示の出し方、勤務時間など、職場との相性が影響していることもあります。何が負担になっているのかを整理することが大切です。

Q
家族はどのように接したらいいですか?
A

曖昧な言い方を減らし、できるだけ具体的に伝える方が分かりやすいことがあります。すぐに返事を求めず、考える時間を作ることも一つの方法です。

Q
ASDかもしれないと思ったら、どこに相談すればいいですか?
A

診断を希望する場合は、精神科や心療内科、発達障害を診ている医療機関が相談先になります。仕事については、発達障害者支援センターや就労支援機関に相談する方法もあります。

Q
ASDの人でも自分に合う仕事を見つけることはできますか?
A

可能です。得意・不得意は人によって違うため、「ASDだからこの仕事」と決める必要はありません。仕事内容だけでなく、職場の環境や人間関係、指示の受け方なども含めて考えることが大切です。

まとめ

大人のアスペルガー・ASDで悩んでいる方は、仕事や人間関係で失敗が重なると、「自分は社会に向いていない」と自信をなくしてしまうことがあります。一方、ご家族も「何度話しても伝わらない」「悪い人ではないのに疲れてしまう」と悩むことがあります。

大切なのは、どちらかを責めることではなく、物事の受け取り方や伝え方の違いを知ることです。

仕事も同じです。今の職場が合わなかっただけで、働く力がないとは限りません。得意なことを活かせる仕事や環境もありますし、一緒に仕事を探してくれる支援者もいます。

「ここではうまくいかなかった。でも、自分に合う場所はあるかもしれない」

その可能性まで、なくさないでほしいと思っています。

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参考文献・参考資料

  • 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「発達障害とは」
  • 国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害者支援センターの事業内容」
  • 政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害」
  • 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「ジョブコーチ支援」
  • NICE「Autism spectrum disorder in adults: diagnosis and management」
  • Long EL, Catmur C, Bird G. The theory of mind hypothesis of autism: A critical evaluation of the status quo. Psychological Review. 2026
  • Van der Hallen R, et al. Global processing takes time: A meta-analysis on local-global visual processing in ASD. Psychological Bulletin. 2015
  • 『自己肯定感の教科書』中島輝
  • 『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健