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線維筋痛症・CRPSなど長引く痛みの仕組み|慢性痛をやさしく解説

線維筋痛症やCRPSなどの慢性痛で、身体の痛みに悩む女性のイラスト

「検査では異常がないと言われたのに痛みが続く…」
「少し触れられただけでも痛い」
「もう治ることはないのでは…と不安になる」

このような長引く痛みでお悩みではありませんか?

痛みは、身体の傷だけで決まるものではありません。

線維筋痛症やCRPSなどでは、神経の敏感さや睡眠、疲労、ストレスなど、さまざまな要因が重なって痛みが続くことがあります。

このページでは、痛みが長引く仕組みをイラストを交えながら、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすく解説します。

「なぜ痛みが続くのか」を知ることで、不安が少し軽くなり、今の自分に合ったサポートを見つけるヒントになれば幸いです。

この記事を読んでほしい方
  • 検査では大きな異常がないと言われたのに、痛みが続いている方
  • 軽く触れられただけでも、強い痛みを感じる方
  • 線維筋痛症やCRPS、関節リウマチによる痛みでお悩みの方
  • 痛みが長引く仕組みを、専門用語をできるだけ使わずに知りたい方
  • 痛みへの不安から、身体を動かすことが怖くなっている方
  • 痛みだけでなく、睡眠や疲労、身体の緊張も気になっている方
  1. 長引く痛みを「慢性痛」といいます
    1. 急性痛と慢性痛は役割が違います
  2. 痛みの「音量」が上がる仕組みがあります
    1. 痛覚過敏とは
    2. アロディニアとは
    3. 中枢性感作ちゅうすうせいかんさとは
      1. 同じ痛みでも、病気によって起こり方が違います
  3. 痛みの情報を調整する「門」があります
    1. 痛いところをさすると楽になるのはなぜ?
  4. 身体には痛みを弱める「ブレーキ」もあります
    1. 下行性疼痛抑制とは
    2. 痛みのブレーキはいつも同じ強さではありません
    3. 警報・門・ブレーキで痛みは調整されています
  5. 痛みと睡眠・自律神経は影響し合います
    1. ストレスがあるから痛い、という意味ではありません
  6. 長引く痛みにはさまざまな種類があります
  7. 線維筋痛症でみられる痛み
  8. CRPSでみられる痛み
  9. 関節リウマチによる長引く痛み
  10. 当院では痛みを我慢させる施術を行いません
    1. 整形外科での経験を生かしています
    2. 強く押したり、無理に動かしたりしません
    3. 動くことへの不安にも目を向けます
  11. 関節リウマチで3年ぶりに来院された方
    1. 再び相談しようと思われた理由
    2. 院長からひとこと
  12. 慢性痛のセルフケアで大切なこと
    1. 頑張りすぎず、動かなさすぎない
    2. 睡眠と安心できる時間を大切にする
    3. 痛みだけを記録しすぎない
  13. 医療機関への相談を優先した方がよい状態
  14. よくある質問
  15. まとめ
  16. 関連記事
  17. 参考文献

長引く痛みを「慢性痛」といいます

一般的に、3か月以上続く、または繰り返す痛みを慢性痛と呼びます。

痛みは本来、ケガや病気から身体を守るための警報です。熱いものに触れたときに手を引っ込めたり、捻挫した足をかばったりするのは、これ以上身体を傷つけないためです。

しかし、原因となったケガや炎症が落ち着いたあとも、神経が敏感になり、警報が鳴り続けることがあります。

火事がないのに、料理の湯気だけで火災報知器が鳴るような状態です。

そのため慢性痛では、痛みが続いていても、必ずしも身体が壊れ続けているとは限りません。ただし、炎症や病気による痛みもあるため、すべてを神経の敏感さだけで判断することはできません。

慢性痛では痛みの警報装置が敏感になることを火災報知器で表したイラスト

急性痛と慢性痛は役割が違います

急性痛と慢性痛では、痛みが起こる目的や特徴が異なります。

項目急性痛慢性痛
期間比較的短期間3か月以上続く、または繰り返す
主な役割ケガや炎症から身体を守る警報としての役割が薄れたあとも続くことがある
主な原因ケガ・炎症・病気など身体の状態、神経の敏感さ、睡眠、疲労、ストレスなどが複雑に関係することがある
治り方原因が改善すると痛みも軽くなることが多い原因が改善しても痛みが続くことがある

痛みの「音量」が上がる仕組みがあります

同じ刺激を受けても、痛みの感じ方はいつも同じとは限りません。

痛みが長く続くと、脳や神経が危険に敏感になり、痛みの「音量」が上がったような状態になることがあります。

そのため、以前よりも痛みを強く感じたり、本来なら痛くないはずの刺激まで痛く感じたりすることがあります。

これは「気にしすぎ」「痛みに弱い」という意味ではありません。

実際に、痛みを伝える神経の仕組みが敏感になっている可能性があります。

神経が敏感になることで痛みの音量が大きくなる仕組みを表したイラスト

痛覚過敏とは

痛覚過敏とは、もともと痛みを起こす刺激を、通常よりも強く痛く感じる状態です。

例えば、

  • 軽く押されただけなのに強く痛む
  • 注射や採血を以前より強く痛く感じる
  • 小さな傷でも激しい痛みが続く
  • 少し動かしただけでも予想以上に痛む

といった状態です。

普通なら「少し痛い」と感じる刺激を、「かなり痛い」「耐えられないほど痛い」と感じるイメージです。

つまり、刺激そのものが強くなったのではなく、痛みを感じる音量が大きくなっている状態と考えると分かりやすいでしょう。

アロディニアとは

アロディニアとは、本来なら痛みを起こさない刺激を、痛みとして感じる状態です。

例えば、

  • 衣服が肌に触れるだけで痛い
  • 布団やシーツが当たるだけで痛い
  • 髪の毛や風が触れると痛い
  • シャワーのお湯が当たると痛い
  • 軽くなでられただけでも痛い

といった症状です。

痛覚過敏との違いは、次のように考えると分かりやすくなります。

痛みの感じ方具体例
痛覚過敏本来も痛い刺激を、必要以上に強く痛く感じる
アロディニア本来は痛くない刺激まで、痛みとして感じる

アロディニアは聞き慣れない言葉ですが、CRPSや線維筋痛症、ファントムペイン(幻肢痛)などの痛みを理解するうえで大切な症状です。

CRPSでは、衣服や布団が触れただけで激しく痛むことがあります。線維筋痛症でも、軽く押された刺激や日常的な接触を強い痛みとして感じる方がおられます。当院の実際のクライアントさんでは髪の毛に触れても痛いと感じる方がいらっしゃいました。

そのため、周囲からは「少し触れただけなのに」と見えることでも、本人は実際に強い痛みを感じています。

決して大げさに訴えているわけではありません。

中枢性感作ちゅうすうせいかんさとは

痛みが長く続くことで、脳や脊髄などの中枢神経が刺激に敏感になり、痛みを強く感じやすくなることがあります。

このような変化を、医学では中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)と呼びます。

中枢性感作が起こると、

  • 痛みが以前より強く感じられる
  • 痛みの範囲が広がる
  • 痛みがなかなか治まらない
  • 軽い刺激でも痛みを感じる
  • 痛みがあった場所とは別の場所まで痛む

といったことがあります。

痛覚過敏やアロディニアは、このように神経が敏感になっているときに見られる代表的な痛みの感じ方です。

ただし、痛覚過敏やアロディニアがあるからといって、すべてが中枢性感作だけで説明できるわけではありません。

CRPSでは末梢神経、炎症、自律神経、血流など複数の仕組みが関係します。線維筋痛症でも、睡眠、疲労、痛みを調整する神経の働きなど、さまざまな要因が重なっていると考えられています。

そのため、痛みを一つの原因だけで考えるのではなく、身体全体の状態を見ていくことが大切です。

病気によって痛みの感じ方や仕組みは異なります。

同じ痛みでも、病気によって起こり方が違います

病気・状態痛覚過敏
痛い刺激がさらに痛い
アロディニア
痛くない刺激まで痛い
中枢性感作など
神経が敏感になる変化
CRPSよくみられる症状の一つよくみられる症状の一つ末梢・中枢の両方の変化が関係する
線維筋痛症みられることがあるみられることがある重要な仕組みの一つと考えられている
片頭痛痛みへの過敏さがみられることがある発作中に頭皮や顔でみられることがある発作や慢性化との関係が指摘されている
帯状疱疹後神経痛みられることがあるよくみられる症状の一つ末梢神経の損傷と中枢の変化が関係することがある
関節リウマチ関節の炎症に伴って起こることがある一部の方にみられることがある一部の方では痛みを調整する神経の変化が重なる
糖尿病性神経障害みられることがあるみられることがある末梢神経の障害が中心で、中枢の変化も関係する場合がある
慢性腰痛一部の方にみられる一部の方にみられる一部の方では関係するが、全員ではない

この表は、それぞれの病気でみられることがある痛みの特徴を整理したものです。同じ病気でも症状や痛みの仕組みは人によって異なり、すべての方に当てはまるわけではありません。

また、痛覚過敏やアロディニアがあるからといって、原因がすべて中枢性感作とは限りません。

痛みの情報を調整する「門」があります

痛みの情報は、身体から脳へそのまま一直線に伝わるわけではありません。

神経から入ってきた情報は、脊髄などで強められたり弱められたりしながら、脳へ伝わります。

この痛みの情報を調整する仕組みを、門にたとえて説明したものがゲートコントロール理論です。

痛いところをさすると楽になるのはなぜ?

机の角に肘をぶつけたとき、思わず痛いところをさすった経験はありませんか?

ぶつけた場所からは「痛い」という情報が神経を通って伝わります。一方で、さすることで「触られている」という別の感覚も神経へ入ります。

この触覚などの情報が多く入ると、脊髄にある痛みを調整する仕組みが働き、脳へ伝わる痛みの情報が弱くなることがあります。

これを分かりやすく表すと、

  • 痛みの情報が通りやすい状態=門が開いている
  • 痛みの情報が通りにくい状態=門が閉じている

というイメージです。

痛みの情報を脊髄で調整するゲートコントロール理論の説明イラスト

例えば、

  • 痛いところをやさしくさする
  • 手を当てる
  • 心地よい刺激を加える
  • 状態に応じて温める

といったことで、痛みが少し和らぐことがあります。

ただし、門が実際にパタンと開閉しているわけではありません。神経同士が痛みの情報を調整している仕組みを、分かりやすく「門」とたとえています。

また、強く押したり、無理に揉んだりすればよいという意味でもありません。CRPSやアロディニアのように神経が敏感になっている場合は、軽い接触でも痛みが強くなることがあるため、その人が心地よく感じられる刺激であることが大切です。

痛みは身体から脳へ一直線に伝わるのではなく、触覚などの別の感覚や、脊髄・脳の働きによって途中でさまざまな調整を受けています。

そのため、同じケガや同じ刺激でも、いつも同じ強さの痛みを感じるとは限らないのです。ゲートコントロール理論は、触覚を伝える神経の入力が脊髄で痛みの伝達を抑えることがある、という考え方を示したものです。現在の痛みの仕組みはこの理論だけでは説明できませんが、痛みが途中で調整されることを理解する基本的な考え方として現在も重要です。

身体には痛みを弱める「ブレーキ」もあります

身体には、痛みを知らせる仕組みだけでなく、痛みを弱める仕組みも備わっています。

痛みの情報が脳へ届いたあと、脳はその情報を受け取るだけではありません。状況に応じて、脊髄へ向かって「痛みを少し弱めてください」という信号を送ることがあります。

この働きが、痛みの「ブレーキ」です。

下行性疼痛抑制とは

脳から脊髄へ向かって痛みを弱める働きを、下行性疼痛抑制(かこうせいとうつうよくせい)といいます。

少し難しい言葉ですが、簡単にいうと、脳からかかる、痛みのブレーキです。

例えば、スポーツ中にけがをしても、その場ではあまり痛みを感じず、終わってから急に痛くなることがあります。

また、夢中になっているときや安心しているときは痛みが気になりにくく、反対に不安や緊張が強いときは痛みを強く感じることがあります。

これは、痛みそのものが消えたのではなく、脳が痛みの情報をどのくらい弱めるかが変わっているためと考えられます。

脳から脊髄へ痛みを弱める下行性疼痛抑制系の仕組みを表したイラスト

痛みのブレーキはいつも同じ強さではありません

痛みのブレーキは、いつも同じ強さで働くわけではありません。

  • 安心している
  • リラックスしている
  • よく眠れている
  • 楽しいことに集中している
  • 身体が落ち着いている

このようなときは、ブレーキが働きやすくなることがあります。

一方で、

  • 睡眠不足
  • 忙しすぎて体力が低下
  • 強い疲労
  • 不安や緊張
  • 痛みへの恐怖
  • 長く続くストレス

などが重なると、ブレーキが弱くなり、痛みを強く感じやすくなることがあります。

もちろん、これは「気持ちの持ちようで痛みが決まる」という意味ではありません。

身体の状態や睡眠、感情、神経の働きなどが重なって、痛みを調整する力が変わるということです。

警報・門・ブレーキで痛みは調整されています

痛みは、身体の傷や炎症だけで決まるものではありません。

身体を守る「警報」、痛みの情報を調整する「ゲート」、そして脳から痛みを弱める「ブレーキ」が働くことで、私たちは痛みを強く感じたり弱く感じたりしています。

そのため、同じ刺激でも痛みの感じ方は毎回同じとは限りません。

大切なのは、痛みの強さ=身体の壊れ具合とは限らないという視点を持つことです。

痛みと睡眠・自律神経は影響し合います

痛みが長く続くと、身体は無意識に警戒し、筋肉へ力が入りやすくなります。

痛み

身体が緊張する→筋肉緊張→血流悪化→酸素欠乏

呼吸や睡眠が浅くなる→酸素欠乏

疲れが取れにくくなる

痛みに敏感になる

このような悪循環が起こることがあります。

ストレスがあるから痛い、という意味ではありません

骨折や炎症、神経の損傷があれば、それ自体が痛みの原因になります。

ただし、睡眠不足、疲労、不安、緊張などが重なると、もともとある痛みを強く感じることがあります。

これは気のせいや性格の問題ではなく、身体の状態によって痛みを調整する働きが変わるということです。

長引く痛みにはさまざまな種類があります

長く続く痛みといっても、原因や痛み方は同じではありません。

ここでは、当院でもご相談のある線維筋痛症・CRPS・関節リウマチの違いを簡単に整理します。

項目線維筋痛症CRPS関節リウマチ
主な痛み全身に広がる痛み手足など特定の部位に強く出やすい関節の痛み、腫れ、こわばり
主な特徴疲労、眠っても疲れが取れない、睡眠の問題、刺激への敏感さ皮膚の色や温度の変化、腫れ、発汗の変化、強い痛み朝のこわばり、関節の腫れや炎症、動かしにくさ
きっかけはっきりしないこともある骨折、捻挫、手術などのあとに起こることがある免疫の働きによる関節の炎症
医療機関での主な対応薬物療法、運動療法、睡眠や生活への支援など痛みの管理、薬物療法、リハビリなど抗リウマチ薬などによる炎症の治療
当院で大切にすること全身の痛みや刺激への敏感さに配慮する強い刺激を避け、痛みを増やさないよう配慮する炎症やその日の体調、関節への負担に配慮する

同じ長引く痛みでも、線維筋痛症・CRPS・関節リウマチは同じ病気ではありません。

線維筋痛症では痛みを調整する神経や睡眠、疲労など、CRPSでは神経、炎症、自律神経、血流など、関節リウマチでは免疫による関節の炎症が関係します。病気ごとの特徴と医療機関での治療を踏まえて考えることが大切です。

線維筋痛症でみられる痛み

線維筋痛症では、全身の痛みに加えて、強い疲労感、こわばり、睡眠の問題などがみられることがあります。

神経が敏感になり、衣服が触れる、軽く押されるといった刺激を強い痛みとして感じる方もおられます。

外見や検査だけではつらさが伝わりにくい病気ですが、気のせいや怠けではありません。

線維筋痛症にみられる全身の痛み、疲労、不眠、痛覚過敏を表したイラスト

線維筋痛症の症状や当院での考え方はこちら

CRPSでみられる痛み

CRPSは、骨折、捻挫、手術などのあとに、強い痛みが続くことがある病気です。

痛みだけでなく、

  • 腫れ
  • 皮膚の色や温度の変化
  • 発汗の変化
  • 関節の動かしにくさ
  • 服や風が触れるだけで痛む

といった症状がみられることがあります。

早い段階で医療機関の評価を受け、痛みの治療やリハビリを始めることが大切です。

CRPSにみられる強い痛み、腫れ、皮膚温度や発汗の変化、感覚過敏を表したイラスト。

CRPSの症状や当院での考え方はこちら

関節リウマチによる長引く痛み

関節リウマチは、免疫の働きの異常によって関節に炎症が起こる病気です。

関節の痛みや腫れ、朝のこわばり、動かしにくさなどがみられ、抗リウマチ薬などによる医療機関での治療が中心になります。

痛みが続くと、身体をかばう動き、活動量や筋力の低下、睡眠不足、疲労などが重なることもあります。

当院では、医療機関での治療を土台にしながら、炎症やその日の体調に配慮し、身体全体の負担を減らすサポートを行います。

当院では痛みを我慢させる施術を行いません

慢性痛の方の中には、

「痛いほど効くと言われた」
「我慢しなければ良くならないと思っていた」

という方もおられます。

しかし、神経が敏感になっている身体へ強い刺激を加えると、かえって痛みが増すことがあります。

当院では、痛みを我慢させる施術は行いません。

整形外科での経験を生かしています

私は柔道整復師として整形外科に勤務し、骨折や捻挫、関節や筋肉の痛みなどに携わってきました。

勤務先の医師がリウマチ専門医だったため、関節リウマチの方のリハビリも毎日のように担当していました。

その経験を生かし、炎症、腫れ、神経の敏感さ、動かしやすさ、その日の体調を確認して施術内容を調整します。

強く押したり、無理に動かしたりしません

強く押す、無理に関節を動かすといった施術は行いません。

痛い場所だけでなく、かばう動き、身体の緊張、姿勢、呼吸などを確認し、身体全体への負担を整理します。

動くことへの不安にも目を向けます

痛みが続くと、「動いたら悪化するのでは」と怖くなることがあります。

無理に動かすことはありませんが、動かない状態が続くと、筋力や体力が低下する場合もあります。

どこまでなら安心して動けるかを一緒に確認し、少しずつ日常生活を取り戻すことを大切にしています。

関節リウマチで3年ぶりに来院された方

以前に来院されたことのある関節リウマチの方が、3年ぶりに当院へ相談に来てくださいました。

症状がある中で、どこへ相談すればよいのか迷いながら、当院のことを思い出してくださったそうです。

再び相談しようと思われた理由

今回、再び当院へ相談しようと思われた理由をお聞きすると、

  • 以前に施術を受け、痛くないことを知っていた
  • 整骨院で関節リウマチの身体をみてもらえるのか不安だった
  • 院長にリウマチのリハビリに携わった経験があると聞き、安心できた

と話してくださいました。

そのため、施術方法だけでなく、自分の身体の状態を理解したうえで対応してもらえるかどうかも、相談先を選ぶ大切な基準になります。

院長からひとこと

3年ぶりに当院のことを思い出し、もう一度相談してくださったことを、とてもうれしく感じました。

関節リウマチでは、医療機関で炎症を抑え、病気の進行を防ぐ治療が土台になります。

無理に関節を動かしたり、強く押したりするのではなく、まずは安心して身体を任せていただけることを大切にしています。

「以前に受けたときも痛くなかったから、もう一度相談してみよう」
そう思っていただけたことは、私にとって何よりうれしいことです。

慢性痛のセルフケアで大切なこと

頑張りすぎず、動かなさすぎない

調子のよい日に一度に頑張りすぎると、翌日に痛みや疲労が強くなり、また休み込むことがあります。

反対に、痛みが怖くて動かない状態が続くと、筋力や体力が低下することもあります。

少し余力を残し、翌日に強く響かない範囲から、できることを増やしていきましょう。

睡眠と安心できる時間を大切にする

睡眠不足や疲労が続くと、痛みを強く感じやすくなることがあります。

休息、入浴、音楽、趣味、人との会話など、痛み以外に意識を向けられる時間をつくることも大切です。

痛みだけを記録しすぎない

痛みの記録は役立つことがありますが、何度も痛みを確認すると、かえって意識が痛みに集中する方もおられます。

「今日は少し歩けた」「よく眠れた」「家事ができた」など、できたことや生活の変化も一緒に残してみてください。

医療機関への相談を優先した方がよい状態

慢性的な痛みの中には、整体だけで判断せず、まず医療機関での診察や検査が必要な場合があります。

次のような症状があるときは、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

  • 突然始まった強い痛み
  • 発熱や関節の強い腫れ、熱感を伴う痛み
  • 急に手足へ力が入りにくくなった、しびれが強くなった
  • 排尿・排便の異常を伴う腰痛
  • ケガのあとに腫れや皮膚の色、温度の変化が続く
  • 原因が分からない体重減少や著しい体調の変化がある

これらは、炎症や神経、血管などの病気が隠れている可能性もあるため、早めの評価が大切です。

当院でも初回に状態を確認し、医療機関での診察が必要と考えられる場合には、その旨をお伝えしています。

よくある質問

Q
痛み止めを飲み続けても大丈夫ですか?
A

痛み止めを長く使用できるかどうかは、薬の種類や量、持病、体調などによって異なります。
病院で処方された薬は自己判断で増減や中止をせず、効き方や副作用が気になる場合は、処方した医師や薬剤師へ確認しましょう。
薬で痛みを抑えながら、運動や睡眠、生活習慣なども整えていくことで、日常生活を送りやすくすることも大切です。

Q
温めるのと冷やすのはどちらがよいですか?
A

ケガの直後や腫れ、熱感が強いときは、短時間冷やすことで楽になる場合があります。
一方、慢性的な筋肉のこわばりや冷えを伴う痛みでは、温めた方が楽になる方もいます。
痛みの原因や時期、その人の感じ方によって異なるため、冷やして痛みが増す、温めて腫れや熱感が強くなる場合は中止してください。

Q
検査で異常がないのに、なぜ痛みが続くのですか?
A

レントゲンやMRI、血液検査は骨や関節、炎症などを調べるために大切です。

一方で、痛みが長く続くと神経が敏感になり、検査では異常が見つからなくても痛みが続くことがあります。

もちろん、関節リウマチや神経の病気など原因となる病気が隠れている場合もあるため、検査結果だけでなく症状全体をみて判断することが大切です。

Q
慢性痛は一生治らないのでしょうか?
A

慢性痛だからといって、一生治らないとは限りません。

痛みが軽くなったり、生活の幅が広がったり、仕事や趣味を再開できる方もおられます。

痛みをゼロにすることだけではなく、無理なく生活できる時間を少しずつ増やしていくことも大切です。

Q
ストレスで痛みが強くなるのは気のせいですか?
A

気のせいではありません。

睡眠不足や疲労、不安などが重なると、身体が警戒しやすくなり、同じ刺激でも痛みを強く感じることがあります。

ただし、「ストレスだけが原因」という意味ではなく、炎症や神経など身体の状態も合わせて考えることが大切です。

Q
痛みがあっても身体を動かした方がよいですか?
A

慢性痛では、無理のない範囲で身体を動かすことが勧められる場合があります。

ただし、炎症が強い時期や急激に悪化している場合などは無理をせず、状態に応じた対応が必要です。

調子のよい日に頑張りすぎず、少しずつ活動量を増やしていくことをおすすめします。

Q
病院と整骨院では何が違いますか?
A

病院では診断や検査、薬やリハビリなどの治療を行います。

当院では、医療機関での治療を土台にしながら、身体の緊張や姿勢、呼吸、睡眠なども含めて身体全体を整えるサポートを行っています。

それぞれ役割が異なるため、必要に応じて併用することが大切です。

まとめ

長引く痛みは、「痛い場所だけ」の問題ではなく、身体や神経の働きが複雑に関わっていることがあります。

この記事でお伝えした大切なポイントは、次の4つです。

  • 痛みは身体を守るための「警報装置」であること
  • 慢性痛では神経が敏感になり、痛みを感じやすくなることがあること
  • 身体には痛みを調整する「ゲート」と「ブレーキ」の仕組みがあること
  • 線維筋痛症・CRPS・関節リウマチは同じ病気ではありませんが、痛みだけでなく生活全体を見ていくことが大切であること

痛みが続いているからといって、身体が壊れ続けているとは限りません。

一方で、無理に我慢したり、「気合いで乗り越えよう」と頑張り続けたりする必要もありません。

痛みの仕組みを知り、今の身体で何が起きているのかを整理しながら、自分に合った方法で少しずつ「できること」を増やしていくことが、回復への大切な一歩になります。

当院では、医療機関での治療を大切にしながら、身体の緊張や動き方、睡眠、生活習慣なども含めて、お一人おひとりの状態に合わせたサポートを行っています。

長引く痛みでお悩みの方は、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

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参考文献

  • 『線維筋痛症がよくわかる本』:戸田克広
  • 『ソマティック・エクスペリエンシング入門』:ピーター・A・ラヴィーン/アン・フレデリック
  • 『不安のメカニズム』:クレア・ウィークス
  • 『痛みからの解放』:ピーター・A・ラヴィーン/マギー・フィリップス
  • 『身体に閉じ込められたトラウマ』:ピーター・A・ラヴィーン
  • 『痛みの考え方』:丸山一男