
産後は、
- 睡眠不足
- 抱っこや授乳による姿勢の変化
- 食いしばり
- ストレス
などが重なり、顎関節に負担がかかることがあります。
特に
- 口を開けると痛い
- カクカク音が鳴る
- 大きく口が開かない
といった症状でお悩みの方も少なくありません。
この記事では、産後の顎関節症の原因やセルフケア、当院の考え方について解説します。
- 口が開きにくく顎のクリック音が気になったり痛い方
- 産後のストレスが強くしんどい方
こんなお悩みはありませんか?
産後ママさんに多い顎のお悩み
- 口を開けると痛い
- 顎がカクカク鳴る
- 口が開きにくい
- 食事がしんどい
- 食いしばりが強い
- 朝から顎が疲れている
- 歯ぎしりを指摘された
- 肩こり・首こりがひどい
- 頭痛が増えた
- 呼吸が浅い
- 抱っこが続くと悪化する
- イライラしやすい
- 寝ても疲れが取れない
このようなお悩みで来院される産後ママさんは少なくありません。
産後に顎の痛みや食いしばりが起こる背景
産後は「力が抜けにくい状態」になりやすい
産後は、
- 赤ちゃんのお世話
- 夜泣き
- 授乳
- 慣れない育児
- 家事
- 睡眠不足
などで、体がずっと緊張しやすくなります。
特にママさんは、「ちゃんとしなきゃ」「頑張らなきゃ」と思いやすい方が多いです。
その結果、無意識に奥歯を噛みしめていることがあります。
抱っこ姿勢で首や顎に負担がかかる
産後は、
- 前かがみ
- 猫背
- 横向き授乳
- 長時間抱っこ
が増えます。
すると、
- 首
- 肩
- 顎
周辺の筋肉が緊張しやすくなります。
特にスマホを見ながら授乳していると、頭が前に出やすくなり、顎へ負担がかかりやすくなります。
睡眠不足で回復しにくい
子育て中は、夜間の授乳などで睡眠不足になりやすい時期です。
睡眠不足やストレスが重なる中で、顎のこわばりや食いしばりが気になる方もおられます。
顎関節症とは?

顎関節症は「痛み」「音」「口の開けにくさ」の3つが代表的な症状です。
顎関節症とは、
- 顎の痛み
- 音
- 開けにくさ
などが起こる状態の総称です。
例えば、
- カクッと鳴る
- 口が途中で引っかかる
- 大きく開けれない
- 顎がだるい
- 噛むと痛い
など、人によって症状はさまざまです。
産後ママさんにみられる「食いしばり」
気づかないうちに噛んでいる
食いしばりは、無意識にしていることが多いです。
例えば、
- 授乳中
- 赤ちゃんを寝かしつける時
- 家事中
- 運転中
- スマホ中
などに、グッと噛んでいる方がおられます。
スマホや授乳などで下を向く時間が長くなると、首や顎まわりの筋肉が緊張しやすくなることがあります。
真面目な方ほど頑張りすぎてしまう
実際に来院される方では、
- 周りに気をつかう
- 頼るのが苦手
- ひとりで抱え込みやすい
- 我慢しやすい
そんな方が多い印象があります。
もちろん性格だけではありません。
ですが、緊張状態が続くことで、無意識に力が入り続けることがあります。
顎が「カクッ」と鳴るのはなぜ?
顎の関節や周囲の組織が関係することがあります
口を開けた時に、
- カクッ
- コキッ
と鳴る方がおられます。
音だけで痛みがない方もいます。
一方で、
- 開けにくい
- 強い痛み
- ロックする感じ
がある場合は、歯科や口腔外科での検査が必要なこともあります。
口が開かない時は無理しない
「口が開かないから頑張って開ける」これは逆に悪化する場合があります。
特に、
- 強い痛み
- 急に開かなくなった
- 指2本も入らない
場合は、まず無理をしないことが大切です。
当院の考え方
顎だけではなく全身をみる
当院では、
- 顎
- 首
- 背骨
- 呼吸
- 姿勢
- 自律神経の緊張
などを大切にしています。
産後ママさんは、「体がずっと警戒している状態」になっていることが少なくありません。
そのため、まず安心して力を抜ける状態を大切にしています。
強い施術は行いません
顎周辺はとても敏感です。
そのため、
- 強く押す
- 無理に開ける
- バキバキ鳴らす
ような施術は行っておりません。やさしく体を整えていきます。
噛み合わせは歯科で確認し、身体全体の負担もみていきます

顎関節症では、「噛み合わせが原因なのでは?」と心配される方もおられます。
ただ、現在では顎関節症は一つの原因だけで起こるものではなく、顎関節や咀嚼筋の状態、食いしばり、心理的ストレスなど、さまざまな要因が関係すると考えられています。
噛み合わせや歯並びについては、歯科・口腔外科で確認してもらうことが大切です。
当院では歯そのものを治療するのではなく、首・肩・背中の緊張、姿勢、呼吸、全身のバランスなど、顎の周囲に負担がかかりやすい身体の状態を確認していきます。
特に産後は、授乳や抱っこ、スマホを見る姿勢などで下を向く時間が長くなりやすいため、同じ姿勢を長時間続けないようにアドバイスしています。



歯科との併用も大切
顎関節症では、
- 噛み合わせ
- 歯並び
- マウスピース
などが必要な場合もあります。
そのため、必要に応じて歯科との併用も大切だと考えています。
実際の経過の一例
※個人の感想であり、変化には個人差があります。
主訴
- 安静時でも顎が痛い
- 口を開くと凄く痛い
- ワンオペ育児の不満が強い
- 夜眠れない
- 抱っこが多く体のバランスが崩れ腰痛、肩こり、頭痛、めまいもある
- イライラが強く感情のコントロールが難しい時がある
- 息苦しい、急に涙が出る
- 夜、強く食いしばっている
- 朝、顎がだるい
この方は口腔外科を専門とする歯科での治療とあわせて、当院でも全身の調整を行いながら経過をみていきました。
姿勢にも注意していただき、少しずつ腰痛や肩こりも楽になったとお話しくださいました。
1カ月目
硬い物を食べると痛みがあります。
特に口を開ける時に痛いです。
子育てとご主人さんへの不満がストレスです。(ワンオペ育児がイライラ💦)
2カ月目
少しづつ痛みが軽減してきました。
まだ口を開くと指2本分しか開きません。
少し眠れるようになりました。
3か月目
口を開けて指3本開くようになってきました。
痛みはありませんがクリック音はまだあります。
痛みはかなり減ってきました。
4か月目以降
口を開くと指3本分は軽く開くようになりました。
クリック音はしなくなりました。
痛みもありません。姿勢が良くなって体の調子はいいとのことです。
でも大きく口を開けるのは怖いです。
歯科の治療は一応、終りましたが、歯列矯正をすすめられているそうです。
当院でも、それから2週間に一度のメンテナンスでお越しくださっております。
自分でできる対策
顎を休ませる
まず大切なのは、「頑張りすぎない」ことです。
無理に口を大きく開けないようにしましょう。
食いしばりに気づく
「今、噛んでるかも」と気づくだけでも変わることがあります。
深呼吸する
まずは、「ふぅ〜」と長く吐くだけでも大丈夫です。
呼吸が浅いと、体は緊張しやすくなります。
スマホ姿勢に注意する
授乳中のスマホ姿勢は、顎へかなり負担がかかることがあります。
できるだけ顔を下げすぎないようにしましょう。
硬いものを無理に噛まない
痛みが強い時は、
- 硬いお菓子
- スルメ
- 氷
などは無理しないようにしましょう。
よくある質問
- Q産後で顎が痛くなることがあるのが不思議です。どうしてですか?治りますか?
- A
産後に顎が痛くなることはあります。
産後は、睡眠不足、抱っこや授乳の姿勢、育児中の緊張、食いしばりなどが重なりやすい時期です。
そのため、首・肩・顎まわりの筋肉がこわばり、顎関節に負担がかかることがあります。軽い場合は、休息や姿勢の見直し、食いしばりへの気づきで落ち着くこともあります。
ただし、口が開きにくい、強い痛みが続く、噛むと痛い場合は、歯科や口腔外科で確認してもらうことをおすすめします。
- Q硬い物が一生食べられないと思うと落ち込みます。口を大きく開けるのも怖いです。どうしたらいいですか?
- A
まず、「一生食べられない」と決めつけなくて大丈夫です。
顎が痛い時期は、脳が「また痛くなるかも」と覚えてしまい、口を開けること自体が怖くなることがあります。
これは珍しいことではありません。大切なのは、いきなり硬い物を食べたり、大きく口を開けたりしないことです。
まずは、
- 柔らかい物から食べる
- 小さく切って食べる
- 片側だけで噛まない
- 痛みの出ない範囲で口を動かす
- 強く噛みしめていないか気づく
ところから始めてみてください。
痛みが強い時に無理をすると、かえって不安が強くなることがあります。
「少し開けられた」「少し噛めた」という小さな成功を積み重ねることが大切です。
- Qどのくらい通院したら顎関節症はよくなりますか?
- A
筋肉の緊張が中心なのか、顎関節そのものに問題があるのか、食いしばりや睡眠不足、ストレスがどの程度重なっているのかによっても違います。
特に、口が開きにくい、強い痛みが続く、顎がロックするような場合は、まず歯科・口腔外科で状態を確認してもらうことが大切です。
当院では身体の状態をその都度確認しながら、必要に応じて歯科と併用して経過をみていきます。
- Q顎関節症は歯医者さんで治るのですか?整体の方がいいのですか?
- A
まずは、歯科・口腔外科で状態を確認してもらうことが大切です。
顎関節症には、噛み合わせ、歯ぎしり、関節の状態、筋肉の緊張などが関係することがあります。
マウスピースや開口訓練など、歯科での対応が必要なケースもあります。日本顎関節学会のガイドラインでも、初期治療として自己開口訓練や口腔内装置が扱われています。整体では、診断や歯科治療はできません。
当院では、首・肩・背中・姿勢・呼吸・自律神経の緊張など、顎に負担がかかりやすい体の状態を整えるサポートを行います。つまり、歯科で顎そのものを確認し、整体で体全体の負担を減らすという併用が安心です。
まとめ
産後の顎関節症は、
- 育児
- 睡眠不足
- 姿勢
- 緊張
- 食いしばり
などが重なって起きていることがあります。
特に、
- 真面目
- 頑張りすぎる
- 我慢しやすい
そんなママさんほど、無意識に力が入り続けていることがあります。
当院では、まず安心して力を抜いていけることを大切にしています。
「こんな症状でも相談していいのかな…」そんな方も、ひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください。

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参考文献
- 『患者さんのための顎関節症ガイドブック』:日本顎関節学会
- 『自律神経を整える。』:小林 弘幸
- 『「噛みしめ」をやめると体の不調はよくなる』:今井 一彰
- 『人体の正常構造と機能』:日本医事新報社
- 『プロメテウス解剖学アトラス』:医学書院




