
「そんなに食べていないのに体重が減らない」
「以前と同じように食べているだけなのに、お腹まわりが気になる」
「太りたくないから食事を減らしているのに、なぜか痩せない」
更年期世代の女性から、このようなお悩みをよくお聞きします。
実際に食事内容を聞いてみると、本当に食事量が少ない方もいらっしゃいます。
それでも体重が減らないと、「やっぱり更年期だから仕方がないのかな」と思ってしまいますよね。
しかし、更年期の体重変化は女性ホルモンだけで決まるわけではありません。
年齢とともに変化する筋肉量や活動量、睡眠、食事内容、ストレスなど、いくつもの要因が重なっていることがあります。
大切なのは、さらに食事を減らすことではなく、「今の身体に何が起きているのか」を一度整理してみることです。
- 更年期になって体重が増えてきた
- 食事量は少ないのに痩せない
- お腹まわりが以前より気になる
- 太りたくなくて食事を減らしている
- 朝食を抜いたり簡単に済ませることが多い
- 運動不足が気になっている
- 睡眠不足や疲労が続いている
更年期に「食べていないのに痩せない」と感じる理由
40代、50代になると、それまでと同じ生活をしていても体型が変わってくることがあります。
これは一つの原因だけで説明できるものではありません。
筋肉量や活動量の変化
年齢とともに筋肉量が減ったり、身体を動かす時間が少なくなったりすると、1日に使うエネルギー量も変わってきます。
若い頃と食事量が同じでも、「以前より歩かなくなった」「仕事が座りっぱなしになった」「疲れて休日も動かなくなった」という変化があれば、体重管理が難しくなることがあります。
特に更年期世代では、「疲れるから動かない→さらに筋力が落ちる」という循環にならないようにすることが大切です。
女性ホルモンの変化
更年期には女性ホルモンであるエストロゲンが大きく変化します。
ただし、「エストロゲンが減ったから必ず太る」という単純なものではありません。
中年期の体重増加には加齢や生活習慣の影響が大きく、更年期のホルモン変化は、特に脂肪がお腹まわりにつきやすくなることと関係すると考えられています。
そのため、体重だけではあまり変わっていないのに、「ウエストがきつくなった」「下腹が出てきた」と感じる方もいます。
睡眠不足
更年期になると、寝汗、ほてり、中途覚醒などで睡眠が乱れる方もいます。
睡眠不足が続くと、日中の活動量が減ったり、食欲や食行動にも影響したりして、体重管理が難しくなることがあります。
「痩せるためには食事と運動」と考えがちですが、私は睡眠も同じくらい大切だと考えています。
夜更かしが続いている方、夜中に何度も目が覚める方は、まず睡眠から見直してみてください。
食事を減らしすぎている
これは当院でもよくみられます。
「太りたくないから朝はヨーグルトだけ」
「昼はパンだけ」
「夜は炭水化物を食べない」
このように食事を減らしすぎると、必要なタンパク質やエネルギーまで不足しやすくなります。
食事量が少ない状態が続けば、筋肉量が落ちたり、疲れて身体を動かせなくなったりすることもあります。
さらに空腹が強くなり、夕方から甘いものやお菓子を食べたくなる方もいます。
「食べないほど痩せやすい」とは限りません。
食べていないつもりでも確認したいもの
これは「食べすぎていますよ」と責める話ではありません。
普段の食事以外のものは、自分でも食事として数えていないことがあります。
例えば、
- 甘いカフェラテやジュース
- スポーツドリンク
- 菓子パン
- スナック菓子
- 夕方のお菓子
- アイス
- お酒
- ドレッシングや調味料
などです。
一つひとつは少量でも、毎日続けば体重に影響することがあります。
また、加工食品やお菓子を絶対に食べてはいけないわけではありません。
「禁止する」のではなく、毎日の食事の中心になっていないかを確認してみてください。
更年期だからこそ、極端に食事を減らさない
更年期世代では、体重だけでなく筋肉や骨の健康も大切になります。
そのため、私は「食べないダイエット」よりも、必要なものを食べながら身体を動かすことをおすすめしています。
タンパク質を毎日の食事に入れる
肉、魚、卵、大豆製品などはタンパク質を含む食品です。
例えば朝食なら、
「ご飯+みそ汁+卵」
「ご飯+焼き魚」
「ご飯+納豆」
など、昔ながらの和食はタンパク質を取り入れやすい組み合わせです。
朝から完璧に作る必要はありません。
卵、納豆、豆腐、サバ缶など、準備しやすいものから始めても十分です。
主食も適量食べる
体重が気になると、真っ先にご飯を抜く方がいます。
しかし、極端に炭水化物を減らす必要はありません。
ご飯などの主食、肉や魚などの主菜、野菜などの副菜を基本に、自分に合う量を考えていきましょう。
食事を抜いて夜に強い空腹が出る方は、まず3食の食べ方を整える方が合っていることもあります。
野菜・海藻・きのこなども一緒に
タンパク質だけを増やせばよいわけでもありません。
野菜、海藻、きのこ類なども組み合わせながら、食事全体のバランスを考えてみてください。
サプリメントだけで何とかしようとするより、まず毎日の食事が土台です。
更年期の体重管理には運動も大切です
「痩せるためには激しい運動をしないといけない」と思う必要はありません。
更年期世代では、続けられる運動を習慣にする方が大切です。
まず歩く
運動習慣がない方なら、10分程度のウォーキングからでも構いません。
買い物へ歩いて行く、階段を使う、昼休みに少し歩くなど、日常生活で身体を動かす時間を増やすことも立派な運動です。
筋肉を使う
特に太ももやお尻、背中などの大きな筋肉を使う運動はおすすめです。
スクワットやブリッジなど、自宅でできる簡単な運動でも構いません。
大切なのは、いきなり頑張りすぎて続かなくなることではなく、自分の体力に合わせて続けることです。
運動方法については、こちらの動画も参考にしてください。
体重だけではなく「お腹まわり」も確認する
更年期では、体重だけを毎日気にして落ち込む必要はありません。
体重がそれほど変わっていなくても、筋肉が減って脂肪が増えたり、お腹まわりに脂肪がつきやすくなったりすることがあります。中年期では特に腹部脂肪の増加が健康上の課題になることが知られています。
体重だけでなく、
- ウエスト
- 筋力
- 歩く量
- 疲れにくさ
- 睡眠
- 血糖や血圧などの健診結果
も一緒にみていく方が、身体の変化を把握しやすくなります。
急に体重が増えたときは一度確認してください
「更年期だから太った」と思っていても、別の原因が隠れていることがあります。
例えば、
- 甲状腺の病気
- 糖尿病など代謝に関係する病気
- 睡眠時無呼吸症候群
- 薬の影響
- むくみを伴う病気
などでも体重が変化する場合があります。
特に短期間で急に体重が増えた、強いむくみがある、息切れがある、極端なだるさが続くなどの場合は、更年期と自己判断せず医療機関で確認してください。
当院では「痩せること」だけを目標にしません
当院では、体重だけを見て「もっと食事を減らしましょう」とお伝えすることはありません。
まず、
- 何をどのくらい食べているか
- 朝食や昼食を抜いていないか
- タンパク質はとれているか
- 睡眠はとれているか
- 日中どのくらい身体を動かしているか
- 身体の痛みで運動できなくなっていないか
- ストレスが強くなっていないか
などを確認します。
更年期世代の方では、体重を減らすことばかり考えて食事を減らし、疲れて動けなくなっている方もいます。
そのような場合は、さらに頑張るよりも、まず身体が元気に動ける土台をつくる方が先かもしれません。
当院では整体による身体の調整だけでなく、分子栄養学の知識も生かしながら、睡眠、食事、運動など生活全体を一緒に確認しています。
よくある質問
- Q更年期になると必ず太りますか?
- A
必ず太るわけではありません。中年期の体重変化には加齢、筋肉量、活動量、食生活、睡眠など複数の要因が関係します。更年期のホルモン変化は、特にお腹まわりの脂肪のつき方に影響することがあります。
- Q食べていないのに痩せない場合、もっと食事を減らした方がいいですか?
- A
必ずしもそうではありません。食事量を減らしすぎると、タンパク質や必要なエネルギーが不足し、筋肉量や活動量が低下することがあります。まず現在の食事内容を確認してみましょう。
- Q更年期のダイエットでは糖質を抜いた方がいいですか?
- A
極端に糖質を抜く必要はありません。ご飯などの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜などを組み合わせ、食事全体のバランスを考えることが大切です。
- Qウォーキングだけでも意味がありますか?
- A
はい。運動習慣がなかった方なら、まず歩く時間を増やすことから始めて構いません。慣れてきたらスクワットなどの筋力運動も組み合わせるとよいでしょう。
- Q更年期の体重について整体院でも相談できますか?
- A
当院では体重を減らすための治療をするのではなく、食事、睡眠、運動、身体の痛みや緊張などを確認し、生活全体を整えるためのアドバイスを行っています。身体がつらくて動けない場合には、施術を行いながら無理のない方法を一緒に考えます。
まとめ
「食べていないのに痩せない」と感じると、さらに食事を減らしたくなるかもしれません。
しかし、更年期の体重変化は食べる量だけで決まるものではありません。
- 加齢による筋肉量や活動量の変化も関係する
- 更年期にはお腹まわりに脂肪がつきやすくなることがある
- 食事を減らしすぎず、タンパク質を含めてバランスよく食べる
- 良い睡眠をとる
- ウォーキングと筋力運動を無理なく続ける
- 急激な体重増加や強いむくみがあれば医療機関で確認する
体重計の数字だけを追いかけるより、「よく眠れているか」「元気に動けているか」「筋力が落ちていないか」も一緒にみてください。
更年期は、無理な食事制限を始める時期ではなく、これから先も元気に動ける身体をつくっていく時期だと私は考えています。
食事、睡眠、運動のどこから見直したらいいのかわからない方は、当院でも一緒に整理していきます。

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参考文献・参考情報
- The Menopause Society「Midlife Weight Gain」
- The Menopause Society「Managing Weight During Perimenopause」
- 公益社団法人 日本産科婦人科学会「更年期障害」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」
- 『食欲人―科学者たちが語る食欲』デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・J・シンプソン



