

喉の違和感があり関節のあちこちが痛いです。
病院で検査してもらったらリウマチではなかったです。
原因がわからず、不安になります。
どうしたらいいでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
喉の痛みや扁桃炎のあとに、関節の腫れや痛みが現れることがあります。
その一つとして考えられるのが、感染後に起こる「反応性関節炎」です。
ただし、喉の違和感と関節痛があるだけで反応性関節炎と判断することはできません。まずは内科やリウマチ科などで診察を受け、扁桃炎を繰り返している場合は耳鼻咽喉科にも相談してください。
- 発熱や喉の痛み、扁桃炎のあとに関節が腫れたり痛んだりした方
- 足首・手首・指などの関節痛や朝のこわばりが続いている方
- 扁桃炎を繰り返す時期に、関節の症状も強くなる方
- 関節リウマチなどの検査を受けたものの、原因がはっきりしない方
喉の炎症が関係する関節痛もあります
喉と関節は関係がないように思いますが、扁桃炎などの感染後に関節の炎症が起こることがあります。
関節リウマチを疑って血液検査を受けても、異常が見つからないことがあります。ただし、血液検査が陰性だからといって、関節リウマチを完全に否定できるわけではありません。
喉の痛みや発熱、扁桃炎のあとに関節の腫れや痛みが現れた場合は、反応性関節炎も鑑別の一つになります。自己判断せず、内科やリウマチ科で相談してください。
参考ホームページ:「扁桃炎に伴う反応性関節炎と扁桃摘出術の効果」より
喉の違和感だけでは反応性関節炎とは限りません

喉の違和感やつかえ感には、扁桃炎、甲状腺疾患、逆流、乾燥、アレルギー、嚥下機能の問題、筋肉の緊張、ストレスなど、さまざまな要因が関係します。
反応性関節炎を考えるうえで重要なのは、単なる喉の違和感ではなく、発熱・咽頭痛・扁桃炎などの感染症状が先にあり、そのあとに関節の腫れや痛みが現れたという経過です。
検査で異常が見つからない喉のつかえ感については、こちらの記事も参考にしてください。
喉の痛みや違和感が起こる主な原因を比較
喉の痛みや違和感があっても、原因は一つではありません。
なお、反応性関節炎は喉の病気そのものではなく、扁桃炎などの感染後に起こる関節炎です。喉の症状だけで反応性関節炎と判断することはできません。
自分で確認できるのは、あくまでも「見分けるヒント」です。症状が強い場合や長引く場合は、自己判断せず医療機関で診てもらってください。
| 考えられる状態 | 主な原因 | 医療機関での治療 | 自分でできる対策 |
|---|---|---|---|
| 風邪・急性咽頭炎 | 多くはウイルスなどによる感染 | 症状に応じた薬など。細菌感染が疑われる場合を除き、抗菌薬が必要とは限らない | 水分、加湿、睡眠を確保する。高熱や強い痛みが続く場合は内科・耳鼻咽喉科へ |
| 急性扁桃炎・溶連菌咽頭炎 | ウイルスや細菌による扁桃の炎症。溶連菌が原因になることもある | 診察や検査を行い、細菌感染が確認・推定された場合は抗菌薬などが使われる | 市販薬だけで長く様子を見ず、強い痛みや高熱がある場合は受診する |
| 反応性関節炎 | 扁桃炎などの感染後に起こる免疫反応が関係する関節炎 | 内科・リウマチ科などで、先行する感染や関節炎の状態を調べます。原因となる感染が確認された場合は抗菌薬、関節の炎症や痛みには消炎鎮痛薬などが検討されます。扁桃炎を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科と連携することもあります。 | 喉の症状が出た時期と関節痛が始まった時期を記録して受診時に伝える |
| 慢性上咽頭炎 | 鼻の奥にある上咽頭の炎症が長く続いている状態 | 鼻咽腔内視鏡などで上咽頭を確認する。医療機関によっては鼻の治療や上咽頭擦過療法(EAT)などが行われる | 生理食塩水による鼻洗浄などが提案される場合がある。EATを自分で行わず、対応している耳鼻咽喉科へ相談する |
| 咽喉頭異常感症(いわゆるヒステリー球) | 原因は一つではなく、胃酸の逆流、アレルギー、首や喉周辺の緊張、心理的負担などが関係することがあります。甲状腺疾患や嚥下に関係する病気などを除外したうえで判断されます。 | まず耳鼻咽喉科などで喉を確認し、見つかった原因に合わせて治療する | 症状が出る時間、食事、姿勢、緊張との関係を記録する。「ストレスだけ」と自己判断しない |
| 咽喉頭逆流症・胃食道逆流症 | 胃の内容物が食道や喉の方へ逆流し、粘膜を刺激する | 医師の判断で胃酸を抑える薬などを使用する。耳鼻咽喉科や消化器内科で相談する | 就寝直前の飲食を避ける、食べすぎや飲酒を控える、食後すぐ横にならない |
| アレルギー・後鼻漏 | 花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など | 原因に応じて抗アレルギー薬や点鼻薬、副鼻腔炎の治療などを行う | 花粉やほこりを避ける、室内を清潔にする。鼻症状も強い場合は耳鼻咽喉科へ |
自分で見分ける時のポイント
喉の症状だけでは原因を特定できませんが、次のような違いが一つの目安になります。
- 鼻水やせき、発熱もある
→風邪や急性咽頭炎の可能性 - 強い発熱と飲み込む時の痛み、扁桃に白いものがある
→急性扁桃炎や溶連菌感染症の可能性 - 喉の痛みのあとに関節が腫れたり痛んだりした
→反応性関節炎も鑑別の一つ - 鼻の奥の違和感や後鼻漏が長く続く
→慢性上咽頭炎などがないか耳鼻咽喉科で確認 - 食事はできるものの、喉につかえる感じが気になる
→咽喉頭異常感症などの可能性 - 食後や横になると悪化し、声枯れや咳払いもある
→胃酸の逆流が関係している可能性 - 花粉の時期や掃除の後に悪化し、鼻水やくしゃみもある
→アレルギーが関係している可能性
複数の原因が重なっている場合もあるため、一つの症状だけで病名を決めつけないことが大切です。
すぐに受診した方がよい喉の症状
次のような症状がある場合は、反応性関節炎や自律神経の問題と自己判断せず、医療機関を受診してください。特に、息がしにくい、呼吸する時に音がする、唾液も飲み込めない場合は、夜間や休日でも救急受診を検討してください。
- 息がしにくい、呼吸する時に音がする
- 唾液も飲み込めない、よだれが出る
- 水分や食事が取れないほど喉が痛い
- 喉の片側だけが強く腫れている
- 口が開きにくい、こもったような声になる
- 声枯れや飲み込みにくさが続く
- 首にしこりや腫れがある
- 血の混じった痰が出る
- 原因の分からない体重減少がある
呼吸が苦しい、唾液も飲み込めない、急に症状が悪化している場合は、急性喉頭蓋炎などで気道が狭くなっている可能性があります。症状が強い場合は、119番通報も検討してください。
片側の強い喉の痛み、口の開けにくさ、こもった声は、扁桃周囲膿瘍でもみられます。この場合も早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
声枯れ、飲み込みにくさ、首のしこり、血痰などが続く場合は、頻度は高くありませんが、咽頭がんや喉頭がんなどを除外する必要があります。
全身の関節が痛い
関節の痛みや炎症に対しては、医療機関での薬物療法が必要になることがあります。同時に、原因となる感染症や関節リウマチ、乾癬性関節炎、化膿性関節炎など、ほかの病気が隠れていないかを確認することが大切です。
喉の痛みや扁桃炎のあとに関節の腫れや痛みが現れた場合は、その経過も医師に伝えてください。扁桃炎などの感染後に、反応性関節炎が起こることがあります。
| 状態 | 主な特徴 |
|---|---|
| 関節痛 | 痛みはあるが、明らかな腫れや熱感がないこともある |
| 関節炎 | 腫れ、熱感、圧痛、動かしにくさなどを伴う |
| 反応性関節炎 | 感染後に関節炎が起こり、ほかの病気を除外して診断される |
反応性関節炎は「全身が何となく痛い」という症状だけで判断する病気ではありません。
反応性関節炎の治療と扁桃摘出術
反応性関節炎は、扁桃炎などの感染後に起こる関節炎です。治療は、原因となった感染や関節の炎症の状態に合わせて行われます。
関節の腫れや痛み、朝のこわばりが続く場合は、内科やリウマチ科などへ相談してください。扁桃炎を繰り返す時期に関節症状も悪化する場合は、耳鼻咽喉科にも相談してみてください。
溶連菌感染後反応性関節炎などの一部の症例では、扁桃摘出術後に関節炎が軽快した報告があります。ただし、現時点では症例報告などが中心で、すべての方に扁桃摘出術が有効とは限りません。手術の必要性は耳鼻咽喉科で慎重に判断されます。
扁桃と免疫について
扁桃についてみていきます。
喉の奥の方にあるんですね。
昔は扁桃腺と呼ばれていましたが腺ではないので今は扁桃と呼ばれています。アーモンドみたいな形をしているので扁桃といわれています。
扁桃は、口や鼻から入る病原体などを受け止め、免疫反応に関わる組織です。
扁桃には「陰窩」と呼ばれる小さなくぼみがあり、慢性的な炎症が残ることがあります。扁桃の炎症が離れた臓器の症状に関係する状態は「扁桃病巣疾患」と呼ばれ、反応性関節炎もその一つとして検討されることがあります。
ただし、扁桃が原因かどうかを一つの検査だけで判断することはできません。
当院でできる身体面からのサポート
反応性関節炎は、医療機関での診断や治療を受けることが基本です。当院では、医療機関への通院状況や検査結果を確認しながら施術を行います。
関節の動き、姿勢、筋肉の緊張、痛みをかばうことで負担がかかっている部分など、その方の身体の状態を丁寧に確認します。
体に強い刺激を加えず、痛みに伴う筋肉の緊張や動きにくさに対して施術し、日常生活を少しでも送りやすくなるよう身体面からサポートします。
当院の症例
医療機関で反応性関節炎と診断され、治療と並行して当院へ通われた50代女性の経過をご紹介します。近隣の市から40分ほどかけて来てくださっています。
最初はリウマチだと、思っておられましたが、「反応性関節炎」という診断だったそうです。
当院では、関節の動きや筋肉の緊張、背骨や全身のバランスを確認し、その方の状態に合わせた施術を行いました。
3カ月が経過した時に、「こわばりによる痛みが軽減してきた」と話してくださいました。
4カ月目には、ご本人から「痛みがかなり軽くなり、字を書いたり箸を持ったりする動作も少し楽になった」と伺いました。
今でも膝の痛みと右手の中指の痛みが少しありますが、定期的なメンテナンスをしつつ、少しでも生活がスムーズになられるようにお手伝いさせていただいております。
今後も一緒に頑張って全力でサポートさせていただきます。
※施術による感じ方や経過には個人差があります。
よくある質問
- Q喉の違和感と関節炎が関係するって本当ですか?
- A
喉の違和感そのものが関節炎を起こすわけではありませんが、扁桃炎などの感染後に関節の腫れや痛みが現れる「反応性関節炎」があります。
- Q喉の違和感や痛みがありますが、いろいろな病気の見分け方はありますか?
- A
鼻水や発熱を伴う場合は風邪、食後や就寝時に悪化する場合は胃酸の逆流など、症状の出方がヒントになります。ただし、喉の症状だけで病気を正確に見分けることはできません。飲み込みにくさ、声枯れ、首の腫れ、症状の長期化がある場合は、耳鼻咽喉科で確認してもらいましょう。
- Q上咽頭炎といわれ治療していますが、喉の違和感がなかなか消えません。どうしたらいいですか?
- A
慢性上咽頭炎は、治療を続けても症状がすぐに消えない場合があります。ただし、胃酸の逆流、アレルギー、後鼻漏など、別の原因が重なっている可能性もあります。改善が感じられない場合は自己判断で治療を中断せず、現在の状態や治療方針を耳鼻咽喉科で再確認してください。
- Qヒステリー球だといわれましたが、自分で何かできますか?
- A
ゆっくり息を吐く、首や肩の力を抜く、こまめに水分を取るなどで、喉の緊張感が楽になることがあります。症状が出る時間帯や食事、緊張との関係を記録することも役立ちます。ただし、実際の飲み込みにくさや声枯れが続く場合は、もう一度耳鼻咽喉科へ相談してください。
- Q逆流性食道炎があり、喉のつまり感があります。どうしたらいいですか?
- A
胃酸の逆流は、喉のつまり感や咳払い、声枯れなどに関係することがあります。食べすぎを避け、就寝前3時間ほどは食事を控え、食後すぐに横にならないようにしましょう。薬を飲んでも続く場合は、薬の量を自己調整せず、消化器内科や耳鼻咽喉科へ相談してください。
まとめ
喉の痛みや扁桃炎のあとに、手指や膝、足首などの関節が痛む場合、反応性関節炎が関係していることがあります。
ただし、喉の違和感や関節痛があるだけで反応性関節炎と判断することはできません。関節の腫れや朝のこわばりが続く場合は、まず内科やリウマチ科などで相談し、扁桃炎を繰り返している場合は耳鼻咽喉科にも相談してみてください。
当院では、医療機関での診断や治療を大切にしながら、関節の動きや筋肉の緊張、全身のバランスを確認し、痛みによって動きにくくなった体をやさしく整えていきます。喉の症状と関節痛が重なり、どうしたらよいか分からずお困りの方は、一人で抱え込まずご相談ください。

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喉の症状は、痛みだけでなく、つかえ感やイガイガ、咳、痰が絡む感じとして現れることもあります。症状に合わせて、こちらの記事も参考にしてください。
参考文献
- 『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』:堀田修
- 『自律神経を整える あきらめる健康法』:小林弘幸
- 小林茂人「扁桃炎に伴う反応性関節炎と扁桃摘出術の効果」口腔・咽頭科、25巻1号、47~51頁、2012年
- 谷口義典「反応性関節炎の診断と治療」臨床リウマチ、36巻4号、251~258頁、2024年




