原始反射で有名な灰谷さんが京都に来られるということで勉強会に参加させていただきました。当院は自律神経を専門として施術させていただいており、「めまい」のクライアントさんも多くきてくださっております。
また発達障害などのお子様にも、関係する内容となっております。
ですので目の動き、視覚などについては、とっても関係が深く興味があります。何かの参考になるかと思いますので、どうぞご覧ください。
内容についてもシェアOkということでした。
目が進化すると人生が変わる
講師の灰谷さんは現在、九州に住んでおられます。龍谷大学卒業後、ダスキンに入社。ミスタードーナツに就職され、原始反射の専門家として特に子供たちのお役に立てるようにということで活躍中です。現在は「イノチグラス」という眼鏡を作成されておられます。
この眼鏡はロンドンブーツの淳さんが使用されておられます。
以前、参加させていただいた「AK(アプライドキネシオロジー)」の研修でも筋力検査を使っておりました。それに良く似た検査法だと感じました。
人には各個人ごとにあった光の波長がある
眼鏡とは「目から入る光を適正にする道具」だそうです。ただ単に視力を上げるためのものではないそうです。
恥ずかしながら僕は知りませんでした。(笑)
脳が頑張っているかどうかは姿勢に現れるということでした。ですので原始反射が残っている場合や不良姿勢になりやすい方は、何かあっていないということがあるかもしれません。これは努力の問題ではないのです。
目と身体は密接に関係しているということを学びました。
見え方
解像度(視力)×色彩(色覚)×明暗(光覚)
見え方というのはこの3つで決まります。
視力
視力というのは①解像度と②コントラストで決まります。ある特定の距離の対象物をどれだけ細部まで見分けられるかの能力です。
色というのはエネルギーであって光の波長を識別する視細胞によって「塗られている」そうです。(分光反射率曲線:この辺は難しすぎて僕には理解できませんでした(笑))
また色の特性は人によって「見えやすい組み合わせ」が異なるそうなのです。これにも驚きました。
余談ですがパソコンなどのブルーライトカット眼鏡については、賛否両論あるそうです。
ブルーライトというのは380~495nm付近の光だそうです。この影響は覚醒させる、体内時計をリセットする、成長ホルモンを出す、近視を抑える、角膜にダメージを与えるなどがあるそうです。
また最近の研究(眼科医学会など)ではブルーライトカット眼鏡はブルーライトカットに効果がないという結果が出ているそうです。子供の成長に悪影響があるとされているそうです。ただし疲労がマシになると感じる人もいるそうです。
参考:「ひきち眼科」さんのホームページ
光過敏症
当院にもたくさんいらっしゃいます。自律神経の乱れのある方は、瞳孔反射がうまく作用されないことが多いので、当院では、特にチェックさせていただいております。
またHSPなどの方は、過敏になりすぎてしまう方もいらっしゃいます。この光過敏症については、未だに有効な治療法はないそうです。光過敏の原因としては次の3つがあげられます。
- ドライアイ(日本では10人に1人といわれている)
- バランス(光により、めまい、立ち眩みなど)
- 自律神経(交感神経過剰)
発達障害と感覚過敏
大阪大学の研究では、発達障害は「目の過敏性」も原因の可能性があるといわれています。またADHDの方も目の瞳孔の大きさに特徴があることがわかっています。明暗に対応しずらい目として瞳孔の左右差、瞳孔の動きの遅さを研究されています。(千葉工大の研究より)
左右差がある「目」
人によって「何色がまぶしくなく良く見える」「色の濃さ」も一人一人違うということです。また左右の目でも違うことがわかっているそうです。これはストレスに関係します。
色が左右あっていないと脳はストレスを感じます。つまりリラックスできないのです。自律神経では副交感神経が働きにくくなってしまうのです。リラックスは目と脳の機能を高めるということもいえるのです。
勉強に集中できる3つの方法
特に勉強中の方に朗報です。この3つを覚えておいてください。とっても集中力が上がります。
- あくびをする
- 水を飲む
- ガムを噛む
視野が狭くなると心理的なストレスが高くなる
視野が狭くなると心の視野も狭くなります。すると考え方の視野も狭くなります。当院では、いつもアドバイスさせていただいている「認知の歪み」や「思考の癖」に繋がります。
視野を広げるにはどうしたらいいのでしょうか。
視野を広げることで、より多くの人と良好な関係を作ったり、クリエイティブな脳の働きを取り戻すことができるのです。
トレーニングとしては中心を見ながら自分の指を動かしながら広げていきます。これを繰り返すと周辺視野が広がります。
また、このようなトレーニングもありますので参考にしてください。スポーツのパフォーマンスにもつながりますのでオススメです。
中心視と周辺視についてはこちらを参考にしてください。
周辺視とは位置、運動情報を処理し運動のきっかけを導きます。脳では「上丘」(杆体細胞)です。光、夜、全体的、位置知覚、早い動き、潜在的な危険と関係します。(注意散漫)
こちらが過剰になるとADHD、闘争・逃避、交感神経優位になります。
中心視とは、物体の形状、色といった情報を処理し認知のきっかけを導きます。脳では「視覚野(後頭葉)」(錐体細胞)です。色、昼、焦点化、形態知覚、わずかな動き、学習と作業に関係します。(視野狭窄)
こちらが過剰になると自閉症、フリーズ、副交感神経優位(背側迷走神経)になります。
視野を広げるトレーニングです。自分の指で横向きの8の字を描き、目で追いかけます。そして縦に8の字を描き追いかけます。これをするだけでも視野が広がります。
もう少しレベルアップしたい方はこちらを参考にしてください。
目から生きる脳へ
目から入った情報は、意識と無意識領域の脳を経て処理されます。
- 皮質経路(意識)では外側膝状体⇒視覚野
- 皮質下経路(無意識)では脳幹(上丘)⇒視床枕⇒偏桃体
原始反射の残存と生き辛さ
脳の発達は下から上、後ろから前に発達していきました。原始反射が残存しますと前頭前野の機能が働きにくいということがあり、脳と発達障害と生き辛さは関係するのです。
外眼筋と後頭下筋群の関係
特に当院がいつも調整させていただいている部分です。頭の後ろですね。
外眼筋と後頭下筋群は、「まぶた」や「眼球運動」と一緒に動きます。首の深いところの筋肉は、他の筋肉よりも筋紡錘(センサー)の密度が高く、感覚運動制御の情報を伝えています。
首の感覚の情報は、姿勢の安定性、頭の位置、目の動きにおいて、とても重要な感覚情報として入力されます。
先日、お越しいただいた方で、美容院に行かれて「サービス」で首を揉んでもらったそうです。その後、激痛で首が回らなくなったそうです。前述のようにセンサーがたくさんある場所ですので強く揉んだりしない方が良い場所です。当院では、優しく緩めていくように調整させていただいているのがおわかりいただけると思います。
筋膜で繋がっている
体全体に筋膜というものがあり、いろんな方向へ影響を受けます。その中の一つにSBL(スーパーフェイシャルバックライン)というものがあります。簡単にいいますと足の裏からアキレス腱、腓腹筋、ハムストリングス、仙結節靭帯、腰、脊柱起立筋、後頭下筋群、帽状腱膜、前頭骨、眼窩隆起というものです。
目⇒後頭下筋群⇒足
体の後面は筋膜で繋がっているのです。
眼精疲労の対策
コロナによって自宅待機が長くなり、スマホやパソコンを見る時間が増えた方が多いのではないでしょうか。
このような方は、とても多く目が疲れています。その対策をご紹介します。
30ー30ー30で覚えてください。
- スマホを30分以上連続で見ない
- 画面と目の距離を30cm以上近づけない
- 30歳を越えたら隠れ老眼は進んでいるので、体調に応じて近くを見る時のメガネを検討する
パフォーマンスアップするには
パフォーマンスが上がる色というのは一人一人違うそうです。それを筋力検査をしながら計測していくとパフォーマンスアップにつながります。ちなみに左右でも自分に合う色が違います。また中心視だけでなく周辺視の色の影響もあります。ですのでレンズの色だけでなくフレームの色も関係するということです。
視機能の発達
- 見たものを受け取る力(固有受容器の発達、赤ちゃんでは寝返りや四つ這いが重要、呼吸ではインナーマッスル、瞬きの発達)
- 感覚のチームワーク(両目を使えているか、耳で見る、自然の音を聞く、歌う・踊る・演奏する、夜は照明を暗くする、バランス遊びで前庭覚を育む)
- 注意を向ける力(見ない事で見える、大声を出す、ブロックで遊ぶ、砂で遊ぶ、ボールで遊ぶなど)
- 表現する力(分けて理解する統合して動く、おままごと・ものまね・人形遊び、森で過ごす、裸足など足裏を育てる、回転する遊具・ハンモック、ブランコで遊ぶ)
当院では、必ずしも、こちらのメガネを推奨しているということではありません。パフォーマンスアップに、このような考え方もあり、その1つとして参考になるという認識でございます。
まとめ
- 目は光を受け取るためにある
- 感覚は行動・感情・思考の土台である
- 視力は、解像度とコントラストで成り立つ
- 人生は中心視と周辺視のバランスである
- 感覚の発達は「世界の捉え方=知覚」を決める
- 良く視るを育てる「動物の遊び」の体験の大切さ
- 子供は「頭の高さ」が、大人は「視線の高さ」が発達する