上司からのパワハラ!
とても酷い大きな叱責、罵声がきかっけで統合失調症を発症しました。
それ以来、幻聴幻覚が見えたり聞こえたりします。
精神科で一時的に入院しておりました。
統合失調症と診断され、不安で死にたくなりました。
結局、仕事は2年間休職することになりました。
幼少期からいじめでも苦しみました。
母親からの愛情は感じたことがなく、父親からも虐待を受けていました。
発達障害もあったので、本当に辛かったです。
この先どうしたらいいでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
発達障害があり統合失調症でお悩みで仕事を休職しておられ仕事復帰が目標の方です。
仕事復帰で一番大切なことは最初の復職のタイミングです。最初を失敗してしまうと、次回の復職の成功率はかなり低下してしまうというデータがございます。
当院でも実際にそのような方が多いです。
当然ですが会社との相談、話し合いもありますが、できるだけ最初は時短勤務などストレスを少なくして慣らしていき復職に望んでいただけたらと思います。
統合失調症の方の復職のポイント
統合失調症とは
脳の病気と考えられています。脳の中からドーパミンという物質が分泌されるのですが、そのドーパミンが過剰に分泌されてしまう病気だと考えらえています。
脳内にある神経伝達物質で、快感や多幸感を得る、意欲を作ったり感じたりする、運動調節に関連する、学習に関与する、 ホルモンや循環の調整に関与するといった働きがあります。
ドーパミンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、適度に分泌されると脳が覚醒し、集中力が高まり、前向きな気持ちになります。
恋をするとドーパミンが放出されて幸福感を覚えることはよく知られています。
パチンコや釣り、冒険、危険な遊びやギャンブルでも多少のドーパミンが出るので快感に感じることがあります。しかし中毒性もあるため”依存症”には注意したいところです。
逆にドーパミンが少ない病気がパーキンソン病です。パーキンソン病は表情が少なくなり笑顔も少なくなり、やる気や意欲が低下してしまいます。運動がスムーズにできないので「トットットッ」のような突進歩行になることがあります。
ですので、統合失調症のお薬はドーパミンを出にくくする作用があり、副作用として、パーキンソン病のような症状が出ることがあります。
お薬は定型抗精神病薬といって昔から使われている薬と、非定型抗精神病薬という、新しく開発された薬に分かれます。
症状
最初のサインとして多いものをあげておきます。ご家族の方も注意してくださいね。
まずは早めに心療内科か精神科へ受診してください。
これらの状態が一時的ではなく1週間以上たっても消えない、場所や状況を選ばずに出てくる、友達や先生も以前と変わったと感じるなどの場合は特に注意が必要です。
精神科、心療内科の受診をオススメします。場合によっては一時的に入院も必要な場合がございます。
統合失調症の回復
統合失調症の回復のスピードは、人によってさまざまです。良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。
- 前兆期(不眠・焦り・過敏HSP)
- 急性期(幻聴幻覚、妄想、興奮などが激しく現れる)
- 消耗期(急性期にエネルギーを使い果たし、症状は変わらないが、元気がない)
- 回復期(身体をゆっくり休め、少しづつ日常生活が過ごせるようになる)
- 慢性期(病的な症状が持続し、波がある)
これを繰り返すことが多いです。
参考文献:「わが家の母はビョーキです」より
厚生労働省の統合失調症のページがございます。こちらです。昔は精神分裂病といわれていました。
簡単にまとめますと幻覚、妄想が出て、思考・感覚・行動が病気のために歪んでいる状態です。
そして、そのことを自分で理解しにくい状態です。
必ずしも育った環境、その方の性格だけが原因ではありません。なんらかのストレスが引き金になる事が多いです。
脳では神経伝達物質のドーパミンの流れに問題があり、ドーパミンの神経回路が集中している前頭葉や側頭葉に問題があるのではないかといわれています。(小さくなっている可能性があるそうです)
ドーパミンとは中枢神経系にある脳内の伝達物質です。運動やホルモン、感情のコントロールをしてくれています。
統合失調症ではこのドーパミンがたくさん分泌され、異常に亢進することで幻覚、幻聴がおこるのではないかといわれています。
お薬の副作用は、ドーパミンを減らす、お薬なので、パーキンソン病のような症状になったりすることがあります。表情が乏しくなり、足取りが細かくなり突進するようになったり、筋肉が緊張したりすることもあります。
仕事のパワハラのストレスが引き金になることもあります。この方の症状の発症のきっかけは職場のパワハラでした。当時は旅行会社に勤務されていました。その上司からの叱責・罵声です。
もともと大人しい性格で平和主義な方なのですが正義感が強く理不尽なことに対しては、とても許すことができないことが多かったそうです。
たとえば赤信号を渡ったりする子供をみるとイライラしたり、歩きたばこに激怒したり、電車でお菓子を食べている子供を注意しない親にイライラしたりするそうです。
このような場合はパーソナリティ障害もある可能性があります。特に強迫性パーソナリティ障害はこちらです。
でも文句をいったり、喧嘩したりすることはなかったそうです。その場は、我慢されるのです。この我慢が限界にきていたのかもしれません。今、考えれば感情の抑圧(イライラ、怒り)を、ずっと我慢してしまっている状態だったのかもしれません。
性格は生真面目で、完璧主義なところがあり、誰からみても頑張り屋さんで社会的に、とても優れた方なのですが、自我が小さくなっているような方です。自分よりも他人という感じで、とても優しい方なのです。
感情の抑圧=症状として現れる
そして、ある日、仕事でちょっとしたミスをしてしまった時に上司に、とてもとても怒られたそうです。しかも、みんなの前で怒られたそうです。
その時は人格や親まで否定されるような罵声をあびせられたそうです。
それがキッカケで仕事場では萎縮してしまい、ほとんど会話ができなくなってしまったそうです。だんだん休みがちになり、とうとう休職しなくてはならなくなりました。
誰かが自分の悪口や陰口を言っていて、影で笑われている、または本当に、そんな声が耳の奥でハッキリと聴こえてきたそうです。
自宅へ帰る時も常に誰かに見張られて、追いかけられているように感じたそうです。
たまたま見た車の番号が33-33だったら、その番号がとても気になって自分を殺しに来る殺し屋の車の番号だと勝手に思い込んでしまうそうです。
そして日常生活にも支障が出てしまい自分の部屋から窓の外に向かって理由もなく(本人には理由があるそうですが)文房具を投げてしまったりして、だんだんエスカレートしていきました。
両親が止めようとしても、ものすごい力で暴れます。お母さんの話では、とても女性の力とは思えないくらいだったそうです。
お母さんから「精神科にも通院しているのですが、どうしようもなく、困っています」という内容のご相談をいただきました。
精神科病院では入退院を繰り返し、入院中は、自殺願望も出てきてしまったり、自傷行為をしてしまったりするので、ベッドに拘束されたりしていたそうです。
当院へおみえくださった時は、お顔の表情に笑顔はありませんでした。無表情で生気がなく、目の輝きが、殆どなかったように記憶しております。この状態でも私の話は素直に聞いてくださいました。
これは薬の影響もあるかもしれません。ドーパミンの過剰分泌を抑える薬を処方されるので、パーキンソン病のような症状が出てくる可能性があるのです。
時々、手が震えておられるのを確認いたしました。
施術も、させていただけましたので刺激の少ない手技で、ごく弱く、より短時間でさせていただき体への負担をなるべく少なくさせていただけますように心がけました。
気分的には、ゆったりとしていただけたようでした。
すると帰り間際には少し笑顔にもなられ呼吸が楽になられたようでした。でも、まだまだ愛想笑いで、我慢しておられた印象を受けました。
その時、一緒に来てくださったお母さんも、とても喜んでくださいました。
少しでも希望の光が見えたとおっしゃっていただけました。
ですが、また1週間経過すると症状は悪化していきました。そして1カ月後くらいに精神病院に再入院することになりました。その後入退院を繰り返し、退院される度に当院にお越しくださいました。
約2年経過しましたが、現在は、お仕事にも復帰され、現在は、発作的なことも出ておりません。薬は継続して飲んでいただていおります。
病院との連携
統合失調症の場合は、どうしても家族の方への危害などがある場合は入院される選択肢も必要に感じます。そして、お薬もきちんと飲まれるように管理されることが必要です。
頭と体と心の連携がしっかりと、取れていないと、なかなか回復しにくいと考えられます。
それには最初はエネルギーが必要です。体力ですね。当院ではまず構造的ストレスを減らすことをやっていきます。当院でのお身体の調整は背骨を介して血流アップと正しい刺激を脳へ送りますので脳の管理能力が正常に近くなっていってくれます。
すると神経伝達もスムーズになっていきますので時間はかかることもありますが検査がクリアになってまいりますと、だんだん症状にも良い変化が出てまいります。当院は全身をユニットとしてみて施術してまいります。
2年が経ち、表情も変わってこられました。仕事復帰するタイミングも、とても重要となってきます。
いきなり、フル勤務ですと、また、すごいストレスにさらされることになるからです。
最低でも2時間は連続で歩けるだけの体力が必要です。最初の復帰に失敗すると、次からの復帰の成功率はドンドン下がっていきますので注意したいところです。
行政などの支援制度
私は、それぞれ個性があって、その方の特性を活かせた仕事ができたらいいなと思っております。
もしも何らかの障害があったり、心がしんどすぎて、仕事が続かない場合などの時は、行政なども利用して支援を受けていただけたらと思います。
もしも、障害のある場合や、精神的な問題のある場合は、医師の診断書か「自立支援医療」制度の受給者証があれば、就労移行支援事業所というものが利用できることがあります。
こちらは相談業務で斡旋はしておりません。
ちなみに東大阪市の場合はこちらになります。
各市町村でご確認ください。このような情報サイトもございます。
事務所での流れ
- 作業を見学(統合失調症、気分障害、発達障害、不安障害などの方がいらっしゃいます。)
- 体験学習(1~3日通って実習。利用の意思確認をします。)
- 手続き(自治体窓口で申し込みをして受給者証を発行してもらいます。)
- トレーニング(就職に必要な知識と技術を身に着けます。)
- 就職活動(主に障害者枠で自分にあった仕事を探します。)
- 就職(無理をしないように仕事に慣れていきます。)
- 定着支援(職場、主治医、就労移行支援事務所で連携して支援します。)
就労移行支援
国の障害福祉サービスです。働きたい意欲のある65歳未満の人が対象です。
2年間、技術などの習得を学んだりできます。
自立支援医療(精神通院医療)
精神疾患(うつ病や統合失調症など)は治療が長期になることが多いので、費用がかかります。
医療費の負担を軽くする制度があります。
自治体の窓口で申し込みします。
負担が3割負担が1割負担になります。
東大阪市はこちらにお問合わせください。
復職について
当院では、いろんな体調や心の辛さで、一時的に休業されておられる方がいらっしゃいます。
特にストレスを減らし、ストレス耐性をつけていきます。
復職の時は、2時間連続で歩けるだけの体力が必要です。
それがないと、復職しても難しいことが多いです。
一緒に頑張っていきましょう。
生活習慣で気をつけていただきたいこと
- 良く眠る事
- 生活習慣、リズムを整えること
- 薬は必ず飲むこと
- 疲れをためないこと、疲れすぎないこと
- 環境の変化には要注意(転勤、就職、進学、一人暮らし、家族の死、旅行など)
- 苦手なことは避ける、まずは好きなことから始める
- 孤独にならないようにする
- 困った時は、周りに相談する
- ドクターや関係者とは情報を共有する
- 家族はそれぞれ自分の楽しみを持つ
- 家族同士の距離感を守る
- 毎日、会話をする
- 思いやりと共感と感謝をする
このようなことに気をつけていただくようにアドバイスいたしました。
そして、ご家族さまは本当に終わりのないゴールの見えない、トンネルに入った感じになられて、とても疲弊してしまいます。
だから意識ではこんなことに注意していただけたらと思います。
すべての方がこれだけで、うまくいくとは決していえません。
とても苦しくお辛いと思います。
もちろんご家族も本当にお辛いと思います。
ですが何かのきかっけ、何かの参考になれば幸いでございます。
今ではメンテナンスで1~2カ月に一度ですがおみえくださいます。
毎日、元気で笑顔で仕事にも行けるようになられました。
本当に良かったです。
よく頑張って通ってくださいました。ありがとうございます。
最後までご覧いただきまして本当にありがとうございました。心より感謝いたします。
こんな栄養素が不足しているかも
統合失調症の疑いがある場合や、再発を繰り返す場合は、ナイアシン(ビタミンB3)を1日に1~3g使用をすることがあるそうです。
ナイアシンは血管拡張作用があります。ですので急に大量に服用すると上半身にほてりや痒みがでることがあります。最初は0.5g以下から少しづつ様子をみる方が良いとのことです。糖質制限も合わせて行うと良いそうです。幻聴や妄想の改善以外に総コレステロールの低下やHDLコレステロールの上昇が期待できるそうです。
また血圧の変化(上も下も低い場合がある)、頭がボーとしている、あくびが出る、疲れやすい、便秘、不眠、記憶障害などの場合、もともとのエネルギー(体力)が不足していることが考えられます。ストレスなどで副腎が疲れているかもしれません。また一時的な低血糖状態でも、このような症状が出ることもあります。
ご自身にとって栄養の過不足などを血液検査で調べておくことも重要です。また自律神経的な機能低下でも、どれだけ良い栄養を食べても栄養を消化吸収できない状態になる可能性があります。
- お酒をよく飲む人
- パンやパスタなど小麦が大好き
- 炭水化物や甘いものが好き
- ストレスが強い
- 早食い
- 胃酸を抑える薬を長期間飲んでいる
- 睡眠不足
- プロテインを飲んでいる
- 抗生物質を使用している
- お薬を使用している
- ピロリ菌がいる
- 牛乳や乳製品を好んで口にしている
- マグロなどの大きな魚が好き(水銀が多く含まれる)
- ゲップやおならが多い
- 逆流性食道炎がある
- 膨満感があり空腹感がない
- 過敏性腸症候群といわれている
- お腹が痛くなったりガスが溜まる
- 便秘や下痢がある
- 発酵しやすく吸収されにくくガスが発生しやすい糖質を摂取している(高FODMAPを口にしている)
FODMAPとは
FODMAP食とは、腸で発酵しやすく、吸収されにくい炭水化物(糖類)をよく含む食品のことです。
Fermentable(発酵性)
Oligosaccharides(オリゴ糖)
Disaccharides(2糖類)
Monosaccharides(単糖類)
and Polyols(ポリオール:ソルビトール、マンニトール、キシリトール)の頭文字をとってFODMAPといいます。
FODMAP食は、発酵しやすいため、腸内でガスを産生し、腹部膨満感の原因となります。
また、小腸で吸収されにくく、下痢や腹痛を起こしやすくなります。
FODMAPを多く含む食品を高FODMAP食といいますが、高FODMAP食は、パン、ラーメン、うどん、パスタ、ピザ、牛乳、ケーキなど身近な食べ物多くあります。
納豆やヨーグルトのように一般的には腸に良いと言われている食品の中にも高FODMAP食はあります。
過敏性腸症候群の方は、高FODMAP食の摂取を控えてみてください。
参考文献:「ココロの不調回復 食べてうつぬけ」より 奥平 智之 著
当院の復職できた方
まとめ
- 当院の場合は精神科と一緒に解決していった
- 施術は優しい刺激の痛くない施術
- 頭の調整もさせていただき喜ばれた
- 栄養的なアドバイスもしていった