いつも不安に思い生活にも支障が出ています。
何に不安なのかと考えると漠然としています。
こんな私ですが何とか日常生活を普通に過ごせるようになりたいです。
どうしたらいいでしょうか?
このようなお悩みが解決できたら嬉しいです。
不安に思っている時の脳の状態を知って解決していくヒントにすることができます。
自己肯定感が低い人、予期不安にお悩みの方やパニック発作を起こす人、一度よくなってもまた再発を繰り返してしまう人は、どうぞ参考にしてください。
不安には2つの種類がある
不安には、正常な不安と異常な不安があります。
例えば、山を歩いていて「マムシ」を見つけたとします。
マムシに噛まれてはいけないので、その場から逃げ去るか、完全防備をして捕まえる方もいるかもしれません。これは「噛まれて毒にやられたら危ない」という危険を察知している状態です。
これは正常な不安です。
ですが「マムシ」とは知らずに近寄って、触ろうとしてしまったら、どうなるでしょうか?
噛まれて毒にやられてしまうかもしれません。危険を察知せず不安にならないということは命の危険があるということです。
ですので不安というのは悪いものではなく、自分の身を守るためには必要なものなのです。
しかし、異常な不安というのもあるのです。異常な不安とは、過度な不安です。
明日の天気予報で午後から小雨と言う予報だとしたら「折りたたみ傘1本」持っていけばいいですよね。それを人が忘れてはいけないから、もう1本、途中で傘が壊れたらいけないから、もう1本と8本傘を持っていったらどうですか?
これは過剰ですよね。このような過剰な不安は疲れすぎてしまうのです。
強迫性障害の方でしたら、汚いものを見てしまうと、距離があって、絶対に自分に付着していなくても自分に付着してしまったんじゃないかと考えてしまうことがあります。
これは過度な不安といえます。
このような不安を解決するには「別のことを考える」というのがオススメです。
特に自分の体の感覚を感じることが大切です。
不安は感情です。感情に対して思考で対処するのです。ワクワクすることを考えるのもいいですし、体の感覚を使うのもいいのです。
ここでは不安(感情)が過度になっているので、頭(思考)と体(感覚)を使って繋げていき、バランスをとっていくということになります。
具体的に体を使うとは
体の感覚を使うとは、自分で体をさするというのもオススメです。
また意識して体を感じるというのはグラウンディングがオススメです。
体を動かすことが最善
不安を減らすのに私が一番おすすめしているのが、「運動」です。
運動することで自律神経が調節してくれている血圧、血糖値、呼吸、体温などが活性化してくれます。
これは自律神経にとっては「刺激」となります。この刺激があることで自律神経が働きやすくなってくれるのです。
体を動かすと筋肉が動きますので、ポンプ作用が働き、血流があがります。血液には酸素が含まれますので、全身に酸素が行き渡ってくれるのです。当然、脳にも酸素が行き渡ってくれるのです。すると神経伝達もスムーズになり、管理能力が上がって正常に近い状態になってくれるのです。
ただストレスが強く継続的にかかることで、交感神経が優位に働き続け、疲弊してしまっている状態だと運動をすると疲れ切ってしまうこともあるので、要注意です。そんな時は休むことを優先させてください。
趣味がやりたくなくなったり、動きたくなくなったり、考えたくなくなったり、やる気がしなくなっている時は、疲弊している可能性が高いので注意してください。
もしも体を動かす場合は、同じリズムで軽い運動がオススメです。
- フラダンス
- 盆踊り
- ウォーキング
などがオススメです。これらの運動は自律神経を安定させる「セロトニン」の分泌を促進してくれるのです。どうぞ試してみてください。
今の自分に影響する子供の頃の経験
今の自分は子供の頃の経験が積み重なってできているというのは理解できると思います。
発達の段階で、親から言われたことなどが、自己肯定感などに、とても影響して、今のあなたを苦しめていることがあるのです。
親から言われたこと、行動などでスキーマ(思い込み)というのがあります。
- 親に見捨てられるかもしれない
- 親に拒絶されているかもしれない
- 親に嫌われているかもしれない
- 親から愛情、共感、保護を与えてもらえない
- 親から生まれつき欠陥のある人間だといわれる
- あなたは「英語が苦手なんだから」と言われて育った
- 仲間はずれで孤独だ
- 自分の力では何もできないと思い込む
- 病気、ダメージ、事故に対して無力だ
- 親に常に従い、親の期待に応えなければならない
- 自分はダメな子だ!常に失敗する
- 何でも欲しいままになる(過保護すぎる育てられ方)
- 自制、忍耐、責任を負うことが無理だ
- 親に服従しなければならない
- 親の犠牲にならなければならない(親の介護、ヤングケアラー)
- 常に評価や承認を求めなければならない(親に認めてもらいたい)
- 常に悲観的な予測どおりになる(マイナス思考)
- 感情を持ったり、表現してはならない(親の言いなり、鵜呑み)
- 常に完璧でなければならない(完璧主義、白か黒か思考)
- うまくいっていると奈落の底に落ちるんじゃないかと不安になる
このような思い込みや刷り込みは、今のあなたの生活にとって、とても生活しにくい問題となっていることが多いです。
「これは間違っている!」と気づくことが解決するヒントとなります。
ストレスがあると身体はどうなるのか
ストレスがあるとアドレナリンが出ます。アドレナリンは身体の反応としては力が入らなかったり、震えたりすることがあります。
交感神経が上がり、心臓がバクバクしたり、呼吸が苦しくなったり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりしてしまいます。
一時的には、良いのですが、ストレスが続くことが問題なのです。
ストレスに対抗して、コルチゾールというホルモンが出てくれるのですが、いつか枯渇して無くなってしまうのです。
ストレスは、副腎皮質を刺激するホルモンを出させます。脳からはアドレナリンをいっぱい出させます。すると偏桃体では息苦しさ、過呼吸などを引き起こしてしまいます。
不安をなくしていくためには副交感神経を働かせていくことが大切です。それには運動が必要なのです。
また甲状腺の機能が低下していると「うつ」のような症状が出る場合もあります。そして血糖値が低下すると不安になりやすいのです。女性ホルモンのエストロゲンが減ってくると不安になりやすいということもあります。ですので更年期の時には情緒不安定になることもあります。
パニックが起こる回路
パニックに対する恐怖(過去の出来事、パニックになった時のことを思い出す)
↓
感覚へのものすごい警戒心
↓
感覚の過敏、増強
↓
パニック発作
↓
パニックの恐怖を思い出す・・・(繰り返す、再発)
不安の種類
不安障害
パニック発作を繰り返す。女性が男性の2倍。動悸、汗をかく、口が乾く、頻尿、過呼吸などがあります。
広場恐怖
慣れた場所を離れて孤立することを怖く感じます。広場とは広い空間ではなく、屋外や公共の場という意味です。
乗り物恐怖、外出恐怖、街路恐怖、閉所恐怖なども含まれます。20~30代の女性に多いです。
社交恐怖
人と会うと過剰に緊張します。対人恐怖ともいいます。赤面恐怖、表情恐怖などがあり、本人は性格的なものと思っていることが多く、引きこもりになることがあります。
特定恐怖
対象が限定されています。特定の動物が怖い、暗闇が怖い、高所恐怖などがあります。
疾病恐怖
病気がうつってしまうかもしれないということが、恐怖です。感染症、不潔恐怖、強迫行為をしやすいです。
参考文献:「よくわかる!脳とこころの図解百科」より
不安を解決して自己肯定感を上げる秘密
この不安を解決するには「安心」が必要です。
まず、今からすぐできるのが、自己肯定感を上げていくことです。
それには「紙」と「ペン」を用意してください。注意したいのは人に褒められるようなことでなくても良いということです。
例えば、「朝自分で起きれました。」「朝食を食べれました。」「いただきますが言えました」「靴を履けました。」「服が着れました。」このような感じでいいのです。
自己肯定感というのは得意なところも欠点もすべて受け入れることが大切だということです。今のあなたは、「そのままで良い」ということなのです。
それでは、早速やってみてください。
- まずは、自分の好きなところを1分間で10個紙に書いてください。
- 最初はできないかもしれないが、毎日、練習してください
- スラスラ書けるようになったら声を出して読んでください
- 毎日、繰り返してください
さあ、どうですか?気持ちが軽くなってきましたか!どんどん自己肯定感が上がっていますよ。
不安で苦しむ方が喜んでいただけました
まとめ
- 自己肯定感を上げるには育った環境も大切
- 自分で抑圧していた感情にアクセスすることが解決に繋がることもある
- 不安の反対は安心、安心を積み重ねると自信になる
- 自分の好きなところを1分間で10個書けるように練習する