更年期障害かしら?
夫が家に居るだけでイライラしたり急に涙が出てくることもあります。
上半身だけ汗をかいたり寝汗で下半身だけ汗をかくこともあります。
のぼせたり、ホットフラッシュやめまいや頭痛など、いろんな症状があり憂鬱です。
最近は、いろんな関節も痛くて腱鞘炎になりやすかったり、ばね指、ヘバーデン結節でも悩んでいます。
更年期の方でいろんな症状や心の落ち込みやイライラでもお悩みの方です。女性ホルモンの減少が著しい更年期の方は、心身ともに、いろんな不調が出てくることがございます。
少しでも、お悩み解決のヒントになれば嬉しいです。
更年期を今よりも少しでも過ごしやすくなる
女性ホルモンについて
女性ホルモンは月経などにより毎月の変化があり、また一生においても、変化がみられます。それにより、お身体や心にも影響があり大変負担のかかることもございます。
成熟期の20歳から40歳くらいの20年間はエストロゲンの分泌量も増えますがPMSや生理痛に悩まれる方もいらっしゃいます。それ以降は更年期と呼ばれ少しづつエストロゲンの量も減っていきます。
エストロゲンは脳の視床下部から「出してくださいよ」という指令を受けて卵巣から分泌されます。女性の一生かけて分泌される量はごくわずかです。エストロゲンは卵を成長させてくれたり、子宮内膜を分厚くして妊娠の準備をしてくれたり、髪の毛にツヤを出してくれたり、肌のうるおいをキープ、脳の発達、骨を強くしたり、炎症を抑えたりしてくれるホルモンです。
エストロゲンと同じようにプロゲステロンというホルモンも分泌されます。プロゲステロンは妊娠を維持してくれたり母乳に関係したり子宮や体内の水分の調整をしてくれるホルモンです。
この2種類が毎月交互にバランスよく分泌され、私たちを支えてくれているのです。
これらの分泌は「心」にも影響します。イライラしたり不安になったりするのは正常なサインなのです。しかしストレスが多すぎると自律神経が乱れ視床下部の指令にも影響が出るため、女性ホルモンにも影響が出てきます。
自分の体調をある程度判断できるのが「基礎体温」です。妊娠の希望だけではなく体調管理にも有効ですので基礎体温を測る癖をつけておいてください。ちなみに生理開始から排卵までは「低温期」、排卵から生理までを「高温期」といいます。
更年期障害の不調
このように身体全体に不調が出ることがあります。更年期の症状だと思っていた不調でも他の病気のこともありますので、まずは病院を受診してください。
お顔・頭 | ホットフラッシュ・皮膚粘膜の乾燥 頭痛・不眠・うつ状態・めまい・耳鳴り 口の乾き・息切れ・ドライアイ・物忘れ |
胸・肩 | 動悸・肩こり・息苦しい |
胃・腰 | 食欲不振・胃もたれ・腰痛 |
腸 | 下痢・便秘 |
下腹部 | 月経異常・性交痛・尿漏れ・頻尿 外陰部のかゆみ・骨盤臓器脱 |
手足 | 冷え・関節痛・湿疹・皮膚の乾燥 |
閉経後はメンタル面での不調が多くなります。メンタルを安定させるには「適度な運動」「睡眠の質を重視」「正しい食生活」「しっかり休む」「4つのトレスを減らす」などの生活習慣が特に大切だと私は考えております。
また症状を強く感じる人とそうでない人の差は性格や思考などが影響しているかもしれません。生真面目すぎる方や、自分よりも他人軸で生きている方、エクオール(大豆のイソフラボン)の作り出す機能の差が影響している可能性があります。
セックスがしたくないのも更年期の症状
更年期と性的興奮
男性と女性では性的興奮が違うと言われています。男性は性行為そのものが欲求ということだそうです。女性は愛されている実感を欲求するそうです。
また女性は更年期になるとオーガズムの回数が減ったり、膣粘膜に変化が出てきたり、収縮力も低下する方もいるそうです。
基本的には心身の健康が大切だという事が言えます。
性的興奮をすると皮膚や筋肉、脈拍、血圧、体温、発汗、感覚などに変化が現れます。当然、身体としては負担がかかるわけです。つまり楽しく過ごすためには、その負担に対して楽しいと思えるレベルで心身ともに健康である必要があるのです。
ちなみに女性のオーガズムの時には、脈拍は最大100~180回/分(通常時は50~70回/分くらい)、血圧はオーガズムの時には最高血圧30~80/最低血圧20~40mmHGくらい増加すると言われています。
参考:「現代性教育研究ジャーナル」より
更年期障害とセックスレスの関係
女性ホルモンのエストロゲンが減少する更年期になると精神的にもイライラしたり、身体の症状としてホットフラッシュが出たり、めまい、頭痛など辛くなってしまうことがあります。すると触れ合うのも面倒くさくなったり、イライラしたりしてしまうこともあります。
今までは女性ホルモンが守ってくれていたのですが、女性ホルモンが減少するとメンタル面でも身体の面でもストレスに弱くなり、ご主人に対しても、ストレスに感じることが多くなってしまうことも考えられるのです。するとセックスレスになってもおかしくないのです。
夫にされたくないこと
夫源病といわれるくらい家に夫がいるだけでイライラすることがあります。コロナなどの影響でお仕事のスタイルが変わってしまい、家にご主人がいる生活になった方もいます。家事を手伝ってくれるのはいいけど、やり方が気にくわない、二度手間になるといった声もチラホラ聞きます。
酷くなると触れられるのも嫌になるそうです。すると当然、セックスレスにもなる可能性が多くなります。
病院で相談すべき場合
性交痛がある場合もちろんですが、心の不調、なんとなくだるかったり、やる気がしなくなったりする場合でも漢方やホルモン治療などもありますので、悩まずに、まずは病院を受診されてください。
生理に関するお悩みの場合は「ピル」を服用することも選択肢の1つです。PMSや生理痛の苦しみからも緩和できる可能性があり生活が少しスムーズにできるようになる可能性があります。むくみから太るというお悩みの方も解消されるケースもあります。ピルを飲むと将来、妊娠できないというのは間違った認識です。むしろ不妊の原因とされる子宮内膜症の悪化を防いでくれることも期待できます。
生理が3か月止まったら「無月経」といわれています。無理なダイエットや強いストレスやプレッシャーなどでも起こることがあります。無月経になった中高校生の方が来られたことがありますが、その方は部活のストレスが原因でした。その場合、女性ホルモンの恩恵を受けられないので「肌が荒れる」「髪の毛が抜ける」「骨がもろくなる」などが起こり、心も落ち込みやすく身体にも痛みが出やすくなったりしてしまわれました。
また生理前は甘い物が食べたくなる方が多いです。これも正常です。女性ホルモンのプロゲステロンの影響で血糖値が乱降下します。すると甘い物が欲しくなるのです。ただし甘い物の食べ過ぎには注意してください。急に甘いものを食べると血糖値が急上昇して乱降下する可能性があります。できるだけ血糖値が急上昇しないGI値の低いものを食べるようにしてください。
腱鞘炎・ばね指・関節の痛み
腱鞘炎・ばね指のチェックリスト
上のようなことが5つ以上あれば腱鞘炎・ばね指になる可能性が高くなります。
腱鞘炎・ばね指・ヘバーデン結節
筋肉と骨をつなげるのは腱です。その腱はストローの中を通るようになっていて、そのストローみたいなのが腱鞘といわれます。特定のところを使いすぎると炎症を起こします。それが腱鞘炎です。
腱が腱鞘を通るときに摩擦がおこります。つまり、同じ動きの繰り返しが多いと摩擦が多くなって腫れてしまうんですね。
・ドケルバン腱鞘炎
・ばね指
大きく分けて二つあります。そして最近ではホルモンも関係しているのではないかといわれています。エストロゲンは腱や滑膜の腫れを和らげる作用があります。
だからエストロゲンが少なくなる更年期では腫れを和らぐことができなくなることも考えられるのです。できるだけ使わなくするようにしてください。
どうしてもの場合は手首にタオルなどを置き、手の角度を変えるだけでも少し腱鞘炎の予防になります。当院でもギプス固定みたいに固定して包帯を巻くこともあるんですよ。それだけ手首を酷使されている方が多いのです。
当院では、しっかりと施術させていただきテーピングをさせていただくこともございます。あとは予防としてストレッチをお伝えさせていただいております。
ヤル気がでない
睡眠不足が影響していることが多いです。ストレスがあるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールはストレス対抗ホルモンです。ですがストレスが継続的に強い場合はコルチゾールは枯渇してしまいます。
コルチゾールは深い睡眠の時(ノンレム睡眠)に減少しますが睡眠不足だと解消されません。ずっと高いままです。
ですので十分な睡眠を取る事がオススメです。またコルチゾールは涙で体外に排出されるので、週に一度は感動の涙を流すことも重要です。涙を流すことで体内のコルチゾールが減り、また作りなさいという指令を受けることができるからです。
うつ病のような症状
女性には「うつ病」のような症状になりやすい3つの時期があるといわれています。すべてエストロゲンの減少が関係します。エストロゲンは精神を安定させる働きがあるといわれています。
- 生理前
- 産後
- 閉経
こんな時は「まあええか~」と考えることも大切です。自分を許す、相手を許すことができたら感情もコントロールしやすくなります。またSNSなどで疲れてしまう方も多いので、時には「見ない日」を作るのもいいかもしれません。
私のオススメは「透明のバリア」を想像するというやり方です。この透明のバリアはミサイルでも跳ね返してしまうバリアです。そのバリアの中に自分が入り込んで守ってもらっているイメージを強く持ってみてください。少しのことなら、それだけでも心の安定に繋がります。
寝る前に、今日一日の「反省」をする人がいますが、寝る前は「今日あった3つ良いこと」を思い浮かべてください。それと反省するのは次につながることもありますが、後悔はしないように注意してください。クヨクヨ悩む種を育ててしまうことになるかもしれません。
そして時には周囲の人に弱音を吐いてみてください。
また腹の立つことがあったりイライラしたら「バカヤロー」と文句を言ってください。ただし怒りや文句は当事者ではなく第三者の人や自分のことを分かってくれる人、一人の時に車で叫んでみるのもオススメです。
これらメンタル的な不調も「心(感情)」と「身体」と「頭(思考)」は繋がっているので、まずは身体を整体で調整し安定させることが大切です。運動も大切です。
また「癒される」ということは副交感神経が働きます。ですのでパートナーとハグしたり、子供を抱っこしたり、ペットを抱っこしたりすることはオススメです。できるだけ可愛いもの、柔らかいものがオススメです。
美容的な悩み
特にお悩みで多く聞くのが「髪の毛が抜ける」「髪の毛の艶がなくなる」「下腹が出る」「二の腕が太くなる」「むくむ」「下半身だけ太る」「シワが増える」「シミが増える」「肌に潤いがなくなる」などの美容的なお悩みです。
これらも軽い運動と規則正しい生活習慣、そしてタンパク質や大豆製品などのイソフラボンを摂取することがオススメです。
5つの解消法
①腱鞘炎・ばね指の対策
最近、スマホの使用がものすごく増えていますよね。若い人だけでなく中高年の方も電車に乗ったら、ほとんどの人がやってますよね。そしてスマホやパソコンの使いすぎで腱鞘炎の方もたくさんいらっしゃいます。さらに更年期とよばれる時期はホルモンのバランス、とくに女性ホルモンのエストロゲンが減少します。
エストロゲンが減少すると炎症を抑えることが弱くなります。ですので、あまり使っていなくても関節に炎症が起こることがあるのです。だから更年期になりますと少しのことでも腱鞘炎やばね指になられる方がたくさんいらっしゃるのです。
スマホを片手で使わないようにしてください。両手で使うようにしてください。また使用時間は減らすようにしてください。姿勢にも注意してください。
②朝起きられない対策
まずは朝の起きる時間を決めて、少しづつ実行してみてください。朝起きれないから早く寝るというと、寝つきが悪くなることもあります。まずは起きる時間を決めてみてください。
③食べ物でオススメのもの
私がオススメしているのが「アーモンドミルク」と「大豆製品のイソフラボン」です。エクオールという量が減ると、エストロゲンが減少してくる更年期の方は、いろんな症状に悩まされることになります。ですので大豆製品はすすんで摂取するようにしてください。
④軽い運動
軽いリズム運動をすると「セロトニン」が分泌されます。特にフラダンスや盆踊りがオススメです。またこのようなホルモンのバランスは自律神経などとも関係しており、これらを一定に保つ「ホメオスタシス」というのも重要になってきます。
不安やイライラした時にも、軽い運動をすると精神の安定に繋がることも証明されております。尿漏れなどには「ひめトレ」で「骨盤底筋」をトレーニングするのもオススメです。
⑤美容的な対策
美容的な問題は基本的には生活習慣の見直しが必要です。そして肉、魚、大豆製品などのタンパク質の摂取がオススメです。運動で軽く汗を流すと、より一層、美容的な問題が解決しやすくなります。
病院選びの注意点
基本的には漢方とHRT(ホルモン補充療法)となります。あなたの体調に合わせて、お薬も変えてくれて、しっかりとお悩みを聴いてくださる病院がオススメです。
当院での施術
当院には40~60代のクライアントさんが多いです。ですので更年期でお悩みの相談をよく受けます。施術をさせていただき、症状はかなり緩和されてきて日常生活はスムーズに過ごせる方がほとんどです。
当院の施術では肘の内側、手の平のカクンとなる場所の左右、前腕全体の筋肉の緊張、指の関節の柔軟性などをしっかりと施術していきます。お家でできるストレッチなどもお伝えします。
注意したいこと
お仕事をされながらということですと、良くなる期間は長期になってしまうこともありますが、自宅でのケアなどもご指導させていただき、手術せずにキープできている方もいらっしゃいます。
できるだけ酷使しないようにご注意ください。
当院で元気になられたクライアントさん
まとめ
- 5つの生活習慣に気をつける
- 睡眠の質を上げる
- イソフラボンなどの大豆製品、タンパク質をしっかり食べる