

ADHDと診断されています。
仕事もなんとかこなせています。
もっと日常生活がスムーズに過ごせたら嬉しいです。
このようなお悩みを解決します。
ADHDの特徴を知っておくことで、お悩みが少し楽になるかもしれません。
「なぜ私だけ、みんなとちょっと違うんだろう」とお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。
忘れものをしたり、道に迷ったり、急いでいるのに虫や花に気を取られたり、注意が散漫になったりしてしまいます。
大人になってから気づくこともありますので、お辛くならないように、参考にご覧になってください。

学生時代はずっと遅刻していたし、話の途中でも違うことに興味が出てきたり、忘れ物をしょっちゅうしたりしていました。
みんなからは、「ちょっと変わっているね。」と言われていましたが、それもあまり気にならなかったです。
コミュニケーションは苦手で、友達も少なかったです。
とてもお辛い学生時代を過ごされた方も多いです。
周りの方の理解も必要です。
もっと楽に生きられるかもしれません。
当院にお越しくださっている24歳女性の方です。
この方はADHDとアスペルガー症候群と診断されています。
発達凸凹、アスペルガ―症候群、自閉症などでお悩みの方
発達凸凹は決してお母さんの責任ではありません。生まれつきの脳の問題です。お母さん、ご自身で悩まないようにしてください。
ADHD・発達障害・アスペルガー症候群の方が少しでも過ごしやすくなるために
ADHDの特徴
まずは、ADHDというのは生まれつきの特性で、病気ではありません。
そして成長、発達には個人差があります。
発達のスピードや段階は、人それぞれなんです。
まずは土台がきちんとできていることが大切です。
土台というには「呼吸」「感覚」「動き・姿勢」などです。その次の段階で言葉やコミュニケーションとなっています。
親が焦って、他の子よりも早く次の段階に進ませようと思うと、発達の段階を飛ばしてしまうことになるのです。
すると将来、大人になってから、未発達の段階があったらお子さんは、辛いことになる可能性もあるのです。

次に体、動きの発達段階をみていきます。
こちらも確実に階段を登るように発達することが望ましいのです。
すぐに寝返りを打ったり、ハイハイから早く立ち上がって喜んだりするというのは、発達を飛び越しているかもしれないので、あまり喜ばしいことではないと認識してください。
簡単に言うと「九九」を覚えていないのに「分数」ができても、どこかで困ることが出てくるかもしれませんよということになるのです。

子供は必要なら、その段階で同じことを繰り返して、学習していくのです。
つまり、親よりも子供さんの本能がそうさせてくれているので、同じ方向ばっかり回って遊んでいたり、ジャンプばっかりしているのを焦って他のことをやらせるのではなく、できるだけお子さんのやりたいように遊ばせてあげるのがいいのです。
外に見えてくる問題
- 攻撃的でキレる
- 家出をする
- 暴力を振るう
- 息苦しくなる
- 頭痛がおこる
内面での問題
- 不安
- 気分がとても落ち込む
- 強迫的な症状がでる(何度も確認したり、何度も手を洗ったりする)
- 引きこもり
- パニック
- 何かに強いこだわりを持つ
- 対人恐怖
よくある症状
- 重要な用事でも期限を守れない
- 物事を順序立てたり、やり遂げられない
- 必要なものをなくす、忘れ物が多い
- そわそわと手足を動かす
- じっと座っていられない
- しゃべりすぎることが多い
- 衝動買いが多い
- すぐにイライラする
- 不安になると手足を動かしてしまう
- 部屋が片づけられない
- ケアレスミスが多い
- お金や時間の管理が苦手
- 自己評価が低い
- 人間関係が苦手、コミュニケーションが苦手
- 貧乏ゆすりなどの目的のない動きをしてしまう
多動性、発達凸凹の方への私のアプローチ
体の土台を整えることは非常に重要だと考えております。
もちろん、これがすべてではありません。
私がお手伝いできる部分としては、まずは、お体の土台作りではないかと考えております。
それも遊びの中で獲得していっていただくことが大切だと考えております。
だから施術もしますが、いろんなクッションなどを使って遊んだりすることもあります。
整体で全てが解決するということではありません。
当院では土台を作っていくお手伝いができます。
また特に親御さんは社会の進み方と、ご本人の時間は違うということを受け入れて認識してください。
学生さんの場合は、「学校に行きたくなければ行かなくても良い」という考えを持つことも必要なのです。
早く治すのがいい治療家と思われがちですが、その方のスピードに応じて寄り添った施術を心がけるようにしております。
親の認知の歪み
どうしても他人と比べてしまいます。
とてもよくわかります。
ですがあなたのお子さんにとっては、ストレスになるかもしれません。
子供は親が絶対です。
親に喜んでもらおう、認めてもらおうとするものです。
これがないと愛着が形成できないのです。
愛着の基本は「無条件の愛」です。
「○○したらいい子」という条件付きの愛では形成できないのです。
評価・判断はくださないことが大切です。
お子さんにとって無条件の愛で見守ることからやってみたいと思います。
親が認知の歪みに気づく
- 一般化のしすぎ(○○ちゃんもやっているから)
- 全か無か(100点じゃないと0点と一緒)
- 過小評価(これができないから、どうせ全部できないでしょ)
- すべき思考(学生なんだから学校にいくのが当たりまえ)
- レッテル貼り(自分の知っている範囲でしか物事を考えない。相手を理解しようとしない)
- 個人化(あの子がこうなったのは親の私の責任)
アプローチ
まずは背骨を認識していただくことを重視します。
当院の施術はDRTといって、背骨をダイレクトに刺激します。
これは人に触られて、脳が認識するのに、とても良いと思われます。
そして次にバランスボールやストレッチポールなどで遊んでもらったりします。
段階に応じて焦らずに確認しながらさせていただきます。
動きの発達 | 身体の軸 | 動きと生活面の発達の関係 |
④対側運動 | 左右同時 | オートマティックに動く。 流れに沿って動く。 思考や感情、感覚などを統合して動く。 |
③同側運動 | 左右片側 | 行動を切り替える。 考えるために立ち止まれる。 立ち止まって先を見通してから動ける。 |
②相同運動 | 上下 | 感情を表現する。 自分の考えを行動に移すことが出来る。 片づけができる。 |
①脊椎運動 | 前後 | 信念、集団になじむための安心感を手に入れる。 参加と撤退、注意力が育つ。 |
原始反射から発達を考える
動きの発達 | 関係する原始反射 |
対側運動 | 統合された状態 |
同側運動 | 非対称性緊張性頸反射(ATNR)(*参考①) |
相同運動 |
|
脊椎運動 |
|
原始反射は乳幼児で消失しますが、大人になっても残存している場合があります。
これは反射を獲得して、消失する発達段階で、飛ばしてしまったかもしれません。
大人になってからでも、再獲得できますので、一緒に頑張ってまいりましょう。
参考①非対称性緊張性頸反射
顔を左に向けると左の手と足が伸びる。(逆に右の手足を曲げる)
大人になっても残存していると身体と動きの左右差、視覚の課題、読み書きの難しさが出る場合があります。机にあるコップの水をよくこぼしたりします。
- 文字を書くのが苦手、遅い、ぎこちない鉛筆の握り方をする
- 黒板の文字を写すのが難しい(目線を上と下に切り替えにくい)
- 読んでいる文字や列をすぐ見失う(どこを読んでいたかわからなくなる)
- キャッチボールが難しい、スポーツ全般が苦手
- 正中線をまたぐのが難しい(例えば、右利きの場合、ノートの左側に書くのが困難)
- バランス感覚が悪い
- 体の左右を別々に動かすことが難しい(茶碗を持って箸で食べるなど)
- 利き手・利き目・利き耳が確立しない
- 大人の場合、慢性の肩こりや首の問題を持つ
参考②モロー反射
大きな音などで、両手を広げ、その後、縮こまるような反射。
大人になっても残存していると歩行・運動のぎこちなさや多動、落ち着きのなさ、多動性が出る場合があります。
- 突然の音、光、刺激などに過敏になる
- 新しい状況や環境の変化が苦手、すぐに順応しにくい
- 衝動的な言動をしてしまう
- 思考や注意がそれやすい、集中できない
- 不安、特に予期不安が強くおこる
- 感情的、社会的な未熟さがあり、自分勝手な解釈をすることもある
- 偏食、食品添加物の影響、小麦などで胃腸の調子が悪い
- 活動過多で止まっていられない、ずっと動きっぱなし
- ADHD
- 副腎疲労症候群、アレルギー、喘息、慢性的な病気がある
参考③対称性緊張性頸反射
頭を上げると腕が伸びて足が曲がる、頭を下げると腕が曲がり足が伸びる。
大人になっても残存していると猫背、奥行き視覚の困難、食べこぼし、運動の苦手な面が目立つことがあります。
- 赤ちゃんのハイハイが通常より遅れる
- 手と目の協調性が低い
- 猿のような歩き方をする
- 筋緊張が低い(特に背筋)ために、机での姿勢が悪かったり、机に倒れこむ
- 手元から黒板のように遠くに視点を動かす動作で目が疲れやすい
- 黒板の文字を写すのに時間がかかったり、情報の見落としが多い
参考④恐怖麻痺反射
赤ちゃんがお母さんのお腹の中で身を守るために体を縮こめます。
大人でも残存している方もいらっしゃいます。
大人になっても恐怖麻痺反射が残存していると感覚過敏や引っ込み思案や極度な不安になることがあります。
- こそばがる
- 音に敏感
- 環境の変化がとてもストレス
- 疲れやすい、極度に恐れる、被害妄想
- 柔軟に物事に対応できない、不安ばかりが強い
- すぐ息が詰まる、息をとめる、むせる、咳がでる
- 自己肯定感が低い、自己否定が強い
- 本当は好きなのに嫌いといってしまう
- ストレスの状況で固まる(フリーズ)、同時に考えて動けない
- 急にキレる
参考⑤脊髄ガラント反射
腰のあたりの背中の片側をなでることで、同じ方のおしりが持ち上がったり、同じ側の背骨が曲がる反射です。
大人になっても残存していると、おねしょ、落ち着きのなさ、脊柱側弯が出る場合があります。
- じっと座っていられない
- 注意と集中が低い、他のことや物にすぐ気が散ってしまう
- ぎこちない動きや歩き方がスムーズではない
- おねしょをする
- 脊柱側弯症になりやすい
- 物を操作するときに不器用な方
- 運動やスポーツでは柔軟性やスピードのいるものは苦手
- 腰痛や背中の緊張が強い、背中が硬く揺らしても揺れにくい
参考⑥探索反射
口唇探索反射ともいい、唇の周りに指などを触れると、反射的に顔を向けて口を開く動作のことをいいます。おっぱいを求める反射です。
大人になっても残存していると話し言葉の不明瞭、滑舌、味覚過敏(好き嫌い)などが目立つ場合があります。
- 口周りの感覚過敏、口寂しいのでタバコを吸う
- 舌が前に突きだしている
- 口から食べ物をこぼす、たらす
- 話すことが苦手
- 噛んだり、話したりするときに、特に手が不器用でジェスチャーが苦手
- ホルモンバランスが悪い
参考⑦緊張性迷路反射
うつ伏せになると、上肢が屈曲し腰が浮きます。身体が丸まる屈曲優位の姿勢になります。
仰向きになると、手足や体幹が反って伸びた伸筋優位の姿勢になります。
大人になっても残存していると姿勢の悪さ、あらゆる視覚の課題、読字の困難、バランスの悪さが目立つことがあります。
- へにゃへにゃ、ふらふらしている、バランスが悪い
- 動きがぎこちない、全身の協同する運動が苦手
- でんぐり返しが上手くできない
- 姿勢を正して座れない
- 方向・空間などの感覚をつかみにくい(ボールの受け取り、黒板の文字)
- 視覚の問題(字が飛び出して見える)
- 机で学ぶときに、読むことを嫌がる、疲れる
- 本来持っている能力ほどに運動のパフォーマンスが上がらない
栄養不足からもADHDに似た症状になることがある
血液検査で一度、病院で診察を受けてみてください。
- 鉄
- ビタミンB
- タンパク質
- 亜鉛
- マグネシウム
- 血糖調節障害
これらにより、ADHDに似た症状が出ることがあります。子供の頃から、忘れ物が多かったり、多動な場合はADHDかもしれませんが、大人になって、これらの症状が出ている場合は、栄養素が不足しているかもしれません。
ADHDの体はどうなっているの?
固有受容器の感覚が弱いかもしれません
足をよくぶつけたりしませんか?
ひょっとしたら、固有受容器、固有受容覚に問題があるかもしれないのです。
固有受容覚とは、関節の曲げ伸ばしや筋肉の動きを脳に伝える感覚です。
この感覚のおかげで無意識に指先や膝や肘など自分の体の位置がどこにあるのかがわかるのです。
固有受容器の認識が弱いと何かに足をぶつけたりすることが多くなってしまうのです。
人ゴミの中に入るのも嫌なのは、固有受容器が未発達だからかもしれません。
前庭覚の感覚が弱いかもしれません
体を真っすぐに保つのに必要な感覚です。
姿勢の制御がうまくいきません。
じっと座っていられない、じっと立っていられないなどがおこるかもしれません。
ADHDやアスペルガーの方への接し方
ADHDやアスペルガー症候群の方への接し方は、このようなことがあるというのを知っていただくことが大事です。
治して欲しいと思っても、その悩みは本人の脳の問題などもありますので、理解が必要です。
少しづつ歩み寄ることが大切だと思います。
忘れ物が多いなどの場合は、スマホの待ち受けにして常に確認するという工夫をするとうまくいきます。
親子で遊んでください
親子で立って押し合いしたり、引いたりする遊びをしてみてください。
こんな遊びでいろんな事が獲得できていくのです。
触れ合いが大切ですね。

とにかく肌に触れてください
触覚を養うことが大切です。
親子で触れ合うことが大切です。
当院の施術もそのひとつとなります。
当院にお越しの24歳女性の場合
本人の訴える症状
- 思ったことをそのまま言ってしまう
- 一人で遊ぶのが好き
- 相手の興味がないとわかっていても、ずっと話続ける
- 空気が読めない
- 相手の気持ちがわからない
- 想像力が低く、融通が利かない
- 真面目で誠実で完璧にしたい
- じっとしていられない
- 音に過敏になってしまう
- 気持ちがアチコチにいって一つのことに集中できない
- 黒板の文字をノートに書き写すことが苦手
いろんな検査でわかったこと
背骨を感じることが苦手でした。
また目の動きがとても独特でした。
眼振といって、眼が震えるようにみえるのが極端で、じっと集中して見続けることができませんでした。
周囲が気になるので、これを見てねといってもキョロキョロしてしまいます。
左右差もありました。
片足立ちも目を開けているとできますが、眼を閉じると全くできませんでした。
これは固有受容器と三半規管の統合をしていく訓練が必要だと感じました。
つまり、いろんな発達段階でもスキップしているところが浮き彫りになりました。
親としては、他人と比べたくなりますが、この発達段階は個性でもあります。
今、必要な動きをチョイスして獲得していくことを目指しました。
原始反射の残存にも注意いたします。
まず取り組んだこと
一緒に遊んで、カラダの動きを獲得しました。
できた動きはうれしいので、その方が飽きるまでやりました。
すると次の段階に進むことができるのです。
ちゃんと飽きるまでやることが大切です。
大人でも同じですよ。
遊びから獲得していく
イロイロ考えるより、その時にやりたい動きをすることが大切です。
そして、楽しんでやることが何よりだと思います。
経過
食べ物にも注目いたします。

腸内環境を整えます。
食べ方としては「ゆっくりと意識的に食べる」ということに注目しました。
食事中なテレビやスマホを見ないことにしてもらいました。
前向きに物事を捉え、量よりも質を重視してもらいました。
参考文献:「ジョコビッチの生まれ変わる食事」より
現在の悩みと解決のヒント
相手の気持ちなどがわかりにくいので、100%すべて伝えることが大切です。
最近では、他人とのコミュニケーションのところでお悩みが増えてきました。
特に大人ではなく、同年代のお子さんとのコミュニケーションです。
ここでも焦らずに、確実に階段を登るようにやっていっております。
カサンドラ症候群(家族へのケアも大切)
発達障害の方や精神障害のパートナーやその家族が精神的苦悩や疲弊が大きくなりすぎて、家族や周囲の方自身が精神的サポートが必要になってしまう状態のことです。
一緒に過ごす家族がなります。
精神的ストレスがとても強くなります。
家族の方が、特に注意されてください。
同じような方を家族に持つ方とお話をすると、気持ちが楽になることもあります。
参考文献:「人間脳を育てる」より
お気軽にご相談ください

まとめ
- 親の責任ではないということを知る
- 家族のケアも大切
- ご本人も自分のことを知ることで楽になることもある
- 身体の安定が心の安定に繋がることもあるので整体を受ける
- 原始反射が統合されていない場合もあることを知る