
「家にいる時は大丈夫なのに、出かける時間が近づくと急に気分が悪くなる」
「仕事や学校へ行こうとすると、吐き気や動悸が出てくる」
「トイレに行ったばかりなのに、またお腹が痛くなってしまう」
このようなお悩みはありませんか?
出かける前になると、
- 吐き気がする
- 動悸がする
- お腹が痛くなる
- 下痢をする
- 何度もトイレに行きたくなる
- 息苦しくなる
- 汗が出る
- めまいやフワフワ感が出る
- 手足が冷たくなる
など、実際に身体に症状が出ることがあります。
「家では元気なのに、どうして外出前だけ?」「気持ちの問題なのかな?」と自分を責めてしまう方もおられます。
しかし、身体は頭で考えている以上に、これから起こることを予測して反応することがあります。
この記事では、出かける前になると体調が悪くなる理由と、ご自身でできる対処法、医療機関へ相談した方がよい場合についてお伝えします。
出かける前に体調が悪くなる人は少なくありません
外出前に症状が出る方のお話を聞いていると、「家にいる時は比較的大丈夫なんです」と言われることがあります。
ところが、
- 仕事へ行く
- 電車に乗る
- 学校へ行く
- 人と会う
- 美容院へ行く
- 映画館へ行く
- 旅行へ行く
など、予定が近づいてくると身体の調子が悪くなってきます。
そして予定をキャンセルすると、少しすると症状が軽くなる。
このような経験をすると、「やっぱり外に出るのが怖い」と感じてしまうこともあるでしょう。
もちろん、すべての吐き気や動悸、腹痛が不安や緊張から起こるわけではありません。
身体の病気が隠れていることもあるため、症状が続く場合には医療機関で確認することも大切です。
そのうえで、検査では大きな異常が見つからず、特定の場面で繰り返し症状が出る場合には、不安や緊張と身体反応との関係を考えることがあります。
なぜ出かける前になると症状が出るの?
まだ起きていないことを身体が先に警戒することがあります
人間の身体には、危険を感じた時に身を守る仕組みがあります。
たとえば、「電車の中で気分が悪くなったらどうしよう」「途中でトイレに行きたくなったらどうしよう」「職場でまた動悸がしたらどうしよう」「人前で倒れたらどうしよう」と考えると、実際にはまだ何も起きていなくても、身体が警戒し始めることがあります。
心拍が速くなったり、呼吸が浅くなったり、汗が出たり、胃腸が不安定になったりすることがあります。
これを「気にしすぎ」と片づけてしまうと、かえってつらくなることがあります。
頭では「大丈夫」と思っていても、身体の方が先に反応していることもあるからです。
過去のつらい経験が影響することもあります
以前、
- 電車でパニックのような症状が出た
- 通勤途中にお腹が痛くなった
- 外出先でめまいがした
- 人前で強い動悸が出た
- トイレに行けない状況で強い不安を感じた
といった経験があると、その場面と似た状況になる前から身体が緊張することがあります。
たとえば一度、満員電車で強い動悸を経験すると、「また同じことが起こるかもしれない」と考えるだけで、駅へ向かう前から身体が警戒することがあります。
このように、過去の経験と今の身体反応がつながっている場合もあります。
緊張すると胃腸や心拍も影響を受けます
「緊張するとお腹が痛くなる」という経験がある方も多いと思います。
これは不思議なことではありません。
脳と心臓、呼吸、胃腸などは、それぞれ完全に独立して働いているわけではありません。
不安や緊張を感じると、
- 心拍が速くなる
- 呼吸が速く浅くなる
- 汗をかく
- 胃の不快感が出る
- 便意を感じる
- お腹が痛くなる
といった身体反応が出ることがあります。
つまり、気持ちの変化が身体に出ることもあれば、身体の変化によってさらに不安が強くなることもあります。
家では大丈夫なのに、外出前だけ悪くなるのはなぜ?
ここが一番不思議に感じるところかもしれません。
家にいる時は、「しんどくなったら横になれる」「すぐトイレに行ける」「誰にも見られない」「いつでも予定を変更できる」と感じやすい場所です。
一方、外出すると、「途中で帰れないかもしれない」「電車からすぐ降りられない」「トイレがないかもしれない」「人に迷惑をかけるかもしれない」といった不安が増えることがあります。
そのため、外出そのものよりも、「何か起きてもすぐには逃げられない」と感じる状況に身体が反応している場合もあります。
予定をやめると楽になるのはなぜ?
出かける前にしんどくなり、「今日はやめておこう」と予定をキャンセルすると、急に身体が楽になることがあります。
これも珍しい反応ではありません。
身体からすると、「危険だと思っていた状況へ行かなくて済んだ」ため、警戒が弱まったとも考えられます。
ただし、これを何度も繰り返していると、
外出する → 怖い
行かない → 安心
という結びつきが強くなってしまうことがあります。
だからといって、無理に外出すればよいわけではありません。
怖さが強い方に、「気合いで行きましょう」という方法はおすすめできません。
まずは、「自分の身体がどんな場面で反応しているのか」を知ることから始めてみてください。
出かける前に症状が出た時の対処法
症状を無理に消そうとしすぎない
「動悸を止めないと」「吐き気をなくさないと」と考えるほど、身体に意識が集中してしまうことがあります。
症状が出た時は、「今、身体が少し警戒しているんだな」くらいに受け止めてみる方法もあります。
完全に症状を消してから出かけようとすると、出発のハードルがどんどん高くなることもあります。
呼吸をゆっくりしてみる
不安が強くなると呼吸が速くなりやすいため、吸うことよりも、「ゆっくり吐く」ことを意識してみてください。
無理に大きく深呼吸する必要はありません。
楽な範囲で、いつもより少し長めに息を吐いてみる程度で十分です。
出発前に余裕をつくる
時間ギリギリになると、「急がないと」という緊張が加わります。
可能であれば、
- 着替えを前日に準備する
- 荷物をまとめておく
- 少し早めに起きる
- 出発前の予定を減らす
など、朝の負担を減らしてみてください。
小さな外出から慣らしていく
いきなり、「電車に1時間乗る」「一日中外出する」必要はありません。
たとえば、「家の周りを5分歩く」「近所のコンビニまで行く」「一駅だけ電車に乗る」など、自分ができそうなところから始める方法もあります。
できた、できなかっただけで判断するのではなく、「今日はここまでできた」という経験を積み重ねることも大切です。
身体の緊張にも気づいてみる
外出前になると、
- 肩に力が入っている
- 歯を食いしばっている
- お腹に力が入っている
- 息を止めている
- 足に力が入りすぎている
という方もいます。
症状だけではなく、「今どこに力が入っているかな?」と身体全体を感じてみるのも一つの方法です。
「自律神経が悪い」と決めつけないことも大切です
吐き気や動悸、腹痛、めまいなどがあると、「自律神経が乱れているから」と言われることがあります。
もちろん、自律神経の働きが関係することはあります。
ただし、
吐き気なら胃腸の病気、
動悸なら心臓や甲状腺などの病気、
めまいなら耳や神経系の病気、
腹痛なら消化器系の病気
など、ほかの原因を確認した方がよい場合もあります。
「外出前だから心因性」と最初から決めつけず、身体的な原因を確認することも大切です。
医療機関へ相談した方がよい場合
次のような場合には、まず医療機関へご相談ください。
- 強い胸の痛みがある
- 失神した、または意識が遠のく
- 息苦しさが強い
- 強い腹痛が続く
- 血便や黒い便が出る
- 嘔吐を繰り返す
- 急激に体重が減っている
- 症状が徐々に強くなっている
- 安静にしていても動悸が続く
- 日常生活に大きな支障が出ている
また、不安や恐怖が強く、外出や仕事、学校へ行くことが難しくなっている場合は、心療内科や精神科などへの相談が役立つこともあります。
おおくま整骨院で大切にしていること
当院では、「吐き気があるから胃だけ」「動悸があるから胸だけ」と症状の出ている場所だけを見るのではなく、身体全体の状態を確認することを大切にしています。
たとえば、
- 身体の緊張
- 呼吸の状態
- 姿勢や身体の使い方
- 睡眠
- 食事や生活リズム
- 症状が出やすい場面
- 不安やストレスとの関係
などを一緒に整理していきます。
強く揉んだり、無理にボキボキしたりする施術ではなく、その方ができるだけ安心して受けられる刺激を大切にしています。
もちろん、整体ですべての吐き気や動悸、腹痛に対応できるわけではありません。
医療機関での検査や治療が必要だと考えられる場合には、受診をおすすめしています。
よくある質問
- Qなぜ緊張したり不安になると吐き気がするんですか?
- A
緊張や不安が強くなると、自律神経の働きが変化し、胃腸の動きや胃の感じ方にも影響することがあります。そのため、胃がムカムカしたり、吐き気を感じることがあります。脳と胃腸は互いに影響し合っています。
- Q不安な時、お腹は空いているのになぜ食べると気持ち悪くなるのですか?
- A
空腹でも、不安や緊張が強いと胃腸の働きが普段と変わり、食べ物を受けつけにくく感じることがあります。「お腹は空いているのに食べられない」ということは珍しくありません。無理に一度に食べず、少量ずつでも大丈夫です。
- Q精神的にしんどい時に体からアプローチするといいますが、具体的にどうするのですか?
- A
難しいことをする必要はありません。肩の力を抜く、ゆっくり息を吐く、足の裏の感覚を感じる、少し遠くを見る、軽く体を動かすなどです。「心を何とかしよう」と頑張るより、まず体が安心しやすい状態を作っていきます。
- Qこの間はうまくいったのに、今日はダメということがあったら、どうしたらいいですか?
- A
体調や睡眠、疲れ、ストレスなどによって、その日の反応は変わります。「前はできたのに」と責める必要はありません。今日は今日の状態があります。できる範囲を少し小さくして、「ここまでできた」に目を向けてみましょう。
- Q前にしんどくなった道を想像するだけでしんどくなるのはなぜですか?
- A
脳は「場所」と「その時の怖さや体調」を一緒に覚えることがあります。そのため、同じ道を通ることを想像しただけでも、体が先に警戒して動悸や吐き気などが出ることがあります。意志が弱いからではなく、体の防御反応の一つと考えられます。
まとめ
出かける前になると吐き気や動悸、腹痛などが出る場合、「気持ちが弱いから」「考えすぎだから」という単純な話ではないことがあります。
これから起こることへの不安や、過去のつらい経験などによって身体が警戒し、実際に心拍や呼吸、胃腸などに変化が起こることがあります。
一方で、すべての症状が不安や自律神経だけで説明できるわけではありません。
症状が強い場合や長く続く場合には、まず身体的な病気がないかを医療機関で確認することも大切です。
「家では大丈夫なのに、出かけようとするとしんどくなる」そんな時は、症状を無理に抑え込もうとするだけでなく、「自分の身体は、何に警戒しているのだろう?」という視点で一度整理してみてください。
一人で考えていると不安が強くなってしまう方は、どうぞお気軽にご相談ください。




