

最近、スマホ決済が多いので新幹線のチケットを購入するのが不安です。
クレジットカードを使用しての情報の流出や詐欺などが怖いです。
また家を出る時の確認を何度もしてしまったり、外でスマホを出したりすることが、とても不安です。
外出する時の前日は不安で眠れなくなり、心臓がバクバクしたりしてしまいます。
こんな私ですが、普通に生活ができるようになれるでしょうか?
このようなお悩みの方の解決のヒントになれば嬉しいです。
強迫性障害という病気があります。主な症状としては「何度も鍵を締めたか確認してしまう」「手を何度も洗ってしまう」「左右正しく均等に並んでいないと気持ち悪い」「意味がないとわかっていても同じルーティンをしないと気持ち悪い」「特定の数字だけが、物凄く気になり避けたりする」「人に車が当たったのではないか不安になる」などがあります。
ご本人は、それが「ちょっと度を越しているな」とわかっておられますが、気持ち悪いので、やり続けてしまうのです。
・洗えているとわかっているのに、ずっと手を洗ってしまう
・カギをかけたかどうか不安になり何度も確認してしまう
・儀式的に意味のない行動をしてしまう
・強く執着していることがある
・鳥の糞が当たっていないのに当たったのではないかと思って不安になる
・雨の水が自分にかかっていないのにかかったように感じて不安になる
・極端なキレイ好き、潔癖症といわれることが多い
・車に乗っている時に人を轢いてしまったのではないか不安になる
・完璧主義といわれることが多い
お悩みの方は参考にご覧ください。
何度も確認したり、何度も手を洗ったりしてしまう自分が嫌で悩んでいる方
一日その行為に1時間以上かかってしまい、日常生活に支障が出ている場合は心療内科などの病院を受診してください。
強迫性障害は”脳”の問題
どんなメカニズムで起こるの?
強迫性障害などは「脳の誤作動」だと考えられております。まずは「脳」の働きについて簡単にみていきます。
【脳の影響】(大脳新皮質)
大脳基底核
運動、認知、動機付けなどの役割があります。こちらになんらかの問題があったら「確認ができない」「不安」などの症状がでる場合がございます。
側頭葉・辺縁系
感情などが主な役割です。確認などを何度もしてしまうのはこちらの問題という説もございます。
前頭葉
コミュニケーション、選択などが役割です。こちらの問題でも症状が出る可能性がございます。
【心の影響】
性格や育った環境、愛着などが関係する可能性もございます。
「こうあるべき」と違った場合が起こっていることはストレスですよね。
例えば、親の躾が厳しくて「手を何回も洗いなさい」と言われて育ったとします。
すると大人になっても1回くらいで手洗いするのがいいところを、10回くらい、何度も洗わないと気が済まないようになってしまうことがあるのです。それがストレスなどがあった場合に、安心感を得るために過度に行動として出てしまうことがあるのです。
実家が過度に綺麗好きすぎると「それが当たり前」になってしまい、他人にも強要してしまうことがあるので注意したい。
どうしても確認したくなったらどうするの?
どうしても確認したくなったら気の済むまで確認するのがいいのです。
罪悪感を持ってやめておこう、やめなくちゃとばかり考えてしまうと疲れ切ってしまいます。
もしも、家族の方がいらっしゃいましたら一緒に確認してもらって、それをキチンとできているという承認をもらってください。
そうすれば、自分の不安が少しやわらぐことになります。
自分だけでは不安になる方は家族に確認してもらうのも、ひとつの方法です。
ですが、「ずっと」「いつも」確認してもらうということではありません。
特に苦しい時は、確認してもらってください!ということなんです。
手を洗いたくなってもそうですよ。
数時間一人で「手が洗えない」と悩むよりも、きちんと洗えているか、確認してもらった方が少し楽になりますよ。
暴露療法とは簡単にいますと冷静な時に、不安に思っている行為や心配になっている行為を「わざと」やってみることです。それをすることで「過度に心配しなくても大丈夫なんだ」と自己暗示を少しづつかけることができて、やがて問題がクリアできるということです。
ただし暴露療法は必ず専門家の元でやってください。自分でやってしまった場合、悪化した時に対処ができない場合があります。
確認しても、まだ不安な時はどうするの?
何度、確認をしても「本当にできているのかな?」と不安になることがあります。
例えば、カギをかけたか不安になります。
こんな場合は、確認表を作ってチェックして日時を記入するといいですよ。
またカギをしめた写真をスマホで撮っておくと、あとで証拠となって不安に思わなくなることもあります。職場に行ってから、カギを締めたか不安になるときは、とても有効な時もあります。写メはおすすめですよ。一度、試してみてください。
心療内科と整体とのアプローチの違い
心療内科のアプローチ

心療内科のアプローチとしては、まずはお薬、心理療法、認知行動療法を行うところが多いです。
つまり、大脳新皮質からのアプローチです。そして辺縁系、そして脳幹へとアプローチしていきます。
当院のアプローチ

当院では体から整えていきます。これが当院のアプローチ、整体の特徴です。
体から施術してまいりますので、下から上へ上がっていきます。
今まで、なかなか、やめられなかった強迫観念を上からではなく下から(体から)整えて脳幹を反応させて、弱めていこうというやり方です。
当院の施術を受けていただきますと「なんとなく体が軽くなって息苦しいのが楽になった」というような感想を良くいただきます。
特に、強迫性障害のような心の奥深くの問題は1度や2度の調整で、すぐに良くなるということはありません。ですので、じっくりと変化していただけるのを感じていただくというのが大切です。
そして、少しでも変化して良くなっていっていることに注目する「癖」をつけて欲しいのです。
「体が軽くなった」と感じていただけると呼吸や血流も上がっています。「過去の嫌なこと」「未来の不安」を考えると自律神経は反応してしまいます。
ですので体を整えることで安定し心も安定していくのです。一緒に頑張ってまいりましょう。全力でサポートいたします。
【症例】強迫性障害でお悩みの40代主婦
お悩みの症状
- スマホ決済が怖い
- スマホを外で開けると失くしてしまう気がする
- スマホを外で開けると情報が他人にわかってしまうように感じる
- スマホでチケットを他人に見せる時に汚染されてしまうように感じる
- 手を洗うのがやめられない
- 手洗いする時に「ある歌」を歌いながらしているが、指が引っ掛かりできないこともある
- 不眠、悪夢で飛び起きることがある
- 2時間くらい手を洗えないこともある
- 下半身だけ寝汗をかく
- 洗濯物に鳥の糞がついていないかやたら気になる
- 道路に落ちてある犬の糞などが自分に触れたのではないかとすごく感じてしまう
- 空気中に鳥の糞が落ちて舞っているように感じがして自分にあたったのではないかと感じる
- 自転車についている小さなゴミも鳥の糞のように感じて自分が触ったのではないかと常に感じてしまう
- 外出すると怖いのでできないこともある
- ものすごく疲れて朝から倒れてしまい、起き上がれない
- 玄関の扉が締まっていても何度も確認してしまう
当院の見立て

- キッチリとした性格すぎる(主人がおおざっぱでイライラする)
- 不眠で気力がなく疲れ切っている(フリーズ状態、体力低下)
- 小麦と白砂糖が多い、カフェインも摂取が多い
- 冷え性で電気代がもったいないとエアコンを我慢する
- 親からの厳しい躾があり、お母さんから「褒められたことがない」(愛着形成が未熟)
特に気になったのが上記の項目です。ストレスを減らし、ストレス耐性を増やしていくアドバイスをしました。
当院の施術
当院では、まずは身体からアプローチいたします。そして、体力を増やしていき少しづつ反応の変化を感じていただきます。
感覚もすごく過敏な時と鈍い時があります。ですので足の感覚入力から入ることもあります。
そして副交感神経を優位にさせるリラックスして気持ちのよい施術をいたします。頭の調整やお腹の調整もさせていただくこともあります。
続けることで少しづつではありますが、自信が持てるようになっていただけます。すると、だんだん感覚を感じられるようになってまいります。
感情も感じにくくして、その代償で手を洗ったりしてしまっていることが多いので、その「今の感情」を感じて口に出してもらうこともあります。ですが「感情の抑圧」が強い方が多いので奥深いものがあって、根深いものがあって、なかなか出にくいことも多いです。根気よく少しづつ出すようにしてまいります。
施術を受けていただいて
体が少し軽くなってまいります。特に呼吸と血流に変化があると笑顔になっていただけることが多いです。それも作り笑いではなく本心からの笑顔というのを実感していただけます。
日頃、注意していただいたこと
ご家族の対応で「何度言ったらわかるんだ」「洗えているから止めて」など冷静な時はこんなことは言いませんが、ご家族も疲れていたりすると罵声を浴びせてしまうこともあります。
できるだけルールを決めてお手伝いすることをオススメします。
「あと1回だけ手を洗うのを確認するから」など、何度も見るのではなく、ルールを決めるのも解決のヒントになることがあります。
不確定性へ非耐性というものが強迫症の特徴です。
「〇〇だったらどうしよう」と怖くて不安になります。自分で「納得」ができるまで過度に追い求めてしまいます。
また思考の重要視ということが特徴です。
「鍵を10回確認」しても「かかってないように感じる」、それが本当のように感じてしまいます。
また対策として強迫行為が我慢できないのに暴露療法などは我慢させようとするので、うまくいかないことが多いです。
参考文献:「実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則」より
参考:「暴露反応妨害法」より
当時者会に参加してみる
- 同じ悩みの方の話を聞くだけでも心が軽くなる
- 自分だけではないと思えると少し楽になる
対策
- 起こり得る可能性のことを事前に確認しておく
- スマホを持ち歩く時にGPS機能なども確認しておく
- スマホ決済など上手にできたら「確認」して「大丈夫」と言い聞かせる
これらが上手くいった時には「意外に心配したことは起こらなかった。大丈夫だった。」と確認することが大切です。この小さなハードルを少しづつクリアしていくことで心配で不安だったことが、少しづつですが減っていくのです。
まとめ
- 少しづつできることを確認していく
- ストレスを減らし体力を増やしていくことを優先
- 我慢していることの確認とストレス発散をしていく
- 自分が体験したことが「納得」しやすく解決のヒントになりやすい
- 知識ばかり詰め込むだけでは解決しないことが多い
- 暴露反応妨害では解決が難しいことが多い