

私は親に、あまり褒められた記憶がありません。
両親はよく喧嘩をしていて、家の中で安心できないことが多かったです。
兄弟は褒められるのに、自分は大事にされていないように感じていました。
抱っこやハグをしてもらった記憶も、あまりありません。
大人になった今も、人の顔色が気になります。
職場でも「嫌われたかもしれない」と考えてしまいます。
友人や家族との関係でも、相手の機嫌が気になってしまいます。
彼氏ができても、いつ嫌われるのか、いつ別れを言われるのかと不安になります。
会っている時は幸せなのに、それ以外の時間は「どうせ私なんて」と思ってしまい、毎日つらいです。
どうしたら、もう少し楽に生きられるのでしょうか。
「嫌われたかもしれない」
「見捨てられたらどうしよう」
「私が悪かったのかな…」
そんなことを何度も考えてしまい、人間関係に疲れていませんか?
相手の機嫌が気になったり、LINEの返信が遅いだけで不安になったり、自分よりも周りを優先してしまったり…。
頭では「考えすぎだ」とわかっていても、不安が止まらず苦しくなることがあります。
もしかすると、その背景には「見捨てられ不安」や「自己否定」、そして子どもの頃に育まれた「愛着」が関係しているのかもしれません。
この記事では、見捨てられ不安や自己否定、人間関係の不安がなぜ起こるのか、自律神経との関係も含めてやさしく解説します。
子どものころの安心感が今の不安に影響することがある
ご相談くださった方は、親からハグをしてもらった記憶がほとんどないとのことでした。
兄弟と比べても、自分だけ少し違う育てられ方をされたように感じておられました。
「あなたはお姉ちゃんなんだから、しっかりしなさい」と言われて育ったそうです。
このような体験があると、「自分は大切にされない人なのかもしれない」「甘えてはいけない」と思いやすくなることがあります。
もちろん、すべてが親だけで決まるわけではありません。
ですが、子どものころに安心できる関わりが少なかった場合、大人になってからも不安の出やすさにつながることがあります。
このようなお悩みはありませんか
もし当てはまるものがあれば、それはあなたが弱いからではありません。
これまでの経験の中で身についた考え方や、人との関わり方のパターンが影響しているのかもしれません。
見捨てられ不安とは

見捨てられ不安とは、「嫌われたらどうしよう」「見放されたらどうしよう」「一人になったらどうしよう」という不安が強く出やすい状態のことです。
もちろん、人との別れや孤独が不安になることは誰にでもあります。
しかし見捨てられ不安が強い場合は、相手が少し冷たく感じただけで落ち込んだり、LINEの返信が遅いだけで不安になったり、相手の態度を必要以上に気にしてしまうことがあります。
そのため、
- 嫌われないように無理をする
- 相手に合わせすぎる
- 何度も確認してしまう
- 本当の気持ちを我慢してしまう
といった行動につながることがあります。
そして気づかないうちに、人間関係そのものが苦しくなってしまうことも少なくありません。
自己否定との関係
見捨てられ不安が強い方の中には、自己否定が強い方も少なくありません。
例えば、「私なんて価値がない」「どうせ嫌われる」「私が悪いんだ」という考え方が無意識に浮かんでしまうことがあります。
すると、相手の言葉や態度を必要以上に悪く受け取ったり、少しの失敗でも強く自分を責めたりしてしまいます。
本来であれば、相手の機嫌や評価は相手の問題であることもあります。
しかし自己否定が強いと、すべて自分の責任のように感じてしまうことがあります。

その結果、心だけでなく体も緊張しやすくなり、
- 肩こり
- 首こり
- 頭痛
- 胃腸の不調
- 不眠
- 不安感
など、自律神経の不調につながることもあります。
だからこそ大切なのは、無理にポジティブになることではなく、まずは「なぜ自分がそう感じるのか」を知ることです。
その理解が、少しずつ自分を責めることを減らす第一歩になることがあります。
愛着とはなんでしょうか
愛着(アタッチメント)という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
最近ではテレビやSNS、本などでも取り上げられることが増えています。
愛着とは、単に親子関係のことだけではありません。
人との関わり方や安心感、自分自身の感じ方にも関係すると考えられています。
ここでは、愛着についてできるだけわかりやすくご説明します。
愛着とは
愛着とは、簡単にいうと「安心して戻れる心の土台」のようなものです。
子どものころに、困った時や怖い時に守ってもらえた経験があると、その安心感が土台になりやすいと考えられています。
その土台が弱いと、人との距離感がわからなくなったり、自分を守ることが苦手になったり、不安が強く出やすくなることがあります。
人によって、
・人に頼るのが苦手な方
・逆に不安が強く出やすい方
など、さまざまな傾向があります。
▶愛着について詳しく知りたい方は、愛着障害のページも参考にしてみてください
愛着は大人になっても影響することがある
人は子どものころの体験だけで人生が決まるわけではありません。
しかし、幼少期にどのような安心感を感じていたかは、大人になってからの人間関係や不安の感じやすさに影響することがあります。
その中でも大切だと考えられているのが、「安全基地」という考え方です。
- 安全だと感じられること
- 必要な時に応じてもらえること
- 気持ちをわかろうとしてもらえること
- 関わりに安定感があること
- 信頼できること
もし子どものころに十分な安全基地を感じられなかったとしても、自分が悪かったわけではありません。
また、大人になってからも安心できる人との関わりや経験を通して、安心感を育てていくことは可能だと考えられています。
こうした「安心して戻れる場所」があると、人は少しずつ新しいことに挑戦したり、自分で考えて行動したりしやすくなります。
一方で、この安心感が十分に育まれなかった場合、人との距離感に悩んだり、自分に自信が持てなかったり、不安が強く出やすくなることがあります。
もちろん、すべてが愛着だけで決まるわけではありません。
しかし、人間関係の不安や見捨てられ不安、自己否定などを考えるうえで、愛着は大切なヒントになることがあります。
愛着のスタイルについて
愛着にはいくつかの傾向があると考えられています。
もちろん人をきれいに分類できるわけではありませんが、
「なぜ私は人間関係で不安になりやすいのだろう」
「なぜ人との距離感に悩みやすいのだろう」
と考えるヒントになることがあります。
まずは参考程度に、自分がどのような傾向を持ちやすいのか見てみるのもよいかもしれません。

今の自分がどのような傾向を持ちやすいのかを知ることは、とても大切です。
外部サイトになりますが、参考として次のテストも役立つかもしれません。
テスト結果はあくまで目安ですが、自分自身を理解するきっかけになることがあります。
安定型
人を信頼しやすく、困った時には助けを求めることもできる傾向があります。
回避型
人に頼ることが苦手で、一人で頑張りすぎてしまう傾向があります。
不安型
相手との関係が気になりやすく、見捨てられることへの不安が強く出やすい傾向があります。
なぜ人間関係でこんなにしんどくなるのか
見捨てられ不安や自己否定が強い方は、
・相手の言葉を自分の問題として受け取りやすい
・相手の機嫌を気にしすぎてしまう
・嫌われないように無理をしてしまう
こういった傾向があることがあります。
その結果、心だけでなく体もずっと緊張しやすくなります。
この状態が続くと、自律神経のバランスも乱れやすくなることがあります。
例えば、
- 肩や首の力が抜けない
- 頭痛が起こりやすい
- 胃腸の調子が悪い
- 息苦しさや動悸が出る
- 疲れているのに休まらない
といった状態につながることもあります。
つまり、人間関係の不安は心だけの問題ではなく、体の緊張とも深く関係していることがあるのです。
見捨てられ不安は「不安そのもの」よりも繰り返されることがつらい
見捨てられ不安で悩んでいる方は、不安になること自体が問題なのではありません。
本当につらいのは、安心したと思ったら、また不安になることを何度も繰り返してしまうことです。
例えば、
- LINEの返信が来なくて不安になる
- 返信が来て安心する
- 数時間後にまた不安になる
- SNSの反応が気になる
- 職場での何気ない一言が気になる
- 相手の機嫌を何度も考えてしまう
このようなことを繰り返してしまう方は少なくありません。
頭では「大丈夫だろう」と思っていても、心や体が追いつかず、不安が何度も戻ってきてしまうことがあります。
その結果、疲れやすい、眠れない、相手のことばかり考えてしまう、という状態につながることがあります。
安心しても不安が戻ってくる理由
見捨てられ不安が強い方は、「今この瞬間は大丈夫」という感覚が育ちにくいことがあります。
そのため、相手が優しくしてくれても、褒めてもらっても、大切にされていても、しばらくすると再び不安が出てくることがあります。
もちろん全ての方に当てはまるわけではありません。
しかし、「安心できない自分が悪い」のではなく、これまでの経験の中で身についた考え方や、人との関わり方のパターンが影響していることもあります。
相手ではなく「自分の安心感」が課題になっていることもある
相手が変われば安心できる。
もっと優しくしてもらえれば安心できる。
そう思うこともあるかもしれません。
もちろん人間関係の問題が原因の場合もあります。
しかし実際には、相手が変わっても、恋人が変わっても、職場が変わっても、同じ不安を繰り返してしまう方もおられます。
その場合、本当に必要なのは、相手を変えることではなく、自分の中に「大丈夫」と感じられる安心感を少しずつ育てていくことが大切になる場合もあります。
見捨てられ不安と安全行動の関係
不安になると、人は安心したくなります。これはとても自然な反応です。
そのため、
- 何度もLINEを確認する
- 既読が付いたか確認する
- SNSを何度も見る
- 家族や友人に何度も相談する
- ネット検索を繰り返す
このような行動をとることがあります。
実際に、当院へご相談いただく方の中にも、「気づいたら何度も確認してしまう」「安心したくて検索がやめられない」という方は少なくありません。
安全行動とは
不安を減らすために行う行動を、心理学では「安全行動」と呼ぶことがあります。
安全行動そのものが悪いわけではありません。
誰でも不安な時には安心材料を探します。
例えば、
- 家族に相談する
- 友人に話を聞いてもらう
- ネットで調べる
といった行動も自然な反応です。
ただし、安全行動ばかりになると、自分自身で安心する力が育ちにくくなることがあります。
一時的には安心するけれど長期的には不安が強くなることもある
安全行動は、その場では安心につながることがあります。
しかし繰り返しすぎると、「確認しないと安心できない」という状態になってしまうことがあります。
すると、不安を減らすために始めた行動が、逆に不安を維持してしまうこともあります。
LINEを何度も確認する
例えば、「LINEを確認する→安心する→また不安になる→また確認する」という流れです。
最初は安心するための行動だったはずが、いつの間にか「確認しないと落ち着かない」状態になってしまうことがあります。

相手の気持ちを確かめ続ける
見捨てられ不安が強い方は、「本当に大丈夫かな」「嫌われていないかな」と不安になりやすいことがあります。
そのため、
- 何度も愛情を確認する
- 相手の機嫌を探る
- 顔色をうかがう
- 本音より相手を優先する
といった行動につながることがあります。
しかし、確認して安心できても、その安心感が長続きしないことも少なくありません。
ネット検索や相談を繰り返す
不安な時に調べたり相談したりすることは悪いことではありません。
ただ、
調べる→安心する→また不安になる→また調べる
を繰り返していると、「自分で判断する力」よりも、「外から安心をもらうこと」に頼りやすくなることがあります。
もちろん一人で抱え込む必要はありません。
大切なのは、相談や確認をしながらも、少しずつ自分の中にも安心感を育てていくことです。
安全行動の背景には、人との距離感や境界(バウンダリー)が関係していることもあります。
次は、その境界について考えてみましょう。
見捨てられ不安と境界(バウンダリー)の関係
見捨てられ不安が強い方の中には、自分と相手との境界(バウンダリー)が曖昧になっている方がおられます。
境界とは、簡単にいうと「ここからが自分、ここからが相手」という心の境目です。
この境界が曖昧になると、相手の感情や機嫌、評価まで自分の責任のように感じてしまうことがあります。
その結果、人間関係が苦しくなり、自律神経も緊張しやすくなることがあります。

*相手の感情や機嫌まで背負い込んでしまうと、人間関係は苦しくなりやすくなります。
これ!本当に当院のクライアントさんに多いんです。
境界とは何でしょうか
私たちは本来、
- 自分の気持ち
- 自分の考え
- 自分の選択
について責任を持っています。
一方で、
- 相手の気持ち
- 相手の考え
- 相手の機嫌
は相手のものです。
しかし見捨てられ不安が強い方は、その境目がわからなくなってしまうことがあります。
このような感じです。

相手の問題まで背負ってしまう
見捨てられ不安が強い方は、人との関係をとても大切にされる方が多いです。
その優しさは素晴らしいことです。
しかしその反面、相手の問題まで自分が何とかしなければならないと感じてしまうことがあります。
本来であれば、
- 相手が考えること
- 相手が決めること
- 相手が責任を持つこと
まで背負ってしまうと、心も体も疲れてしまいます。
相手が不機嫌だと自分が悪いと思ってしまう
例えば、
- 職場で上司の機嫌が悪い
- パートナーが疲れていて無口になっている
- 友人からの返信が少しそっけない
そんな時、「私が何か悪いことをしたのかな」と考えてしまうことはありませんか?
実際には、仕事で疲れているだけかもしれません。体調が悪いだけかもしれません。別の悩みがあるだけかもしれません。
しかし見捨てられ不安が強いと、相手の感情を自分の責任のように感じてしまうことがあります。
相手に嫌われないことを最優先にしてしまう
嫌われたくないという気持ちは誰にでもあります。
しかし、それが強くなりすぎると、
- 頼まれると断れない
- 本音が言えない
- 無理をしてしまう
- 相手に合わせ続ける
という状態になりやすくなります。
すると、自分の気持ちがわからなくなったり、疲れが抜けなくなったり、人間関係そのものが苦しくなったりすることがあります。
境界が整うと人間関係は少し楽になることがある
見捨てられ不安が強い方は、
本当は
- 安心したい
- 大切にされたい
という気持ちを持っています。
しかし、その気持ちを感じたり満たしたりする前に、
「嫌われたかもしれない」
「迷惑をかけたかもしれない」
「見捨てられるかもしれない」
と考えが先に動いてしまうことがあります。
すると、相手の機嫌を必要以上に気にしたり、相手の問題まで背負ったり、自分の気持ちよりも相手を優先したりしやすくなります。
境界(バウンダリー)が整ってくると、「相手の問題」と「自分の問題」を少しずつ分けて考えられるようになることがあります。「優しくない人になる」のではなく、「自分も相手も大切にする関わり方」に近づいていくイメージです。
もちろん、急にできるようになるものではありません。
しかし、相手が不機嫌だからといって必ずしも自分が悪いわけではないこと、相手の感情をすべて背負う必要はないこと、自分の気持ちも大切にしてよいこと、そうした感覚が少しずつ育ってくると、人間関係は以前より楽になることがあります。
人間関係の不安をやわらげる考え方(エネルギーサークル)
ここまで、
- 愛着
- 見捨てられ不安
- 安全行動
- 境界(バウンダリー)
についてお話してきました。
では、実際に人間関係の不安をやわらげるためには、どうしたらよいのでしょうか。
当院では、そのヒントの一つとして「エネルギーサークル」という考え方をお伝えすることがあります。
これは難しい心理学ではなく、人が本来持っている自然な心と体の流れを理解するための考え方です。
エネルギーサークルとは
エネルギーサークルとは、「体の感覚から始まり、自然に満たされて終わる流れ」のことです。
人は本来、
「感じる→気づく→感情が動く→行動する→満たされる→落ち着く」という流れを繰り返しています。

難しく感じるかもしれませんが、「本当はどう感じているのか」に気づく練習だと思っていただければ大丈夫です。
自分で変えられることに意識を向ける
見捨てられ不安が強い方は、
- 相手がどう思っているのか
- 相手がなぜあんな態度を取ったのか
- 相手が自分をどう評価しているのか
を考え続けてしまうことがあります。
しかし、相手の考えや感情を完全にコントロールすることはできません。
一方で、
- 自分が何を感じているのか
- 本当はどうしたいのか
- 今できることは何か
には目を向けることができます。
エネルギーサークルでは、まず自分の感覚や気持ちに気づくことを大切にします。
相手を変えようとしすぎない
不安が強い時ほど、
- 相手にわかってほしい
- もっと優しくしてほしい
- もっと安心させてほしい
という気持ちが強くなることがあります。
もちろん、その気持ちは自然なものです。
しかし、人を変えることは簡単ではありません。
相手を変えようと頑張り続けるよりも、
- 自分がどう感じているのか
- 自分は本当は何を求めているのか
に気づいていく方が、人間関係が楽になることがあります。
具体例で見てみましょう
たとえば、こんな流れです。
・感じる → なんとなく胃が気になる
・気づく → お腹がすいている
・感情 → ラーメン食べたい
・行動 → ラーメンを食べに行く
・満たされる → お腹いっぱいになる
・収束 → もうラーメンのことを考えなくなる
これが自然なエネルギーの流れです。
なぜ不安や執着が起こるのか
この流れがどこかで止まると、エネルギーが途中で引っかかります。
すると、
- 頭の中でぐるぐる考える
- 同じことを何度も思い出す
- 不安が続く
- 相手のことばかり考えてしまう
といった状態になりやすくなります。
例えば、
- 本当は悲しかったのに悲しさを感じないようにしている
- 本当は嫌だったのに我慢している
- 本当は助けてほしいのに言えない
そんな状態が続くと、心も体も疲れてしまいます。
エネルギーサークルでできること
エネルギーサークルでは、「どこで止まっているのか」に気づくことが大切です。
たとえば、
- 感じることを飛ばしている
- 本当の気持ちに気づけていない
- 行動できずに止まっている
などです。
そこに気づいていくことで、少しずつ執着がゆるみ、自然に手放しやすくなることがあります。
心理学では、「自分の問題と相手の問題を分けて考える」という考え方があります。
エネルギーサークルは、それを体の感覚も含めてやさしく整理する方法とイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
当院で大切にしていること
見捨てられ不安や自己否定、人間関係の不安は、単純に「考え方の問題」だけでは説明できないことがあります。
実際には、
- 体の緊張
- これまでの経験
- ストレス
- 栄養状態
- 生活環境
など、さまざまな要素が重なっていることも少なくありません。
そのため当院では、不安だけを切り離して考えるのではなく、その背景も含めて大切にしています。
不安だけをみるのではなく背景も大切にしています
同じ「不安」という症状でも、人によって背景は大きく異なります。
例えば、
- 人間関係のストレスが続いている方
- 子どものころから緊張しやすい方
- 仕事や家庭で頑張り続けている方
- 睡眠不足や疲労が続いている方
など様々です。
そのため当院では、「なぜ今この不安が続いているのか」という背景も大切にしながらお話をうかがっています。
身体・心理・栄養の3つを大切にしています
不安や自律神経の不調は、
- 身体だけ
- 心だけ
- 栄養だけ
で説明できるものではないと考えています。
当院では、
- 身体の緊張
- 考え方や心理的な負担
- 食事や栄養の状態
この3つの視点を大切にしています。
もちろん、すべての方に当てはまるわけではありません。
しかし一つだけではなく、多方面から見ていくことで、新しい気づきにつながることがあります。
自律神経との関係について
当院では、まず体の緊張をやわらげることを大切にしています。
体が緊張したままだと、
「考えすぎないようにしよう」
「気にしないようにしよう」
と思っても、なかなか難しいことがあります。
なぜなら、体が常に警戒モードになっていると、脳も危険を感じやすくなるからです。
そのため、
- 首や肩の緊張
- 呼吸の浅さ
- お腹の緊張
- 睡眠不足
などにも目を向けていきます。
体が少しゆるむことで、
- 考え方に余裕が生まれる
- 不安がやわらぎやすくなる
- 気持ちを整理しやすくなる
といった変化がみられることがあります。
もちろん、整体だけで不安の原因がすべて解決するわけではありません。
しかし、心と体はつながっているため、まずは体からアプローチして呼吸を安定させることも大切だと考えています。
実際に来院された方の症例
20代女性
ご相談くださった20代の女性は、「私は人に甘えてはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」「甘え方がわからない」と悩んでおられました。
来院時のお悩み
・人間関係の不安(すべての人と「コミュニケーションが苦手」というレッテルを張っている)
・自己否定(「私なんて人に好かれることもない」)
・恋愛の不安(「どうせ私なんて何の魅力もないし…」)
自分を責める考え方に少しずつ気づいていただくことから始めました。
「甘えてもいい」「頼ってもいい」と頭で理解するだけでも、心は少しずつゆるみます。
甘え方がわからず、何でも自分で抱え込んでしまうため、常に緊張した状態が続いていました。
施術中に取り組んだこと
- 体の緊張をゆるめる施術+考え方の整理(エネルギーサークル)
- 家での宿題もしっかりやってもらった(今日あった3つ良いことを書く)
また、他人のことを自分のことのように受け取りすぎてしまう傾向もあったため、「それは相手の課題、自分の課題」と分けて考える練習もしていただきました。
ご家族とも話ができたため、安心できる関わりを少し増やしてもらいました。すると、久しぶりに深く眠れたと話してくださいました。
身体や考え方の変化
自分を責めることが減り、睡眠も改善
お通じもよくなり、食欲が出てきた(ちょっと太ったと笑っておられました)
現在の様子
・少しずつ人との距離感を保てるようになった
・話をできる友人ができて幸せ
いただいたご感想
以前の私は、「人に迷惑をかけてはいけない」「甘えてはいけない」といつも思っていました。
人に頼ることが苦手で、何でも自分で頑張ろうとしてしまい、いつも心も体も緊張していました。
少しずつ自分の考え方のクセに気づけるようになり、「頼ってもいいんだ」「一人で抱え込まなくてもいいんだ」と思える場面が増えてきました。
今では以前より眠れるようになり、人と話すことへの不安も少しずつ減ってきています。
まだ不安になることはありますが、以前のように一人で抱え込まずに過ごせる日が増えました。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
院長よりひとこと
この方は、とても真面目で優しい方でした。
だからこそ、「迷惑をかけてはいけない」「自分が頑張らなければいけない」という思いが強くなり、自分自身を苦しめてしまっていたのかもしれません。
施術を続ける中で感じたのは、不安そのものが問題だったのではなく、「一人で抱え込むこと」「自分を責め続けること」の方が大きな負担になっていたということです。
人は安心できる経験を重ねることで、少しずつ変化していくことがあります。
大人になってからでも安心感を育て直すことは可能です。
もちろん経過には個人差がありますが、「私は変われない」「もう手遅れだ」と決めつける必要はありません。
少しずつでも、自分を大切にする練習を続けていくことが大切だと考えています。
▶こうした体からのアプローチは、自律神経整体ページでもご案内しています
大人になってからでも安心感は育て直すことができる
ここまで読んで、「私は子どもの頃の影響があるからもう無理なんだ」「今さら変われない」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、大人になってからでも安心感を育て直していくことは可能だと考えられています。
実際に当院へご相談いただく方の中にも、「人を頼ることができなかった」「自分を責めることが当たり前だった」という方がおられます。
それでも少しずつ変化される方は少なくありません。
今からでも変化する可能性はある
人の脳や心は、一度できあがったら終わりではありません。
安心できる体験や人との関わりを通じて、少しずつ変化していくことがあります。
もちろん、すぐに変わるわけではありません。
長年続いてきた考え方や感じ方には時間がかかることもあります。
それでも、「以前より少し楽になった」「前ほど自分を責めなくなった」そんな変化が積み重なっていくことがあります。
小さな安心体験を積み重ねる
大切なのは、大きく変わろうとすることではありません。
例えば、
- 断れた
- 頼れた
- 休めた
- 本音を少し言えた
- 助けを求められた
こうした小さな体験が、安心感を育てる土台になることがあります。
最初は小さな一歩でも構いません。
その積み重ねが、「自分は大丈夫かもしれない」という感覚につながっていくことがあります。
体の緊張をゆるめることも一つの方法
不安が強い時は、考え方だけでは変えられないことがあります。
体が緊張していると、脳は危険を感じやすくなります。
そのため、
- 呼吸
- 睡眠
- 運動
- 体のケア
などを通して、まず体を落ち着かせて“ゆるめる”ことが大切です。
まずは安心できる体の状態をつくることが大切です。
当院では、心だけではなく体の状態を大切にしながらサポートしています。
心と体は別々ではなく、お互いに影響し合っています。
だからこそ、考え方だけではなく、体にも目を向けることが安心感を育てる一つのきっかけになることがあります。
やさしいセルフケア
見捨てられ不安や自己否定は、すぐに変えようとしても難しいことがあります。
まずは無理のない範囲で、できそうなことから始めてみましょう。
呼吸を整える
不安が強い時は、呼吸が浅くなりやすくなります。
まずは大きく吸うことよりも、ゆっくり吐くことを意識してみましょう。
吐く時間を少し長くするだけでも、体の緊張がやわらぐことがあります。
自分の気持ちを書き出してみる
不安が強い時は、頭の中だけで考え続けてしまうことがあります。
そんな時は、
- 何が不安なのか
- 本当はどうしたいのか
- 今できることは何か
を書き出してみるのも一つの方法です。
書き出すことで、気持ちが整理しやすくなることがあります。
体をゆるめる
体が緊張していると、脳も危険を感じやすくなります。
そのため、
- 深呼吸
- 軽い散歩
- ストレッチ
- 入浴
などを取り入れてみるのもおすすめです。
まずは「安心できる体の状態」をつくることも大切です。
安心できる人と関わる
見捨てられ不安が強い時ほど、一人で抱え込みやすくなります。
信頼できる人や安心できる人と話をすることで、気持ちが落ち着くこともあります。
無理に頑張るのではなく、「頼る練習」をしてみることも大切です。
自分を責めていることに気づく
見捨てられ不安が強い方は、知らず知らずのうちに自分を責めていることがあります。
「また自分を責めているな」と気づくだけでも大きな一歩です。
まずは責めることをやめるより、気づくことから始めてみましょう。
相手の問題と自分の問題を分けて考える
相手の機嫌や感情は、必ずしも自分の責任ではありません。
不安になった時は、「これは相手の問題かな?」「それとも自分の問題かな?」と考えてみるのも一つの方法です。
少しずつ境界(バウンダリー)を意識することで、人間関係が楽になることがあります。
よくある質問
- Q会社で怒られている人を見ると、自分も怒られているように感じたり、大きな声で話されるとビクッとします。どうしてですか?治りますか?
- A
人によっては、周囲の緊張や怒りを強く感じ取ってしまうことがあります。
特に子どもの頃から家の中で緊張する場面が多かった方は、大人になってからも無意識に周囲を警戒しやすくなることがあります。
その結果、自分が怒られているわけではないのに不安になったり、体が緊張したりすることがあります。
もちろん全ての方に当てはまるわけではありませんが、体の緊張や考え方のクセに気づいていくことで、少しずつ楽になることもあります。
- Q友達の悩みを聴いていると、自分も胸が苦しくなったり、肩が凝ったり、呼吸が浅くなったりします。どうしてですか?
- A
優しい方ほど、相手の気持ちを自分のことのように受け取ってしまうことがあります。
共感することは大切ですが、相手の問題まで背負い込んでしまうと心も体も疲れてしまいます。
この記事でお伝えした「境界(バウンダリー)」が曖昧になっている場合にもみられることがあります。
相手を大切にしながらも、自分を守ることも大切です。
- Q病院では原因がわからず、本当に困っています。なんで私だけ朝からしんどくて起きられないのでしょうか?
- A
朝のつらさには様々な原因が考えられます。
- 睡眠の問題
- ストレス
- 自律神経の乱れ
- 体力の低下
- 栄養状態
などが関係していることもあります。
そのため、「これが原因です」と断定することはできません。ただ、強い緊張状態が長く続いている方は、寝ている間も十分に休めず、朝から疲れが残っていることがあります。
気になる症状がある場合は、まず医療機関へ相談することも大切です。
- Q夜眠れないことが多いです。いつも考え事をしているように思います。どうしたらいいですか?
- A
見捨てられ不安や自己否定が強い方は、夜になると一人で考え込んでしまうことがあります。
また、体が緊張していると脳も休みにくくなります。
まずは、
- 深呼吸をする
- スマートフォンを見る時間を減らす
- その日にあった良かったことを3つ書く
- 今考えていることを書き出す
などから始めてみるのも一つの方法です。
眠れないことを責めるよりも、まずは体と心を休ませることを意識してみましょう。
- Q子どもの頃に褒められた記憶が少なく、愛情を感じた記憶もあまりありません。こんな私でも結婚して子どもができたら、子どもを愛せるのでしょうか?
- A
このような不安を抱える方は少なくありません。
しかし、子どもの頃の経験だけで未来が決まるわけではありません。
実際には、自分の経験を振り返りながら、「私は子どもに同じ思いをさせたくない」と考えられる方もたくさんおられます。また、安心できる人との関わりや経験を通して、大人になってから安心感を育てていくことも可能だと考えられています。
大切なのは完璧な親になることではありません。
子どもと一緒に成長していくことも、十分な愛情の一つだと思います。
関連記事
まとめ
見捨てられ不安や自己否定、人間関係の不安で悩んでいる方は少なくありません。
そして、その背景には愛着や安心感、人との関わり方が影響していることもあります。
もちろん、すべてが子どもの頃の経験だけで決まるわけではありません。
しかし、
- 人の顔色が気になる
- 嫌われることが怖い
- 断れない
- 一人で抱え込んでしまう
- 自分を責めてしまう
こうした状態が続いている方にとって、愛着や見捨てられ不安を知ることは、自分を理解する大切なヒントになることがあります。
また、
- 安全行動
- 境界(バウンダリー)
- エネルギーサークル
といった考え方も、人間関係の不安を整理する助けになることがあります。
大切なのは、「自分が悪い」と責め続けることではなく、「なぜ私はこんなに苦しいのだろう」と自分を理解していくことです。
そして大人になってからでも、安心感は少しずつ育てていくことができます。
もし今、「誰にもわかってもらえない」「このままずっと苦しいのではないか」と感じているなら、一人で抱え込まずにご相談ください。
当院では、体の緊張だけでなく、考え方や人間関係の背景も大切にしながら、自律神経の不調と向き合っています。
「私の場合はどうなんだろう?」
「病院では異常なしと言われたけどつらい」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
一緒に整理しながら考えていきましょう。🔥

参考文献
- 『アタッチメント 生涯にわたる絆』:ジョン・ボウルビィ
- 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』:岡田尊司
- 『痛みからの解放』:ピーター・A・ラヴィーン/マギー・フィリップス
- 『からだは嘘をつかない』:アレクサンダー・ローエン
- 『心がボロボロがスーッとラクになる本』:水島広子





