

私はADHDと診断されています。
今は何とか仕事にも行けてます。
学生時代はずっと遅刻も多く話の途中でも
違うことに興味が出て集中できなかったり
忘れ物をしょっちゅうしたりしていました。
みんなからは「ちょっと変わっているね」と言われていましたが、それもあまり気にならなかったです。
コミュニケーションは苦手で友達も少なかったです。
生きづらさを常に感じています。
もっと日常生活がスムーズに過ごせたら嬉しいです。
「頭の中がいつも忙しい」
「考えが次々に出てきて、一つのことに集中できない」
「音や人の声が気になって疲れる」
「ちゃんとしようと思っているのに、なぜかうまくできない」
このようなお悩みはありませんか?
ADHDや自閉スペクトラムなどの発達特性がある方から、「頭が爆発しそうです」という言葉を聞くことがあります。
でも、頭の中だけで何とかしようとすると、もっと大変になります。
パソコンでいうと、画面を10個も20個も開いたまま、「さあ集中してください!」と言われているようなものです。
いやいや、その前に何枚か閉じさせてください(笑)
当院では、このような方を「集中力がない人」とは考えません。
身体が落ち着きにくい理由はないか?感覚が敏感になりすぎていないか?そして特に大切にしているのが「原始反射」という視点です。
- ADHDや自閉スペクトラムなどの発達特性がある方
- 頭の中がいつも忙しく、考えが止まらない方
- 音や光、人の気配に敏感で疲れやすい方
- じっと座ることや集中することが苦手な方
- 不安が強く、身体にもいつも力が入っている方
- 大人になっても「生きづらさ」を感じている方
- 発達特性のある家族を支えて疲れている方
発達特性は「親の育て方が悪かったから」起こるものではありません。
ですから、お母さんやご家族だけで原因を背負う必要はありません。
当院が特に大切にしている「原始反射」という視点
原始反射という言葉を初めて聞く方も多いと思います。
「原始?石器時代ですか?」ではありません(笑)
原始反射とは、赤ちゃんがお腹の中や生まれた直後から持っている、自動的な身体の反応です。
大きな音でビクッとする。
口元に触れると吸おうとする。
手のひらに触れるとギュッと握る。
赤ちゃんが生きて成長していくためには、とても大切な反応です。
成長すると、身体を自分でコントロールする力が育ち、こうした反射は少しずつ目立たなくなっていきます。
ところが当院では、大人になっても身体の動きや緊張を確認すると、原始反射の影響を感じる方がおられます。
原始反射がADHDや不安の「原因そのもの」と断定するわけではありません。
しかし、身体がなぜ落ち着きにくいのかを見るときの、大切な手がかりの一つだと考えています。
子どものADHDと一部の原始反射との関連を調べた研究もありますが、大人を含めて研究はまだ十分ではありません。ですから当院では、診断ではなく「身体を見る一つの視点」として活用しています。
たとえばモロー反射|火災報知器が敏感すぎる状態
モロー反射は、大きな音や突然の刺激に「ビクッ」と反応する反射です。
これを火災報知器に例えてみます。
普通なら本当に火事のときに、「ジリリリリ!」と鳴ればいいですよね。
ところが感覚がとても敏感だと、トーストを少し焦がしただけでも、「火事です!避難してください!」となってしまう。
身体も同じように、人の声、電話の音、急に触られる、人混み、予定変更などに、必要以上にビクッと反応することがあります。
すると本人は何もしていないように見えても、身体はずっと仕事中です。
「何もしていないのに疲れる」のではなく、身体の中では一日中、警備員さんが走り回っている状態なのかもしれません。
原始反射によって見られることがある身体の特徴
| 原始反射 | どんな反応か | 統合されないと 起こりやすいこと |
|---|---|---|
| モロー反射 | 突然の刺激に対してビクッと反応する | 音などにも驚きやすい・不安が強い・緊張しやすい |
| 緊張性頸反射(ATNR) | 首の向きで手足が連動する | 姿勢が崩れやすい・集中しにくい |
| 対称性緊張性頸反射(STNR) | 首の上下で手足の動きが変わる | 姿勢保持が苦手・落ち着いて座れない |
| ペレーズ反射 | 背中の刺激で体を反らす | 体の緊張が強い・じっとしていられない |
| 把握反射 | 手に触れると握る反応 | 力が抜けにくい・リラックスしにくい |
| 足底把握反射 | 足の裏で物をつかむような反応 | バランスが不安定・踏ん張りにくい |
| バビンスキー反射 | 足裏の刺激で足指が広がる | 足の緊張が強い・歩きにくさ |
| ガラント反射 | 背中の横の刺激で体をくねらせる | じっと座れない・集中しにくい |
| 探索反射(ルーティング) | 口の周りの刺激に反応する | 過敏・落ち着きにくい |
| 吸啜反射 | 口に触れると吸う反応 | 緊張しやすい・安心感が得にくい |
たとえば当院では、モロー反射では、刺激への驚きやすさや緊張。
ATNRでは、首を動かしたときの手足の協調や、目と手の使い方。
STNRでは、座る姿勢や身体を安定させる動き。
ガラント反射などでは、背中への刺激に対する過敏さや、じっと座ることの苦手さ。
足底の反射では、足裏で身体を支える感覚。
などを身体全体の動きと一緒に見ています。
「集中しなさい!」と言われても、身体がグラグラしていたら集中しにくい。
机がガタガタなのに、その上で小さな字を書いてくださいと言われているようなものです。
だったら、まず机を安定させてみませんか?これが当院の考え方です。
頭だけでなく「身体から落ち着かせる」
不安が強い方は、「考えすぎないようにしよう」「気にしないようにしよう」と一生懸命になります。
ところが、「気にしないぞ、気にしないぞ」と思っている時点で、めちゃくちゃ気にしています(笑)
そこで身体から入ります。
- 足の裏を感じる
- ゆっくり呼吸する
- 左右の手足を交互に動かす
- 身体を丸めたり伸ばしたりする
こうした単純な動きから、身体が「ここにいる」という感覚をつくっていきます。
頭に100%集まっていた意識を、身体にも分けてあげるイメージです。
24歳女性|「頭の中がずっと散らかっている感じ」
24歳の女性が、「頭の中がごちゃごちゃして、一つのことに集中できません」というお悩みで来院されました。
子どもの頃から、
- 黒板を見てノートへ書き写すことが苦手
- 話の途中で別のことが気になる
- じっと座っていると落ち着かない
- 音に敏感で、人が多い場所では疲れてしまう
相手がどう感じるか考える前に言葉が出てしまい、あとになって「また言ってしまった」と落ち込むこともあったそうです。
仕事を始めてからは、さらに大変になりました。
一つの仕事をしていても、「あれもしないと」「そういえばメール返してない」「さっきの人、怒ってなかったかな?」と頭の中で次々に画面が開きます。
パソコンなら完全にフリーズ寸前です。
身体を確認すると、背骨の位置を感じることが苦手で、片足立ちも不安定。
目でゆっくり物を追う動きも苦手でした。
さらに身体の動きには、いくつか原始反射の影響を感じる反応がありました。
そこで強く矯正するのではなく、
まず身体の緊張をゆるめる。
- 足裏で身体を感じる
- 左右を使った動き
- バランス遊び
- ストレッチポールなどを使った身体づくり
こうしたことを少しずつ行いました。
栄養面でも、食事量やたんぱく質など、身体の材料が不足していないか一緒に確認しました。
すると少しずつ、「頭の中が静かな時間があります」「仕事中も前ほどパニックにならなくなりました」という変化が出てきました。
このようなご感想をいただきました。

今日からできるセルフケア
セルフケアは「頑張るトレーニング」にしないことが大切です。
すでに頑張りすぎている方に、「毎日30分やりましょう!」では、宿題が一つ増えただけです(笑)
①足の裏を感じる
立ったまま、床と足の裏が触れている感覚を10秒ほど感じてみます。
- 右足
- 左足
- かかと
- 親指側
- 小指側
「ちゃんと感じなきゃ」と思わなくても大丈夫です。
頭の中が忙しいときに、意識を身体へ戻す練習になります。
②ゆっくり長く息を吐く
大きく吸おうとしなくて大丈夫です。
「ふ〜〜〜」と少し長く吐きます。
3〜5回程度で十分です。
身体に、「今は怪獣はいませんよ」と教えてあげるようなイメージです。
③左右交互にタッチする
右手で左膝。左手で右膝。これをゆっくり交互に行います。
速さを競う必要はありません。
身体の右と左を一緒に使うシンプルな運動です。
10回くらいから始めてください。
④丸くなる・伸びる
仰向けになり、膝を抱えて身体を丸くします。
そのあと手足をゆっくり伸ばします。
赤ちゃんが成長していくときのような単純な動きを、無理なく行います。
痛みやめまいが出る場合は中止してください。
⑤「できた」を一つ見つける
発達特性や不安がある方は、できなかったことを一日中反省してしまうことがあります。
でも脳内反省会は、だいたい閉店時間がありません(笑)
寝る前に一つだけ、「今日は仕事に行けた」「洗濯できた」「人に頼れた」など、できたことを確認してください。
100点を探すのではなく、1つでもできたらいいじゃないですか!それで十分です。
本人だけではなく家族も疲れている|カサンドラ症候群
ここも非常に大切です。
発達特性のある方のパートナーや家族から、「話が通じない気がする」「気持ちをわかってもらえない」「何度説明しても同じことが起きる」「私ばかり我慢している」という相談を受けることがあります。
こうした状態が長期間続き、孤独感や心身の疲労が強くなっている状態を、一般に「カサンドラ症候群」と呼ぶことがあります。
医学的な正式診断名ではありません。
でも、名前がついていないから苦しくないわけではありません。
ここで大事なのは、「発達特性のある本人が悪い」でも、「家族が我慢すればいい」でもないということです。
たとえば日本語を話す人と英語を話す人が、「なんでわかってくれへんねん!」と大声で話しても、なかなか通じません。
声量の問題ではなく「翻訳」が必要です。
発達特性のある方と家族でも、似たことが起こることがあります。
- 言葉をそのまま受け取る人
- 表情や空気から読み取る人
- 一人になって回復する人
- 話を聞いてもらうことで回復する人
悪気はなくても、回復方法やコミュニケーション方法が違えば、お互い疲れてしまいます。
だから本人だけでなく、家族にも休む時間が必要です。
- 家族自身が相談する
- 距離を取る時間を作る
- 家事を全部背負わない
- 誰かに話す
「私がもっと頑張れば」と思わない。これも立派なケアです。
当院では本人の身体だけでなく、必要に応じてご家族のお話も伺いながら、「どうすれば家族全体の負担が減るのか」を一緒に考えています。
当院で大切にしていること
当院では、「発達特性をなくしましょう」とは考えていません。
その人にはその人の得意なことがあります。
集中できない一方で、興味のあることにはものすごく集中できる。
人と違うところに気づける。
独特の発想ができる。
つまり「欠点」だけを見れば生きづらいけれど、環境が変われば長所になることもあります。
だからまず、
- 身体の緊張を減らす
- 原始反射の影響も確認する
- 身体の感覚を育てる
- 睡眠や栄養を整える
そして、「この人は何が苦手で、何が得意なんだろう?」を一緒に探していきます。
身体という土台が少し安定すると、その人本来の力を出しやすくなる。
そこを目指しています。
よくある質問
- Q大人でも原始反射が残っていることはありますか?
- A
大人でも原始反射のような反応が確認されることはあります。ただし、それだけでADHDや不安の原因と判断するものではありません。当院では姿勢、目の動き、バランス、身体の緊張などと合わせて、身体を見る一つの手がかりとして確認しています。
- Q原始反射を整えるとADHDは治るのですか?
- A
ADHDそのものを「原始反射だけで治す」という考えではありません。ただ、身体の緊張や感覚、姿勢、動きやすさなどを整えることで、「落ち着きやすくなった」「集中しやすくなった」と感じる方がおられます。個性を消すことが目的ではありません。
- Q自分で原始反射が残っているか確認できますか?
- A
簡単なチェック方法もありますが、動きには姿勢、筋力、緊張、感覚など多くの要素が関係します。そのため一つの動きだけで「原始反射が残っている」と決めるのは難しいです。当院では身体全体の動きと合わせて確認します。
- Q家族に発達特性があり、私の方が疲れています。相談してもいいですか?
- A
もちろんです。発達特性のある方を支える家族が、孤独感や心身の疲れを強く感じることがあります。いわゆるカサンドラ症候群のような状態です。本人だけでなく、ご家族が安心して話せる場所を持つこともとても大切だと考えています。
- Q家でできることはありますか?
- A
難しい運動をする必要はありません。足裏を感じる、ゆっくり息を吐く、左右の手足を交互に動かす、身体を丸めたり伸ばしたりするなど、簡単な動きからで十分です。「毎日完璧に」ではなく、楽しく続けられることを大切にしてください。
まとめ
- 頭の中が落ち着かない
- 集中できない
- 音や人に敏感
- 不安が強い
こうした状態を、「自分はダメだから」で終わらせなくていいと思います。
もしかすると身体が一生懸命、あなたを守ろうとしているのかもしれません。
その背景を見る一つのヒントが「原始反射」です。
頭だけを変えようとするのではなく、身体の緊張、感覚、動き、睡眠、食事、そして家族との関係まで見ていく。
「あれ?私の性格だけの問題じゃなかったんだ」そう思えたら、それだけでも一歩前進です。
一人で抱えず、気になることがあればお気軽にLINEからご相談ください。





