

手洗いで2時間かかることもあります。
洗っているのは、わかっているのですが、洗えていないように感じてしまいます。
不安になって、そのことばかり考えてしまうのです。
もう、本当に疲れ切ってしまいます。
何とか解決することは、できないでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
手洗いがやめられない、玄関の鍵を何度も確認してしまうなどの強迫性障害についてです。
本人は十分、自分が、おかしいということも理解していることが多いです。
それでもやめられないのです。
自分に罪悪感を持っている方もいらっしゃいます。本当にお辛いのですね。
また家族も「巻き込み」ということで影響を受けることが多くあります。
過度な確認や決まったルーティンからはずれると、とても攻撃的になったりされます。
同じようなお悩みの方は、どうぞ参考にしてください。
- 手洗いがやめれない方
- 強迫性障害の家族がいる方
手洗いをやめたい!執着を手放したい!解決法を伝授
お悩みの方、またそのご家族に少しでもご参考になれば幸いです。
ただ、すべての方が同じとは限りません。
皆さん違うのです。
簡単に解決するということではありませんが、何かのヒントにしていただけたら嬉しいです。

強迫観念とは
強迫というものにも、いろんな種類があります。
触れていないけど触ったように感じて、それが汚く感じてしまいます。
そうなると手を洗いたくて、しょうがなくなります。
洗っても、ちゃんと洗えてないんじゃないかと不安になります。
仕事でミスをしたらどうしよう?
さっきの書類ミスしたんじゃないか?
数を数え間違えたかもしれない。
すごく不安で不安で眠れなくなります。
左右対称に整理されていないと気が済まないと感じてしまうこともあります。
神様の望むような行いができなかったので神様に見放されて地獄に落ちてしまうんじゃないかと思ってしまうこともあります。
自分は病気になってしまったと強く想ってしまったり、病気ではないと病院ではいわれているのに、あの医者は私の病気を見つけられないんだと思ってしまうこともあるのです。
玄関のドアの鍵をかけたのに、ちゃんとかけたかどうか不安になって、何度も何度も確認してしまうことがあるのです。
これは「脳の誤作動」です。
強迫症状の悪循環

不安や恐れなどの呪縛から逃れられなくなってしまいます。
強迫症状が起こっているときの脳

まだまだ仮説ですが、このようになっているのではないかといわれています。

上の三角形がシナプスだと思ってください。
通常の健康な方は、この粒がたくさん出ております。
これは神経伝達物質です。
これが下の突起のところにくっついて情報が伝達されていくのです。
ですが強迫性障害などになってしまいますと、このツブツブが少なくなってしまいます。
だから情報が下にきちんと伝わっていかないのです。
神経伝達物質は出ているのに、受け側が少ないので情報をキャッチ出来ていないということになってしまっているのです。
いろんな対策
家族の人に、できているかどうか、確認してもらうというのも大事です。(巻き込み型)
自分では、できているかどうか見ていても不安になるんです。
だから第三者に確認してもらうということは自分が納得するうえでは必要なことなんです。
家族の協力が必要です。きちんと確認して本人が納得できるように対応していただけたらと思います。
エネルギーサークルから考えると他人の承認がないと自分を承認できませんので、これは必要な過程なのです。
ただ、家族の負担は、相当なものになります。
「できているよ」と言っても、不安で不安でしょうがないので、何度も確認してしまうのです。
やがて何度も同じことを聞かれると家族の方も、イラついてしまうことも少なくありません。
最初は優しく答えていても、同じことを何度もいわれるとイラっとするのも無理のないことです。だから「3回まで確認するからね」などとルールをはじめに決めておくと上手くいく場合があります。

認知療法
こんな会話になることがあります。

不安で不安でたまりません。
カギを締めたか家を出てからも不安です。

どんなふうになりますか?
またどんな気持ちになりますか?

とにかく落ち着きません。
自分の責任で何か重大なことが起こってしまうのか不安です。

その時はどんな様子ですか?

確認しすぎてとても疲れ切ってしまいます。
認知が歪んでいる方が多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
- 白黒はっきりしている
- 自分の責任だと強く感じる
- 完璧主義の方が多い
- 融通がきかない
というような性格面でも極端になる方がいらっしゃいます。
Schwartzの認知行動療法
第一段階:ラベルを貼りかえる
第二段階:原因を見直す
第三段階:関心の焦点を移す
第四段階:価値を見直す
すぐに変化があるということは、なかなかありません。
当院にお見えの方も数か月かかって、やっとお薬を減らしていけたり、長期になることが多いです。根気よく一緒に頑張っていけたらと思っております。
もちろんすべての方が違いますので時間的な差もあります。
強迫性障害の経過について
医師で「強迫症」になった方がいます。患者さんに薬を出したか、患者さんが副作用で死んでしまったらどうしよう?などという強迫観念が湧いてきたそうです。
心配しすぎだと頭では、わかっているのに、その不安は大きくなるばかりだったそうです。
頭で必要以上に考えすぎるので、疲れ果ててしまいます。
度を越した不安や不合理な考えに心が支配される「強迫観念」を打ち消すためにとる「強迫行為」が止まらず、生活に支障が出たそうです。
当初、仕事を休み、抗うつ薬を飲んだそうです。2カ月くらいで散歩ができるくらいになったそうです。
その後、「認知行動療法」を始めたそうです。この方は「暴露反応妨害法」というものをされたそうです。
例えば、「鳥の糞が頭に落ちたかもしれない」という強迫観念が出てきたとすると、お風呂で数時間以上、頭を洗っていた行為を、「1時間シャワーしないようにする」と決めて我慢したりする方法です。
これに耐えると、いつの間にか不快さはなくなったそうです。
だんだん「自分の不安は、現実では起こりえない」と思えるようになってきたそうです。
また子供の強迫症の場合もあります。不登校にもつながるので、とても深刻です。アメリカの研究では14歳までに発症するのが25%くらいあったそうです。子供の場合は、家族を巻き込むことが多いので、家族も疲れ切ってしまいます。
家族への強迫行動の強制からくる「巻き込み」は悪化することもあるので注意が必要です。
何度も確認させられると「いい加減にしろ」と言いたくなることもあると思います。
不安を消すために行っている「強迫行為」を家族に求めることが「巻き込み」といわれています。
だんだんとエスカレートすることが多いです。
対策としては、できるだけ「巻き込み」に応じないということを課題にして取り組むことも必要です。
例えば、確認するのも「15分我慢してみよう」というようにしたり、確認は「3回まで」と決めて置くことも有効です。
ダメとわかっていても困っている家族を放って置けないということも、十分理解できます。
また大学生の方は、自宅で火事になったらどうしようという、不安に襲われるようになりました。
不安になって強迫行為をすると悪化するとわかっていたので、我慢したそうです。そして、どうしても強迫行為をした時は、回数をノートに書いていったそうです。
これは症状の「見える化」です。どれだけ、自分が行動を我慢できたかを確認することになります。
そして、不安に思うことは、本当に現実に起こることなのかなどを確認することで半年で症状は消えたそうです。だた強迫症はストレスが強くなったりすると再発することもありますので、注意が必要です。
病院では薬と認知行動療法の併用で対策していくのが一般的だそうです。50〜100人に1人の割合で発症するといわれています。感染症の影響も大きなストレスなので、現実的には増えている可能性が高いです。
当院でも強迫症の方は増えております。
手洗いが嫌なので外に出なくなったりして、引きこもりになる方も多いです。感染症により都合が良いと考える方もいらっしゃいます。
病院での治療は「薬」と平行して我慢することで「考え方」「行動」を見直す「認知行動療法」も有効です。
育った環境、親からの躾、遺伝的なことが原因ということも考えられています。また完璧主義、几帳面、頑固などの性格も強迫症に繋がるとの指摘もあります。それに加えて自閉症やチック症などの発達障害を併存する方もいます。
恥ずかしさもあり、他人に分かりづらいので、発症の発見が遅れることが多いです。周囲も知識を広めて、早めに対策をすることで、その後の人生も楽しく過ごせるようになる可能性があります。
まとめ
- 認知行動療法ができる専門家に相談する
- エネルギーサークルを回して執着をなくす
- 体の声を聴くようにする