頭痛やめまい、身体のだるさ、やる気がしないなどで悩んでいました。
病院では鉄が不足している貧血といわれました。
鉄のサプリメントを飲んでいますが、あまり変わりません。
どうにかして早く今の不調をなんとかしたいです。
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
病院で検査してもらうと鉄分(フェリチン)が不足し鉄欠乏性貧血と言われ、めまいや頭痛などでお悩みの方がいらっしゃいます。
以前、女子陸上選手が鉄剤を投与したことがドーピング問題となっていたことがあります。当院のクライアントさまで大変なプレッシャーで陸上の女子選手が月経が止まり、その後。貧血で悩んでおられました。
病院では鉄分の多い食べ物やサプリメントをすすめられるのが一般的ですが、そもそも、吸収する器(うつわ)や合成に必要な他の栄養素、呼吸が浅く酸素不足になっているなどの問題があることが多いことに気づいていただきたいのです。
つまり、土台となる、ご自身のお体が問題なのです。
ですからサプリメントで鉄剤を飲もうが、鉄をたくさん含んだ食べ物を食べようが吸収しにくい可能性があることもあるということをわかって欲しいのです。
身体がだるく更年期障害のような症状、立ち眩みや眩暈で、お悩みの方は参考にしてみてください。
更年期障害のような「やる気がでない」「めまい」「頭痛」などが解決
鉄欠乏貧血で鉄剤を飲んでも良くなりにくい理由
鉄欠乏と鉄の吸収について
鉄欠乏性貧血になると、こんなことが起こることが多いです。
- めまい・頭痛
- 爪がスプーンみたいに丸い、平べったい、反りかえる
- やる気がしない・だるい・疲れやすい・食欲低下
- 動悸・息切れ
- 寒さを感じやすい・冷え
血液の中には赤血球というドーナツみたいな形のものがあります。
その赤血球はヘモグロビンを持っていて酸素をくっつけて全身を巡ってくれています。
だから、このヘモグロビンが少ないと酸素を運びづらいのです。
このヘモグロビンこそ「鉄」なのです。
鉄は主に十二指腸で吸収されます。
そして骨髄へ運ばれます。
ここでヘモグロビンが作られます。
とくに女性は
・生理中
・妊娠中
・授乳中
・閉経
これらたくさんの「血液」を必要としますので全てで貧血になる可能性がございます。
また鉄は鉄でもヘム鉄と非ヘム鉄があります。
ヘム鉄はレバー、肉や赤みの魚から摂取できます。
吸収率が10%です。
非ヘム鉄はひじき、プルーン、ホウレンソウ、野菜から摂取できるものです。
吸収率が1%なんです。だからポパイみたいにほうれん草をいっぱい食べてもなかなか吸収されないのです。
ベジタリアンで野菜ばっかり食べている人は特に注意してくださいね。鉄が不足してしまう可能性があります。
胃での消化吸収
食べ物を食べて消化して吸収する順番は、このようになっております。
口 → 食道 → 胃 → 十二指腸 → 小腸 → 大腸 → 肛門
胃の中のpH(ペーハー)
pHとは水溶液の性質を表す単位の一つです。溶液中の水素イオンの濃度を表します。
水質調査や食品の品質管理にも用いられます。 pHの値は通常1~14とされ、pH7を中性とします。pH7より低い方を酸性、高い方をアルカリ性といいます。
身体の中のpHはこのようになっています。
口(pH中性)→胃(pH1~3)→十二指腸(pH7の弱アルカリ性)→小腸→大腸
となっております。
吸収でいいますと胃で鉄が吸収されるにはpHは1~2でないと吸収できなくなっております。つまり消化と吸収には「胃酸」と「胃液の量と働き」が、とても大切なのです。
*ストレスなどで自律神経が乱れて迷走神経の神経伝達がうまく働かないと、この胃酸の分泌や胃液の量が間違った指令として胃に届けられてしまうのです。
また胃から小腸へ行き、吸収するためにはビタミンCが必要になってきます。だからビタミンCが不足していても鉄は吸収されにくいのです。
小腸での消化吸収がカギ
十二指腸で鉄が吸収されるにはトランスフェリンが大いに関係しています。
参考文献:「十二指腸粘膜の鉄吸収」より
栄養分は小腸から血管へ運ばれます。
それからトランフェリンという舟に乗っかって骨髄へ運ばれるのです。
骨髄へ運ばれたらヘム鉄とグロビンがくっつきます。
これはミトコンドリアのエネルギーでくっつくのです。そしてヘモグロビンとなります。
ただし酸素不足でミトコンドリアがうまく働いてくれないと、このヘモグロビンにくっつけることができないのです。だから酸素を増やすためにも酸欠にならないように正常な呼吸ができることがとても大切なのです。
このヘモグロビンは核があります。その核を取り除くことを脱核といいます。脱核しないと赤血球になれません。つまり大切な赤血球の役目である酸素の運搬ができないのです。
この脱核にはビタミンB12と葉酸が必要です。つまり、この栄養素が不足していると脱核できません。
つまり立派な赤血球になれないのです。
ここで、ようやく赤血球になります。ここまで12時間~24時間かかります。
赤血球は血管に入って酸素を運搬します。ここまでで120日かかります。
十分に働いた赤血球は壊れてきます。壊れた赤血球は脾臓へ運ばれます。
肝臓、脾臓で行われること
脾臓では壊れた赤血球を再利用できるように処理しております。
ヘム鉄とグロビンに分解されます。
そしてヘム鉄は鉄とビリルビンへ分解され肝臓へ行きます。
グロビンは骨髄へ運ばれてアミノ酸に分解されて使える形になり再利用されます。
肝臓では鉄とビリルビンに分解されています。
鉄は小腸から吸収され血管に入り、再利用されます。
ビリルビンは小腸から大腸へ行き、便として排出されます。この排出がされないと黄疸となります。
鉄を摂取しても鉄欠乏性貧血が良くならない理由
このように鉄が吸収するメカニズムにはいろんな問題があるのです。
これには自律神経がものすごく関係しています。
自律神経が乱れていると迷走神経などの胃腸などの神経伝達が正確に伝わりません。
つまり間違った指令がいきますので、鉄の吸収なんてできないのです。
だから、いくら鉄剤のサプリメントを飲もうが鉄を多く含んだ食材を食べようが自分の体が機能的にちゃんと働く状態になっていないと、はじめから吸収できないのです。
だから自律神経を整えることが、とても大切なのです。
鉄欠乏性貧血とは
こんなことでお悩みではありませんか?
- めまい
- 疲れやすい
- 肩コリ
- 冷え
- 風邪をひきやすい
- 少し動いただけで動悸がする
- 集中力の低下
- 憂鬱な気分
- 神経過敏
- イライラする、キレやすい
- 食欲が低下する
- のどがつまる感じがする
- 硬いもの(氷やせんべいなど)が食べたくなる
- シミやアザができやすい
- 髪が抜けやすい、髪にコシがない、髪に艶がない
- 足がむずむずして眠れない
- 爪が白い、扁平な爪、爪がやわらかい、爪が割れやすい
- アッカンベーしたら白い
鉄分が不足していないか調べる数値
説明 | イエローカード | レッドカード | 単位 | |
---|---|---|---|---|
フェリチン | 赤血球の外の貯蔵鉄 | 50未満 | 25未満 | ng/mt |
ヘモグロビン | 赤血球の中の鉄 | 13.5未満 | 12・0未満 | g/dl |
MCV | 赤血球の大きさ | 93未満 | 90未満 | fl |
TIBC | 鉄を運ぶトラック | 320以上 | 350以上 | ug/dl |
鉄をお金に例えると、ヘモグロビンはすぐ使うお金と同じなので財布のお金です。
フェリチンは、今すぐ使わないので銀行の貯金です。
2人に1人が鉄欠乏と呼ばれている現代の女性は、貯金(フェリチン)も、しっかりとキープしていただきたいと考えます。
自分で確認する方法
貧血かどうかは、ご自分で鏡でも簡単に確認もすることができます。アッカンベーをしてみてください。正常の場合と貧血の場合を見比べてみてください。貧血の方は白くなります。
*あくまでも参考程度にみてください。
自分で判断はしないでください。あくまで確認、参考程度に見てください。
”貧血”の診断は医師しかできません。詳しくは病院で診察を受けてください。
鉄不足を解消するには
やっぱり食べ物が思いつきますよね。
まずは鉄分の豊富な食材をご紹介してまいります。
動物性
- マグロ
- カキ
- アサリ
- 牛肉
- レバー
- カツオ
植物性
- ほうれん草
- 小松菜
- 切り干し大根
- ひじき
- プルーン
この中でも動物性の物の方が吸収率はいいです。
食べ物はチェックしていただいたと思いますが、これにはちょっと気をつけていただきたいことがあるのです。
それは小腸などの消化、吸収能力についてです。
いくら食べ物が良くても、消化や吸収する方が機能低下していると、うまく鉄分を増やすことができないのです。
そこで小腸の吸収についても、詳しくご覧になっておいてください。
え?鉄分を多く含む食べ物を食べても、すぐに貧血が解決するということではないのですか?
消化や吸収ということで考えたら、鉄のサプリメントを飲んでも同じなんですね。
実は、そうなんです。いくら良質のサプリメントを摂取しても消化、吸収側が機能低下していては、体内では活躍しにくくなってしまうのです。
当院の対策
当院の方針としては、4つのストレスを減らし、4つのストレス耐性を増やすことを考えております。特に構造的ストレスと体力をまずは上げていき、消化吸収能力もアップしていきたいと考えております。
そのために副交感神経の80%の迷走神経が元気になるような調整をさせていただいております。
施術では特に「呼吸」「血流」「リンパ」「脳脊髄液」などの改善をしていきます。身体を1つのユニットとして捉えてバランスを正常に戻し自然治癒力が働けるようにしていきます。
そして自律神経の働きを正常にしていきます。
日常生活で注意したい貧血予防
- タンパク質や鉄分などをできるだけ多くしてバランスの良い食事で良く噛んで1日3食を食べる
- 睡眠の質に注意して休息を優先する
- 適度な運動を心がける
- 深呼吸などで酸素をいっぱい取り込む
- 整体で体を調整し呼吸と血流を上げていき自然治癒力が働く状態をキープする
当院で症状がお辛かった方にマグネシウム不足の方がいらっしゃいました。
そこで食生活についても見直していただき、喜んでいただけました。
良かったらこちらもチェックしてみてください。
6つ以上は警告です。
マグネシウムは消化酵素や代謝酵素など、体の酵素を助けてくれています。
ストレスが長引くとコルチゾールやアドレナリンが増え、マグネシウムを消費しつくしてしまいます。
アルコールや糖質の過剰摂取でもマグネシウムが使われてしまいます。
マグネシウムが不足すると、最初は学習障害、記憶力低下、抑うつ気分が起こる事があります。
マグネシウムは穀物の糠や胚芽、ホウレンソウなどの野菜、ナッツ類、ゴマ、昆布やワカメなどの海藻、海苔、ヒジキ、イワシなどの魚、アサリやハマグリなどの貝類、カキやエビなどに多く含まれます。白米や精製された小麦粉を主体とする食生活では不足しがちになります。
私は「にがり」をお風呂に入れて入浴しています。これでも簡単にマグネシウムが吸収できます。
当院の症例
まとめ
- 胃酸の分泌による胃のpHは1~2
- 鉄が吸収されるにはビタミンCが必要
- ミトコンドリアが働くためには酸素が必要(呼吸が浅いと不十分)
- 脱核して赤血球になるにはビタミンB12と葉酸が必要
- 迷走神経が働くためには自律神経の乱れがあっては難しい
- 鉄欠乏性貧血の方は、アッカンベーで確認する
- 鉄を多く含む食べ物を食べる
- 鉄の塊でお湯を沸かして味噌汁を飲む
- 消化吸収能力が上がるような生活習慣を心がける
- ストレスを溜め込まないように注意する
- 適度な運動を心がける