子供のことが特に心配で寝られなくなります。
不登校で引きこもりになり家庭では暴力を振るうこともあります。
本当に辛いです。
なんとか解決する方法はないでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
不登校や引きこもり、結婚しない子供がいるということでお困りの方が多いです。しかし、これらは、ご本人の場合だけでなく世間体を気にする親の問題であることも多いのです。
「世間体が悪い」「みっともない」とか、「この子のために言っているのに、どうして言うことを聞いてくれないの」など、「社会的にみて恥ずかしい」とか、「学校に行かないなんて私には考えられない」とか、「学校に行って欲しい」とか、「仕事に行って欲しい」とか、それは誰の問題なのでしょうか?
本当は誰の課題なのかということを考えていきたいと思います。
病名ではありません。簡単にいうと現象です。社会的参加(学校や仕事など)に6か月以上参加せずに、だいたい家に居る状態です。
参考:「引きこもりの定義」厚生労働省より
親として子供への接し方がわかる
不登校の対策
不登校の子供さんの親御さんがよくやってしまうのが「犯人捜し」です。原因は自分(母親)にあるからだとか、子供の性格の問題、クラスの人間関係やいじめる子供がいる、自分の子供に発達障害があるなど犯人を捜しをしてしまいます。
ですが複合的な問題があることが多く、原因が見つかっても、すぐに解決するということではないことが多いのです。
子供にとって「学ぶ」こととは
子供にとって学ぶことは「義務」ではなく「権利」です。極端にいいますと、現在ではオンラインなどもありますし、フリースクールなどもあります。
絶対に学校に登校しないといけないということではないということも知っておいてください。
「学校に行きたくない」と言われたら
子供に突然、「学校に行きたくない」といわれたら、びっくりしますよね。でもそれは突然ではないことが多いのです。
今までに子供さんから「何らかのサイン」が出ていたのを見過ごしていたのかもしれません。例えば、こんなことはなかったですか?
- お腹が痛い
- 頭が痛い
- 吐き気がする
- 眠れない
- 起きれない
- めまいがする
- 食欲がない
- だるい、やる気がしない
- 集中力がなくなる
- 友達と話せなくなる
- 学校の勉強ができない、宿題ができない
- 遅刻や欠席、早退が増える
これらは、子供さんの「心のエネルギー」が少なくなっている警告サインなのです。また身体に症状が出ている場合は「過敏性腸症候群」「頭痛」「起立性調節障害」など自律神経の乱れが関係することもありますので、まずは医療機関を受診され、重大な病気ではないことを確認してください。
それでも解決しない時は、是非とも当院へご相談ください。
心のエネルギーを回復する
子供さんが学校に行けるようになるには「心のエネルギー」が回復しないといけません。
それには段階があり、また右肩上がりに回復するということは殆どありません。波があって回復していくことが殆どです。
- 休みはじめ学校に行きたくないと言う「行き渋り」
寝る時間が遅くなったり、友達付き合いが減ったり、食欲不振、朝起きれなくなる
- 初期部屋に閉じこもる・家族との関わりが減る
この時期は特に信頼関係を築くことが大切
- 休み前期暴言・昼夜逆転・自傷行為・自殺願望
安全な場所を作る
- 休み後期家の中では落ち着いてくる・家族となら外出できる
学びの興味関心を引き出す
- 回復期趣味・遊びに興味が出てくる・運動ができる・家庭訪問で話ができる
自己肯定感や自信、勇気を育む
- 復帰期生活習慣の安定・学ぶ楽しみが出てくる
注意したいこと
「なぜ学校にいけないの」と問い詰めても解決しないことが殆どです。いろんなことが重なっていることが多いからです。子供さんが話をしてくれても、それは「氷山の一角」の可能性が高いからなのです。
例えば、「大きな声で威圧的に話す先生が怖い」「他の子が怒られているのを見るの嫌」「えこひいきする先生がいるので嫌」「どうせわかってもらえないから言ってもしょうがない」など大人からしたら些細なことでも子供にとっては、口に出せない大きなストレスとなることがあります。
ですので、現状は学校に行かない理由を探すことよりも、まずは体力を回復させるために「休ませる」ことが重要なのです。
緊急の場合
暴力を振るったり、自殺しそうになったり、オーバードーズ(薬物の過剰摂取)、自傷行為をしたりする場合は、心療内科、スクールカウセラーなど専門家に助けてもらうことが必要です。緊急ですので躊躇せずに病院を受診されてください。
「学校に行って欲しい」のは親の課題かも?
中学2年生のお子さんが当院にお越しくださいました。お母さんは「引きこもらないで学校に行って欲しい」と願っておられました。
もちろんお子さんのことを考えてのことだと思います。
でも本人は、学校に行きたくない理由があるのです。ここにフォーカスしないで、ただ「学校に行きなさい」というのは、難しいことが多いのです。
暴力で従わせたり、パワハラのように威圧的に権力で従わせたりするのは別ですが、基本的に他人は変えることができません。それは子供さんでも同じです。
子供さんの場合、諭して従わせることは、できるかもしれませんが、子供さんの本心からではない場合は個人を尊重していませんので、どこかでしっくりこない、もしくは我慢してしまっているということが起こる可能性があるのです。
誰の課題なのかを考える
つまり親が、「世間体が悪い」「家に引きこもって恥ずかしい」などと心の奥で思ったとします。これは親の課題なのです。
ですからこの場合は、親が子供のことを考えたり、執着したりする時間を減らすことで上手くいくことがあるのです。
お母さん!自分の趣味や自分の時間を作ってみてください。お子さんに執着しすぎないようにしてください。見放すのではなく見守るのです。
親のやるべきこと
趣味などがあれば、お母さんが趣味に没頭して欲しいのです。
例えば子供が「自分の将来が不安だから学校に行きたい」となった場合、これが子供自身の課題になって、はじめてこの問題に取り組むことができるのです。
だから、子供といえど個人を尊重し、親がレールの上をその通り歩かせるというのは、ナンセンスなのです。自分で自分の課題に気づき、はじめて行動ができるのです。
だから親という漢字は「木の上に立って見る」と書くのです。
子供の事を見守っていき、子供が悩んで助けを求めてきたら、いつでも手を差し伸べれるようにしておきたいですね。
こんな教訓があります。参考にしてみてください。私はいつも「なるほど」と思い、自分に言い聞かせるようにしております。
- 乳児は、しっかり、肌を離すな
- 幼児は、肌を離せ、手を離すな
- 少年は、手を離せ、目を離すな
- 青年は、目を離せ、心を離すな
結婚しない息子をどうしたらいいのか
息子が結婚しないので困っているんです
このようなご相談を受けました。このようなお悩みも誰の課題なのか、考えてみてください。親の間違った認識があるかもしれません。
認知の歪みに気づくこと
認知の歪みに一般化というものがあります。
みんなが40代になったら結婚しているのだから、当然、うちの息子も結婚するべきだし、いつまでも結婚しないというには恥ずかしい。
これは認知の歪みでいう「一般化」です。
これは本人の問題であって、親の世間体だけのことであって親の課題ではないのです。
親は課題の分離が、なかなかできません。
親子の場合は「協力」ということが必要ですが、その前に分離が必要なのです。
子供が大学に行かない、仕事に行かない、結婚しない、というのを親の課題だと勘違いしていることが多いのです。
親子の理想の関係
人間関係で大切なのは、相互に尊敬できる関係が良いのです。
それには、まず親が相手である子供を尊敬することが大切です。
受け入れることが必要なのです。
そして次に相互に信頼する関係になることです。だから、まずは子供を信頼してみてください。
不登校の子供への対応
子供が「明日から学校にいくよ」と言っても、親御さんによっては信頼されていない方もいらっしゃいます。
「そんなこと言って、なんか理由をつけて、どうせ家に引きこもるんでしょう!」と言ってしまってませんか?
そんな時は「がんばってね」という一言でいいのです。
もしも行けなくても、「頑張っていこうとしたね、えらいね」と声をかけてあげてください。頭ごなしに否定することなく、まずは「肯定」してあげてください。
信頼の次は協力
次は協力作業です。問題解決は一人でせずに、お互いに相談できる関係がいいのです。
そして、目標の一致です。これが大切です。本人を尊重するのですから、根気が必要な時があります。
これは本人の問題なのだから、どんな選択をしても、応援してやろうと考えて欲しいのです。
どうぞ木の上に立って見て下さい。見守ってあげてください。
参考文献:「不登校親子のための教科書」より
解決方法
不登校、引きこもりは信頼関係の構築、相談できる大人や友人などの存在がとても大切です。心を開いてお話、相談できる人が周囲にいるかどうかが回復のカギとなります。
子供が回復していく力のことを「レジリエンス」といいます。このレジリエンスを育むことが重要です。
そして回復していく時期は、人それぞれなので決して焦らない事が大切です。子供さんのペースに注意深く合わせていくことが回復へと繋がります。
毎日のルーティン
絶対にやって欲しいことがあります。それは子どもさんを「3つ褒める」ということです。そして、その3つをノートに書きだしてください。それを読み上げて、できればギューとハグしてあげてください。
これで子供さんの自信の水が増えるのです。
参考文献:「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する」より
実は親の心身のケアが重要
特にお母さんは自分に責任があると思い込み、お辛くなられてしまいます。お子さんの回復には、実は親の方の心身のケアがかなり重要なのです。ご両親、特にお母さんには子供さんを支える為にエネルギーが必要です。
だからお母さんのエネルギーも満タンにすることが重要なのです。
3階建ての家があったとします。その家を建てるのに基礎を作ります。この基礎がないと建物は建ちません。それと同じで支えるには基礎の部分、この場合ですと親の心身のエネルギーが満タンでないと対処できないということになるのです。
学校に「休みます」の電話が辛い
「こちらから連絡します」と言うようにしてください。また熱心に何度も家庭訪問に来てくれる先生がいたとします。こんな場合も有難いけれども、プレッシャーになることがあります。
こんな時も「こちらから連絡しますので家庭訪問は中止してください」とハッキリ言ってください。相当なお母さんのストレスとなり、エネルギーを消耗してしまうからです。
テストを受けなくても義務教育は大丈夫
不登校中でも義務教育中は大丈夫です。出席せずテストも受けなくても在籍していれば原則として卒業することができます。
どうしても受験したい場合などはオンラインのフリースクールもあるので探してみてください。外部の学習機関の取り組みを評価してくれる学校もあるからです。
学校を休んでいても外で遊んでOK
お子さんにとって大事なことです。その子がやりたいことがあれば、後ろめたさを持たずにやらせてあげてください。
興味関心が出てきたらやらせてあげる
回復の段階になると、お子さんに興味関心が出てくることがあります。犯罪や過激なことを除いては、まずは否定せずにやらせてあげてください。見守ってあげてください。
進路の選択
最近では進路も多種多様になってきております。事前によく話し合って、調べるようにしてください。
中学を卒業したら、「高等専修学校」「高等学校」「特別支援学校高等部」などがあります。そこに「通信制」「定時制」「全日制」という種類があります。
また当院でもいらっしゃいますが、高校を卒業していなくても大学に進学することも可能です。「高卒認定」というものがあります。
環境の変化は心の変化を生む
1年間くらい不登校でお悩みだった方です。2年生になり環境も変わりクラスも変わり、学校に行けるようになってこられました。
当院のアプローチ
全力であなたを応援しております!新学期が始まり新しい環境になり一歩を踏み出せた方もいらっしゃいます。環境が変わるということは「変化のチャンス」が来たということです。お子さんだけでなく親御さんもそう言えるかもしれません。
施術させていただき
呼吸、血流、リンパ、脳脊髄液など
機能的なところ、正常なリズムなど
生理学的にお身体のパワーアップを目指す
↓
体力が増える
↓
体力には
・治癒力
・免疫力
・調整力(体温、血圧などのホメオスタシス)
・運動力
これらが増える
↓
思考の癖、感情の抑圧を見直し感じられるようにしていく
↓
・情緒的サポート
・対処能力を上げる
・体力をもっと増やす
・自己尊重感を増やす
これらをもっと、もっと、もっと増やす
↓
精神的パワーアップ
↓
お悩みの症状が解消していく
時間はかかることが多いですが私は全力であなたを応援します。一緒に頑張っていきましょう。
まとめ
- 親の課題か子供の課題かを区別する
- 時には見守ることも必要
- 自律神経が乱れない生活習慣を心がける
- 適度な運動を心がける