
「一人でいる方が落ち着く」
「人と長時間一緒にいると疲れてしまう」
「家族であっても、自分の時間や自分の世界を大切にしたい」
そんな自分を、「自分は冷たい人間なのかな?」「もっと人付き合いをしないといけないのかな?」と思っていませんか?
また反対に、ご主人や奥さん、子どもなど身近な人に、
「何を考えているのか分からない」
「話しかけても反応が薄い」
「家族なのに、どうして一人になりたがるの?」
と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
人にはそれぞれ、考え方や感情、人との距離の取り方などに特徴があります。
その中でも、人との深い関わりをあまり求めず、一人で過ごすことを好む傾向が強いタイプを「シゾイドパーソナリティ」と表現することがあります。
ただし、一人が好きだからシゾイドパーソナリティ障害というわけではありません。
パーソナリティ障害は、その特徴が長期間続き、本人の生活や人間関係、社会生活などに大きな支障が生じている場合に、専門家が総合的に判断するものです。
この記事では診断をするのではなく、「自分や家族にこういう傾向がある場合、どう理解すれば少し楽に暮らせるのか?」そして当院が専門としている、ストレスと自律神経の関係という視点から分かりやすくお伝えします。
- 一人で過ごす方が楽で、人付き合いに疲れやすい方
- 家族や職場で「もっと人と関わった方がいい」と言われるのがつらい方
- 感情を表に出すのが苦手で「何を考えているのか分からない」と言われる方
- ご主人・奥さん・子どもなど、身近な人との距離感に悩んでいる方
- 人間関係のストレスとともに、不眠・めまい・動悸・胃腸の不調・身体の緊張などを感じている方
- シゾイドパーソナリティと自閉スペクトラム症(ASD)や回避性パーソナリティとの違いを知りたい方
- 自分の特徴を理解して、無理のない人付き合いやストレスへの対処法を知りたい方
こんなお悩みはありませんか?
自分自身について
- 一人で過ごしている方が楽
- 大勢で集まるのが苦手
- 人に自分のことを話すのが苦手
- 感情を表に出すことが少ない
- 「何を考えているか分からない」と言われる
- 人から褒められても、それほど気にならない
- 友人をたくさん作りたいとは思わない
- 家族であっても一人になる時間が欲しい
- 無理に人に合わせ続けると、とても疲れる
家族について
「夫がほとんど話してくれない」
「妻が家族より自分の時間を優先しているように感じる」
「子どもが友達を作ろうとしない」
「こちらが感情を伝えても反応が薄い」
こんなことで悩んでいるご家族もいらっしゃいます。
でも、まず知っておいてほしいのは、「人との距離が遠い=性格が悪い」ではないということです。
シゾイドパーソナリティとは?
シゾイドパーソナリティ障害は、精神医学では対人関係から距離をとる傾向と、対人場面での感情表現が限られていることなどを特徴とするパーソナリティ障害です。
代表的には、
- 親密な関係をあまり求めない
- 一人でする活動を好む
- 親しい友人が少ない
- 他人からの評価をあまり気にしない
- 喜怒哀楽を表に出すことが少ない
などの特徴があります。
ただし、ここはとても重要です。
「一人が好き」というだけでは、病気ではありません。
静かな生活が好きでも、本人が困っておらず、仕事や生活にも大きな問題がなければ、それはその人の個性とも考えられます。
診断では、こうした特徴が長く続いていることや、生活・社会機能への影響などを含めて専門家が評価します。
シゾイドと回避性パーソナリティはどう違う?

一見すると、どちらも「人から距離を取る」ので似ています。
しかし、理由が違うことがあります。
シゾイド傾向
「そもそも一人でいる方が心地いい」
回避性傾向
「本当は人と関わりたい。でも嫌われたり否定されたりするのが怖い」
という違いです。
もちろん実際の人間は、教科書のようにきれいにタイプ分けできるわけではありません。
複数の特徴を持っている人もいます。
ですから私は、「あなたは○○タイプです」と決めつけるより、その人が何に困っているのかを見ることが大切だと考えています。
シゾイドパーソナリティと自閉スペクトラム症(ASD)はどう違う?

「一人でいることを好む」「人付き合いが少ない」「感情が表に出にくい」など、一見するとシゾイドパーソナリティと自閉スペクトラム症(ASD)は似て見えることがあります。
しかし、この2つは同じものではありません。
自閉スペクトラム症(ASD)は神経発達症の一つで、幼少期からみられる対人コミュニケーションや社会的なやり取りの特徴に加えて、限定された興味、こだわり、反復的な行動などが診断上の重要な特徴になります。
一方、シゾイドパーソナリティ障害では、人との親密な関係をあまり求めず、一人で過ごすことを好むことや、感情表現が限られていることなどが特徴になります。
簡単に整理すると、
| シゾイド | 自閉スペクトラム症(ASD) | |
|---|---|---|
| 分類 | パーソナリティ障害 | 神経発達症 |
| 対人関係 | 親密な関係への関心が乏しいことがある | 社会的コミュニケーションそのものに特徴がある |
| 一人を好む | みられることがある | みられることがある |
| こだわり・反復行動 | 中心的特徴ではない | 重要な特徴の一つ |
| 発達 | 成人期早期までに明らかになる持続的パターンとして評価 | 発達早期から特徴が存在する |
ただし、実際にはこれほど単純に分けられるものではありません。
「一人が好きだからシゾイド」
「人付き合いが苦手だから自閉症」
と自己判断することはできません。
その人が子どもの頃からどのような特徴を持っていたのか、コミュニケーション、行動や興味、生活への影響などを総合的にみる必要があります。
なぜシゾイドパーソナリティ傾向を知ることが大切なのか?
ここからが、私が自律神経を専門に学んできた中で大切だと考えている部分です。
例えば、本当は一人で静かに過ごしたい人がいたとします。
ところが職場では、「もっとコミュニケーションを取って!」家に帰ると、「家族なんだからもっと話してよ!」休日には、「みんなで出かけよう!」と言われる。
周囲に悪気はありません。
でも本人にとっては、自分に合わない人との距離感を毎日求められている状態かもしれません。
すると、
自分の特性と合わない環境
↓
人間関係のストレス
↓
身体が緊張する
↓
休んでも力が抜けにくい
↓
心身の余裕が少なくなる
ということも考えられます。
だから私はパーソナリティを、「性格の問題」だけではなく、その人が何にストレスを感じやすいのかを知る手がかりとして見ることがあります。
パーソナリティによるストレスと自律神経
ストレスを受けたとき、身体では心拍・呼吸・血圧などを含むさまざまな生理反応が起こります。
これは本来、身体を守るための大切な仕組みです。
問題は、本人にとって負担となる状態が長く続くことです。
例えば、
「人と関わりたくない」
↓
でも毎日無理に合わせる
↓
緊張する
↓
家に帰っても考えてしまう
↓
眠りが浅くなる
↓
疲れが取れない
↓
さらに人と関わる余裕がなくなる
こんな悪循環になることがあります。
その結果、
- 首や肩がガチガチになる
- 呼吸が浅く感じる
- 動悸
- めまい・ふわふわ感
- 胃腸の不調
- 頭痛
- 寝つきが悪い
- 夜中に目が覚める
- 朝から疲れている
など、いわゆる自律神経に関連する症状を伴う人もいます。
もちろん、これらの症状がシゾイドパーソナリティによって起こるという意味ではありません。
身体症状にはさまざまな原因があります。
大切なのは、「自分にとって何がストレスになっているのか?」を知ることです。
「一人が好き」を無理に直さなくてもいい
ここはとても大切です。
「一人が好きだから、もっと社交的にならないと!」「友達をたくさん作らないと!」と、無理に自分を変えようとする必要はありません。
むしろ、自分はどのくらいの距離感なら人と楽に付き合えるのか?を知る方が大切です。
一人の時間が必要なら、それを確保する。
大人数が疲れるなら、少人数の付き合いを大切にする。
自分の気持ちを話すのが苦手なら、いきなり全部話そうとしない。
自分の特性を知って、自分に合った環境を作る。これは逃げることとは違います。
心理学ではどのように対処するの?
パーソナリティ障害に対しては、一般に心理療法が中心となります。
シゾイドパーソナリティ障害については研究自体がまだ多くありませんが、支持的な心理療法や社会的スキルを扱う方法、認知行動療法などが用いられることがあります。
大切なのは、「性格を無理やり変える」ことではありません。
例えば、
「自分はどんな場面で疲れるのか」
「どんな距離感なら人と関われるのか」
「何をされると強いストレスになるのか」
「困ったとき、どう対処すればいいのか」
などを整理していきます。
本人が困っていない部分まで、周囲の価値観に合わせて変える必要はありません。
自分でできる5つの対処法
① 自分の特徴を知る
まず、「どうして私はみんなと同じようにできないんだろう」
ではなく、「私はどういう環境なら楽なんだろう?」と考えてみましょう。
これだけでも見方が変わります。
② ストレスになるものを書き出す
仕事、人間関係、家庭、音、暑さ・寒さ、睡眠不足、食生活など。
私は身体の不調を見るとき、
精神的ストレス
身体的ストレス
栄養などの化学的ストレス
環境から受けるストレス
という複数の方向から確認しています。
一つだけを原因にしないことが大切です。
③ 身体から出ているサインにも気づく
イライラや不安だけがストレスのサインではありません。
「最近、肩がずっと上がっている」
「歯を食いしばっている」
「呼吸が浅い」
「夜中に何度も起きる」
「お腹の調子が悪い」
身体に先に変化が出る人もいます。
④ 一人で回復する時間を作る
一人でいることが落ち着く人なら、それも大切な休息です。
無理に予定を詰め込まず、「誰とも話さなくていい時間」を作ることも一つの方法です。
⑤ 身体の余力を減らさない
睡眠不足、食欲低下、過労などが続けば、誰でもストレスに対応する余裕は少なくなります。
だから私は、呼吸・睡眠・食事・休息・適度な運動といった土台を大切にしています。
「心の問題だから心だけを見る」のではなく、身体の状態も一緒に見ることが重要だと考えています。
家族にシゾイド傾向がある場合の接し方
実は本人以上に、
「夫が何も話してくれない」
「妻が自分に関心がないように感じる」
など、家族が悩んでいるケースもあります。
そんなとき、「もっと話して!」と追いかけすぎないようにしてください。
本人が距離を必要としているときに強く迫ると、さらに距離を取りたくなることがあります。
一人の時間を尊重する
一人でいることが、必ずしも「家族が嫌い」という意味ではありません。
感情を無理に引き出そうとしない
反応が薄いからといって、「なんで何も思わないの?」と責めるのではなく、感情の表し方が自分とは違うのかもしれないと考えてみてください。
家族自身も我慢しすぎない
これは非常に重要です。
相手の特徴を理解することと、家族がすべて我慢することは違います。
「私はこうしてほしい」「これは困っている」ということは、落ち着いて伝えていいのです。
必要であれば、家族側が心理職など専門家へ相談する方法もあります。
例えばこんなケースがあります
※個人が特定されないよう、複数の相談例を参考にしたケースです。
40代女性。
子どもの頃から一人で遊ぶことが好きで、大勢で行動するのが苦手でした。
社会人になってからも、「飲み会に参加しない」「付き合いが悪い」「もっと周りとコミュニケーションを取った方がいい」と言われることが多くなりました。(今だったらパワハラかもしれませんが平成初期は当たり前に“参加しろ”と言われてました💦)
本人は、「仕事はちゃんとしているのに、なぜそこまで人と仲良くしないといけないんだろう?」と感じていました。
結婚後はご主人さんから、「もっと話してほしい」「休みの日くらい一緒に出かけたい」と言われるようになります。
本人も家族のために頑張って合わせていました。
ところが次第に、
眠れない
朝から身体が重い
首・肩がずっと硬い
呼吸が浅く感じる
胃の調子が悪い
などの不調が出るようになりました。
このような場合、「もっとコミュニケーション能力を高めましょう」
だけでは、さらに本人を追い込む可能性があります。
まず、何が一番負担になっているのか?を整理します。
そして、
「一人で過ごす時間を確保する」
「家族にも自分の特性を説明する」
「参加する付き合いと断る付き合いを分ける」
「睡眠や身体の緊張も整えていく」
など、身体と生活の両方から余裕を取り戻していくことを考えます。
大切なのは、別の人間になることではなく、自分の特性を理解したうえで暮らしやすい方法を探していくことだと思います。
当院ではパーソナリティだけを見ません
おおくま整骨院では、「あなたはシゾイドだから、これが原因ですね」という見方はしません。
私が大切にしているのは、なぜ今、身体に余裕がなくなっているのか?を一緒に探すことです。
そのため、
- いつ頃から症状が始まったのか
- 最初に何が起こったのか
- その頃に生活環境の変化はなかったか
- 睡眠は取れているか
- 食事は取れているか
- 仕事や家庭でどんなストレスがあるか
- 身体のどこに緊張が出ているか
などを確認します。
さらに身体では、呼吸、首・肩・背中などの緊張、身体のバランス、自律神経に関連する反応なども確認していきます。
必要に応じて、食事内容や血液検査などを参考に栄養面について一緒に考えることもあります。
心理だけでもない。
身体だけでもない。
栄養だけでもない。
その人に今どんな負担が重なっているのかを整理することを大切にしています。
よくある質問
- Q一人が好きならシゾイドパーソナリティ障害ですか?
- A
いいえ。一人で過ごすことが好きというだけで、パーソナリティ障害とは判断できません。診断には、長期間にわたる特徴や生活への影響などを含めた専門的な評価が必要です。
- Qシゾイドパーソナリティは治した方がいいですか?
- A
「一人が好き」という個性そのものを無理に変える必要はありません。
本人が人間関係や仕事、生活などで困っている場合は、心理療法などを通して対処方法を増やしていくことが選択肢としてあります。
- Q家族がシゾイドのようですが、どうしたらいいですか?
- A
無理に感情を引き出したり、人付き合いを増やそうとしたりするより、本人が心地よい距離を尊重することが一つのポイントです。
ただし、家族だけが我慢し続ける必要もありません。お互いに困っている場合は、専門家への相談も考えてください。
- Qシゾイドパーソナリティで自律神経が乱れるのですか?
- A
シゾイドパーソナリティそのものが、自律神経症状を直接起こすとは単純には言えません。
ただ、その人の特徴に合わない人間関係や生活環境が長期間ストレスになっている場合、心身の不調につながる可能性はあります。
- Q整体ではどうやってシゾイドパーソナリティ障害に対応するのですか?
- A
パーソナリティ障害の診断や精神医学的な治療は、医師や心理職など専門家の領域です。
当院では、ストレスとともに現れている身体の緊張、呼吸、睡眠、生活習慣などを確認し、その方の身体の状態に合わせたサポートを行っています。
また、心理面についても専門的に学んでおりますので、不安や人間関係、考え方のクセなども含めてご相談いただけます。
まとめ
一人でいることが好き。人付き合いが少ない。感情をあまり表に出さない。
それだけで、「自分はおかしい」と思う必要はありません。
大切なのは、
- 自分にはどんな特徴があるのか
- 何がストレスになりやすいのか
- 身体にはどんなサインが出るのか
- どうすれば自分らしく生活できるのか
を知ることです。
そして家族にそうした特徴がある場合も、「どうして普通にできないの?」ではなく、「この人には、どんな距離感が心地いいんだろう?」と見方を変えることで、関係が少し楽になることがあります。
一方で、不眠・めまい・動悸・胃腸の不調・身体の強い緊張などが続いているのであれば、パーソナリティだけの問題と決めつける必要もありません。
身体・心・生活環境・栄養などを一度整理してみると、今まで見えていなかった負担が見つかることがあります。
人間関係のストレスとともに自律神経の不調でお悩みの方は、おおくま整骨院まで一度ご相談ください。

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参考文献
- 『パーソナリティ障害』:岡田尊司
- Merck Manual「Schizoid Personality Disorder」
- NHS「Signs of autism in adults」




