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依存性パーソナリティ障害とは?一人になると不安・自分で決められない方へ

依存性パーソナリティ障害|一人になると不安で自分で物事を決められない女性

人にはそれぞれ、考え方や感情、人との距離の取り方などに特徴があります。

その中でも、自分で物事を決めることに自信が持てず、身近な人に頼りすぎてしまったり、一人になることに強い不安を感じたりする傾向がみられるのが、依存性パーソナリティ障害です。

ただし、「人に頼る」「一人が不安」というだけで依存性パーソナリティ障害というわけではありません。

その特徴が長く続き、本人の生活や人間関係、仕事などに大きな支障が出ている場合に、専門家が総合的に判断します。

背景には、生まれ持った傾向や育った環境、これまでの人間関係など、さまざまな要因が関係すると考えられています。

この記事では、「どうして人に頼りすぎてしまうのか」「どうすれば少しずつ自分で決められるようになるのか」を、心と身体の両面から分かりやすくお伝えします。

この記事を読んで欲しい方
  • 自分で物事を決めることが苦手な方
  • 一人になると強い不安を感じる方
  • 相手に嫌われるのが怖くてNOと言えない方
  • 恋人や家族に頼りすぎてしまうと感じている方
  • 「見捨てられたらどうしよう」と不安になりやすい方
  • 人に合わせ続けて疲れてしまう方

依存性パーソナリティ障害とは?

依存性パーソナリティ障害では、自分一人ではうまくやっていけないという不安が強く、判断や行動を他人に任せやすい傾向があります。

そのため、

「これでいいと思う?」
「どっちを選んだらいい?」
「あなたが決めて」

と、日常の小さなことまで相手に確認したくなることがあります。

また、関係が切れることへの不安から、自分の気持ちを抑えて相手に合わせ続けてしまう方もいます。

このようなことはないですか

  • 些細なことも自分で決められない
  • 肝心なことや面倒なことは人にやってもらうことが多い
  • 頼まれると嫌といえず、つい応じてしまう
  • ものごとを自分で計画して率先してやるよりも人の後からついていく方が性にあっている
  • 相手によく思われようと本当はやりたくないことまでやってしまうことがある
  • 自分一人では生きていく自信がない
  • 恋人や友人と別れると、すぐ代わりの人を求める方だ
  • 大切な人に見捨てられないか不安である

※当てはまる数だけで依存性パーソナリティ障害と判断することはできません。自分の傾向を知るための参考としてご覧ください。

依存性パーソナリティ障害の特徴

  • 日常のことでも自分で決めることに不安を感じる
  • 大切な判断を他人に任せやすい
  • 相手に嫌われることが怖くて反対意見を言いにくい
  • 一人になると強い不安や心細さを感じる
  • 自分の気持ちより相手を優先しやすい
  • 自分一人ではうまくやっていけないと感じやすい
  • 大切な関係が終わると、すぐに別の頼れる相手を求めることがある
  • 見捨てられることへの不安が強い

こうした特徴があるため、本人は「頼りたいから頼っている」というより、一人で判断することや、相手から離れることに強い不安を感じている場合があります。

なぜ人に頼りすぎてしまうのか

依存性パーソナリティ障害の原因は、一つに決まっているわけではありません。

生まれ持った気質や育った環境、これまでの人間関係など、さまざまな要因が関係すると考えられています。

当院へのご相談では、

  • 親が先回りして何でも決めていた
  • 失敗しないように過保護に育てられた
  • 自分の意見より親の意見を優先してきた
  • 親の顔色を見ながら行動してきた

というお話を伺うこともあります。

こうした経験が重なると、「自分で決めるより、人に決めてもらった方が安心」という行動パターンが身についている場合があります。

ただし、育った環境だけで依存性パーソナリティ障害になるという意味ではありません。

似ているけれど違う「不安・恐れ」が強いパーソナリティ

パーソナリティ障害には、特徴が似ていて区別しにくいものがあります。

その中でも、

  • 回避性パーソナリティ障害
  • 依存性パーソナリティ障害
  • 強迫性パーソナリティ障害

は、いずれも不安や恐れが目立ちやすく、従来の分類では「クラスターC」と呼ばれるグループに含まれます。

ただし、同じように不安があっても、「何を怖いと感じるのか」「その不安に対してどう行動するのか」が少しずつ違います。

パーソナリティ不安・恐れの中心行動に現れやすい特徴
回避性嫌われる・批判される・恥をかくのが怖い人との関わりを避ける、距離を取る
依存性一人ではやっていけない・見捨てられるのが怖い相手に頼る、合わせる、関係を保とうとする
強迫性間違いや失敗、予定通りにいかないことへの不安が強くなりやすい完璧を求める、ルールや手順にこだわる

簡単に言うと、

回避性は「嫌われるのが怖いから離れる」

依存性は「一人になるのが怖いから頼る」

強迫性は「間違えたり失敗したりするのが嫌だから、きっちりしようとする」

という違いがあります。

特に回避性と依存性は似ています。

どちらも自分に自信が持てず、拒絶されることへの不安を抱えることがありますが、回避性では「拒絶されたくないから距離を取る」のに対して、依存性では「一人になりたくないから関係を保とうとする」という違いがあります。

また、境界性パーソナリティ障害にも「見捨てられる不安」がみられるため、依存性と似て見えることがあります。

依存性では、相手に合わせたり従ったりして関係を保とうとする傾向が目立ちます。

一方、境界性では、見捨てられる不安とともに感情が大きく揺れたり、相手への気持ちが急激に変化したりすることがあります。

実際には、こうした特徴が重なっている方もいます。

大切なのは「自分はどのタイプなのか」と決めつけることではなく、

「自分は何を怖いと感じているのか」
「不安になったとき、どんな行動を取りやすいのか」

に気づくことです。

パーソナリティ障害を3つのクラスターに分けた説明図

回避性と依存性の違いは「回避性は受け入れられる確信が持てるまで引きこもるのに対し、依存性は他者との関係を求め、維持しようとする」とされています。

依存性パーソナリティ傾向のある方との接し方

  • すぐに答えを与えず「あなたはどうしたい?」と聞いてみる
  • 小さなことから本人に選んでもらう (食事のメニューなど)
  • 本人の意見を否定せず、まず聞く
  • 自分で決められた時は、その判断を尊重する
  • 助けることと、すべて代わりに決めることを分ける
  • NOや違う意見を言えた時は、その気持ちを大切にする

大切なのは、突き放すことではなく「自分で考えて決める機会」を少しずつ増やすことです。

自分でできる小さな練習

いきなり「誰にも頼らない人」になる必要はありません。

まずは日常の小さなことから、自分で選ぶ経験を増やしてみましょう。

  • 今日の昼ごはんを自分で決める
  • 「どっちでもいい」ではなく、自分の希望を一つ言ってみる
  • 服や買い物など小さなことを自分で選ぶ
  • 「私は本当はどうしたい?」と自分に聞いてみる
  • 頼まれた時に、すぐYESと言わず一度考える
  • 一人で過ごす短い時間を少しずつ作る

小さな選択でも、「自分で決められた」という経験を積み重ねることが大切です。

人に合わせ続けるストレスと自律神経

依存性パーソナリティ傾向があるから、自律神経が乱れるという意味ではありません。

ただ、

「嫌われたくない」
「見捨てられたくない」
「相手の機嫌を損ねたくない」

と、自分の気持ちを抑えて人に合わせ続ける生活が長く続けば、それ自体が大きなストレスになることがあります。

すると、

  • 身体の力が抜けない
  • 呼吸が浅く感じる
  • 胸がザワザワする
  • 寝つきが悪い
  • 胃腸の調子が乱れる
  • 首や肩がこる

など、身体にも不調が現れることがあります。

大切なのは、「自分は何を我慢しているのか」「誰といる時に身体が緊張しているのか」にも目を向けることです。

症例|自分で何も決められず、恋人に依存していた20代女性

20代女性、会社員です。彼氏がいますが、とても依存している様子でした。
どこに行くのも一緒で、デートする場所や食べ物、洋服なども全て彼に聞いて、自分で決めることができません。
二股をかけられていても、彼に依存しているので、別れようとしません。殴られても別れられないのです。友人に相談しても「早く別れた方がいい」と言われますが、別れられません。仕事も休みがちになってしまいました。

※暴力や威圧がある関係では、本人の安全確保が最優先です。依存傾向があることと、暴力を受ける責任は別の問題です。

その彼の前にも不倫関係の男性がいたそうですが、毎日、日に100件くらいラインをして、「重い」といわれたそうです。

家族はお姉ちゃんと妹の3人姉妹、父親には可愛がられた記憶がないそうです。母親はこの方にべったりで、すべて母親の言いなりで育ったそうです。

依存性パーソナリティ障害の特徴として、常に誰かに支えてもらおうとします。
ですので、別れや死別などがあった場合、すぐに他の人に依存しやすくなる可能性が高いです。

大切な人との別れや死別などをきっかけに、強い不安や気分の落ち込みが現れる場合もあります。

当院では、自己肯定感を上げていく事と、自分の意志を持つ訓練をさせていただきました。
まずは、「昼ごはん、何を食べたい」ということから始めました。
そして、それを自分の口で、ハッキリと言う練習をしました。お母さんと一緒でいいとか、お母さんの言うものでいいというのは無しです。

そして少しずつ、自分に自信を付けてもらい、彼氏とも別れて自立され、仕事にも行けるようになり、頑張っておられます。

当院でできること

当院では、依存性パーソナリティ障害そのものを診断したり治療したりすることはできません。

一方で、

  • 人に合わせ続けて身体が緊張している
  • 不安が強く、呼吸が浅い
  • 眠りが浅い
  • 胃腸の調子が乱れている
  • 自分の気持ちが分からなくなっている

といった方に対して、身体の緊張や呼吸、睡眠、生活習慣などを確認しながらサポートすることはできます。

また、心理面についても、「私は本当はどうしたいのか?」を一緒に整理し、小さなことから自分で選ぶ練習をしていくことも大切にしています。

心理だけでもなく、身体だけでもなく、その方が今どんなことで困っているのかを一緒に整理することを大切にしています。

よくある質問

Q
一人でいると不安になるのは、依存性パーソナリティ障害ですか?
A

一人でいるのが苦手というだけで、依存性パーソナリティ障害とは判断できません。

依存性パーソナリティ障害では、

  • 自分で物事を決めることが難しい
  • 大切な判断を人に任せてしまう
  • 相手に嫌われるのが怖くて反対意見を言えない
  • 一人になると強い不安や無力感を感じる
  • 大切な関係が終わると、すぐに別の頼れる相手を求める

などの特徴が長く続き、生活や人間関係に支障が出ているかどうかなどを含めて専門家が判断します。

Q
過保護な親に育てられると依存性パーソナリティ障害になりますか?
A

過保護な家庭で育ったからといって、必ず依存性パーソナリティ障害になるわけではありません。

背景には、生まれ持った気質、育った環境、これまでの人間関係や経験など、さまざまな要因が関係すると考えられています。

ただ、親が何でも先回りして決めていたり、自分で選んだり失敗したりする経験が少なかったりすると、「自分で決めるより誰かに決めてもらった方が安心」という考え方につながる場合もあります。

Q
家族や恋人は、どのように接したらいいですか?
A

何でも代わりに決めてあげるのではなく、

「あなたはどうしたい?」
「AとBならどちらがいい?」

と、本人が自分で考えて選べるように関わることが一つの方法です。

大切なのは、急に突き放すことではありません。

助けながらも、少しずつ「自分で決める経験」を増やしていくことが大切です。

また、暴力や威圧などがある関係では、依存傾向への対応よりも安全確保を優先してください。

Q
自分で依存を減らすには、何から始めたらいいですか?
A

大きな決断から始めなくて大丈夫です。

まずは、

「今日何を食べたい?」
「どの服を着たい?」
「休日は何をしたい?」

など、小さなことを自分で決めるところから始めてみてください。

「どっちでもいい」「あなたが決めて」と言いそうになったときに、一度だけ、「私は本当はどうしたい?」と自分に聞いてみるのもおすすめです。

小さな選択の積み重ねが、「自分で決めても大丈夫」という経験につながっていきます。

Q
整体で依存性パーソナリティ障害は治せますか?
A

整体で依存性パーソナリティ障害そのものを診断したり、治療したりすることはできません。

当院では、

  • 人に合わせ続けて身体の力が抜けない
  • 不安が強く呼吸が浅い
  • 眠りが浅い
  • 首や肩が緊張している
  • 胃腸の調子が乱れやすい

など、ストレスとともに現れている身体の状態を確認し、身体面からサポートしています。

また、「私は本当はどうしたいのか?」という自分の気持ちを整理し、小さなことから自分で選ぶ練習について一緒に考えることも大切にしています。

まとめ

人は誰でも、家族や恋人、友人などに頼りながら生きています。

問題になるのは、

  • 自分では何も決められない
  • 嫌われるのが怖くてNOと言えない
  • つらい関係でも離れられない
  • 一人になることを考えるだけで強い不安を感じる

など、自分の気持ちよりも「誰かに支えてもらうこと」が優先され、本人が苦しくなっている場合です。

大切なのは、いきなり「誰にも頼らない人」になることではありません。

まずは、「私は本当はどうしたい?」と自分に問いかけ、小さなことから自分で決める経験を増やしてみてください。

昼ごはんを選ぶ、着る服を決める、行きたい場所を伝える。

そんな小さな一歩でも十分です。

そして、人に合わせ続けることで不安や不眠、身体の緊張などが続いている場合は、心だけではなく身体の状態にも目を向けてみてください。

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おおくま整骨院では、身体の緊張、呼吸、睡眠、生活習慣なども確認しながら、今どんな負担が重なっているのかを一緒に整理していきます。

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参考文献

  • 『パーソナリティ障害』:岡田尊司
  • 『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』:American Psychiatric Association
  • MSDマニュアル プロフェッショナル版「依存性パーソナリティ症(DPD)」
  • Hansen BJ, Thomas J, Torrico TJ. “Dependent Personality Disorder.” StatPearls
  • Cleveland Clinic “Dependent Personality Disorder (DPD): Symptoms & Treatment”