テニスで怪我をしたのですが、なかなか治りません。
試合が近いし、ダブルスなので、休むと相手の方に迷惑がかかってしまうので練習を休めません。
というよりも私がテニスでストレスを発散しているのでテニスをしないとストレスで頭が爆発しそうなのです。
何とか早く治して試合に間に合わせたいですが休めません。
どうしたらいいですか?
このようなお悩みを解決します。
スポーツでケガをしていても「休まない」、もしくは「休めない」方がいます。仕事でもそうですが、ケガや不調、ギックリ腰になっても仕事を休めないという方がいらっしゃいます。
言い換えると、自分の意志で「休まないことを選んでいる」方です。
このような方は、痛みがあったり、不調があり、とっても疲れているのに休むと罪悪感、不安感が出てきて休めない方が多いです。
心理面、思考の癖でいいますと「○〇しなければならない」と自分よりも他人を優先している方に多いです。
特に真面目な女性、良い人に多いです。「お母さんだからちゃんと朝起きなければならない」「妻だから家事をしなければならない」「長女だから下の子の面倒をみなければならない」というような偏った思考です。
このような思考の癖がある方は、追い詰められるような悪夢を見る方も多いです。
育った環境や親の躾にも関係していることがあります。焦り、イライラが常にあって、その感情を発散している場合もあります。
だから休まないというのは本人にとっては必要な場合もあります。休まないでいるとケガをした所は、当然、良くなりにくいです。
例えば皮膚に擦り傷ができたとします。その擦り傷があるのに動かし続けるようなものでカサブタもできにくい状態だと考えてください。
自分の思考の癖、家族や知人の思考の癖などで、お困りの方は、どうぞご覧になってください。
「しなければならない」という思考の癖を修正できる
安静にできない方へ!心理面から考えた思考の修正
痛くても安静にできない方、仕事をしてしまう方は、思考の癖が邪魔をしているかもしれません。
その思考は自分のことも相手のことも許すことが苦手な方です。社会的にみて良い人が多いです。
このような方は「休めない」ではなく、「休まないことを選択」しているのです。誰でも社会人になれば、このような事はあると思います。
これはあなたの思考の癖です。その思考の癖に気づき、修正する意志があれば修正できます。すると症状として現れていた不調も改善に向かうのです。
「○○しなければならない」という呪縛
この方は普段、主婦の仕事を完璧にこなしておられます。本当に止まってることがないくらい休まずに動いておられます。50代の主婦の方です。
この方の唯一の趣味がテニスです。
親の介護の問題も出てこられておられますが「趣味のテニスだけはやめたくない」とおっしゃられます。テニスを止めたら気が狂いそうなくらいストレスが溜まるということでした。
先日、膝を痛められ、肘も激痛で腫れておられました。施術させていただき、痛みは軽減されていくのですが、なかなかテニスを休むことができません。
「1週間休んでください」と言っても、何かに憑りつかれたように足を引きずってでもテニスコートに行かれます。
家事もこなし、親の介護もされ、家のことは文句のつけようがないくらいキッチリされるのです。その代わり趣味のテニスだけは休みたくないのです。
休むと「ダブルスの人に迷惑がかかる」「自分が下手になる」「ストレス発散ができなくて気が狂いそうになる」「今度の試合は絶対に勝ちたい」など休めない理由がご本人には、あるのです。
この方の性格
- 完璧主義
- 人を喜ばしたい
- とにかく急いでなんでもする
- ゆっくりしていない
- いつも何かに追われている
小さいころからの親からの躾
- 早く宿題をやりなさい
- ご飯は残してはいけません
- 人に優しくしなさい
- 人に嫌なことを言わずに笑っていなさい
- 人と喧嘩をしてはいけません
- 時間はキッチリ守りなさい
- 人に迷惑をかけてはいけません
- 怒ってはいけません
このような育てられ方をしてこられました。いわゆる優等生のいい子ちゃんで育ちました。
それが、今では「○○しなければならない」という強い超自我となって染みついてしまっているのです。
これは社会で生きていくうえで必要だと親が教えてくれたことでもあるのです。
とっても大切なことで立派だと思います。
ただ、親の価値観が、ものすごく入っています。子供にとっては絶対的な存在の親のいうことですから、もちろん子供にもこの価値観が染みついていくのです。
しかし、あまりに過度な躾(しつけ)となりますと心を強く支配されるネガティブなものとなってしまうこともあるのです。
交流分析から紐解く
交流分析(TA)という心理学があります。自分の本心、潜在的な性格や心理、などから分析していく方法です。自分で自分のことを知ることでコミュニケーションや生き辛さから解放されることもありますので、参考にご覧ください。
4つのソーシャルスタイル
ちなみに私はエミアブルタイプの傾向が強かったです。
良かったら、こちらからテストをやってみてください。
おおまかに4つのタイプに分けられます。
そして、それぞれのタイプによって「響く言葉」や「対応の仕方」があるのです。
アナリティカル
- データや資料を集めて分析する
- 計画通りに実行する
- 冷静、客観的だと言われる
- ルーティンワークが得意
- 人から頑固、真面目と言われる
- 自分から主張することは少ない
- 石橋を叩いて渡る
- 一つのことを継続して、とことんやるのが好き
- アナリティカルに多く向いている職業は「職人」「SE」「プログラマー」「事務職」
- セミナーに出ても人に話しかけず、情報収集に重きを置いている
- このタイプの方とは長時間かけて関係を構築すると良く、こだわりの専門性や趣味などからコミュニケーションを取るとうまくいく
- 口調は遅く、口数も少ない、反応も遅い、何を考えているかわからないと誤解されやすい
- 数字や具体的な専門性を褒めると話がはずむ
ドライビング
- 向上心が有り、野心家、エネルギッシュ
- 決断力がある
- 人間関係より仕事優先
- ペースが速いと言われる
- 自分をコントロールしようとする人には反発する
- 人の気持ちには鈍感な方だ
- リーダーシップを取る事を好む
- 人をなかなか信用しない
- 行動的で野心家、自分の思い通りに物事を行う
- 人の話を聞かず、指示されることを嫌がる
- ドライビングに多い職業は「経営者」「開業医」「コンサルタント」「弁護士」
- 指図されたくない、自分で判断したいのが特徴なので、欲しがる情報を提供し、自分で判断したと感じさせることが大切
- いい人だから動くのではなく、権威性、立場、実績、肩書きなどを重視する
- 早口で断定的にしゃべる、自己主張をしっかりし、上から目線、威張る、怖そうと感じさせる
- 質問されるのも褒められるのも好きではなく、警戒心が強い
- 対応としては、「教えて欲しい」という姿勢を見せること
- 「○○さんを見習って自分も○○しています」と褒めると良い
- 「凄い」「さすが」というのはNG!「勉強させていただいてます」と言う
エミアブル
- 人をサポートするのが好きだ
- 決断をする時は、じっくり考えたい
- 人の心や空気を読むのが得意だ
- リスクを冒すのが苦手
- 相手の反応が気になる
- 頼まれるとノーと言えない
- できるだけ人と対立したくない
- 優しい穏やかだと言われる
- みんなの為なら頑張れる、お役に立ちたい
- ニコニコして癒し系、抱え込んでしまうこともある
- 他者優先の価値観を持ち、チームワーク優先、優柔不断な一面もある
- 人重視、人見知り、心地よい空間を重んじる
- 「ありがとう」、「助かります」などの労いや労わりの言葉が響く
エクスプレッシブ
- 細かいことは、あまり気にしない
- 新しいことを始めるのが好きだ
- 事務処理やルーティンワークは苦手
- 場をしきるのが得意
- 話題を提供することが得意
- 調子が良いやつだと言われる
- 人を褒めるのが好きで、褒められるのも好き
- 意見を求められると嬉しい
- サービス業、楽観的な起業家に多い
- 新規案件などは得意だが、アフターフォローなどは苦手
- 「へぇ」などオーバーアクションで聴くのがコツ
- ルーティンが苦手、忘れっぽい、飽きっぽいが、行動力があり、社交性にも優れている
- 「○○さんといると楽しい」「すごい」「さすが」とポジティブな言い方を好む
忙しい人は心理学では「ドライバー」タイプ
今回は特に「ドライバー」「ドライビング」について詳しくみていきます。
この記事を、ご覧くださっているあなたも「○○しなければならない」と強く想っていることがありませんか?
実は僕もその一人です。
それは、あなたが超自我に操られている証拠なのです。その操り人形になっているあなたを引っ張っている糸が5本あります。それを見ていきますね。
これを心理学でドライバーまたはドライビング(拮抗禁止令)タイプといいます。
拮抗禁止令(アメリカの臨床心理学者のテイビー・ケイラー氏の言葉)
これはストレスにさらされると、ものすごく顕著にあらわれるものです。次の5つの項目をチェックしてみてください。それぞれのタイプと傾向がわかります。
無意識の脳内命令ともいわれています。どうぞ一度やってみてください。
タイプA
タイプB
タイプC
タイプD
タイプE
タイプ別にみていきます
あなたはどのタイプに一番チェックがありましたか?
タイプA「完全であれ」
親からのしつけが厳しかった。親から褒められるためには完璧でないといけないと思い込んでしまいます。
自分にも他人にも厳しいので、欠点がよくみえてしまいます。完全でないことが不安やストレスになります。仕事ではハードワークに耐えられる素晴らしい面を持っているが反面、失敗への恐れ、過労、他人に対して過剰に完璧を求めて期待してしまう傾向にあります。
タイプB努力しなさい
親から「努力しなさい」と繰り返しいわれて育った可能性があります。努力しなければ親からは認められないと思ってしまっています。
いつも必死の状態です。何かにチャレンジしています。楽して力を抜いて生きるなんでできません。リラックスして楽しんでください!ということがなかなかできません。常に肩に力が入ってしまい、朝起きても緊張が続き、身体が休まっていないと感じることもあります。
仕事では高い目標があり、一生懸命にしますが、常にたくさんのタスクがあって、あまり結果につながらないこともあります。他人にも努力を求めてしまいます。
タイプC他人を喜ばせろ
子供のころ、嫌なことや辛いことや苦しいことがあっても「笑顔でいなさい」と育てられ、自分の気持ちを押し殺して、それがいいことだと植え付けられた方です。いい子ちゃんの大人しい女の子に多いです。
無意識に自分よりも他人を優先してしまいます。他人に喜んでもらえないと自分に価値がないと思っています。他人に嫌われることを極端に嫌います。仕事では控えめなことが多く、気配りができます。
いつも人に頼られる存在ですが、断ることができないので、自分がしんどくなってしまうこともあります。自我、自分の意見をもったり、主張するのが苦手です。
SNSで「いいね」や返答がないと落ち込んでしまうことがあります。
タイプD強くあれ
子供のころ、男の癖に泣くな!といって育てられました。それくらいの痛みは我慢しなさいと言われ続けたのです。自分は強くなくてはならないと思っています。弱さを見せてはいけないと思っています。
あまり喜怒哀楽を出しません。常に積極的で、自分の強さを示そうとします。弱さをみせることは恥なので、簡単に泣いたり頼ったりする人にはイライラします。仕事では他人を助けて、あまり感情的になりません。
冷静な感じの方が多いです。
タイプE急げ急げ
子供の頃から「早くしなさい」「もっと急ぎなさい」とせかされて育った人が「早くしなければならない」「急がなければならない」と思ってしまいます。
じっとしていることができません。いつもせかせか急いでしまいます。のんびりしたり、時間を無駄にすることが耐えられません。つねにスケジュールが埋まっていないと落ち着きません。
仕事面ではアウトプットに重点を置いています。与えられた仕事はスピーディにこなします。精度・正確性には問題があることもあります。何もしないということが嫌いです。間寛平さんの「止まると死ぬんじゃ〜」というタイプです。
このことから忙しくしている人は「急げ」や「完全であれ」というドライバーの一面が強く出ており、親の介護では「人を喜ばせろ」というドライバーの一面を持っておられます。親の価値観の植え付けで無意識に罪悪感をもっているケースが多いのです。
僕の場合は「人を喜ばせろ」「努力しなさい」「完全であれ」が強いです。
これにこだわりすぎるとこうなっていないとストレスに感じることから自律神経が乱れたり、身体の不調はよくなっていても、まだ何かいろんなところの不調が次から次へと出てくる場合もあるのです。
それは感情の抑圧などから身体的症状として現れたものなのです。
認知の歪みから考える
先ほど見たように、子供の頃、親からの価値観を植え付けられ、それを疑うことなく正しいものと染みついています。
「お兄ちゃんだから我慢しなさい」
「男のクセに泣くな」
「女の子だからおしとやかにしなさい」
なんでそうなのか?と思っても親も「そういうものだから」と納得のいく答えは返してくれないことが多いです。
「○○しなければならない」は本当にそうしなければならないのか
これは、そうなっていないと自分はダメなんだという呪縛があるんです。大人になってくると冷静に考えてみて、これは違うな~と思うことってありませんか?
このことに「気づく」ということが認知の歪みに気づくということなんです。
こんな時は自分に問いかけてみてください。お母さんが子供に言う場合でも同じです。「どうするの?」と問いかけてみてください。お母さんが子供に言う言葉を変えてください。
変換前 | 言い換え |
---|---|
早く起きなさい | 7時だけど、どうする? |
早くお風呂に入りなさい | お風呂どうする? |
早く寝なさい | 12時だけど、どうする? |
早く起きるのも、寝るのも、子供の課題なんです。お母さんの課題ではないのです。自分に対してもそうして欲しいんです。
自分はどうしたいの?と自分に聞いてみてください。
そうすれば、○○しなければならないというのは無いというのに気づけるのです。
夢を見る人が多い
夢というのは超自我の部分のことをみているのです。
「急がなくてはならない」と思っていることが夢に出たりしてしまいます。
夢の中では走っているけど進まないというような夢をよくみます。
忙しくている人は自分で忙しくしなければならないようにしてしまっているんです。それに気づくことが大切なんです。気づくことは傷つくことでもあります。
そして問題の深刻化をします。
このまま、ケガをしてでもスポーツをやり続けたらどうなりますか?歩けなくなるかもしれません。将来、車いすになるかもしれません。嫌でしょう~それでも、あなたはスポーツを続けますか?
パターンの中断をしないと変わらない
例えば先ほどのテニスがやめられない、ケガをしても行ってしまうという女性の方ですがテニスをしなければストレス発散できずストレスが溜まって爆発してしまうということなんです。
怪我をしていて痛くても足を引きずっていても、やめれないんです。まずは問題の深刻化をしていきます。
このまま続けたら、将来、車椅子になって自分の足で歩けなくなるかもしれません。
このことに自分で気づくことが大切です。そのためには、まずは休養です。そしてそれに気づけたら膝の痛みを根本的に良くしていくことが大切です。施術などのお身体を第一優先にします。
対策
多忙な人は「休む予定」から入れる
対策として有効なことは自分が「休む予定」を先にいれることです。忙しすぎる人はこのように認知の歪みのあることに自分で気づき、正していくことが大切なのです。思考と感情が邪魔をしますが、ここはスケジュールを詰め込まないようにすることが大切なのです。
注意してほしいのが、休むといってスマホを長時間みたりして自分軸ではなく他人軸で過ごしてしまうことです。頭を使うので脳が疲労します。できればスマホは触らないようにしてください。
まとめ
- 依存症などやめたくてもやめれない場合は認知の歪みを知る
- 心理学的に自分のタイプを知る
- 認知の歪みを知ったら、思考を変えるため、休むことを第一優先する
- 休む予定から入れる
- 休むときはスマホも触らない