
「子どものチック動作、また増えてる気がして…」
「注意した方がいいのかな…」
「でも、“やめなさい”って言うと余計につらそう…」
お子さんが急に目をパチパチしたり、首を動かしたり、声を出したりすると、親御さんは心配になりますよね。
チックやトゥレット症候群は、まだ分かっていないこともあります。ただ、緊張や疲れ、睡眠不足、環境の変化などによって症状が強くなるお子さんもいます。
この記事では、チックで悩むお子さんへの接し方や、緊張・自律神経・体との関係について、できるだけわかりやすくお伝えします。
- お子さんのチックが増えて心配な方
- 「やめなさい」と注意していいのか迷っている方
- 病院で経過観察と言われ、不安が残っている方
- ストレスや自律神経との関係が気になる方
- 学校では頑張っているのに、家で症状が増える方
まず知っておいてほしいこと
チックについて、まず知っていただきたいことがあります。
- 本人がわざとしているわけではない
- 人にうつるものではない
- 無理に止めようとすると緊張することがある
- 本人自身も困っていることがある
「またしてる!」「やめなさい!」
心配だからこそ、つい言いたくなることもあると思います。
しかし、本人も「止めたいのに止められない」と感じている場合があります。
また、「自分の育て方が悪かったのでは」と悩まれる親御さんもおられますが、チックを親の育て方だけで説明することはできません。
まずは「今は緊張しているのかな」と、少し違った視点から見てあげてください。
チックとは?どんな症状があるの?
チックとは、自分の意思とは関係なく、急に繰り返してしまう動きや声のことです。
例えば、
- 目をパチパチする
- 首や肩を動かす
- 鼻を鳴らす
- 咳払いをする
- 声が出る
などがあります。
症状には波があり、一時的に少なくなったり、疲労や緊張、環境の変化などで目立ってきたりすることもあります。
子どもの頃にみられることが多く、成長とともに落ち着いていくお子さんもいます。
また、新学期、引っ越し、きょうだいが生まれるなど、大きな環境の変化をきっかけに、それまであったチックが目立つようになることもあります。
トゥレット症候群とは?
複数の運動チックと音声チックがあり、チックが始まってから1年以上続く場合などに、トゥレット症候群と診断されることがあります。
症状の種類や強さには大きな個人差があります。
なぜ強く出る時と落ち着く時があるの?
「今日は少ない」
「最近また増えてきた」
チックには、このような波がみられることがあります。
例えば、
- 緊張
- 疲労
- 睡眠不足
- 環境の変化
- 我慢やストレス
などが重なると、症状が強くなるお子さんもいます。
学校では頑張って抑えていて、家に帰って安心した途端にチックが増えることもあります。
ですから、家で症状が出ることを「家で悪くなっている」と考えるだけでなく、「外でずっと頑張っていたのかもしれない」という見方もできます。
自律神経や体の緊張との関係
自律神経は、呼吸、睡眠、胃腸、血流、緊張とリラックスなどに関わっています。
ストレスや疲れが続くと、
・肩や首に力が入る
・呼吸が浅くなる
・刺激に敏感になる
・疲れやすくなる
といった状態になることがあります。
チックそのものを「自律神経が原因」と考えることはできません。
ただし、緊張や疲労によって症状が強くなるお子さんがいるため、当院ではチックだけを見るのではなく、呼吸や姿勢、体の緊張、睡眠なども一緒にみています。方もいるため、当院では「安心できる体づくり」を大切にしています。
▶自律神経についてまとめておりますのでこちらをご覧ください
食事や栄養も体の土台のひとつ
チックやトゥレット症候群については、ドーパミンなど神経伝達物質との関係も研究されています。
ただし、「この栄養素をとればチックがよくなる」と単純に言えるものではありません。
当院では、
- 朝ごはんを抜きすぎない
- 卵、納豆、魚、肉などのタンパク質をとる
- 甘いものだけで食事を終わらせない
- 睡眠時間を確保する
など、まず基本的な体づくりを大切にしています。
完璧な食事を目指す必要はありません。できることから少しずつで十分です。
チックがあるお子さんへの接し方

まずは否定しすぎない
チックは本人がふざけてしているわけではありません。
強く注意されることで「また出た」「止めないと」と意識が集中し、かえって緊張するお子さんもいます。
症状ばかりを追いかけるより、普段どおり接してあげることも大切です。
「大丈夫だよ」と言える場所をつくる
真面目で周囲を気にするお子さんほど、「ちゃんとしなきゃ」と頑張りすぎている場合があります。
「今日も頑張ったね」
「ゆっくりでいいよ」
そんな声かけで、ホッとできる場所をつくってあげることも大切です。
学校の先生など周囲の方にも「わざとしているのではない」と理解してもらえると、お子さんの負担が減ることがあります。
医療機関への相談を考えたいケース
チックは成長とともに落ち着いていくこともありますが、
- 本人がとてもつらそう
- 学校生活や睡眠に支障がある
- 痛みや自傷につながっている
- 急に症状が強くなった
- 長期間続いている
といった場合には、小児科、小児神経科、児童精神科などで相談することも大切です。
不安、集中しづらさ、強迫的な行動など、チック以外の困りごとが重なっている場合もあります。
当院ではこのようにみています
当院は診断や投薬を行う医療機関ではありません。
チックやトゥレット症候群そのものを治療するという立場ではなく、
- 呼吸
- 姿勢
- 体の緊張
- バランス感覚
- 目の使い方
などを確認しながら、やさしい施術や運動を行います。
また、睡眠や食事など「体の土台」についても一緒に考えていきます。
症状だけを追いかけるのではなく、「安心して過ごせる時間を増やすこと」を大切にしています。
当院でみさせていただいたケース
小学校低学年の男の子です。
幼稚園の頃から、目をパチパチする、首を動かす、鼻を鳴らすといった症状があり、病院ではチック症と診断されたそうです。
新学期や発表前、疲れている時などに症状が強く、学校では頑張っている反面、家に帰るとグッタリしていました。
当院では、目の動き、姿勢、呼吸、体の緊張、バランス感覚などを確認しました。
肩や首に力が入りやすく、呼吸も浅めでした。
そこで強い刺激ではなく、やさしく体の緊張をゆるめる施術と、バランス遊びや軽い運動などを行いました。
お母さんにも「チックを否定しすぎず、安心できる時間を増やしてみましょう」とお伝えしました。
3か月ほど経過する中で、表情がやわらぎ、家でリラックスして過ごせる時間も増えていきました。
現在も症状には波がありますが、お母さんからは、「前より“ダメ”ではなく、“大丈夫だよ”と言えるようになりました」とお話しいただきました。

※あくまで一例であり、すべての方に同じ変化があるわけではありません。
親御さんへ伝えたいこと
実は、私の息子にもチックがありました。
私自身も最初は、「このままで大丈夫なのかな」と心配しました。
息子の場合は、成長とともに少しずつ落ち着いていきました。
ですから今、お子さんのことで心配されている親御さんの気持ちはよく分かります。
チックを見つけるたびに「止めなきゃ」と考えるより、その子が何を頑張っているのか、疲れていないか、安心できる時間があるか。
少し視点を広げてみることも大切だと思っています。
よくある質問
- Qチックとトゥレット症候群は何が違いますか?
- A
チックは、目をパチパチする、首を動かす、声が出るなどの症状の総称です。複数の運動チックと音声チックがあり、1年以上続く場合などにトゥレット症候群と診断されることがあります。
- Qチックにはドーパミンが関係すると聞きました。食事で対策できますか?
- A
ドーパミンなど神経伝達物質との関係は研究されていますが、特定の食品で改善するとは言えません。まずは朝食、タンパク質、睡眠など基本的な生活習慣を整えることを大切にしています。
- Q学校でチックに困っている場合、自分でできることはありますか?
- A
無理に我慢し続けないことが大切です。ゆっくり息を吐く、少し体を動かす、安心して話せる先生を決めておくなど、その子がホッとできる方法を一緒に見つけてみてください。
まとめ
チックやトゥレット症候群は、まだ分かっていないこともあります。
一方で、疲労、睡眠不足、緊張、環境の変化などによって症状が強くなるお子さんもいます。
「やめなさい」と症状だけを追いかけるのではなく、
「最近、頑張りすぎていないかな」
「ちゃんと眠れているかな」
「安心できる時間はあるかな」
そんなふうに体全体や生活を見てあげることも大切です。
ひとりで抱え込まず、心配なことがあればご相談ください。

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参考文献
- 『マンガでわかる!発達障害の子どもとの接し方』岡田尊司
- 『マンガでわかる!「発達障害」と間違われる子どもたち』成田奈緒子
- 『0~3歳児の子どもも親も笑顔になるゲーム』:皆川尚子・斎藤道雄
- 『子どものこころの発達を知るシリーズ チック・トゥレット症』星野 恭子
- 『マンガでわかる 発達障害の子どもたち』:本田秀夫





