
「花粉の時期になると鼻水やくしゃみが止まらない」
「薬を飲んでいるけれど、毎年つらい」
「寝不足や疲れていると、いつもより症状が強い気がする」
このようなお悩みはありませんか?
私自身も花粉症があるので、鼻水や目のかゆみが続くつらさはよく分かります。
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉に対して起こるアレルギー反応です。
そのため「自律神経を整えれば花粉症が治る」というものではありません。
一方で、鼻水やくしゃみには神経の働きも関係しており、睡眠不足やストレス、疲労などによって体調が崩れると、症状をよりつらく感じることもあります。
この記事では、
- 花粉症が起こる仕組み
- 花粉症と自律神経の関係
- 睡眠やストレスとの関係
- 分子栄養学で注目されるビタミンD
- 今日からできる花粉対策
について、できるだけ分かりやすく解説します。
花粉症はなぜ起こるのでしょうか?
花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」の一つです。
スギやヒノキなどの花粉が鼻や目の粘膜に入ると、身体の免疫システムが花粉を異物として認識します。
その結果、肥満細胞などからヒスタミンなどの物質が放出され、
- くしゃみ
- 透明な鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
- 涙
などの症状が起こります。
つまり花粉症の基本は、花粉に対するアレルギー反応です。
「免疫力が弱いから花粉症になる」という単純なものではありません。
むしろ大切なのは、免疫をただ「上げる」のではなく、必要な時には働き、必要以上に反応しないように調整されていることです。
花粉症と自律神経にはどんな関係がある?
ここは誤解されやすいところです。
花粉症の原因そのものは自律神経ではありません。
しかし、鼻には自律神経が深く関わっています。
花粉によってヒスタミンが放出されると、鼻の知覚神経が刺激されます。
その情報が脳へ伝わることでくしゃみ反射が起こり、さらに副交感神経を介した反射によって鼻の腺から分泌物が増え、鼻水が出ます。
つまり、
花粉によるアレルギー反応
↓
鼻の神経が刺激される
↓
くしゃみや副交感神経反射が起こる
↓
鼻水などの症状につながる
という流れがあります。
「自律神経と花粉症はまったく関係ない」というわけでもありません。
ただし、自律神経が乱れたから花粉症になったとまでは言えません。
ここは分けて考えることが大切です。
疲れやストレスが多いと症状がつらく感じることも
花粉症の患者さんから、「寝不足の翌日はひどい」「仕事が忙しい時期は鼻水が増える」「疲れていると症状が強く感じる」という話を聞くことがあります。
ストレスとアレルギー、自律神経、免疫の間には複雑な相互作用があることが研究されています。
また厚生労働省の花粉症セルフケアでも、鼻粘膜の状態を保つために、ストレスや睡眠不足、飲み過ぎなどを避けることが紹介されています。
そのため花粉の時期は、
- 睡眠時間を確保する
- 無理をしすぎない
- 軽く身体を動かす
- 飲酒を控えめにする
- 規則的に食事をとる
といった基本的な生活習慣も大切です。
「自律神経を整えて花粉症を治す」のではなく、花粉を避けながら、身体が疲れすぎない環境を整えると考えると分かりやすいと思います。
分子栄養学で注目したいビタミンD
当院では栄養について相談を受けることもあります。
アレルギーを考える時、私が特に注目している栄養素の一つがビタミンDです。
ビタミンDというと「骨を強くする栄養素」というイメージが強いかもしれません。
しかし現在では、骨やカルシウム代謝だけでなく、免疫機能の調整にも関係することが分かっています。
ビタミンD受容体はさまざまな免疫細胞にも存在しており、自然免疫や獲得免疫の調節に関わります。
アレルギー性鼻炎とビタミンDについても多くの研究が行われています。
2025年に発表されたランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析では、ビタミンD補充によって症状が軽減する可能性が検討されました。
ただし研究による差が非常に大きく、全体として「ビタミンDを飲めば花粉症が改善する」と断定できる段階ではありません。
ですから、花粉症だから全員がビタミンDサプリを飲めばいいという考え方ではありません。
大切なのは、普段の食事や日光に当たる機会なども含めて、その人の栄養状態を見ることです。
ビタミンDはどこから摂れる?
ビタミンDは食事から摂取するほか、紫外線を受けることで皮膚でも作られます。
食品では、
- 鮭
- サバ
- イワシ
- サンマ
- 卵黄
- きのこ類
などに含まれています。
現代では室内で過ごす時間が長く、日光に当たる機会が少ない方もいます。
ただし紫外線には皮膚への影響もあるため、「ビタミンDのために長時間日焼けする」という必要はありません。
またサプリメントを大量に摂ればよいわけでもありません。
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、過剰摂取にも注意が必要です。
必要性が気になる場合には、医療機関で血液中の25-OHビタミンD[25(OH)D]を調べる方法もあります。
大阪・近畿でみられる主な花粉と飛散時期の目安
| 花粉の種類 | 主な飛散時期 | 特に多くなりやすい時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ハンノキ | 1〜5月頃 | 3〜4月頃 | スギより早い時期から飛ぶことがあります |
| スギ | 2〜4月頃 | 2月下旬〜3月 | 春の代表的な花粉です |
| ヒノキ | 3〜5月頃 | 4月 | スギより少し遅れて多くなります |
| イネ科(カモガヤなど) | 4〜10月頃 | 5〜6月頃 | 春から秋まで長く飛散します |
| ブタクサ | 8〜10月頃 | 9月頃 | 秋の代表的な花粉です |
| ヨモギ | 8〜10月頃 | 9月頃 | 道端や空き地にも多い植物です |
| カナムグラ | 8〜10月頃 | 9〜10月頃 | 秋に症状が出る方で注意したい花粉です |
※飛散時期は、その年の気温や天候、地域によって前後します。
特に関西では、スギだけでなくヒノキの植林面積も広いため、春はスギのあとにヒノキ花粉でも症状が続く方がいます。アレルギーポータルでも、スギは3月、ヒノキは4月ごろがピークの目安とされています。
まず優先したいのは「花粉を入れないこと」
栄養や自律神経について考える前に、花粉症対策として最も基本になるのが、花粉への曝露を減らすことです。
厚生労働省でも次のような対策がすすめられています。
- 花粉情報を確認する
- 飛散が多い日は外出時間を調整する
- 外ではマスクやメガネを使う
- 花粉が付きにくい服を選ぶ
- 帰宅前に衣服や髪の花粉を払う
- 帰宅後は洗顔、手洗い、うがいをする
- 洗濯物や布団の外干しを控える
- 窓を開ける時間や換気方法を工夫する
- 室内をこまめに掃除する
「何を食べればいいか」より先に、身体に入ってくる花粉そのものを減らす。
これがとても重要です。
朝にくしゃみや鼻水がひどい「モーニングアタック」
花粉症の方の中には、「朝起きた瞬間からくしゃみが止まらない」「起床後に鼻水が一気に出る」という方がおられます。
このように朝に鼻症状が強く出る状態は「モーニングアタック」と呼ばれています。
寝具や床にたまった花粉やハウスダストなどの影響に加えて、起床時の身体の変化も関係すると考えられています。
対策としては、
- 寝室に花粉を持ち込まない
- 寝具を清潔にする
- 布団の外干しを控える
- 床をこまめに掃除する
- 帰宅後に髪や身体についた花粉を落とす
など、寝室環境を整えることから始めてみてください。
花粉症の治療も我慢しないでください
セルフケアや食事は大切ですが、症状が強い場合は医療機関での治療も重要です。
現在の花粉症治療には、
- 抗ヒスタミン薬などの内服薬
- 点鼻薬
- 点眼薬
- アレルゲン免疫療法
などがあります。
鼻づまりが強い、眠れない、仕事や学校に集中できないなど、日常生活に支障が出ている場合は耳鼻咽喉科などへ相談してください。
栄養や生活習慣は、必要な治療をやめるためのものではありません。
医療機関での治療とセルフケアを上手に組み合わせるという考え方が大切です。
当院でできること
おおくま整骨院では、花粉症そのものを診断したり治療したりすることはできません。
一方で、「花粉の時期になると眠れない」「鼻づまりが続いて身体に力が入っている」「仕事が忙しく疲れ切っている」「食生活も含めて生活を見直したい」といったご相談を受けることがあります。
その場合は身体の緊張や呼吸、睡眠、食事、運動、生活リズムなどを一緒に整理していきます。
必要に応じて医療機関での検査や治療を優先していただきながら、整体院としてできる範囲で身体をサポートします。
まとめ|花粉症は「花粉対策+治療+体調管理」で考える
花粉症について大切なのは、一つの方法だけに頼らないことです。
まずは花粉への曝露をできるだけ減らす。
症状が強ければ医療機関で適切な治療を受ける。
そのうえで、
- 睡眠
- ストレス
- 運動
- 食事
- 生活リズム
など、自分の身体の土台も整えていきます。
ビタミンDも、免疫機能との関係から研究されている重要な栄養素の一つです。
ただし「ビタミンDを摂れば花粉症が治る」というものではありません。
花粉症の時期だけ何か特別なものを増やすのではなく、普段からバランスよく食べ、眠り、身体を動かす。
そして必要な時には医療の力も借りる。
花粉症と長く付き合っている方ほど、このようにいくつかの方向から身体を考えてみてください。
お悩みに方は、どうぞお気軽にラインで相談してください。

参考文献・出典
- 厚生労働省「花粉症について/花粉症のセルフケア」
- 厚生労働省「どうすれば花粉症を予防できるの?」
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版(第10版)」
- Kawada K, et al. Vitamin D Supplementation and Allergic Rhinitis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Medicina. 2025.
- Baraniuk JN. Neural aspects of allergic rhinitis. Curr Opin Otolaryngol Head Neck Surg. 2007.




