

夜になると、急にいろいろ考えてしまうんです。
将来のことや家族のことが頭から離れなくて、気づいたらずっとぐるぐる考えています。
そのうち胸がドキドキして、息も浅くなってきます。
「今日も眠れないかも」と思うと、余計に不安になります。
こんなとき、自分でできることはありますか?
夜になると、昼間は気にならなかったことまで次々と思い浮かび、「考えないようにしよう」とするほど、頭の中がぐるぐるして眠れなくなることがあります。
これは、気持ちが弱いからでも、考え方が悪いからでもありません。不安が強いときは、頭だけでなく、呼吸が浅くなる、胸がドキドキする、体に力が入るなど、体も緊張していることがあります。
そんなときは、不安を無理に消そうとするよりも、「今、自分は不安になっているな」と、少し離れたところから眺めてみることが役立つ場合があります。
この記事では、自分の気持ちを客観的に見る方法「ディソシエイト」と、体の緊張をゆるめる簡単な対処法についてお伝えします。
不安で眠れないときによくある状態
- 理由が分からない不安
- 動悸や息苦しさ
- 考えが止まらない
- 夜になると不安が強くなる
- 眠れない、途中で目が覚める
なぜ夜になると頭がぐるぐるするのか
不安で眠れない状態は、単に「考えすぎ」だけの問題ではありません。
昼間は仕事や家事、人とのやり取りなどに意識が向いていても、夜になって静かになると、将来のことや家族のこと、健康のことなどが一気に頭に浮かんでくることがあります。
また、不安が強いときは頭の中だけでなく、
- 呼吸が浅くなる
- 胸がドキドキする
- 肩や首に力が入る
- お腹が緊張する
- 体が休まらない
など、体にも緊張が現れることがあります。
心と体は別々ではありません。
体が緊張した状態が続くと、頭も休まりにくくなり、「考えないようにしよう」と思っても、なかなか考えが止まらないことがあります。
まじめで頑張る人ほど考えが止まりにくいことがあります
例えば、
- 優しすぎる
- 責任感が強い
- 周りに気を使いすぎる
- 頑張りすぎてしまう
という方は、昼間に自分の気持ちを後回しにしていることがあります。
そのため、夜になって周囲が静かになると、それまで抑えていた不安や考えが一気に出てくることがあります。
「夜になると考えすぎてしまう」のは、気持ちが弱いからではありません。
頭だけを何とかしようとするのではなく、まずは「今、自分は不安になっているな」「体にも力が入っているな」と気づくことが大切です。
不安を無理に消そうとしなくていい
「考えないようにする」と余計に考えてしまうことがあります
「考えないようにしよう」「早く眠らなければ」と頑張るほど、かえってそのことが頭から離れなくなることがあります。
「考えない」と意識している時点で、脳はそのことを確認し続けているからです。
そのため、まずは考えを無理に止めようとせず、「今、不安になっているな」「また考え込んでいるな」と気づくことから始めてみましょう。
不安をすぐに消せなくても大丈夫です。
まずは、自分の中で何が起きているのかに気づくことが大切です。
不安・パニック・強迫性障害などはどう違う?
「不安」とひとことで言っても、何を怖いと感じるのか、どのような症状や行動が現れるのかによって違いがあります。
不安、パニック、強迫性障害、社交不安症などは、似たように「不安」を感じても、症状の現れ方や困りごとは同じではありません。
例えば、
- 将来や健康について何度も考えてしまう
- 急に動悸や息苦しさが出て怖くなる
- 嫌な考えが何度も浮かんで確認したくなる
- 人からどう見られているかが怖くなる
など、不安の形は人によって違います。
そのため、すべてを同じ方法で何とかしようとする必要はありません。
生活に大きな支障が続いている場合は、セルフケアだけで抱え込まず、心療内科や精神科などへ相談することも大切です。
少し離れて自分を見るという考え方
不安が強いときは、自分の考えや感情の中に入り込みすぎていることがあります。
「眠れなかったらどうしよう」「明日もしんどかったらどうしよう」「このままずっと続いたらどうしよう」と考えているうちに、その考えが本当に起こることのように感じてしまうこともあります。
そんなときに役立つことがあるのが、少し離れたところから自分を見る方法です。
客観視する方法「ディソシエイト」とは
ディソシエイトとは、自分の感情や出来事の中に入り込みすぎず、少し離れたところから自分を見る考え方です。
難しく考える必要はありません。「自分を外から眺めてみる」くらいのイメージです。
映画を見るように自分を眺める
例えば、映画を見ているときのことを想像してみてください。
映画の主人公に入り込んで見ると、悲しい場面では自分まで悲しくなり、怖い場面ではドキドキします。
これと同じように、自分の不安や考えに入り込みすぎると、その感情をより強く感じることがあります。
反対に、「今、自分は不安になっているな」と少し離れて眺めてみると、感情との間に少し距離ができます。
不安をなくすことが目的ではありません。
不安の真ん中に入り込みすぎないことがポイントです。
実際のやり方
不安で頭の中がいっぱいになってきたら、自分の姿を少し上から見ているようにイメージしてみてください。
そして、
- 今どんな表情をしているか
- どんな姿勢になっているか
- 肩やお腹に力が入っていないか
- 呼吸は浅くなっていないか
- 今、何を考えているか
を観察してみます。
そのあと心の中で、「今、不安になっているな」「また考えているな」「胸がドキドキしているな」と実況するように言ってみてください。
「こんなことを考えたらダメ」「早く不安をなくさないと」と評価する必要はありません。
ただ気づくだけで十分です。
うまくできない日があっても問題ありません。
「今、自分は不安になっている」と気づけたこと自体が、不安に巻き込まれすぎないための一歩になります。
実際のご相談例
このようなお悩みがありました。
- 夜になると将来が不安になる
- 動悸が出る
- また不安になるのではという予期不安がある
- 考えないようにしても考えてしまう
- 布団に入ると頭の中がぐるぐるする
将来の不安で眠れなかった30代女性
30代女性の方です。
夜になると将来のことを考えて眠れなくなり、動悸が出ることもありました。
「また今日も眠れないかもしれない」という予期不安もあり、夜になること自体が怖くなっていました。
まずは整体で体の緊張を確認し、呼吸がしやすい状態を目指して調整していきました。
少しずつ体の緊張がやわらぎ、睡眠にも変化がみられ、食事を楽しめる日も増えてきました。
そこで次に、不安な考えに入り込みすぎないために「自分を客観的に見る練習」を行いました。
「また考えているな」「今、不安になっているな」と少し離れたところから自分を見る練習を続けていくと、「前より楽かも」と感じられる日が増えてきました。
最終的には、「完全になくなったわけではないけれど、怖さが減りました」とお話しくださいました。
不安を完全になくすことを目標にするのではなく、少しずつ「不安があっても戻れる」「前ほど巻き込まれなくなった」という経験を増やしていくことが大切だと考えています。
継続して通院してくださり、「呼吸が楽になった」「子どものことを以前ほど怒らなくなった」「自分は幸せなんだと感じられるようになった」というような有難いご感想をいただきました。
※すべての方が同じ経過になるわけではありません。
今夜からできるセルフケア
不安で頭の中がいっぱいになっているときは、「考えるのをやめよう」と頑張りすぎなくても大丈夫です。
まずは、考えや不安に入り込みすぎている状態から、少しだけ距離を取ってみましょう。
夜に考え始めたら少し離れて自分を見る
夜になって将来や家族、仕事、健康のことなどを考え始めたら、自分の姿を少し離れたところから眺めるようにしてみます。
例えば、
- 今どんな表情をしているか
- どんな姿勢になっているか
- 肩やお腹に力が入っていないか
- 呼吸が浅くなっていないか
を観察します。
そして、「今、不安になっているな」「また、ぐるぐる考えているな」と心の中で実況するように言ってみてください。
不安を消したり、無理に前向きに考えたりする必要はありません。
少し離れたところから自分の状態に気づくだけでも、不安に巻き込まれすぎないためのきっかけになります。
寝る前に体の力を抜く
不安が強いときは、頭だけでなく体にも無意識に力が入っていることがあります。
特に、
- 肩
- 首
- 胸
- お腹
- 手や足
などが緊張していることがあります。
寝る前に、一度手や肩へ軽く力を入れてから、ゆっくり力を抜いてみてください。
大切なのは「力を抜かなければ」と頑張らないことです。
「思ったより肩に力が入っていたな」「呼吸が浅くなっていたな」と気づくだけでも十分です。
当院で大切にしていること
当院では、不安や眠れないというお悩みに対して、「考え方だけを変えればいい」とは考えていません。
不安が強いときには、
- 呼吸が浅くなる
- 胸がドキドキする
- 首や肩に力が入る
- お腹が緊張する
- 体が休まりにくくなる
など、体にもさまざまな反応が現れることがあります。
そのため、考えている内容だけではなく、呼吸や姿勢、体の緊張、睡眠、食事、生活習慣なども一緒に確認します。
体の緊張に合わせたやさしいサポート
当院では、強く押したり、無理に体を動かしたりするのではなく、その方の状態に合わせたやさしい施術を行っています。
体の緊張を確認しながら、呼吸がしやすく、力を抜きやすい状態を目指します。
また、施術だけでなく、
- 睡眠
- 食事
- 運動
- 日常生活の過ごし方
- 不安との付き合い方
なども、必要に応じて一緒に整理していきます。
不安をすぐになくすことを目標にするのではなく、心と体の状態を確認しながら、少しずつ安心して過ごせる時間を増やしていくことを大切にしています。
よくある質問
- Q不安がなかなかなくなりません。どうしたらいいですか?
- A
不安を無理になくそうとすると、かえって強く意識してしまうことがあります。
まずは「今、不安になっているな」と少し離れて自分を見てみましょう。眠れない、外出できないなど生活に支障が続く場合は、心療内科や精神科への相談も大切です。
- Q不安とパニックはどう違いますか?また、不安と強迫観念は同じですか?
- A
不安は、将来や健康などを心配する幅広い反応です。
パニックは、強い恐怖とともに動悸や息苦しさなどが急に現れる状態です。強迫観念は、嫌なのに同じ考えが何度も頭に浮かぶことで、不安とは同じではありません。
- Q不安とパニックの対処法は同じですか?自分でもできますか?
- A
体の力を抜く、生活リズムを整える、不安に巻き込まれすぎないようにするなど、共通する部分はあります。
ただし、強い発作を繰り返す場合や生活に支障がある場合は、セルフケアだけで頑張らず、医療機関へ相談してください。
- Q心療内科では薬だけなのですが、整体とはどのように違いますか?
- A
心療内科や精神科では、診断や薬の処方などの医療行為を行います。整体では、精神疾患の診断や治療、薬の調整はできません。
当院では、体の緊張、呼吸、睡眠、生活習慣などを確認し、医療とは異なる立場からサポートします。
- Q不安になるのは気合が足りないからですか?根性がない私が悪いのでしょうか?
- A
気合や根性が足りないからではありません。
不安は、自分を守るために起こる自然な反応です。頑張りすぎて心や体が休みにくくなっていることもあるため、自分を責めなくて大丈夫です。
まとめ|不安を消すより少し離れて見る
不安で眠れないとき、「考えないようにしよう」「早く眠らなければ」と頑張るほど、かえって頭の中がぐるぐるすることがあります。
そんなときは、「今、不安になっているな」「また考え込んでいるな」と、少し離れたところから自分を眺めてみてください。
そして、頭だけではなく、呼吸や肩、お腹など体の状態にも目を向けてみましょう。
不安をゼロにする必要はありません。
「前より少し楽だった」「今日は少し眠れた」「不安になっても戻れるようになった」そんな小さな変化を積み重ねていくことが大切です。
ひとりで抱えることがつらいときは、どうぞご相談ください。

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不安や不眠は、パニック、頭痛、めまいなどと重なって現れることがあります。気になるものからご覧ください。
参考文献
- 『「脳の疲れ」がとれる生活術』:有田秀穂
- 『「心がボロボロ」がスーッとラクになる本』:水島広子
- 『敏感すぎるあなたへ』:クラウス・ベルンハルト
- 『よくわかる強迫性障害』:原井宏明・岡嶋美代
- 『必ず眠れるとっておきの秘訣!』:櫻井武




