学校に行きたくないと思ってしまい。学校に行けなくなってしまいました。
最初は朝、起きれなくなってしまい、自宅のトイレに4時間引きこもってしまいました。
誰とも話したくないです。
どうしたらいいのでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
自宅のトイレに入り疲れ切って4時間引きこもってしまった中学生の方です。
少し発達障害があり、学校にも馴染めていなかったそうです。
学校に行けないのは、子供さんの課題でしょうか?
世間体や学校に行って当たり前と思っている親御さんの都合でしょうか?
誰が悪いとか、誰かの責任だということではありません。ここでは思考の癖や考え方を見直すヒントになっていただけたらと考えております。
何とかしたいと思っているご本人さま、またご家族さま、そのような方へ届きますように何かのヒントになれば嬉しいです。
解決していった一例をご紹介しますので、どうぞ参考にご覧ください。
トイレに引きこもる子供の心理を理解するヒントになる
トイレに4時間引きこもり、学校に行けない方の解決法
自宅のトイレに引きこもってしまい学校にも行けないということでお悩みの方のお話しです。
学校で「いじめ」にあっているということではありません。
友人もいます。
問題となっているのは何だったのでしょうか?
突然の腹痛、朝、起きれない
当時、おみえいただいた時は中学1年生でした。今年から中学2年生です。
出席日数がちょっと足らないかもと悩んでおられましたが、なんとか2年生になることができました。
当院へお越しくださったのは1年生の9月ごろでした。
最初はお母さんと一緒に来てくださいまして、第一印象は「大人しい男の子だな~」という感じでした。
質問に対しても、お母さんにそっと聞くような感じで自分の意見はあまりいわず、声も小さくあまりハキハキしゃべるという感じではありませんでした。
代わりにお母さんがしゃべってしまうという感じを受けました。
お困りの症状
- 朝が起きれない
- 学校に行きたいけど行けない
- めまいがする
- スマホ依存で夜更かしして昨年5月から調子が悪くなった
- 頭痛がしょっちゅうおこる
- ベッドから起き上がると、フラフラする
- 立ち上がったらフワフワする
- 頭に電気が走るような時がある
- お腹が痛くなる、食欲もない
- 下痢が続く
お母さんから聴いたところ最高トイレに4時間くらい、こもったきり出てこなかったことがあったそうです。疲れ果てて、中で眠ってしまったそうです。
とにかく「動くエネルギー」が不足している感じでした。
4時間トイレに引きこもり
この男の子、体の機能的には、なんら問題はないそうです。
普通に歩けますし体育も、できていたそうです。
お身体の不調という点では日常生活には支障がない状態でした。
当院で、いろいろ検査しておりますと痛いなどの感覚は少し鈍い感じを受けました。
この静止幕電位というのは、刺激を感じすぎてしまうと、感じる値が低くても反応するようになってしまうのです。これが過敏の状態です。刺激を感じすぎるというのは「ストレス過多」の状態です。
ストレスで筋肉が緊張した場合は、酸素が行き渡りませんので酸素欠乏の状態になります。すると神経伝達にも異常をきたすのです。
そしてこの状態が更に悪化、放置してしまうと感じなくなってしまいます。これが「麻痺」の状態です。
麻痺になると感じにくくなってしまいます。良く肩が凝っているのに美容室で「肩こってますね~」といわれるけれども自分では感じていない状態と同じです。
心理的にも同じことがいえます。ストレスに、さらされ続けると心理的に感じたくなくなるので、ストレスから逃げようとします。また感覚を鈍くして痛みなどを、なるべく感じなくしているようになるのです。
当院では「いじめ」でもなく4時間もトイレに引きこもるっていうことは何かの病気ではなく、メンタル面、自律神経の乱れから来る可能性を考えます。
このような場合は、その方、本人というよりも母子関係に注目すべき点があることが多いです。
例えば母親にかまって欲しい赤ちゃんはどうしますか?泣きますよね。
お母さんが来てくれて、あやしてくれたり母乳をもらったり、おむつを替えてもらったりするために赤ちゃんは泣いて知らせます。
ですのでこの男の子も母親に対して振り向いてもらおうという無意識の行動が、このような引きこもりをしてしまっている可能性があると考えました。
もちろん、これが全ての原因ではございません。
まずは、お母さんがどんな人で、どのようにして育ててきたのかに注目いたしました。
またお母さんの育った環境にも注目しました。
赤ちゃんの時は、「心地よい」か「不快」かで判断して生きています。
例えば、おむつが濡れて気持ち悪かったら、泣きます。
夜も何かあったらお母さんにお世話してもらうために、泣きます。
お母さんの都合を考えて「泣かないでおこう」とはしません。
幼児期になると、だんだん、物事の良しあし、正しいか、正しくないか、損か得かを判断して身につけていきます。
そして大人になっていくと、そのやっていることが、自分の「やりたい事」か「やりたくない事」、つまり心地よいかどうかを復活させてバランスを見ながら判断していくのです。
これが精神的に成熟した大人です。
インナーチャイルドを抱えていると、社会性はいいのですが、自我が小さくなりがちです。
すると相手の事や顔色ばかりを気にし過ぎてしまいます。
これは「我慢」になります。
我慢ばかりしていると、つまり感情を抑圧してばかりいると身体に症状が現れます。
- いつか感情が爆発してしまう!キレる!
- 身体に症状がでる(肩コリ、腰痛など全身の痛み、下痢、動悸、息切れなど)
- 嫉妬、妬み、さらに悪化
- 他の感情が感じにくくなる(感じると辛いから)
- 他の感覚が感じにくくなる(味がしない、聞こえにくいなど)
お母さんの性格・思考の癖
- お母さん自身が忙しい両親の元で寂しい思いをして育てられた。
- お母さんは長女で下の兄弟の世話をしてきた。
- 嫁に来たときから姑にいじめられ、キッチリと家事や育児をこなしていた。
- 息子の躾には極端に厳しくしていた。(親戚に文句を言われたくないから)
- ○○しなければならないというのが口癖である。
- 完璧主義で子供にも押し付けている感じを受けた。
- 子供は可愛いと思っているが「ハグ」をあまりしなかった。
- 自分はエリートで勉強もよくできたため、子供も当たりまえにできると思っている。
- 世間体を重んじ見栄が強いと感じる。
- お母さんも親の愛情をあまり受けていない育てられ方をした。
- 子供はこうあるべきだと強く信じている感じを受けた。
最近、毒親というのを、よく耳にします。毒親の特徴と、その親に育てられた子供の「脳の影響」について見ていきます。
毒親の特徴は6種類に分けられます。
いくつか重なることもあります。
このような親に育てられると「脳」に影響が出ることがあります。
愛着形成とは
愛着とはママと赤ちゃんの間の愛の形成です。
赤ちゃんがママに振り向いてもらおうとする行動はこんなことがあります。
発言行動
ママを呼ぶために泣きます。
微笑みます。(生理的微笑)
定位行動
気づいてもらうための行動です。
ママの声の方を向く、ママを目で追うなどです。
接近行動
不安に感じた時に、ママのところへ向かう。しがみつくなどです。
この不安に感じた時にすぐにそばにいてやることが愛着形成ではとっても大切なんです。
愛着形成とは安全基地を作ってあげることです。
安全基地があると不安な時はすぐに戻れます。
それがあると少しづつ、どんどん遠くまで進めるようになるのです。
すなわち自立できるようになるのです。
愛着形成についてはこちらをご覧ください。
ママの赤ちゃんに対する愛着の行動
これで愛着が形成されていきます。
そして愛着には4つのタイプがあります。
愛着は生後半年から1歳半で愛着を深め2歳くらいで形成されるといわれています。
ただ、これを意識しすぎて過干渉、過保護になってしまいますとママのストレスが強くなってしまいます。
結局、きちんと愛着が形成されない場合もありますのでママも無理をしないでくださいね。
また、過干渉、過保護は、お子さんの自立の妨げになる場合が大いに考えられます。
母子関係とは
特に母子関係がとても重要とされています。
いろんな事情で父子の場合や祖父母などの場合もありますが基本的には母子の関係が大切です。
母子関係で大切なこと
僕も自分の子供に対しての接し方で反省すべきところがたくさんありますが、今からでもちゃんと話をしてコミュニケーションをとることが大切だと感じております。
インナーチャイルドから考える
まだ中学生の方ですので、本心がどうなのか?どのように感じているのか?感情を出せているのか?など問題点はありますが、少しづつお話を聴いていくようにいたしました。
そこでインナーチャイルドもしくはアダルトチルドレンという面からも考えていこうと思います。
まずインナーチャイルドがあるお子様は、このような機能不全家族に育てられている可能性があります。こちらのお母さんはご自分が厳しい躾で育てられ、子供とはこうあるべきだという意識がかなり強すぎました。
そうなるとお子さんは親の期待通りに生きようとしますので、このお子さんは①~③の全てが当てはまったような感じで育ったそうです。
そうなると他人をシャットアウトしたり、お母さんに怒られるかもしれない、悲しませたらダメだという想いが強くなりすぎるため、自分軸ではなく他人軸で生きていく癖がついてしまいます。
すると不安傾向が強くなり生き辛くなってしまうことが多いのです。
このような時は、未来や過去ばかり考えてしまい、脳が疲れてしまいます。
このインナーチャイルドから回復するには「今ここ」を感じる訓練が必要になってきます。
今ココを感じる体操
認知の歪みからの解決法
自分が育った環境が直接、自分の子供にも、それが絶対に正解だろうと思い込んでいることってあるんです。
それを「認知の歪み」といいます。
- 全か無か(完璧主義、やらないための言い訳になっている可能性がある)
- 一般化のしすぎ(みんな持っているから欲しい・・・など)
- こころのフィルター(テストで90点とっても間違った10点に執着する)
- マイナス思考(応援してくれる人のことを素直に受け入れられない)
- 結論の飛躍(メールに返信がなかっただけで嫌われたと思い込む)
- 拡大解釈と過小評価(短所を拡大解釈し長所を過小評価してしまう。自分に自信がない)
- 感情的決めつけ(私がイライラするのはあいつの行動のせいだ)
- すべき思考(自分の思考を相手に押し付けてしまう)
- レッテル貼り(自分の知っている範囲で物事を固定化してしまう。相手の話を聴かない)
- 個人化(起こったことは必要以上に自分の責任だと決めつける)
認知の歪みの解決方法
認知行動療法では、自分の考え方、価値観を冷静に客観的にみて、考え方を変えていくということをしていきます。
トリプルカラム法
例えば、仕事や学校のレポートを提出するといった状況にいる場合です。
今の気持ち | 認知の歪み | 落ち込まない考え方 |
---|---|---|
上司、先生の指摘が怖いので、なかなかレポートが出せない。 | 全か無か思考の法則 | こまめにチェックしてもらって修正を加えた方が良いレポートができるはず |
と、このように考えていくのです。
もちろんこれ以外にも、いろんな解決法がございます。
その方に、その時に必要な解決法を選択して、一緒に解決していきたいと思います。
当院のアプローチ
整体で体を整えることで安定します。身体が安定しますと心も安定していきやすいです。
ですので思考でばかり解決しようとせず、身体からの安定をまずは、やっていきます。
すると体力が増えてくるので、自分に自信もつきやすいです。すると自己肯定感が増えてきて、解決しやすくなるのです。
まとめ
- 子供の行動は親の影響を受けることが多い
- 親の認知の歪みが子供を苦しめる事もある
- 親とは「木の上に立って見る」ということで見守ることも大切
- 引きこもりを「愛着」から考える