
「寝返りをするたびに腰が痛くて目が覚める」
「仰向けから横向きになる瞬間に腰がズキッとする」
「夜は大丈夫だったのに、朝方になると腰が痛い」
「起き上がる時に腰が固まったように感じる」
このようなことはありませんか?
寝返りは、ただ身体を横へ向けるだけの動作ではありません。
肩・背骨・骨盤・股関節を使いながら、身体の向きを変えています。
そのため、寝返りで腰が痛いからといって、腰だけに問題があるとは限りません。
どの方向へ寝返りした時に痛むのか、腰をひねった時なのか、脚を動かした時なのかなどを確認することが大切です。
寝返りで腰が痛くなるのはなぜ?
寝返りでは、仰向けから横向きになるまでに、
- 肩を動かす
- 背骨を回す
- 骨盤の向きを変える
- 脚を動かす
- 股関節を曲げたり伸ばしたりする
といった動きが組み合わさっています。
実際に慢性腰痛のある方35名と、腰痛のない方34名の寝返り動作を比較した研究では、腰痛のある方では寝返り時の力のかけ方に違いがみられ、痛みが強い方ほど寝返りに時間がかかる傾向も確認されています。
つまり、「腰が痛いから寝返りしにくい」ということ自体は、実際の研究とも一致します。
ただし、「寝返りの仕方が悪いから腰痛になる」と一方向に決めつけることはできません。
当院では、寝返りをした時に身体のどこが動きにくいのかも確認します。
こんな「寝返り腰痛」はありませんか?
仰向けから横向きになる瞬間に痛い
仰向けから横向きになる時には、肩と骨盤の向きが変わります。
上半身だけ先に動いたり、脚だけ先に動いたりすると、途中で腰にひねる動きが入ります。
もちろん、腰をひねること自体が悪いわけではありません。
ただ、
「右へ向く時だけ痛い」
「左へ向く時だけ引っかかる」
という場合は、腰だけでなく股関節や骨盤、背中の動きも確認するヒントになります。
寝返りをするたびに目が覚める
腰痛があると、身体の向きを変えるたびに痛みを感じ、睡眠が途切れてしまうことがあります。
腰痛と睡眠には相互に関係があり、慢性腰痛では睡眠の問題を抱えている方が少なくないことも報告されています。
ただし、「寝返りをしない方がいい」という意味ではありません。
人は睡眠中にも自然に姿勢を変えます。
寝返りそのものを止めようとするのではなく、どう動くと痛いのか、どの姿勢なら休みやすいのかを見る方が現実的です。
朝方になると寝返りが痛い
「寝始めは大丈夫なのに、朝方になると腰が痛い」という方もいます。
長時間同じ姿勢が続いたあとに身体を動かすため、最初の寝返りや起き上がりで腰の動かしにくさを感じることがあります。
この場合も、朝だから腰痛の原因は○○と一つに決めるのではなく、寝返りだけなのか、起き上がりでも痛いのか、少し動くと楽になるのかなどを確認します。
腰ではなくお尻まで痛む
寝返りの時に、「腰よりお尻が痛い」「横向きになると片方のお尻がつらい」という方もいます。
寝返りでは股関節も使いますので、当院では腰だけでなく、お尻や股関節の動きも確認します。
特に片側だけ症状がある場合は、左右の動き方を比べてみると身体の状態を考えるヒントになります。
寝る姿勢は仰向け・横向き、どちらがいい?
「腰痛なら仰向けがいいですか?」「横向きで寝た方がいいですか?」とよく聞かれます。
2025年に発表された睡眠姿勢と腰痛についての系統的レビューでは、6つの観察研究をまとめた結果、仰向けや身体を支えた横向き姿勢は腰痛が少ない傾向にあり、うつ伏せは腰痛との関連がみられたと報告されています。
ただし、「腰痛の人は全員、仰向けで寝なければいけない」という意味ではありません。
身体の状態や症状によって楽な姿勢は違います。
大切なのは、理想の寝姿勢を無理に作ることよりも、自分が休みやすく、寝返りもしやすい姿勢を見つけることです。
横向きで寝る時はクッションを使うのも一つです
横向きで寝ると楽な方は、両膝の間に小さなクッションや枕を入れると楽に感じることがあります。
股関節や骨盤の位置が安定しやすくなり、脚の重さを支えやすくなるためです。
ただし、高さに決まりはありません。
大きすぎるクッションで姿勢を固定する必要もありません。
「入れた方が楽かどうか」で判断してください。
寝返りする時は身体を一気に動かさなくても大丈夫です
寝返りをした瞬間に腰が痛い方は、
- まず膝を軽く曲げる
- 脚を寝返りする方向へ動かす
- 骨盤と肩を無理のない範囲で一緒に向ける
というように、ゆっくり身体の向きを変えてみる方法があります。
「腰を絶対にひねってはいけない」と固める必要はありません。
むしろ、どの動きなら楽に寝返りできるのかを探してみてください。
マットレスは硬い方が腰にいい?
「腰痛には硬い布団の方がいい」と聞いたことがある方もいると思います。
しかし、硬ければ硬いほど腰に良いとは限りません。
慢性腰痛のある313名を対象にしたランダム化比較試験では、硬いマットレスよりも中程度の硬さのマットレスを使用したグループの方が、ベッド上での痛みや起床時の痛み、身体機能で良い結果がみられました。
その後の系統的レビューでも、中程度の硬さのマットレスは睡眠の快適さや腰痛との関係で比較的良好な結果が報告されています。
ただし、「腰痛ならこの硬さ」と全員に同じマットレスをすすめられるわけではありません。
体格や普段の寝姿勢、好みによって感じ方も違います。
「硬いほど腰に良い」と考えて、無理に硬い寝具へ変える必要はありません。
寝返りで腰が痛い時に確認したい3つのこと
まずは、右と左のどちらへ寝返りした時に痛いのかを確認してください。
次に、寝返りだけではなく、仰向けで寝ているだけでも痛いのか、朝起き上がる時にも痛いのかを見てみます。
そして、横向きになった時に楽になるのか、膝を曲げると楽なのか、少し歩くと楽になるのかなど、楽になる動作や姿勢も確認してみてください。
痛い動作だけではなく、「どうすると楽なのか」も身体をみる大切な情報になります。
寝返りだけでなく、こんな時にも腰が痛くありませんか?
寝返りで腰が痛い方の中には、
- 「朝ベッドから起き上がる時に痛い」
- 「椅子から立ち上がる時に腰が伸びにくい」
- 「あぐらをかくと腰が痛い」
- 「子どもを抱っこすると腰が痛い」
- 「長時間座ったあとに痛い」
など、別の動作でも腰痛を感じることがあります。
腰痛は「どこが痛いのか」だけでなく、「どんな時に痛むのか」を整理すると、身体の状態を考える大きなヒントになります。
寝返りで痛いのと、じっとしていても夜中に痛むのは分けて考えます
「寝返りをした瞬間だけ痛い」という場合と、姿勢を変えなくても夜中ずっと強く痛むという場合では、同じように考えない方がよいことがあります。
特に、安静にしていても強い痛みが続く、発熱を伴う、急に脚の力が入りにくくなった、排尿・排便の変化があるなどの場合については、腰痛ハブページの「腰痛で特に確認しておきたい症状」も参考にしてください。
東大阪・若江岩田のおおくま整骨院では
当院では、「寝返りをすると腰が痛い」という場合も、腰だけを見るのではありません。
右と左どちらへ寝返りすると痛いのか、肩と骨盤がどのように動くのか、股関節の左右差、お尻や背中の状態、起き上がりや立ち上がりでも痛みが出るのかなどを確認します。
そのうえで、背骨をやさしく揺らす方法やオステオパシーなどを取り入れ、強く押したり無理にひねったりしない方法を中心に身体全体を調整していきます。
「寝返りのたびに腰が痛くて、夜中に目が覚める」というような具体的なお悩みもお聞かせください。
よくある質問
- Q寝返りすると腰が痛い時は、寝返りをしない方がいいですか?
- A
いいえ。寝返りをしないように身体を固める必要はありません。
痛みがある時は、一気に身体をひねるのではなく、膝を軽く曲げたり、肩と骨盤を無理のない範囲で一緒に動かしたりしながら、楽な寝返りの方法を探してみてください。
- Q腰痛では仰向けと横向きのどちらがいいですか?
- A
どちらが楽かは人によります。
研究では仰向けや身体を支えた横向き姿勢が腰痛と比較的良い関係を示していますが、全員に同じ寝姿勢が合うわけではありません。
痛みが少なく、休みやすい姿勢を選んでください。
- Q横向きで寝る時は膝の間にクッションを入れた方がいいですか?
- A
膝の間にクッションを入れることで楽になる方もいます。
高さに決まりはありませんので、入れた方が腰や股関節が楽かどうかで判断してください。
- Q腰痛には硬いマットレスの方がいいですか?
- A
硬ければ硬いほど良いとは限りません。
慢性腰痛を対象とした研究では、硬いマットレスより中程度の硬さのマットレスで良い結果が報告されています。
ただし、体格や寝姿勢によって感じ方は異なります。
- Q寝返りだけでなく朝起きる時も腰が痛いのですが相談できますか?
- A
はい。
寝返り、起き上がり、立ち上がりなど、それぞれの動作で身体の使い方は違います。
当院では「腰が痛い」だけではなく、どの動作のどの瞬間に痛むのかを確認しながら身体全体をみていきます。
まとめ|寝返り腰痛は「どの動きで痛むか」を見てみましょう
寝返りで腰が痛い場合でも、
- 右へ寝返りすると痛いのか
- 左へ寝返りすると痛いのか
- 身体をひねった瞬間なのか
- 朝方だけ痛いのか
- 起き上がる時にも痛いのか
によって身体の使い方は違います。
「寝方が悪い」「マットレスが悪い」「腰が弱い」と一つの理由だけで考えず、どの動作の、どの瞬間に痛むのかを確認してみてください。
東大阪市・若江岩田周辺で、寝返りのたびに腰が痛い、夜中や朝方の腰痛でお困りの方はお気軽にご相談ください。

参考文献
- 日本整形外科学会/日本腰痛学会監修『腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版』
- Caggiari G, Talesa GR, Toro G, et al. What type of mattress should be chosen to avoid back pain and improve sleep quality? Review of the literature. Journal of Orthopaedics and Traumatology. 2021;22:51.
- Lin CH, et al. Chronic low back pain is associated with impaired bed turning ability: Evaluation by a mobility detection system. Clinical Biomechanics. 2022;92:105572.
- Saini Y, Rai A, Sen S. Relationship Between Sleep Posture and Low Back Pain: A Systematic Review. Musculoskeletal Care. 2025;23(2):e70114.
- Kovacs FM, et al. Effect of firmness of mattress on chronic non-specific low-back pain: randomised, double-blind, controlled, multicentre trial. Lancet. 2003;362(9396):1599-1604.



