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手汗・脇汗の多汗症で困っている方へ|自律神経・緊張との関係と手術以外の対策【東大阪市】

手汗・脇汗と自律神経・緊張の関係や対策を解説するイラスト

多汗症で悩んでいます。

暑いわけでも運動したわけでもないのに、手汗や脇汗がすごく出ます。

病院へ行ったら手術を勧められるのでは…と思うと、なかなか受診する勇気も出ません。

彼氏と手を繋ぐ時にも手汗が気になって躊躇してしまいます。

仕事の会議など緊張する場面では、脇汗がひどくて恥ずかしいです。

どうしたらいいのでしょうか?

このようなお悩みはありませんか?

手汗や脇汗は、他人から見ると「汗くらい」と思われることがあるかもしれません。

でも本人にとっては、

  • 紙や書類が濡れる
  • スマホが滑る
  • 人と手をつなげない
  • 洋服の汗ジミが気になる
  • におっていないか不安になる
  • 人前に出ること自体が怖くなる

など、日常生活に大きく影響することがあります。

そして当院で特に多いのが、「緊張すると一気に汗が増える」というご相談です。

汗を出す仕組みそのものには自律神経が深く関係しています。

ですから、手汗・脇汗が気になる方の中でも、特に緊張・不安・睡眠不足・身体の力みなどが重なっている場合は、汗だけではなく自律神経や身体全体の状態を一緒に考えていくことも大切だと当院では考えています。

この記事では、多汗症と自律神経の関係、緊張すると汗が増える仕組み、思春期の脇汗やにおい、手術以外の治療、自分でできる対策まで、できるだけわかりやすくお伝えします。

全部を一度に何とかしようとしなくて大丈夫です。

まずは、「自分の汗は、どんなときに増えているんやろ?」と知るところから始めてみてください。

この記事を読んで欲しい方
  • 手汗で紙やスマホが濡れるほど困っている方
  • 冷房の効いた場所でも脇汗が止まらない方
  • 会議・発表・初対面など、緊張すると汗が一気に増える方
  • 脇汗やにおいが気になり、人との距離を取ってしまう方
  • 思春期のお子さんの脇汗やにおいを心配している方
  • 手術以外にできることを知りたい方
  • 汗だけでなく、不安・動悸・不眠など自律神経の不調も気になる方
  1. 手汗・脇汗が多い…これって多汗症?
    1. 普通の「汗っかき」と多汗症は少し違います
    2. 手に大量の汗をかく「手掌多汗症」
    3. 脇に大量の汗をかく「腋窩多汗症」
  2. 手汗・脇汗と自律神経は密接に関係しています
    1. 緊張すると手汗・脇汗が増えるのはなぜ?
    2. 「また汗が出たらどうしよう」が、さらに汗を気にさせる
  3. 「自律神経が乱れているかも」と感じる方に重なりやすいこと
  4. 思春期に増える脇汗と「におい」の悩み
    1. 脇汗が多い=わきが、ではありません
    2. 「臭いと思われたらどうしよう」が脇汗を増やすことも
  5. 脱毛してから脇汗が増えた気がする…関係ある?
  6. 「汗っかき」と多汗症の違い|簡単セルフチェック
    1. 汗によって「生活がどれくらい邪魔されているか」も大切
  7. 汗が急に増えたときは、一度確認しておきたいこと
  8. 多汗症は何科?病院へ行っても「いきなり手術」ではありません
    1. 手術が検討される場合もあります
  9. 手汗・脇汗が気になるときに自分でできること
    1. ① どんなときに汗が増えるのかを知る
    2. ② 「大きく吸う」より、ゆっくり吐いてみる
    3. ③ 首・肩・あごの力を一度抜いてみる
    4. ④ 睡眠不足・疲労を放置しない
    5. ⑤ カフェインなど、自分が反応しやすいものを確認する
    6. ⑥ 脇汗とにおいは「清潔+蒸れにくさ」も大切
    7. ⑦ 「汗がなくなってから行動しよう」と考えすぎない
  10. 実は私自身も、かなりの「あがり症」です
  11. 当院でさせていただくサポート
    1. 身体の緊張や呼吸も確認します
    2. 緊張や不安が強い方には心理面も一緒に考えます
  12. よくある質問
  13. まとめ
  14. 関連記事
  15. 参考文献

手汗・脇汗が多い…これって多汗症?

汗は本来、身体にとって必要なものです。

暑くなったときに汗を出すことで体温を下げたり、皮膚の状態を保ったりする大切な働きがあります。

ところが、

暑くないのに大量に汗が出る
汗によって日常生活に支障が出ている

という場合は「多汗症」が関係していることがあります。

日本皮膚科学会では、頭・顔、手のひら、足の裏、脇などに、温熱や精神的な負荷、あるいはそれらとは関係なく大量の汗が出て、日常生活に支障をきたす状態を原発性局所多汗症としています。

普通の「汗っかき」と多汗症は少し違います

「暑い日に汗が多い」「運動すると人より汗をかく」だけで多汗症というわけではありません。

大切なのは汗の量だけではなく、その汗によってどれくらい生活に困っているかです。

例えば、

「仕事の書類が濡れて困る」
「握手ができない」
「洋服を何度も着替える」
「人に見られるのが怖い」

という状態なら、本人にとっては大きな問題です。

手に大量の汗をかく「手掌多汗症」

手のひらに汗が多く出るものを手掌多汗症といいます。

重い方では、手のひらに汗の粒が見えたり、汗がしたたり落ちたりすることもあります。

手の汗は、

  • 書類やノートが濡れる
  • ペンが持ちにくい
  • スマホが滑る
  • パソコンや機械を触りにくい
  • 人と握手するのを避ける
  • 恋人と手をつなぐことをためらう

など、学校・仕事・人間関係にも影響します。

特に手のひらの汗は、暑さよりも恐怖・不安・緊張・痛みなどの精神的な刺激で出やすい「精神性発汗」との関係が強いことが知られています。

脇に大量の汗をかく「腋窩多汗症」

脇の汗が多いものを腋窩多汗症といいます。

脇は体温調節の汗だけでなく、緊張や興奮でも汗が増える場所です。

また腕で閉じられているため汗が蒸発しにくく、少量でも「かなり汗をかいている」と感じやすい場所でもあります。

脇汗では、

  • シャツの汗ジミが目立つ
  • グレーなど汗が目立つ服を避ける
  • 人と近づくのが気になる
  • においが心配になる
  • 会議や発表の前になるとさらに汗が増える

という方も少なくありません。

手汗・脇汗と自律神経は密接に関係しています

ここは今回、一番お伝えしたいところです。

汗を出す仕組みそのものに、自律神経が深く関係しています。

人間の汗腺には自律神経の「交感神経」が関わっていて、脳から汗を出す指令が送られると、神経の末端からアセチルコリンという物質が放出され、エクリン汗腺が刺激されて汗が出ます。

簡単にいいますと、



自律神経(交感神経)

アセチルコリン

汗腺

汗が出る

という流れです。

原発性局所多汗症の詳しい原因は、まだ完全にはわかっていませんが、発汗を促す交感神経が興奮しやすい可能性が考えられています。

ですから、「多汗症=すべて自律神経の乱れが原因」と単純に言うことはできません。

しかし、発汗と自律神経は切り離して考えることもできないということです。

緊張すると手汗・脇汗が増えるのはなぜ?

例えば、

「今から会議で発表する」
「好きな人と初めて手をつなぐ」
「試験が始まる」
「初対面の人と話す」
「人前で名前を呼ばれる」

そんなときに、心臓がドキドキしたり、呼吸が浅くなったり、手汗が出たりした経験はありませんか?

これは身体が、「何か起こるぞ!」と反応している状態です。

特に手のひらの発汗は感情との結びつきが強く、扁桃体など感情に関わる脳の領域と自律神経活動が関係すると考えられています。

脇汗についても、温度だけでなく精神的な緊張によって増えることがあります。

「また汗が出たらどうしよう」が、さらに汗を気にさせる

多汗症でつらいのは、汗そのものだけではありません。

例えば、

「また脇汗が出るかも」

汗のことが気になる

緊張する

身体に力が入る

汗が増える

「やっぱり出た!」

さらに汗が気になる

という悪循環になることがあります。

手汗でも同じです。

「握手しないといけない」と思った瞬間から手を何度も拭く。拭けば拭くほど汗を意識する。

そして、「相手に気づかれたらどうしよう」と緊張が強くなる。

こうなると、汗の問題だけではなく、「汗をかくことへの不安」まで大きくなってしまいます。

だから私は、汗だけを見るのではなく、そのとき身体や心がどんな状態になっているかを見ることも大切だと考えています。

実際に私は関東での手技研修の時、相手の先生と手技の練習中、大汗💦をかいて恥ずかしい思いをしたことがあります。遠方のセミナーだったので新大阪を始発で5時間かけて現地にたどり着いたという寝不足と疲れもあったと思います。

「自律神経が乱れているかも」と感じる方に重なりやすいこと

手汗や脇汗だけでなく、

  • いつも緊張している
  • 人に気を使いすぎる
  • 心臓がドキドキしやすい
  • 呼吸が浅い
  • 首や肩にいつも力が入っている
  • 食いしばりが強い
  • 胃腸の調子が不安定
  • なかなか眠れない
  • 夜中に目が覚める
  • 疲れているのに身体が休まらない
  • 不安になると汗が一気に増える

といった状態が重なっている方もいます。

もちろん、これらがあれば「汗の原因は自律神経」と決まるわけではありません。

ただ、汗だけを何とかしようとするより、睡眠・呼吸・身体の緊張・ストレス・生活リズムまで一緒に見直した方がよい方もいるということです。

思春期に増える脇汗と「におい」の悩み

実際にご相談を聞いていると、思春期のお子さんの脇汗やにおいを心配されている方もいます。

本人にとっては、かなり切実な問題です。

「制服の脇が濡れる」
「体育の後、臭いと思われていないか心配」
「友達の近くに行きたくない」
「制汗剤を一日に何回も使う」
「誰かが“臭い”と言っていると、自分のことだと思ってしまう」

思春期は、人の目がとても気になる時期でもあります。

ですから、汗+におい+人からどう思われるかがセットになって、強い悩みになることがあります。

脇汗が多い=わきが、ではありません

ここはよく誤解されます。

脇汗が多いことと、わきが(腋臭症)は同じではありません。

汗には主に、エクリン腺から出る汗と、アポクリン腺から出る分泌物があります。

多汗症で問題になる汗は主にエクリン腺が関係します。

一方、わきがではアポクリン腺からの分泌物が皮膚表面の細菌によって分解されることで、独特のにおいにつながります。

アポクリン腺は思春期になると性ホルモンの影響で分泌が増えるため、この時期からにおいが気になり始めることがあります。

ですから、汗の量が多い=わきがではありません。

ただし、脇汗が増えることで蒸れやすくなり、本人がにおいを強く意識することはあります。

「臭いと思われたらどうしよう」が脇汗を増やすことも

思春期のお子さんでは、「臭いと思われたらどうしよう」「汗ジミを見られたらどうしよう」という不安が強くなることがあります。

すると、

人の目が気になる

緊張する

脇汗が出る

さらににおいが気になる

もっと人の目が気になる

という循環になることもあります。

そのような場合、「気にしすぎ!」と一言で終わらせないでほしいと思います。

本人は、本当に困っています。

まずは、「それは気になるよな」と悩みを受け止めたうえで、汗そのものへの対策と一緒に、緊張や不安への対処も考えていくことが大切です。

脱毛してから脇汗が増えた気がする…関係ある?

これは、実際のご相談の中でも聞くことがあります。

「脱毛してから、前より脇汗が増えた気がするんです」というお話です。

レーザー脱毛と発汗については研究結果が一つではありません。

1064nm Nd:YAGレーザーによる腋毛脱毛後に発汗量が増え、その変化が長期間みられたという研究や、脱毛後の多汗・においの変化を報告した研究があります。

一方、日本皮膚科学会のガイドラインでは、一部のレーザー治療によって発汗が減少した報告も紹介されています。

つまり、「脱毛をすると必ず多汗症になる」とまでは言えません。

レーザーの種類や照射条件、個人差などもあり、まだ十分にわかっていない部分があります。

また毛がなくなることで、今まで毛にとどまっていた汗が皮膚を流れやすくなり、「汗が増えた」と感じやすくなる場合も考えられます。

ただ、「脱毛後から明らかに脇汗の量が変わった」という方がいること自体は、無視できないと考えています。困るほど続く場合は、一度皮膚科などで相談してみてください。

「汗っかき」と多汗症の違い|簡単セルフチェック

原発性局所多汗症には診断の目安があります。

明らかな原因がない局所的な多汗が6か月以上続いていて、次の6項目のうち2つ以上が当てはまることが診断の参考になります。

  • 25歳以下で発症した
  • 左右対称に汗が出る
  • 睡眠中は発汗が止まっている
  • 週1回以上、多汗で困る場面がある
  • 家族にも同じような多汗症の人がいる
  • 汗によって日常生活に支障が出ている

これはあくまで目安です。自分だけで診断するためのチェックではありません。

汗によって「生活がどれくらい邪魔されているか」も大切

多汗症では、汗の量だけでなくHDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)という重症度の目安も使われます。

自分に一番近いものを選んでみてください。

1:汗はほとんど気にならず、生活の邪魔にならない

2:汗は我慢でき、たまに生活の邪魔になる

3:どうにか耐えられるが、しばしば生活の邪魔になる

4:耐えがたく、いつも生活の邪魔になる

3・4は重症の目安とされています。

つまり、「何mL汗をかいたか」だけでなく、その汗によって自分の生活がどれくらい狭くなっているかも大切なんです。

汗が急に増えたときは、一度確認しておきたいこと

多汗症には、特に原因がはっきりしない原発性のものだけでなく、別の病気や薬などが関係して汗が増える場合もあります。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、続発性多汗症の背景として、甲状腺機能亢進症などの内分泌・代謝疾患、感染症、神経疾患、薬剤などが挙げられています。

特に、

  • 最近になって急に大量の汗をかくようになった
  • 手や脇だけでなく全身に汗をかく
  • 睡眠中も大量に汗をかく
  • 動悸や手の震えが強い
  • 原因がわからない体重減少がある
  • 発熱など他の症状もある
  • 新しい薬を飲み始めてから汗が増えた

といった場合は、まず医療機関で確認してもらってください。

一度ここで病気の可能性を確認したうえで、その後に身体の緊張や自律神経、生活習慣などを考えていくと安心です。

多汗症は何科?病院へ行っても「いきなり手術」ではありません

冒頭のご相談でも、「病院へ行ったら手術を勧められるのでは?」と心配されていました。

でも、病院=すぐ手術ではありません。

まず相談するなら皮膚科が一つの窓口になります。

現在は手術以外にも、

  • 塗り薬・制汗剤
  • 外用抗コリン薬
  • 手のひら・足裏などに行うイオントフォレーシス
  • 内服薬
  • ボツリヌス毒素治療

など、部位や重症度によって複数の治療方法があります。日本皮膚科学会のガイドラインでも、身体への負担が少ない治療から段階的に検討する考え方が示されています。

手術が検討される場合もあります

特に重度の手掌多汗症では、他の治療で十分な効果が得られない場合に、胸部交感神経遮断術(ETS)が検討されることがあります。

手汗に対して高い効果が期待できる一方、手術後に胸・背中・お尻など別の場所の汗が増える代償性発汗が問題になることがあります。

ですから、「多汗症だから手術しかない」ではありません。

手術を望まない方は、その希望も含めて皮膚科の先生に伝え、まず手術以外の選択肢を相談してみてください。

手汗・脇汗が気になるときに自分でできること

ここからは、今日から自分でできることを考えてみましょう。

大切なのは、「何としてでも汗を止めよう!」と力みすぎないことです。

① どんなときに汗が増えるのかを知る

まずは一週間くらい、「いつ汗が増えたか」を簡単にメモしてみてください。

例えば、

  • 朝の通勤電車
  • 会議の直前
  • 上司と話すとき
  • 初対面の人に会うとき
  • 恋人と手をつなぐとき
  • 試験中
  • 急いでいるとき
  • 睡眠不足の日

などです。

これだけでも、

暑さで出ているのか
緊張で増えているのか
疲れている日に増えやすいのか

が見えてくることがあります。

② 「大きく吸う」より、ゆっくり吐いてみる

緊張している方ほど、「深呼吸しよう!」と思って大きく息を吸いすぎることがあります。

無理に大きく吸う必要はありません。

肩やあごの力を少し抜き、鼻から自然に吸って、少し長めに吐く。

まず30秒ほどでも構いません。呼吸に意識を向けすぎて苦しくなる場合は、無理に続けないでください。

③ 首・肩・あごの力を一度抜いてみる

会議や人前で話しているとき、気づくと、肩が上がっている。歯を食いしばっている。手をぎゅっと握っている。そんな方がいます。

そんなときは、「肩、上がってないかな?」「歯、食いしばってないかな?」と一度確認してみてください。

身体がずっと戦闘態勢のようになっている方は、汗だけでなく身体全体を休ませる時間も必要です。

④ 睡眠不足・疲労を放置しない

疲れているのに、仕事。家事。スマホ。人間関係。と、ずっと頭も身体も動き続けていませんか?

手汗や脇汗が緊張時に増える方では、「汗だけ」ではなく、そもそも最近休めているかも確認してみてください。

全部の予定を変える必要はありません。

「今日は少し早く寝る」「お風呂にゆっくり入る」「休日に予定を詰め込まない」そんなことからでも構いません。

⑤ カフェインなど、自分が反応しやすいものを確認する

コーヒーやエナジードリンクなどを飲んだあと、「動悸がする」「落ち着かない」「汗が増える感じがする」という方は、量や飲む時間を一度見直してみてもいいでしょう。

全員がカフェインをやめる必要はありません。

自分の身体がどう反応しているかを見ることが大切です。

⑥ 脇汗とにおいは「清潔+蒸れにくさ」も大切

脇汗やにおいが気になる方は、

  • 汗を強くこすらず、やさしく拭く
  • 汗で濡れた服は可能なら着替える
  • 通気性のよい衣類を選ぶ
  • 制汗剤は使用方法を守る
  • 制汗剤で赤みやかゆみが出たら使用を中止する

など、シンプルな対策も大切です。

特に思春期のお子さんの場合、「臭いからもっと洗いなさい!」と強く言いすぎると、本人がさらに傷ついてしまうことがあります。

一緒に対策を探すくらいの距離感がいいと思います。

⑦ 「汗がなくなってから行動しよう」と考えすぎない

これはとても大切です。

「汗を完全になくしてから握手しよう」
「汗が出なくなったら発表しよう」
「脇汗が出なくなったら好きな服を着よう」

と考えていると、汗がなくなるまで行動できなくなってしまいます。

もちろん、無理をする必要はありません。

でも、「汗は出たけど最後まで会議に参加できた」「少し手汗はあったけど手をつなげた」という経験も、とても大切です。

100点を目指さなくていいんです。

汗があってもできたことを少しずつ増やしていきましょう。

実は私自身も、かなりの「あがり症」です

ここまで書いておいてなんですが、私自身も緊張しない人間ではありません。

むしろ、かなりのあがり症です。初めて行く場所。初めて会う人。大勢の人の前で話すとき。やっぱり緊張します。

そして緊張すると、脇や顔に汗をかくこともあります。

年齢を重ねて以前よりずいぶん楽にはなりましたが、「緊張するなと言われても、するもんはする!」これはよくわかります(笑)。

だから私は、「緊張しないようにしましょう」とは、あまり言いません。

緊張してもいい。汗が出ることもある。その中で、どうしたら少し楽に過ごせるかを一緒に考えることの方が大切だと思っています。

当院でさせていただくサポート

当院では、「脇汗だから脇だけ」「手汗だから手だけ」を見るわけではありません。

まず、

  • いつから汗が気になっているのか
  • どんな場面で汗が増えるのか
  • 緊張や不安は強くないか
  • 仕事や学校でストレスが続いていないか
  • 睡眠はとれているか
  • 身体にずっと力が入っていないか
  • 呼吸が浅くなっていないか
  • 食事や生活リズムはどうか

などをお聞きします。

身体の緊張や呼吸も確認します

緊張が強い方では、首・肩・背中・胸まわりなどに力が入り続けていることがあります。

当院では強く押したり、ボキボキしたりするのではなく、身体の反応を確認しながら、やさしく全身を調整していきます。

また呼吸が浅くなっている方では、胸郭や肋骨などの動きも確認します。

緊張や不安が強い方には心理面も一緒に考えます

「また汗が出たらどうしよう」という不安が強い方の場合、身体を整えるだけではなく、

汗をどう受け止めているのか
人からどう思われることが怖いのか

といった部分についてお話を伺うこともあります。

日本皮膚科学会の多汗症診療アルゴリズムでも、治療の補足として精神心理療法を試みる選択肢が示されています。

当院では、汗を無理やり止めることだけを目標にするのではなく、汗のことばかりを考えず、仕事・学校・外出・人との交流がしやすくなる状態を一緒に目指していきます。

よくある質問

Q
手汗・脇汗がひどいのは、自律神経の乱れが原因ですか?
A

発汗には自律神経の交感神経が深く関わっています。特に手のひらの汗は緊張や不安など精神的な刺激で増えやすいことが知られています。ただし、多汗症の原因をすべて「自律神経の乱れ」だけで説明できるわけではありません。

Q
緊張すると手汗や脇汗が増えるのはなぜですか?
A

緊張や恐怖などを感じると、感情に関わる脳の働きと自律神経が反応します。手のひらや脇などは精神的な刺激による発汗が目立ちやすい場所です。

Q
脇汗が多いと、わきがなのでしょうか?
A

同じではありません。多汗症は主に「汗の量」の問題で、わきがはアポクリン腺からの分泌物と皮膚の細菌などが関係する「におい」の問題です。両方が重なる方もいます。

Q
脱毛してから脇汗が増えた気がします。関係ありますか?
A

レーザー脱毛後に発汗が増えたという研究報告はあります。一方で、逆に発汗が減ったという研究もあり、結果は一致していません。「脱毛すれば多汗症になる」と断定はできませんが、脱毛後から明らかに汗の状態が変わり困っている場合は皮膚科で相談してみてください。

Q
汗がいつもよりたくさん出る場合、他に汗がよく出る病気はありますか?
A

はい、あります。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、低血糖、更年期、感染症、褐色細胞腫、神経系の病気などで汗が増えることがあります。また、薬の副作用で発汗が増える場合もあります。

特に、今までなかったのに急に汗が増えた、寝ている間にも大量に汗をかく、動悸・手の震え・発熱・体重減少などを伴う場合は、一度医療機関で確認してください。

病気が見つからず、緊張や不安の場面で特に手汗・脇汗が増える場合は、自律神経や身体の緊張、睡眠、生活習慣なども一緒に見直していくことが大切です。

まとめ

手汗や脇汗は、単なる「汗っかき」で終わらないことがあります。

紙が濡れる。
人と手をつなげない。
汗ジミが怖い。
においが気になる。
人前に出ると一気に汗が増える。

こうした状態が続けば、毎日の生活もしんどくなります。

発汗には自律神経が深く関わっており、特に緊張や不安によって手汗・脇汗が増える方もいます。

一方で、病気や薬などによって汗が増える場合もありますので、必要な場合は医療機関で確認することも大切です。

そして、病院へ行ったら、すぐ手術ではありません。

現在は手術以外にもさまざまな治療があります。

そのうえで、

  • 身体の緊張をゆるめる
  • 呼吸を整える
  • 睡眠や生活リズムを見直す
  • 汗が増える場面を知る
  • 「汗が出たらどうしよう」という不安との付き合い方を考える

など、自分でできることもあります。

汗を完全になくすことだけを目標にしなくても構いません。

汗のことで行きたい場所を諦めない。
汗のことで人との付き合いを避けない。
汗のことばかり考えずに毎日を過ごせる。

そんな状態を目指していくことも大切だと思います。

「緊張すると手汗や脇汗がひどくなる」
「病院以外にも、自分でできることを知りたい」
「自律神経も関係している気がする」

という方は、お気軽にご相談ください。

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関連記事

参考文献

  • 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(2023年12月一部改訂)」
  • 日本皮膚科学会「汗の病気―多汗症と無汗症―」
  • Asahina M. The Neural Mechanism of Emotional Sweating. Brain Nerve. 2016.
  • Harker M. Psychological sweating: a systematic review focused on aetiology and cutaneous response. Skin Pharmacol Physiol. 2013.
  • Aydin F, et al. Axillary hair removal with 1064-nm Nd:YAG laser increases sweat production. Clin Exp Dermatol. 2010.