子供の頃、目をパチパチさせることが多かったです。
自分では困っていないのですが母親が心配していました。
自分で勝手に出てしまうのもわかっています。
その時、病院では「チック症」だといわれました。
うつったりはしないので大丈夫だそうです。
今は、出ていませんが、大人になっても「トゥレット症候群」というものがあると聞いたことがあります。
実際に大人でなって出てしまったら、どのように対処していったらいいのでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
チック症についてお悩みの方です。チック症とは突然、すばやく、目をパチパチさせたり発声したり、首を傾げたりすると定義されています。
まだまだ原因なども、わかっていないことも多いですが、お悩みの方の参考になれば幸いです。それと周囲の方に知ってもらうことが大切です。
チック症の方への接し方
急に大きな声を出したり、目をぱちぱちさせたり、肩を動かしたりしてしまう人がいます。脳の問題だと言われています。
チックとは
チックとは「突発的、急速、反復性、非律動性などの運動や発声のこと」いわれています。
- 突然、社会的に不適切な言葉を言ってしまう
- コプロラリア(汚言症)
- エコプラキシア(他人の動きをまねてしまう)
- エコラリア(オウム返し)
- パリラリア(自分の話したことを繰り返す)
なども含まれます。5~9歳に多いといわれています。また1年以上続いた慢性化した状態は「トゥレット症候群」と言われます。
一般的には貧乏ゆすりなどと同じような「癖」といわれますが、神経的なもので不随意運動の一種です。男の子に多いといわれ、急に下の弟や妹ができて、愛着や不安、淋しさなどのストレスから発症することもあるといわれています。
「まばたき」が多いのは癖ではないこともあるということも知っておいてください。ドライアイなど目が乾くこともあります。また緊張したりすると「まばたき」が増える方も多いです。人にうつったりすることもないので過剰に反応するのは注意してください。
中学生くらいで次第になくなっていくといわれていますが、大人でも起こることもございます。ハッキリとはいえませんがストレスが原因ではないかといわれています。
ですが最近の研究では脳の伝達異常ということも考えられています。つまり神経伝達物質のドーパミンが関係しているのではないかと考えられています。原因はまだ、はっきりとわかっていません。
チックの診断と併存するもの
18歳未満であることと持続期間から3つに分けられます。
- 持続期間が1年未満・・・一過性チック障害
- 持続期間が1年以上で運動、音声チックの片方のみ・・・慢性運動性、慢性音声チック障害
- トゥレット障害(慢性)
強迫性障害と合わせて起こることがある
OCD(強迫性障害)と併存障害になることが多いといわれています。つまりセロトニンも関係する可能性があるとも言われています。
その他で当院のクライアントさんに多い症例
- 抜毛症
- 身体醜形障害
- 摂食障害
- 自閉症
などもしばしば併存される方がいます。問題となるのは不安障害、気分障害、睡眠障害などの精神的なお困り事も起こってしまうこともあるというです。
また強迫性障害のお母さんの子供にチックが多いということも当院のクライアントさんではありました。
チックの感覚と強迫
チックは自分では気づかないこともあります。皮膚の感覚ではヒリヒリする、チクチクするなどがあります。
性格的には完璧でないと気が済まないので不安を抑えるために、しっくりくるまで同じ行動を繰り返してしまうこともあるそうです。
トゥレット障害の感覚症状には服のタグを嫌がるとか靴下の締めつけを気にするなどの触覚過敏などの感覚過敏もあります。また首ふりなどの単純チックであっても「痛い」と感じるまでチックをすることもあります。
リストカットなどの自傷行為をしている方で口の中を噛んだり自分を叩くなどという行動をされる方には、チックなどの傾向が強くなる方もいらっしゃいます。
これらの動作を反復繰り返したらしっくりくるような感覚は強迫的な行動に似ていて、チックと同時に強迫行為が起こることがありますので早期に対処することも必要になってきます。
私として周囲の方の認知に注意して欲しいと思っています。周囲の方に、このような行動があるということを知ってもらい、真似されたり、バカにしたり「心ない」ような言葉を言うようなことは決してやって欲しくないと強く思います。人を傷つけるということがあることを知って欲しいのです。
症状が出やすい性格の方
真面目で完璧主義の方、それでいて不安で仕方がなく、でも責任感も強い、などのような性格の人は要注意です。
そしてストレスを溜めやすい人も注意が必要です。
他にもいろんな可能性があります次のパーソナリティをチェックしてみてください。これは性格的なものや育った環境などだけではなく脳の神経伝達異常の可能性もあるのです。決して性格とかだけではないということも知っておいてください。人それぞれの個性なのです。
パーソナリティからみてみると
10個のパーソナリティの種類があります。そのうちチックなどで多いのはこちらになります。
などをチェックしてみてください。その他のパーソナリティについては、こちらに10個詳しく掲載しておりますので参考にしてください。
一般的な治療とは
まずは病院へ行ってください。チックはOCDやADHDと併発しやすいといわれています。また発達系などの問題がないかも調べる必要があります。心理療法などのカウンセリングをする場合もありますし、ドーパミンの分泌を抑えるような薬物療法を行うこともあるそうです。
ですが一般的には自然とよくなっていかれる方が多いといわれています。
参考:「子どもの強迫性障害診断・治療ガイドライン」より
何かの参考になれば幸いです。当院で、すべて解決するということでは、もちろんございません。
当院では、多くはないですが、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、脳性麻痺、小児麻痺の方がお越しくださっております。私でも少しでも何かお役に立てることができればと、一生懸命、最善を尽くしております。
病院へ行かれる場合は、小児の専門の神経内科などをオススメします。
当事者との接し方
周りにチックの方やトゥレット症候群の方がいらっしゃったら、「やめろ!」などと言わずに、「大丈夫だよ」と優しく見守ってあげてください。
最近の研究では精神的なものではなく、神経的なものといわれています。
ただ罵声をあびせられ、ストレスで本当に精神的にダメージを受けてしまう人も少なくありません。何度も言いますが、この病気について理解を深めていただけたらと思います。
それと「チック症」が移るから「友達付き合いを控えなさい」、とか「あの子と遊ぶのはやめなさい」などという誤った認識の親もいますので注意してください。
当院でチック症の方が楽に過ごせるようになったケース
最初に、お母さんから連絡をいただきました。
息子さんは幼稚園の頃から眼をパチパチさせたり、急速に首を動かしたりする動作があります。病院では「チック症」と診断されました。
特に自分の弟が生まれてから発症したそうです。不安や恐怖、愛着不足がストレスとなって症状があらわれたのかもしれません。病院では特に治療はなかったそうです。医師からは一時的なもので「経過観察」といわれたそうです。
当院では目の動きなどもみさせていただき、両目でみれるか、追いかけられるか(遅く、素早く)、ずっと物を見続けられるか、目を閉じての眼球の運動がスムーズか、さらにパルスオキシメーターを使用して、いろんな数値を分析していきました。
眼球の運動も、「眼振」といって、とても震えておりました。
ですが、施術を重ねると、だんだん目が動きやすくなられていきました。
最初の2週間くらいは座っている姿勢を保持することが難しく、なかなか止まっていることが難しかったです。学校でも1コマの授業をじっとして居るのが辛いそうです。(ADHDなどの発達系の問題もお悩みでした。)
当院では原始反射の統合からのアプローチとしてストレッチポールやバランスボード、体幹トレーニング、バランスマットなどを使っていろんな動きを遊びながら、施術とトレーニングを併用させていただきました。
3か月くらい経過して、座っているのが、前よりも安定してきました。姿勢も少しづつ良くなってこられました。今後も全力でサポートさせていただきます。
チック症の方への日常で注意した点
- 周囲の方へ症状を伝え理解してもらう
- 突然、辛くなることもあるので「休める場所」を確保しておく
- ストレスで悪化することもあるのでストレスを減らし、ストレス耐性をつける
- リラックスを心がける
- 愛着形成にも目を向ける(お母さんとの関係性の構築)
まとめ
- 「大丈夫だよ」と安心させるような声かけを心がける
- 脳の問題である場合もあると理解する
- 運動能力を向上させる訓練で自分に自信が持てるようになる