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手を洗えているとは理解しているけれど「洗えてないんじゃないか」と不安になります。
仕事のミスがきっかけで何度も何度も数字を確認してしまうようになりました。
その頃から家の鍵も最低10回は確認するようになってしまいました。
この行為を止めたいのに止めれません。
どうしたらいいんでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
仕事でのミスがキッカケで、とても不安や確認に対する執着が強くなり、何度も確認してしまい、それを家族にまで強要してしまうようになられた40代会社員の女性です。
自分のルールやルーティンがあって他人が、それに従わないと不機嫌になってしまったりしてしまいます。完璧主義の方に多いです。
極端な不安症で親からも、かなり躾(しつけ)を厳しくされて育てられた可能性があり、極度の潔癖症の方などにも多くみられることがあります。
誰にでも性格というものがあって、それは特徴、個性(パーソナリティ)なんです。
ですがその行為が日常生活に支障が出る場合は、心療内科などの専門医にみていただくことも必要です。
強迫性障害は「脳の問題」のことがわかってきています。同じような、お悩みの方は、どうぞ参考にしてください。
強迫性障害を少しでも克服したい方
強迫行為や強迫観念への対応がわかる
強迫性障害とは
多種多様な強迫性障害、強迫観念がありますが大きく4つの種類に分かれています。
- 洗浄強迫(何度も手を洗う)
- 確認強迫(何度も鍵が締まっているか確認する)
- 整理整頓強迫(左右対称でないと気が済まない)
- 想像型強迫(車で人を轢いたかもしれない)
強迫性障害の症状
当院のクライアントさんで多いのが確認恐怖と洗浄強迫です。
洗浄強迫
酷い時には手洗いに2時間かかることもあります。
また雨が降っていて室内にいても、雨がかかったんじゃないかと強く思ってしまい汚く感じてしまうこともあります。洗濯物も「自分が汚れていると思い込む物」と「そうでない物」を完全に分けて洗ったりするので、一日に何度も洗濯することになり水道代もかなり上がってしまうことが多いです。
外を歩いていて鳩が鳴いていると糞が自分にかかったのではないかと想像して汚く感じてしまうこともあります。
外出先でトイレに行く事が出来ないことも多いです。汚れが伝染すると考えることが多いそうです。あまりにも外でトイレに行かないので(行けないので)膀胱炎になられた方もいらっしゃいました。
家の中でも「聖地」と呼ばれるような場所を自分で作り、家族でもそこに踏み入れられたくないように感じます。
つまり汚れを隔離しようと執拗にしてしまいます。
そして手を洗っても自分では不安になり、何度も家族に確認するようになってしまいます。これを「巻き込み」といいます。
ある程度は生活する上で大丈夫なのですが過剰に家族も巻き込まれないようにすることは本人の症状の緩和には大切なことです。全て言う通りに確認しない方が良い場合が多いです。
確認強迫
「泥棒が入ったらどうしよう」という不安、「火事になったらどうしよう」という不安などを強く感じてしまい、何度も何度も鍵やガスの元栓まで確認しないと外出できなくなってしまいます。
こうなってしまう引き金は「完璧主義」や育った環境で「強い躾」などの場合もあります。
ですが最近の研究では脳の神経伝達物質の影響が原因だとわかってきているのでセロトニンなど自律神経が正常に働いて安定していくような生活習慣やストレス発散などは重要だと考えます。
整理整頓強迫
何でも「とことんやらないと気が済まない」性格の方に多いです。左右対称でないと気が済まなかったり、家の物が同じ場所にないと気が済みません。キチンと並んでいないと気持ち悪く感じます。
当院のクライアントさんでは「5」という数字にだけ執着してしまう方がいらっしゃいました。学校の座席も前から5番目でないと気が済まないというような感じでした。
マイルールがあってルーティン通りにしないと気が済まないという感じです。
野球選手やサッカー選手でも、このような方が多いです。必ず左足からスパイクを履くなど「縁起担ぎ」がエスカレートすると日常生活に支障が出て強迫性障害になってしまうこともあります。
例えばイチロー選手のバッターボックスに入る前のルーティンなどもその1つです。
想像型強迫
頭の中でぐるぐる同じ事を考え続けてしまいます。妄想がとても得意です。
人間関係では「私は誰にも愛されていない」「今まで生きてきて一度も良いことがない」などと考えすぎてしまうこともあります。
車を運転していて人を轢いたかもしれないというような加害恐怖という想像もしてしまうことがあります。
でも実際には生まれてきて1つくらいは良いこともあるのです。極端な考え方をしてしまうこともあるのが問題です。
強迫性障害の方の考え方の癖
その人によって違いますが「考え方の癖」が日常生活に支障をきたし苦しめることになる事が多いです。これを認知の歪みといいます。つまり偏った間違った考え方ということです。
- 責任の過大評価(自分がやったことで迷惑をかけてしまう恐怖)
- 思っているよりも最悪のことが起こりそうだと思う(交通事故を起こしていないのに起こしたらどうなるんだろうと極度の不安になる)
- 考えた事が現実のように錯覚する(ふと触ったものが、とてつもなく汚いもののように感じてしまう)
- ふと思った事や考えが無視できなくなる
- あいまいな事が耐えられなくなる、許せない
- 完全主義(○○すべきであるという思考に囚われる)
- レッテル貼り(ある一面を見たただけて、その人が嫌いになったりしてしまう)
- 自分の過小評価(どうせ自分なんて何もできないと感じてしまう)
強迫性障害の特徴
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トリガーとなっているものが変化することが多いです。そして、この繰り返しが悪化していく原因となります。
普通の人から見たら、何てことはないことでも、OCD(強迫性障害)の方にとっては、とても拘りの強いもので、執着してしまうのです。この強迫行動は何かのストレスを減らすために代償としてやっていることが多いのです。
できているとわかっていても「できていないんじゃないか」と脳が誤作動を起こしてしまのが特徴です。
誰かの責任にするのではなく、自分の中で症状を作っているんだと気づくことが、このOCDを解決するゴールへの道となるのです。OCDの原因は「脳」です。
あるストレスとなる出来事などから身を守るための「自己防衛システム」とも言い換えることができます。
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だから、その行為そのものをしても悪化するだけで解決に繋がらないのです。
恐怖の対象は目に見えるものだけではありません。目に見えない菌などが飛んできているんじゃないかと妄想して、イメージを膨らませ、そうなってしまっていると感じてしまいます。
雨のしずくが地面に落ちて自分に降りかかってきているんじゃないかと感じてしまうという方もいらっしゃいます。
強迫観念というのは、勝手に膨らんでいってしまいます。確認をするほどに悪い考えが膨らむので、行動範囲が極端に狭くなってしまいます。すると、だんだん自宅から出れなくなってしまうこともあります。
- きっちりしていて仕事も責任感があり、義務を大切にし信頼される
- 自分を抑え、自分に厳しい
- 善と悪、白と黒がはっきりしている
- 間違いを犯すことは悪であるという強い信念がある
- できていないとイライラする
- ミスを犯すことは許されないので、「うつ病」や心身症になりやすい
- 頑張っても成果が出ない状況におかれることが強いストレスとなる
- 絶えず何かしていないといられず、のんびりできない
- 計画通りに実行することが最善だと信じている
- 努力は報われるという信念をもっている
- 強迫性障害の子供は、いつも追い立てられるように暮らすことになる
- すべての行動が楽しみよりも義務を果たすために行われる
- 生きることは苦行だという印象をもっている
- 物を捨てられない
- 融通がきかない
- 自分の身体でコンプレックスが強い部分がある(顔や手など)
- 捨てる事ができず、溜め込んでしまう
- 自分の匂いが気になる(マスクが外せない)
日常生活で困ること
- 先読みして疲れる
- 気をつかいすぎて疲れる
- 生活の制限が増える(鍵の確認に1時間かかたりする)
- 予想外に出来事に凄く不安になる
- リスクに弱くなる(「もしかしたら○○」とマイナスに考えてしまう)
- 何事も楽しむことができない
- 周囲にも自分のルールを押し付けるので、のびのび生活できない
- これ以上しんどくなるのは嫌だと想い、無気力になってしまう
- 考えすぎて動作が鈍くなり、動き始めるのも遅い
どうして悪化するのか
最初は「ちゃんと洗えたかな」「戸締りは大丈夫かな」と思い強迫行為をしてしまいますが、それほど感情は「嫌だ~」と強く感じないことが多いです。
それが、だんだん習慣化してきます。習慣化すると強迫観念が起こりやすくなります。すると綺麗でも「汚いんじゃないか」とぐるぐる回ってしまうようになります。こうなってくると、だんだん強迫行為が増えていくことが多いです。
すると生活に支障が出てきてしまうのです。
多くは、だんだん対象が広がっていきます。そして強迫観念を抑え込もうとすると余計に悪化してしまうものなのです。
そして強迫行為をしなくて済むように「回避行動」をとるようになります。
つまり「カギの確認をしなくてすむように外出しない」「手を洗わなくて済むように外出しない」「外出して帰って汚れた気持ちになったら服を捨てる」などの行動をするようになってしまいます。
悪循環の呪縛
強迫行為や考えは習慣になってしまいやすいです。
「○○しなければならない」と思い込んでしまいやすいからです。これは不安障害などでも起こります。不安が高まると1回の手洗いが3回になり10回になり・・・と増えてしまうことが多く、悪循環となってしまいます。
強迫観念の強い方は自分の考えや行為を正当化しようと無理矢理に考えてしまいがちです。
例えば「手洗いをしたから病気にならなかった」⇒「私の不安は正しかったんだ」という根拠のない考えが強くなってしまうのです。
このような考えは無視しようとしても無視できません。他人からしたら「そんなん気にせんかったらええねん」と言われたりしますが、そうはいきません。コントロールしようとすればするほど、頭ではグルグル回ってしまって不安になり執着してしまいます。
このように考えている時は嫌な気持ちになってしまいます。例えると「黒板に爪を立ててキー」とされるような嫌な感じです。そして避けようと必死に頑張ります。すると外出できなくなってしまう方も多いです。
ストレス耐性を増やすには「刺激」も必要です。あまりにも自宅や部屋に引きこもってしまうと外からの刺激にも弱くなってしまい、もっともっと外出できなくなってしまうことになります。
だから1分でも良いので外に出る、お日様に当たるなどをして欲しいのです。
また曖昧な状況に耐えられない性格の方が多いので何度も確認してしまったりします。中途半端を極端に嫌います。だから何か始める時も完璧を求めすぎて自分はできないというようにネガティブに考えすぎて、動くことが遅くなってしまうことが多いのです。
まずは動くことです。「見切り発車」で良いので1ミリでも動いてください。そしてほんの少しでも動けたこと、始められたことを自分で褒めるようにしてください。失敗を恐れないで小さな事から、やってみてください。
大谷翔平選手の通訳の水谷一平さんがギャンブル依存症ということで話題になっていました。そこで、強迫性障害とギャンブル依存症などの違いについて考えてみました。
どちらも「やめなければいけない」とわかっていてもやめられないということで共通するところがあります。
ですが根本的に大きく違うのは、ギャンブル、薬物、ゲーム、スマホ、アルコールなどの「依存症」は、その行為に対して快楽があることが多いです。
ですが強迫性障害は「苦痛しかない」という点で大きく違います。本当に強迫性障害は苦しいのです。
強迫性障害を克服するための方法
暴露療法というものがあります。簡単にいうと「スパルタ療法」です。例えば汚れたかもしれないと強く思い手洗いをめっちゃしてしまう方がいたら、思い切って「手を洗わない」ように我慢して、ある程度は洗わなくても感染しないし病気にもならないと自分で確認し、それを覚え込ませます。そして、その状態を慣れさせるのです。
そこで手を洗わなくても「死なない」「何も起こらない」「不安なことはない」「病気にならない」ということを確認していくのです。
確認恐怖の方は、思い切って鍵をかけずに外出してみます。でも泥棒も入らないし、大丈夫だったと自分で確認することが大事なのです。(防犯面で危険なこともあるのでオススメはしませんが・・・)
ただし根気が必要です。苦手なことにワザと取り組むので覚悟が必要です。一人でするにはハードルが高いことが多いです。だから最初は家族の助けも必要です。
なかなか続けることが難しくモチベーションを維持することは余程の意思の硬い方でないと難しいといえますので専門家の元でするようにしていただくのをオススメします。
認知行動療法について
まずやっていっていただきたいのはあなたが今、不安に思っていることや状況を書いてみてください。
そして、それに嫌な度合点数をつけていきます。更に、その時の感情を感じていき、別の考えはないかを自分で考えます。その後、再度感情にアプローチしていくというやり方です。
- 外のトイレの便座に触れる(100点)
- 鳩の糞が自分にかかる(100点)
- 公園のベンチに座る(70点)
- 自宅の玄関に寝転ぶ(30点)
まずは自分の嫌なことをこのように書き出してみてください。
認知行動療法の進め方
例えば、こんなことがあったとします。
外出していて道路を歩いていると、鳩が電線にとまっているのを見ただけで自分に糞がかかったかもしれないと思った。
①嫌な気分になったのは
鳩の糞が自分について汚れてしまったかもしれないと思った。
②その時、どう思った?それは10段階の何点?
とっても嫌な気持ちになり居ても立っても居られない状態になった。無性に手を洗いたくなり、服も全部捨てたくなった。糞が落ちて自分に当たったら気づくはずなのに、当たっていないとわかっていても汚れているんじゃないかという「不安」が起こる。そして「何で私に糞がかかるの~」という怒りで「イライラ」した。不安は「9」だった。
③その時に浮かんだ考えは?
- 糞がかかった服を人に見られたら恥ずかしい
- 糞が当たったかもしれないと思うことが不安
- いつも綺麗にしているのに、私に糞がかかるのは物凄く腹が立つ
- なんであんなところに鳩がいるのとイライラする
④認知の偏りはあるかな
次のような自分の認知に偏りがあるか確認していきます。第三者的、客観的に自分を見つめなおします。
- 白黒思考・完璧主義
- 過度な一般化(決めつけ)
- ○○するべき思考
- 選択的抽出(心のフィルター)
- レッテル貼り
- 結論の飛躍(先読みしすぎ)
- すべて自分の責任
- ネガティブ思考
- 過大評価・過小評価
- 過度なこだわり・感情的決めつけ
ここでは糞が自分に当たっていないのに当たったと決めつけて、その気持ちになってしまっていることが問題です。
思考の歪みでは「感情的決めつけ」「結論の飛躍」「ネガティブ思考」などがこれに当たります。
これを冷静に判断して、「本当にそうなの?」と自分に問いただしてみます。
⑤他にできそうな考え方はないかな
当たったかもしれない部分を目でみたり触れてみたりして確認してみたら、確実に当たっていないことに気づいた。隣の家族や友人に同じように確認してもらったら「大丈夫」だと言ってもらえて安心した。
例えば「もしも糞が肩に当たったとしたら、当たった感覚があるはずだから気づくはずだ」と丁寧に確認していきます。
⑥新しく考えた時の感情はどんな感じかな
もう一度確認して納得できたら、少しづつ不安が減ってきます。先ほどよりも手洗いがしたい衝動は少し減ってきます。すると不安はあるが「5」くらいに減ってくるようになってきます。
このように冷静に確認して、「鳩の糞が自分に当たったら感覚で感じるはずだ」、そして当たっても、洗濯したら良いし、それほど汚くないかもしれないと少しづつ思えるようになってくるのです。
家族と強迫性障害の関係
家族の中に強迫性障害の方がいると周囲の方にも大変な影響があります。家族への巻き込みがエスカレートしていくことが多いからです。自分のルーティンやルールがあり、そのルールから外れることを極端に嫌います。しかも、そのルーティンが日々変わることもあるので困惑してしまいます。
家族にも大きな負担がかかります。家族のサポートというのは間違うと悪化してしまうこともあるので注意が必要です。
強迫性障害患者と家族のサポート
家族は「見守る」ということも大切です。無視ではなく「何も言わず、そっとしておく」という手法です。時には巻き込みに対して意識的に付き合うこともします。正し「1回だけ確認するからね」というように全て巻き込まれるのではなく、限定するということも大切です。
また手洗いの見本をみせるということも効果がある時があります。「あ!これくらいの手洗いで良いんや」と確認して納得してもらえることもあります。
また「かまいすぎる」という過干渉でも、症状の改善が難しいこともあります。できるだけ、だまってアドバイスなども過剰にせず見守るようにしてください。
家族が気をつけるべきポイント
まず家族は強迫性障害の特徴を知っておくことが重要です。普通からしたらできているようなことも何度も確認しないと気が済まない病気ですので、理解が必要なのです。
止めたいと思っても止められないのです。例えば「蚊にさされた時に、かいたら腫れるのはわかっているのに、かゆい部分をかかずにいられない」というような感覚です。
だから本人が克服するために頑張っていることを認めて褒めてあげてください。
またリフレーミングを使う事も時には必要です。リフレーミングとは「言い換え」です。ネガティブなことでもポジティブに言い換えることで客観的に物事をみることができるようになり少しストレスも減ります。
リフレーミング
例えば、このように言い換えてみてください。少し心が軽くなりますよ。
ネガティブな言葉 | 言い換えると |
---|---|
何度言ったらわかるの? | どうしたら良いと思う? |
完璧主義 | 職人気質、責任感が強い |
小さなことにクヨクヨする、心配性 | 細かい事に良く気が付く、繊細で優しい |
集中力がない、気が散りやすい | 好奇心が旺盛、視野が広い |
好き嫌いが激しい、偏屈 | 感受性が強い |
人付き合いが苦手 | 自立心が強い、自分と向き合える |
失敗が多い | 挑戦したことが多い |
コンプレックスが強い、多い | ポテンシャルが高い、信念が強い |
普通、これと言った取柄がない | 安定している、バランス感覚に優れている |
できないことが多い | できない人の気持ちがわかる、合わせる |
強迫性障害の家族への理解と支援
理論的に説明しても納得できないことが多いのも知っておいてください。
例えば「外出していて帰ってきた時に着ていた服を家に入った瞬間に洗濯しなければ汚い」と思ったとします。「その服に菌が付いていても、病気になったことはないでしょ」と説明しても「頭ではわかっているけど汚いと感じてしまう」と納得できないのです。
すると「私の苦しみはわかってもらえない」というように関係性が崩れることもあるのです。
これには「確かに大丈夫だった」という体験をするとが必要です。自分で体験することで大丈夫と思えてくるのです。
また少しづつできることが増えてきますので、お互いに確認していってください。少しづつでも前に進んでいると理解できたらモチベーションが維持しやすくなって、更に前に進むことができます。
そして「苦しいよね」と共感することが解消への階段を上っていくことになります。
家族からの指示
- 具体的な指示を出す
- 「して欲しくない」ことではなく「して欲しい」ことを言う
ゲームばっかりしない、スマホばっかりしない
↓
たまには外で散歩してきたら - 「I(アイ」メッセージで話す
「お母さんは○○して欲しい」
日常生活での強迫性障害の克服法
白黒思考が強い方が多いので、「あいまいな物」と「ハッキリした物」を交互に触れてみて、大丈夫だということを少しづつ確認していくようにチャレンジしてみてください。少しづつ慣れてきて不安が減ってきます。
強迫性障害と日常的な行動パターン
強迫行動が酷くなると「やる事」「ルーティン」が増えていったりします。
例えば手を洗うという行為でも「数を数える」「歌を歌う」「お祈りをする」「3回確認したから大丈夫というような感じで自分で保証する」などのパターンになることが多いです。
そして家族を巻き込んで同じようなルーティンを強制することも多いです。何度も確認させらることもあります。家族もルールを決めて「3回だけ確認に付き合う」というルールにするのもオススメです。
強迫性障害との闘い方
洗浄強迫では過剰な手洗いは逆に不潔になることがあることも認識してもらいます。
過剰に手を洗う事で手の皮脂が落ちてしまうこともあります。また洗いすぎると常在菌で良い菌まで死滅してしまい、皮膚のバリアが薄くなってしまうかもしれません。
消毒のしすぎは逆に感染症にかかりやすくしてしまうのです。
リスクに耐える力をつける
例えばあなたは医師から「あなたの病気は手術をしなければ余命1年です。しかし今すぐ手術をすれば95%の確率で助かります」と言われたとします。
あなたならどう考えますか?
強迫性障害の方は5%の手術失敗の確率を気にしすぎて怯えてしまいます。つまり手術を選ぶメリットを選べなくなってしまうことが多々あります。
リスクが「0」ということは物事にはなかなか存在しないものだと理解するようにしてください。
これを少しづつ耐えられるようになってくることで解消に向かうのです。
「普通」に執着せずメリットがあるかどうかで判断
強迫性障害の方は「普通」がわからなくなります。例えば、外から帰ってきたら手を洗うのは普通なのかがわからなくなってしまうのです。
これをメリットがあるかどうかで判断してみると「さっさと1回だけ手を洗ったら、すぐにおやつを食べることができる」とメリットで考えるようにするのです。
「何度も手を洗う」、もしくは「普通の人は手をどのくらい洗うのだろう」などと考えすぎると時間も経過しますし、思考がグルグル回り気持ち悪さだけが残って、いつまでも手洗いを終えることができなくなるのです。
あなたの個性(パーソナリティ)を知る
- 細かいところにこだわりすぎてしまう
- 完璧にやろうとして、時間が足りなくなってしまうことがある
- 仕事や勉強に打ち込むあまり、娯楽や人付き合いは二の次になりがち
- 不正やいい加減なことに対しては許せない方だ
- 役にたたないとわかっていても、捨てるのは苦手である
- 自分の言う通りにしない人とは、うまくやっていけない
- お金はなるべく節約して、将来のために貯金している
- 頑固だと良く言われる
4個以上当てはまったら、強迫性パーソナリティ障害の可能性があります。
ただ性格がこうだからOCD(強迫性障害)になるとは、必ずしもいえません。その可能性、資質があるかもしれないという程度です。性格よりも育った環境、ミスできない確認などの仕事によって起こってしまうかもしれないのです。
育った環境では自己主張が抑えつけられて育ち、虐待を受けていたりした場合は、強迫性障害になりやすいともいえます。また他の精神疾患に比べると学歴の高い方が多いといわれています。ルールにこだわりすぎると誰でも発症する可能性があります。
インナーチャイルドといって育った環境によって「機能不全家族」の元で育つと、強迫性障害や他の精神疾患になることもあります。
- 虐待を受けて育ったり、親が育児放棄、夫婦喧嘩を見て育った
- 超過保護、超過干渉(なんでもやってもらって育った)
- 小さい頃から親の代わりに兄弟の面倒を見た、親が病気で介護していた、過度の親からの期待を受けていた(ヤングケアラー)
このような家庭で育ってしまうと、外からの刺激に対してバリアを作ってしまうことがあります。また不安傾向が強くなり、安全地帯がない状態になることもあります。つまり愛着障害ということになることもあります。
人とのコミュニケーションが苦手だったり、自分よりも他人が優先されて、迷惑をかけてはいけない、人を信じられない、自分の本音を話せなくなってしまうということもあるのです。
通常よりも気を使いすぎるので、当然、脳がものすごく疲れてしまいます。
未来や過去に頭がいってしまい、「今ここ」に目を向けることができなくなってしまいます。そうなると予期不安、モヤモヤした胸のつかえなどを何かで代償しようとしてしまいます。
それでアルコール依存症や強迫性障害になってしまったりすることもあるのです。
このような過去や未来に考えが集中してしまう方、何時間でも妄想してしまう方は、五感を使った今ここを感じるグラウンディングという訓練がオススメです。
効果的な強迫性障害の予防法
強迫性障害の予防法
良くなってくると手洗いの時間が短くなったり、お風呂に入る時間が短くなってきます。そうなった時には強迫観念が沸き起こることが多いです。すると再発を繰り返してしまいます。こんな時は次のことをオススメします。
- 絶対的な正しい基準を突き詰めすぎないようにする
- まずは行動してみて考えるようにする(妄想で不安にならないようにする)
- 認知行動療法を継続して続けていく
当院のクライアント40歳女性の場合
あるミスがキッカケで、とても落ち込んだ経験があるそうです。
精査や検査をする仕事で絶対に間違うことが許されないという事で何度も数字を見直し、それが毎回何時間も続き、強迫的に完璧にせざるをえない状況でした。
しかし、だんだん、その確認が度を越すようになり仕事は一生懸命されていますが手が遅いという苦情が出始めました。
毎日、上司に目の敵のように怒られて凹んでしまっておられました。非常にお辛い状況ですね。
不潔恐怖と洗浄強迫がありましたので、自分の寝ているところは「聖域」とみなします。
ベッドに入るまでに、ルーティンがあります。このルーティンを4時間かけてやっています。
当然、日常生活に支障が出て仕事もギリギリになってしまいます。
- 部屋のゴミを捨てる
- 床を拭く
- トイレに入り用を足して拭く(トイレットペーパー1ロール使うこともある)
- トイレ掃除をする
- 手洗いをする(ハンドソープでかなりの量を泡立てる、水は流しっぱなし)
- お風呂に入る(体も髪も陰部も念入りに気のすむまで洗うので冷えきってしまう)
- ベッドは絶対に汚したくない「聖域」となっているので、誰も踏み入れることはできない
家でも子供たちやご主人さんにも完璧を求め、「何時にお風呂に入りなさい!」「何時に寝なさい!」「靴下はここにこう畳んでおいて!」「洗濯物はここに入れて!」と、それはそれは細かく細かく決めて、それを完璧になるまで強要していたそうです。
また、ご主人はあまり気にしないタイプの人なので、ご主人に対して、いつもイライラしてしまいます。それが続くとイライラを爆発させてしまう時もあります。
普段は感情を押さえ込んでおられていて、そのストレスが強大にふくらみ、肩こりがひどくなったり、皮膚があれたり、便秘と下痢を繰り返したり、頭痛が起こったり、寝れなくなったり、寝ていると追い立てられるような夢をみたり、歯ぎしりをしたり、汗だくになったり、してしまいます。
いろんな身体の症状が出てきました。
当院の対処法
まずは、身体からの調整をさせていただきました。
背骨を調整し、骨盤や肋骨、首などを全体的なバランスを見ながら調整していきます。
体液の循環も意識しながら全身の調整をさせていただきます。
すると血流があがり、呼吸もしやすくなり、自然治癒力が活性され、身体が良くなろうと働いてくれます。
それと同時に4つのストレスを減らしていきます。そして4つのストレス耐性を増やしていきます。
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精神的ストレスとなっているものを少しづつ、必要があれば必要なタイミングで焦点化し、解決していきます。ワークなどでラクになられることもあります。それぞれのストレスを減らしていきます。
そして自分の問題に気づかれるようにサポートいたします。
あとは生活習慣を見直し、食べ物、飲み物、電磁波や冷え対策をしていきます。
するとストレスが減り、体力が増えていき、治癒力も上がってきます。
ストレス耐性については「情緒的サポート」「対処能力」「体力」「自己尊重感」これら全てを増やしていきます。
増やし方は、当院へお越しの時に直接、一緒にやっていきます。
強迫性障害の克服のヒント
自分がこのタイプだとわかって克服したい場合はこちらをご覧ください。
このような方はストレスに感じることを想いだすだけで筋肉が緊張して来られます。
すると背中の筋肉が硬くなり、背骨の動きも悪くなってしまいます。
当然、血流が悪くなり、脳の管理機能が低下します。神経伝達も悪くなります。
すると自律神経の乱れも出てきます。呼吸も浅くなり、酸欠が慢性の状態になってしまうのです。
そうならないように姿勢を正して、整体でカラダを整えるようにしてくださるのがおすすめです。
ご自分でも軽い運動をしてくださいね。本当に楽になられますよ。
不安を和らげる体操
まとめ
- 過去のトラウマや未来の予期不安が強い方は「今ここ」を意識する
- ストレスをうまく発散し減らす
- 4つのストレス耐性を増やす
- 今ココはグラウンディングをして五感を使って感じるようにする
- 家族のサポートも大切
- 心療内科で一度受診され認知行動療法なども試してみる