

人には、変わっていると言われます。
ちょっと仲間外れになったり、いじめられたりしたこともあります。
私の何がいけないんでしょうか?
このようなお悩みを解決します。
子供の頃から、他とちょっと変わっていると言われる方はたくさんいらっしゃいます。
ちょっと生きづらく感じることがあるかもしれません。
それも個性です。
人の性格ですので良い悪いではなく特徴なんです。
そのように考えながら、何かのヒントになれば幸いです。
アスペルガー症候群と診断され日常生活で困っている方
アスペルガー症候群、小さいころから他の子と違うと感じていた
東大阪市にお住いの32歳、会社員の女性のお話です。
子供の頃から一人で遊んでいたそうです。
病院ではアスペルガー症候群と診断されておられます。
友だちも、ほとんどおらず、いつも孤立していたそうです。
いじめられた経験もあるそうです。
社会人になり、あまり得意でないコミュニケーションの場に無理矢理連れて行かれても楽しくありません。
あまり人の輪に入らず、孤立しているそうです。
仕事と対人関係のストレスから肩こりと頭痛と首の痛み、不眠症でおみえくださいました。
アスペルガー症候群の3つのタイプ
アスペルガー症候群には主に3つのタイプがあります。
①積極奇異型
積極的に自分から話します。相手の事情などはお構いなしです。理屈っぽくて、口も達者です。
コミュニケーションを取るという感じではなく、一方的に質問を繰り返したり、知識をひけらかしたり、自分の興味のあることをしゃべり続けます。
相手がそれに対して何か言おうとしても、なかなか言わせてもらえず、せっかくコメントしても、それに対する反応は乏しいことが多いです。
②受動型
対人関係に消極的で、自分からは話しかけたり、関係を求めません。話しかけられたりすると、会話も楽しめます。
周囲に関心がないわけではないのです。おとなしく、優しい子という印象をもたれます。自分を強く主張しません。自己主張が少ないので積極的な相手には好まれます。
③孤立型
周囲への関心が乏しいです。孤立的な行動をしてしまいやすいです。一人でも、へっちゃらです。心の中はとても豊かな世界を持っていても、そのことに気づかれにくいのです。
3つの共通する点では対人関係が不器用です。そして何かの強いこだわりがあります。
アスペルガー症候群の3つの症状
①社会性の障害
アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)の基本症状です。
社会性、社会相互性の障害があります。
相手を喜ばせようとか、気に入られようとかは思わず、周囲から触れ合いを求められても、拒否してしまうこともあります。
世界でたったひとりのように孤立的にふるまいます。
だれかが自分の世界に無理に入ってきたり、決まり事を強要されたりすると、激しく癇癪(かんしゃく)をおこすこともあります。
- 不自然なアイコンタクト。目を合わせない
- 表情や声の調子、ジュスチャーなどから相手の感情を読み取るのが苦手
- 応答性の欠如。対話ができず、一方的にしゃべる
- 相手の気持ちになって考えるのが苦手
- 相手の行動にどう応じていいか、わからない
- 自分の視点だけが正しいと思い、それ以外の視点で考えられない
- 他人に対する関心が極端に少ない
- 一人がいいと思っている
*生後5か月から9カ月の時に完成される注意の共有が未発達のことが多い。例えば。「この差し出された手は自分を抱っこする手だという認識」などです。

4歳の子供にテストしますと通常ですと花子ちゃんは赤い箱をあけると答えます。ですが自閉症スペクトラムのお子さんでは青い箱と答えてしまいます。
②コミュニケーションの障害
- 冗談やユーモアが通じない
- 文脈に無関係な発言をする
- 感情や感覚を表現するのが苦手
- ○○ごっこなどの遊びが苦手
- オウム返しをする
- 自分だけの言葉を造る
- 抽象的な表現が理解できない
- 言葉の発達の遅れ
③反復的行動と狭い興味
- 同じであることを求める
- 同じ行動を反復する
- 変化に対してパニックになりやすい
- 並外れた記憶力を持つ
- 並べたり、分類、整理したりするのを好む
- 憑りつかれた様な狭い領域に興味を示す
- 単純な動作を飽きることなく繰り返す(飛び跳ねる、手を回すなど)
- 人より物への関心が強い
その他
- 音や匂いに過敏
- 運動が苦手
- 空想や妄想にふける
- ネット依存、ゲーム依存
- 視空間認知が優れている
- てんかん発作
- 自傷行為
- 学習障害
- 不安やうつ、パニックになりやすい
アスペルガー症候群の検査
あくまでも参考にしてください。診断は医師しかできません。
A.対人的相互反応の質的障害
①非言語の表現が乏しい
- 目を見ながら話さない
- 話している時に身振り手振りが少ない
- 表情が乏しい
- 声の調子が不自然である
②友達ができにくい
- 友達がほとんどいない
- 家族としか関わりがない
- 同じ趣味の人としか付き合えない
- 集団が苦手
③喜びや悲しみを他人と共感できない
- 一人での活動を好む
- 自分の活動や興味や成し遂げたことに関心をもってもらおうと思わない
- 指さしをしない
④他人に無関心で反応が乏しい
- 耳が聴こえないような感じで他人に反応しない
- 他人を意識しない
- 孤独な活動を強く好む
- 他人が傷ついたりしても慰めない
B.コミュニケーションの障害
①言葉の発達の遅れ
- 言葉の開始が2歳より遅かった
- 満3歳までに二語分を使えなかった(ママ、あれ取って)
②他人との会話をはじめ、継続するのが困難
- 自分から話はしない
- 一人で一方的にしゃべる
- 質問には答えるが、相手の発言にコメントできない
- 興味のない話題について話をできない
③不自然で過度に形式的、反復的な言葉を使う
- オウム返し
- CMやアニメなどの言葉を場面に関係なく連呼する
- 自分だけの意味の通じる造語を用いる
- 過度に格式ばったり大人や学者のようなしゃべり方をする
④その年齢の発達段階の遊びができない
- ○○ごっこができない
- 物を他の物に見立てることができない
- 集団遊びに興味がもてない
C.反復的な行動・限定的な興味
①狭く、深い興味
- 特定の話題ばかり集中する
- 特定にことに頭が囚われて離れない
- 食事やトイレに行くのも忘れるくらい没頭する
- 年齢に合っていないものに興味を持つ
- 興味のあることについては優れた記憶力を持つ
②慣れたパターンの固執
- 決まった手順通りに行動する
- いつもと違うやり方にとまどう
- 変更があるときは、前もっていっておかないとパニックになる
- 決まった通りでないと不安になる
③同じ動きを繰り返す
- 興奮したりすると手をパタパタしたりする
- 目の前で指を鳴らし続けたりする
- 長時間、身体を前後にゆすったりする
- つま先で歩いたり入ったりし続ける
④物へのこだわり
- 本来の近い方と違う方法で物を使う
- 物体の感覚的性質に興味を持つ
- 通常は興味を惹かれないものに執着する
- 動いたり回転したりする物体に興味を持つ
アスペルガー症候群とパーソナリティタイプ
①シゾイド
孤独を好みます。孤独型から発展します。本人の聖域を乱してはいけません。
②回避性
自分から積極的にはかかわりません。失敗して傷つきたくないのが典型的です。受動型から発展します。気の優しいタイプです。
③スキゾ
変わり者にみられます。独特のこだわりがあったり発想がユニークだったりします。積極奇異型から発展します。社会とのつながりをしてくれるパートナーがいれば大きな助けとなります。
④強迫性
こだわりがきつい。細かい部分に必要以上にこだわってしまいます。相手の気持ちや事情をあまり考えず、一方的にルールや自分のやり方を押し付けてしまいやすいです。仕切りたがり、周囲を思い通りにしようとすることもあります。技術者や管理職や官僚としては有能な人材となります。仕事に没頭しすぎたり、責任感に押しつぶされてしまわないように注意が必要です。
⑤自己愛
自分が大好きです。他者への共感性に欠けます。賞賛される欲求が強いです。自分より劣っていると思うと見下した態度をとります。過剰なプライドを持っていることが多いです。
⑥境界性
気分や対人関係や認知などが激しく揺れ動きます。根深い自己否定があります。親との間に強い葛藤があります。自傷行為を繰り返すこともございます。
⑦妄想性
思い込みに囚われやすいです。他者を信じれません。裏切られるのではないかと疑心暗鬼になります。人は自分を攻撃するものだと思ってしまいます。律儀で几帳面なタイプが多いです。軽い気持ちで口約束をしないように氣をつけることが大切です。本人にとっては、不変の事実として受け止められてしまい、言を違えたりすれば、重大な裏切りとして受け取られてしまいます。
強みを活かして笑顔になる
アスペルガー症候群の方とのうまく付き合う方法
- ルールや約束事を明確にする
- 何でも視覚化すること
- 過敏性に配慮すること(音、匂い、光など)
- 本人の秩序をなるべく乱さない(環境の変化への戸惑いが顕著)
- 本人の得意なところを認めて伸ばす
- 総合的な仕事より専門的な仕事に打ちこんでもらう
- 本人のこだわりと正面衝突しないようにする
- 時間の管理は苦手なことが多いのでフォローする
- 助けを求めるのが苦手なのでフォローする(一定のサインを決める)
- 普通を押し付けず、いいところを探すようにする
- 否定的な言葉はあまり使わず、肯定的な言葉で話す
- 何かするときは、必ず予告する
- 良いことは褒めて自己肯定感を上げていく
- 本人の主体性、気持ちを尊重する
- 問題行動に過剰反応せずに、その背景を振り返る
- 具体的な指示を出す
眠りにむけてきちんと準備をすることで睡眠障害が克服できることもあります。眠りにつく1時間前から刺激の強い活動は避けるようにします。夜にスマホなどの画面を見すぎないようにすることなどです。
32歳女性、当院の患者さん
32歳、会社員、アスペルガー症候群と診断され、肩こり、頭痛、不眠症でお悩みです。とにかくこだわりが強く孤立してしまいます。
当院では特に背骨の調整をさせていただき、そして心理面のサポートをさせていただきます。まずは信頼関係を築くことから始めました。
少しのことでも、できたことに対して確認して自己肯定感を増やしていきました。親からも、よく怒られることが多く、学生のころは、いじめられた経験もあります。毎日、忘れ物も多かったです。
とにかく自己否定が強かったです。
でも少しづつ、少しづつ自己肯定感を増やしていきました。
そして身体の調整をさせていただき、変化を少しづつ実感していただきました。
最初は痛みの判別が不明瞭でした。最近は感じることができています。まだまだ波がありますが自分は変われるんだと感じていただいております。笑顔の練習もしております。
鏡を見て指を使っていいので口角をあげてもらっています。表情も硬いので顔のマッサージもさせていただいております。そして頭の縫合調整などもさせていただきますと「す~」という寝息を感じます。
本人の趣味や関心などと関連付けて、いろいろお話させていただきますと少し笑顔がでるようになってまいりました。
今後も一緒に心から笑えるように頑張ってまいります。
参考:「アスペルガー症候群」より
まとめ
- 自己肯定感を上げる
- 自分のできることに目を向ける
- スマホなどを長時間見ない
- 規則正しい生活習慣を心がける
こちらも参考になりますので、どうぞご覧ください。