
「急にお腹が痛くなったらどうしよう」
「電車や会議中にトイレへ行きたくなるのが怖い」
「便秘が続いたと思ったら、今度は下痢になる」
このようなお腹の不調に悩んでいませんか?
病院で検査を受けて「大きな異常はありません」と言われても、腹痛や下痢、便秘が続けばつらいですよね。
外出先のトイレを確認したり、電車に乗るのが不安になったりして、少しずつ行動範囲が狭くなる方もおられます。
過敏性腸症候群は、単純に「腸が悪い」「気持ちが弱い」という問題ではありません。
腸の動きや刺激への敏感さ、脳と腸の情報交換、睡眠、食事、ストレスなどが複雑に関係しています。
当院では、過敏性腸症候群のお悩みを腸だけの問題として見るのではなく、体・心理・栄養・生活習慣のつながりから考えています。
この記事では、過敏性腸症候群の原因や病院で行われる治療、整体でお手伝いできることを分かりやすくお伝えします。
- 便秘と下痢を繰り返している
- 朝や外出前になるとお腹が痛くなる
- 電車、学校、職場でトイレへ行けないことが不安
- 病院で過敏性腸症候群と診断された
- 検査では異常なしと言われたけれどつらい
- ストレスや緊張でお腹の症状が強くなる
- 薬だけでなく、体や生活習慣からも見直したい
- 仕事や学校が休みの日は、お腹の症状が比較的ラクになる
胃もたれ、胸やけ、お腹の張りなど、過敏性腸症候群以外の胃腸の不調について知りたい方は、こちらのまとめページをご覧ください。
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群は、英語の「Irritable Bowel Syndrome」の頭文字を取り、IBSとも呼ばれています。
過敏性腸症候群は、腹痛やお腹の不快感とともに、便秘や下痢などの便通異常が繰り返される状態です。診断では症状の経過を確認し、必要に応じて検査を行い、症状の原因となる他の病気がないかを調べます。
主な症状には、次のようなものがあります。
- 腹痛やお腹の不快感
- 便秘
- 下痢
- 便秘と下痢を繰り返す
- お腹の張り
- おならが増える
- 排便してもスッキリしない
- 急に便意を感じる
- トイレへの不安が強くなる
- コロコロした硬い便が出る
検査で大きな異常が見つからなくても、症状は実際に起きています。
「気のせい」「考えすぎ」と片づけられるものではありません。
過敏性腸症候群には4つのタイプがあります
| タイプ | 主な特徴 |
|---|---|
| 便秘型 | 硬い便が多く、出しにくさや残便感がある |
| 下痢型 | 軟便や水のような便、急な便意が起こりやすい |
| 混合型 | 便秘と下痢の両方を繰り返す |
| 分類不能型 | いずれの型にも明確に当てはまらない |
便の状態はいつも同じとは限りません。
体調、食事、睡眠、緊張、環境の変化などによって、便秘の日と下痢の日が入れ替わることもあります。
過敏性腸症候群の原因は一つではありません
過敏性腸症候群の原因は、現在もすべてが明らかになっているわけではありません。
自律神経の乱れだけで起こるのではなく、次のような要因が重なっていると考えられています。
腸の動きと知覚過敏|ベルトコンベアに例えると
腸を、食べ物や便を運ぶ「ベルトコンベア」に例えてみましょう。
通常は、腸が一定のリズムで動きながら、食べ物を消化・吸収し、不要なものを便として運びます。
しかし、過敏性腸症候群では、
- 腸の動きが速くなる
- 腸の動きがゆっくりになる
- 少しのガスや便でも痛く感じる
- 腸から脳へ送られる信号を強く感じる
といった変化が起こることがあります。
ベルトコンベアの速さだけでなく、腸の刺激を感じ取るセンサーも敏感になっているような状態です。
そのため、少し便がたまっただけでも強い便意を感じたり、通常では気にならないガスを痛く感じたりすることがあります。
脳と腸のつながり
脳と腸は、自律神経やホルモンなどを通じて、双方向に情報をやり取りしています。
これを「脳腸相関」といいます。
たとえば、大切な試験や発表の前にお腹が痛くなった経験はありませんか?
不安や緊張が強くなると、脳から腸へ送られる信号が変化し、腸の動きや感覚に影響することがあります。
反対に、お腹の痛みや急な便意が脳へ伝わり、
「またお腹が痛くなるかもしれない」
「トイレへ行けなかったらどうしよう」
という不安が強くなることもあります。
このように、脳と腸の間で不安と症状が行き来し、悪循環になることがあります。過敏性腸症候群は、現在では「脳と腸の相互作用に関係する病気」として捉えられています。
食事や腸内環境
脂肪の多い食事、アルコール、カフェイン、香辛料などで症状が強くなる方がいます。
一方で、食物繊維やヨーグルト、発酵食品を取れば、すべての方のお腹の調子が整うわけではありません。
体に合わない場合は、お腹の張りやガス、下痢が強くなることもあります。
大切なのは、健康によいと言われている食品を一律に増やすことではなく、自分の体がどの食品に反応しているかを確認することです。
睡眠不足や心身の疲れ
睡眠不足や過労が続くと、心身が十分に休めず、お腹の症状が強くなることがあります。
特に、
- 仕事や家事を一人で抱え込む
- 人に頼むことが苦手
- 周囲に気をつかいすぎる
- 「ちゃんとしなければ」と考えやすい
- 休んでいると罪悪感がある
という方は、知らないうちに緊張が続いているかもしれません。
もちろん、真面目な性格や優しい性格が過敏性腸症候群の原因という意味ではありません。
ただ、長く頑張り続けている状態が、睡眠や呼吸、食事、腸の働きに影響していることはあります。
このような症状は医療機関で確認してください
便秘や下痢が続いていても、すべてが過敏性腸症候群とは限りません。
次のような症状がある場合は、消化器内科などの医療機関で確認することが大切です。
- 血便が出る
- 発熱を伴う
- 理由なく体重が減っている
- 貧血を指摘された
- 強い腹痛が続く
- 夜中に腹痛や下痢で目が覚める
- 急に症状が強くなった
- 大腸の病気にかかったことがある
- 50歳以降に初めて便通異常や腹痛が続くようになった
- 家族に大腸がんや炎症性腸疾患などを経験した方がいる
病院では、問診や診察に加えて、必要に応じて血液検査、便検査、内視鏡検査などを行い、炎症性腸疾患や大腸の病気などが隠れていないかを確認します。
病院と整体では役割が異なります
過敏性腸症候群では、病院と整体のどちらか一方だけを選ばなければならないわけではありません。
それぞれ役割が異なります。
| 病院・消化器内科 | 当院 |
|---|---|
| 病気の診断や必要な検査 | 病気の診断や検査は行わない |
| 他の病気との区別 | 姿勢、呼吸、体の緊張などを確認する |
| 症状や型に応じた薬物療法 | 負担の少ないやさしい施術を行う |
| 必要に応じた食事療法・心理療法 | 食事、睡眠、心理、生活習慣を一緒に見直す |
病院では、便秘型・下痢型などの症状に応じて、腸の動きを調整する薬、便を整える薬、下痢や便秘に対する薬などが使われます。
食事療法、運動療法、認知行動療法などの心理的なアプローチが行われることもあります。
整体院では、過敏性腸症候群を診断したり、腸の病気を直接治療したりすることはできません。
しかし、体の緊張、浅い呼吸、睡眠不足、生活の乱れなどが重なっている方に対して、心身が休みやすい状態づくりをお手伝いすることはできます。
当院では体・心理・栄養・生活習慣から考えます
過敏性腸症候群は、腸だけに注目しても全体が見えないことがあります。
当院では、次の4つの方向から現在の状態を確認します。
体の緊張をやさしく整える
お腹の不調が続いている方は、腹部だけでなく、首、背中、肋骨、骨盤まわりに力が入っていることがあります。
呼吸が浅くなり、お腹を守るように体を丸めている方もおられます。
当院では、強く押したり無理にひねったりせず、オステオパシーのストレイン・カウンターストレインなどを使い、痛みや負担の少ない姿勢でやさしく施術します。
お腹を強く押すような施術ではありません。
その日の状態や不安を確認しながら進めますので、刺激に敏感な方もご相談ください。
心理的な負担を整理する
「外出先でお腹が痛くなったらどうしよう」
「人に迷惑をかけてはいけない」
このような不安が続くと、トイレやお腹への意識が強くなります。
当院では、症状を無理に気にしないようにするのではなく、
- どのような場面で不安が強くなるのか
- 頭の中でどのような言葉が浮かぶのか
- できなくなったことだけでなく、できていることは何か
を一緒に整理します。
自分の考え方のクセに気づくことは、性格を否定することではありません。
山道で迷ったときに、地図やGPSで現在地を確認するようなものです。
今の位置が分かれば、少しずつ進みやすい方向へ修正できます。
食事と栄養を確認する
「腸にいいものを食べなければ」と考え、発酵食品や食物繊維、サプリメントを急に増やす方がおられます。
しかし、過敏性腸症候群では、人によって合う食品が異なります。
当院では、
- 食事の時間
- 食事量
- よく食べている食品
- カフェインやアルコール
- サプリメントやプロテイン
- 食後に症状が出るまでの時間
などを確認します。
必要に応じて、食事内容と症状を記録します。食べる速度、水分量、食事回数なども確認し、何を増やすかだけでなく、取りすぎているものや症状に影響している食品がないかを一緒に考えます。
極端な食事制限や、自己判断による長期間の低FODMAP食などは避け、必要な場合は医師や管理栄養士に相談することが大切です。
睡眠と生活習慣を見直す
睡眠時間が短い、夜中に何度も目が覚める、休日も予定を詰め込んでいるという状態では、体が休みにくくなります。
当院では、完璧な生活を求めるのではなく、
- 朝に光を浴びる
- 食事時間を大きく乱さない
- 無理のない範囲で体を動かす
- 休む予定を先に入れる
- 寝る前のスマートフォンを減らす
など、実際に続けられる方法を一緒に考えます。
当院へ相談された40代女性の例
40代の女性で、便秘と下痢を繰り返し、外出することが不安になっている方が来院されました。
仕事と家庭の負担が重なり、家庭内の問題や生活環境の変化も続いていました。
真面目で責任感が強く、人に頼るよりも自分で何とかしようと頑張る方でした。
疲れていても休めず、限界になると電気のブレーカーが落ちるように動けなくなることがあったそうです。
当院では、お腹だけを施術するのではなく、
- 首や背中、肋骨まわりの緊張
- 呼吸のしやすさ
- 睡眠時間
- 仕事と家事の負担
- 「自分がやらなければ」という考え方
を確認しました。
やさしい施術とともに、睡眠や休養、日常生活のペースについても一緒に見直しました。
通院を続けながら、施術だけでなく睡眠や休養、日常生活のペースも一緒に見直しました。
その後、ご本人から、「以前より眠れる日が増えた」「腹痛が起こる回数が減ってきた」「前より外出しやすくなった」というお話がありました。
これは一例であり、経過や感じ方には個人差があります。
ただ、お腹だけを見るのではなく、体と心、生活全体を見直すことが回復のヒントになる場合があります。
自分でできるセルフケア
食事と症状を簡単に記録する
細かい栄養計算をする必要はありません。
- 何を食べたか
- 何時ごろ食べたか
- 便の状態
- 腹痛や張り
- 睡眠時間
- その日の緊張や疲れ
を簡単に記録すると、自分のパターンが見えやすくなります。
食事を急に変えすぎない
お腹の調子が悪いと、次々と食品を減らしたくなるかもしれません。
しかし、一度に多くの食品をやめると、何が影響していたのか分からなくなります。
一つずつ確認しながら調整しましょう。
朝に光を浴びる
朝にカーテンを開けて光を浴びることは、生活リズムを整える助けになります。
外へ出られる日は、短い散歩を組み合わせてもよいでしょう。
無理のない範囲で体を動かす
ウォーキングや軽い体操など、続けやすい運動から始めます。
調子が悪い日に無理をする必要はありません。
「10分できなければ意味がない」と考えず、1~2分でも体を動かせたら十分です。
ゆっくり息を吐く
呼吸を大きくしようと頑張ると、かえって苦しくなる方がいます。
まずは肩の力を抜き、吸うことよりも、息を細く長く吐くことを意識します。
3秒程度で吸い、5~6秒程度で吐く方法もありますが、秒数は目安です。
苦しさやめまいを感じる場合は中止し、自然な呼吸へ戻してください。
予定を詰め込みすぎない
空いた時間に休むのではなく、先に休む時間を予定に入れてみてください。
頑張りすぎる方にとって、休むことは怠けではありません。
体が再び動くために必要な準備です。
よくある質問
- Q胃腸の検査で異常がなければ、気持ちの問題ですか?
- A
いいえ。検査で大きな異常が見つからなくても、腹痛や便通異常は実際に起きています。
過敏性腸症候群には、腸の動き、知覚過敏、脳腸相関、食事、睡眠、ストレスなどが関係します。
心理的な要因だけが原因という意味ではありません。
- Q病院へ行くなら何科がよいですか?
- A
消化器内科が一般的です。
血便、発熱、体重減少、強い腹痛などがある場合や、症状が長く続いている場合は、まず医療機関で確認してください。
- Q薬を飲んでいても整体を受けられますか?
- A
基本的には、医師から処方された薬を自己判断で中止せず、そのまま服用しながらご相談ください。
薬の変更や中止については、処方した医師に確認する必要があります。
病院での治療と、体や生活習慣へのサポートは併用できます。
- Q過敏性腸症候群は整体でよくなりますか?
- A
整体で過敏性腸症候群を直接治療するものではありません。
ただし、体の緊張、浅い呼吸、睡眠不足、疲労などが重なっている方に対して、心身が休みやすい状態づくりをお手伝いできます。
変化の感じ方や経過には個人差があります。
- Qお腹を強く押されませんか?
- A
当院では、お腹を強く押したり、痛みを我慢させたりする施術は行いません。
首、背中、肋骨、骨盤なども含めて全身を確認し、楽な姿勢でやさしく整えていきます。
不安なことがあれば、施術前や途中でも遠慮なくお伝えください。
- Qプロテインやサプリメントを飲んだ方がよいですか?
- A
不足している栄養を補う方法の一つですが、すべての方に必要とは限りません。
プロテインやサプリメントは、製品の成分、摂取量、体質によって、お腹の張りや便通に影響することがあります。
何を飲むかだけでなく、現在の食事、摂取量、症状が出る時間を確認することが大切です。
まとめ
過敏性腸症候群は、腸だけの問題でも、気持ちだけの問題でもありません。
- 腸の動き
- 刺激への敏感さ
- 脳と腸の情報交換
- 食事や腸内環境
- 睡眠や生活リズム
- 不安や心身の緊張
などが複雑に関係しています。
まずは医療機関で、他の病気が隠れていないかを確認することが大切です。
病院での治療を続けながら、体の緊張、睡眠、食事、心理的な負担も一緒に見直したい場合は、別の角度から考えることが回復のヒントになるかもしれません。
当院では、過敏性腸症候群を腸だけの問題として見ず、体・心理・栄養・生活習慣から総合的にサポートしています。
一人で我慢し続けなくても大丈夫です。
「自分の場合は相談してもよいのかな」と迷われたときは、LINEからお気軽にご相談ください。

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参考文献
- 『小腸を強くすれば病気にならない』:江田証
- 『「脳の疲れ」がとれる生活術』:有田秀穂
- 『心身の不調が楽になる鉄分ちょい足しごはん』:毛利有香
- 『オーソモレキュラーダイエット』:安藤麻希子
- 『うつ病・自律神経失調症治る人治らない人』:鈴木直人




