
「健康診断を受けた方がいいのは分かっている」
「家族から人間ドックをすすめられている」
「でも、もし悪い病気が見つかったらと思うと怖くて予約できない」
そんな方は、実は少なくありません。
採血や血圧測定そのものが怖い方もいれば、胃カメラやMRIのような検査が苦手な方、そして検査よりも「結果を聞くこと」が怖い方もいます。
病院へ行くだけでドキドキする。
待合室にいると落ち着かない。
血圧を測るだけなのに、脈が速くなる。
「こんなことで怖がる自分はおかしいのかな」そう思ってしまう方もいます。
でも、怖いものは怖いんです(笑)。
実は私自身も、検査は決して得意な方ではありません(笑)。
だからこそ、『怖がらなくて大丈夫』と簡単に片づけるのではなく、なぜ怖くなるのか、どうすれば少し受けやすくなるのかを一緒に整理していきます。
だからこの記事では、「怖がらなくて大丈夫ですよ」ということではなく、なぜ健康診断や病院の検査が怖くなるのか。
そして、怖さを抱えたままでも少し受けやすくするために、何ができるのか。
不安・自律神経・身体の緊張という視点から、できるだけわかりやすくお伝えします。
- 健康診断の予約を何度も先延ばししている
- 人間ドックをすすめられているけれど怖い
- 採血や注射を見るだけで気分が悪くなる
- 病院で血圧を測ると高くなってしまう
- 検査結果を聞くのが怖い
- 胃カメラやMRIを考えるだけで不安になる
- 病院に入ると動悸や吐き気が出る
- 「何か悪い病気が見つかったら」と考え続けてしまう
- 検査中に体調が悪くなったらどうしようと心配になる
不安やパニックについて全体から知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
健康診断が怖い理由は一つではありません
「健康診断が怖い」と言っても、実際には人によって怖いものが違います。
まずは、「自分は何が一番怖いんだろう?」と分けて考えてみることが大切です。
病気が見つかるのが怖い
健康診断を受けなければ、少なくとも今は「病気がある」という結果を聞かなくて済みます。
そのため、「知らない方が楽かもしれない」「悪い結果を聞いたら立ち直れないかも」と考えて、検査そのものを避けたくなることがあります。
これは、検査が怖いというよりも、「結果を知ることが怖い」状態です。
検査そのものが怖い
採血、注射、血圧測定、胃カメラ、MRI。
検査によって怖さはさまざまです。
以前に採血で気分が悪くなった経験があれば、「また倒れたらどうしよう」と考えることもあります。
胃カメラでつらい思いをした方なら、「また苦しくなるのでは」という不安や記憶が残っていることがあります。
男性では特に血を見るのが苦手という方も少なくないです。
検査中に体調が悪くなるのが怖い
不安が強い方では、「途中で動悸が出たら」「吐き気がしたら」「逃げられなかったら」ということが怖くなる場合があります。
検査そのものよりも、「検査中の自分の身体がどうなるか」が怖いわけです。つまり予期不安です。
結果を待つ時間が怖い
検査を受けたとしても、「結果は後日です」と言われた瞬間から、頭の中がいっぱいになる方もいます。
少しお腹が痛いだけで、「やっぱり何かあるのでは」疲れているだけなのに、「悪い病気だったら」と結びつけてしまう。
検査結果が出るまでの数日間が、一番つらいという方もいます。
もし悪い結果だったらどうしようと待っている時間が辛いというこです。
「まだ何も起きていないのに怖い」は予期不安
健康診断の1週間前から、「血圧が高かったらどうしよう」「採血で気分が悪くなったら」「悪い結果だったら」と考えてしまう。
これは、まだ何も起きていない未来を先回りして心配する予期不安の一つです。
不安が強くなると、頭の中だけでなく身体も反応します。
- 呼吸が浅くなる、息苦しくなる
- 肩に力が入る、筋肉が硬くなる
- 脈が速くなる、心臓がバクバクする
- 胃がムカムカする、食欲がなくなる
すると、「ほら、やっぱり体調がおかしい」とさらに不安になることがあります。
この仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 「また体調が悪くなったらどうしよう」が頭から離れない|予期不安と自律神経
病院では血圧が高くなることがあります
「家では普通なのに、病院で測ると血圧が高い」という方もいます。
診察室や医療スタッフを前にすると緊張して血圧が上がる、いわゆる白衣高血圧と呼ばれる状態もあります。
病院へ着く→待合室で名前を呼ばれる→血圧計を腕に巻かれる
すると、「高かったらどうしよう」と考えてしまうんです。
その瞬間、身体はすでに緊張しています。💦
心拍が上がれば、さらに、「やっぱり高くなる」と思います。
そのため、病院での血圧だけでなく、自宅で落ち着いた時の血圧も一緒に確認することが大切です。
「緊張だから大丈夫」と自己判断するのではなく、普段の数値も含めて医師に伝えると状況を理解してもらいやすくなります。(できれば同じ時間に記録しておいて医師に相談するようにしてください。)
なぜ病院へ行くだけで身体が緊張するのか
身体は、過去の経験を覚えています。
たとえば以前、
- 採血で気分が悪くなった
- 胃カメラがとても苦しかった
- 検査結果を聞いてショックを受けた
そんな経験があると、次に病院へ行く時、身体が先に、「また何か起こるかもしれない」と警戒することがあります。
病院へ行く
↓
以前の経験を思い出す
↓
「何か言われるかも」
↓
身体が緊張する
↓
呼吸が浅くなる
↓
脈が速くなる
↓
汗・吐き気・ふらつき
↓
「やっぱり病院は怖い」
このような悪循環です。
ここで覚えておいてほしいのは、「気持ちが弱いから怖い」のではないということです。
身体も一緒に警戒しているのです。
だから、頭で、「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるだけでは難しいこともあります。
怖いから検査を避けると、不安が大きくなることも
怖い検査を先延ばしすると、その瞬間はホッとします。
「今日は行かなくていい」と安心します。
でもしばらくすると、「本当に大丈夫かな」という不安が戻ってきます。
検査を避ける
↓
その日は安心する
↓
また病気が気になる
↓
さらに検査が怖くなる
↓
また先延ばしする
こうした循環になることがあります。
だからといって、「怖くても今すぐ行きなさい」という話ではありません。
怖い気持ちを無視するのではなく、「何が怖いのか」を細かく分けて、できる対策を一つずつ増やすことが大切です。
健康診断や検査を受けやすくする4つのセルフケア
何が怖いのかを一つに絞る
「病院全部が怖い」と思うと、とても大きな問題に感じます。
でもよく考えると、「採血が怖い」「結果が怖い」「胃カメラが怖い」「血圧が高く出るのが怖い」など、怖さの中心が見えてくることがあります。
相手が分かれば、対策も考えやすくなります。
ゲームでいったらラスボスがどんな敵でどんな攻撃をしてくるかわからない、突然、横から襲ってくるとした場合、これを知っていなかったら怖いけど、もし知っていたら、ちょっと怖さがマシになりませんか?
そんな感じで相手がどんなものか把握することで不安が少し減ることがあるのです。
まず紙に、「私は何が一番怖い?」と書いてみてください。
それだけでも頭の中が少し整理されます。
受付や看護師さんに最初に伝える
これはかなりおすすめです。
「検査が苦手です」「採血で気分が悪くなったことがあります」「不安が強くなることがあります」最初に一言伝えておくだけでも違います。
医療スタッフ側も事情が分かれば、横になって採血する、少し休憩を入れるなど、対応できる場合があります。
無理に平気なふりをしなくて大丈夫です。
吸うより、ゆっくり吐く
不安になると、「大きく息を吸わないと」と思う方がいます。
でも、吸うことばかり頑張ると、かえって呼吸が苦しく感じる方もいます。
まずは、
4秒くらい吸う
↓
6〜8秒くらい吐く
くらいで、吐く方を少し長めにします。
回数は3〜5回程度で十分です。
「落ち着かないと」ではなく、「少し息を吐いてみよう」くらいの気持ちでやってみてください。
足裏を感じて、肩をストンと落とす
待合室では、意識が全部、「検査」「結果」「自分の心臓」へ向きやすくなります。
そんな時は、足裏を感じてみます。
- かかと
- 親指の付け根
- 小指の付け根
この3点が床についていることを感じます。
そのあと、肩を耳へ近づけるようにぎゅっとすくめて、ストンと一気に力を抜きます。
「リラックスしないと」と頑張るよりも、「力が入った状態」と「抜けた状態」を身体に感じてもらう方が分かりやすいことがあります。
「悪い結果が出たらどうしよう」と怖い方へ
検査結果が怖い方は、健康診断を、「悪い病気を見つけられる場所」と思っていることがあります。
もちろん、病気が見つかる場合もあります。
でも健康診断は、「今の身体の状態を知る機会」でもあります。
問題がなければ、「今は大きな問題がなかった」という安心になります。
またもし病気が見つかったとしても、早期発見、早期治療で良くなることも多いと私は感じております。
怖さをゼロにしてから行こうとすると、いつまでたっても行けないことがあります。
「怖いけど、今の身体を知っておこう」くらいでも十分だと思います。
私自身も検査は得意ではありません(笑)。
だから、「怖がらずに行きましょう」とは言えません。💦
怖いままでも、少し受けやすくする方法を考えていけばいいと思っています。
25年の臨床でよく感じること
これまで25年以上、多くの不安や自律神経の不調を抱えた方をみてきました。
その中には、「健康診断が怖くて何年も受けていない」「採血が怖くて病院へ行けない」「結果を聞くのが怖い」という方も少なくありません。
お話を聞いていると、検査だけが怖いわけではないことも多いです。
普段から、
- 人の目が気になる
- 身体の変化に敏感
- 悪い未来を先に考えてしまう
- 以前、体調を崩した経験が強く残っている
こうした背景が重なっていることがあります。
だから当院では、「検査に行きなさい」と背中を押すだけではなく、まず身体の緊張を減らし、「これなら少し行けるかもしれない」という状態を一緒につくることを大切にしています。
症例|健康診断を考えるだけで不安になる方
症例|健康診断を考えるだけで不安になる32歳女性
32歳の女性です。
もともと強迫性障害があり、不安がとても強く、「健康診断で悪い病気が見つかったらどうしよう」という怖さから、健康診断を受けること自体に強い抵抗がありました。
また、音や匂いにも非常に敏感で、猫・ほこり・花粉など複数のアレルギーもありました。
過去には鉄欠乏性貧血と診断されたこともあり、身体だけでなく栄養面も含めてみていく必要があると考えました。
当院で行ったこと
施術では、身体の緊張をやさしくゆるめることを中心にしました。
主に行ったのは、
- オステオパシーのストレイン・カウンターストレイン
- クレニアル(頭蓋へのやさしい調整)
- セロトニン活性を意識した手技
などです。
不安が強い方ほど「力を抜いてください」と言われても、なかなか抜けないことがあります。
そのため、無理にリラックスさせるのではなく、身体が自然にゆるみやすい状態をつくることを大切にしました。
鉄不足へのサポートも行いました
この方はパンが好きでしたが、レバーは苦手で食べることができませんでした。
そこで、「好きなパンをやめる」のではなく、おからパウダーとレバーパウダーを中心にしたおからパンを作って、日常の食事に取り入れてもらいました。
無理なく続けられたこともあり、ご本人からも「体感的にも良かったです」というお話をいただいています。
食事面のサポートも続けながら経過をみていき、その後の検査ではフェリチン、血清鉄ともに正常範囲をキープできています。
少しずつ笑顔が増え、人間ドックにも行けるように
初めの頃は健康診断のことを考えるだけでも不安が強かったのですが、身体の状態が整ってくるにつれて、少しずつ表情にも変化が出てきました。
笑顔が増え、「怖いから避ける」だけではなく、「怖いけど、やってみようかな」という気持ちも少しずつ出てきました。
そして最近では、以前はあれほど怖かった人間ドックにも行けるようになりました。
これは単に「不安がなくなった」というより、「不安があっても、自分なら対処できる」という感覚が少しずつ育ってきた結果だと感じています。
実際にいただいたご感想

院長からひとこと
健康診断や人間ドックが怖い方に、「怖がらずに行きましょう」と言っても、なかなか難しいものです。
私自身も検査は得意ではありません(笑)。
大切なのは、不安を無理に消すことではなく、身体の緊張を整えながら、「怖いけど行けた」「思っていたより大丈夫だった」という経験を少しずつ増やしていくことだと思っています。
身体、心理、睡眠、栄養などを一緒にみていくことで、できることが少しずつ増えていく方もおられます。
今回の方が人間ドックまで受けられるようになったことは、私自身もとてもうれしく感じています。
医療機関での確認を優先した方がよい場合
健康診断や病院が怖い気持ちがあっても、強い胸痛、失神、呼吸困難、片側の手足の麻痺や力が入らない、今までにない激しい頭痛など、急な強い症状がある場合は医療機関での確認を優先してください。
不安を減らすことと、必要な医療を受けることは、どちらか一つではありません。
おおくま整骨院でできること
おおくま整骨院では、「検査が怖い=気持ちの問題」だけとは考えていません。
身体が強く緊張していれば、不安も感じやすくなります。
そこで、
首や肩、背中、胸郭の緊張。
- 呼吸
- 睡眠
- 胃腸の状態
- 食事や栄養
- 生活リズム
そして、「どんな検査が怖いのか」「何が起きると思うと怖くなるのか」という心理面も一緒に確認します。
オステオパシーややさしい身体調整などを使いながら、まず身体の緊張を減らし、呼吸しやすい状態を目指します。
身体が少しゆるむ。
呼吸がしやすくなる。
病院のことを考えても、以前ほど身体が反応しなくなる。
「これなら行けるかもしれない」
という感覚が出てくる。
そんな小さな変化を積み重ねていくことを大切にしています。
よくある質問
- Q健康診断が怖いのはおかしいですか?
- A
いいえ。採血、検査結果、病院の雰囲気など、何が怖いかは人によって違います。一度つらい検査経験があった方や、不安が強い方では、予約前から身体が緊張することもあります。まずは「何が一番怖いのか」を分けて考えてみると対策しやすくなります。
- Q病院で血圧だけ高くなるのはなぜですか?
- A
診察室や医療スタッフを前にして緊張すると、血圧や脈拍が一時的に上がることがあります。自宅では正常なのに病院で高くなる場合もありますので、自宅血圧を記録し、医師に伝えると状況を把握してもらいやすくなります。
- Q採血で気分が悪くなるのが怖いです
- A
過去に採血で気分が悪くなった経験があると、「また起きたら」と不安になることがあります。受付や看護師さんに事前に伝え、必要に応じて横になって採血できるか相談するのも方法です。無理に平気なふりをする必要はありません。
- Q検査結果を聞くのが怖くて受診できません
- A
結果を知ることが怖くて検査を避けたくなる方もいます。ただ、検査は「悪いものを見つけるため」だけではなく、今の身体の状態を確認する機会でもあります。「怖くなくなってから」ではなく、「怖いけれど確認してみよう」と考える方法もあります。
- Qパニックがあっても健康診断は受けられますか?
- A
不安やパニックがある場合でも、事前に医療機関へ相談し、不安が強いことを伝えておくことで対応してもらえる場合があります。検査内容によって対応は異なるため、予約時に相談しておくと安心です。身体の緊張を減らす準備も役立つことがあります。
まとめ
健康診断や病院の検査が怖い。
そう感じる方は、「検査そのもの」だけが怖いとは限りません。
- 病気が見つかるのが怖い
- 採血が怖い
- 検査中に具合が悪くなるのが怖い
- 結果を聞くのが怖い
まず、「自分は何が一番怖いんだろう?」と分けて考えてみてください。
怖くなくなってから検査を受けようとすると、ずっと先延ばしになってしまうことがあります。
大切なのは、「怖くないから行ける」ではなく、「怖いけれど、これなら受けられるかもしれない」を少しずつ増やしていくことです。
頭だけで頑張るのではなく、身体の緊張も一緒にゆるめてみてください。
その小さな安心が、次の一歩につながることがあります。

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参考文献
- 『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』:American Psychiatric Association
- 『標準生理学』:医学書院
- 『高血圧治療ガイドライン』:日本高血圧学会
- 『不安症の認知行動療法』:David H. Barlow



