親から厳しく育てられ、子供の頃から文句もいわずに育ちました。
我慢することが当たり前で、ほとんど怒られたことはありません。
でも、それが苦しくて大人になってから、とっても辛くなりました。
最近、息苦しく感じます。
こんな性格が影響しているのでしょうか?
「あんたは運動も勉強もアカンから愛想だけでも良くしとかなアカン」と言われ続け、自分もそうなんだと思い込んでいました。
今でも自分は、どうせ何もできないんだと思ってしまいます。
なんとかならないでしょうか?
このようなお悩みの解決のヒントになれば嬉しいです。
「認知の歪み」をご存じでしょうか?
30代主婦、パニック発作でお悩みの女性が来てくださいました。
この方は、とても「認知の歪み」があり、自分に対して自信がなく、それが引き金で不安が、なかなか減らず、毎朝、パニック発作を起こしてしまわれます。
当院で施術をさせていただき、メンタル面のサポートもさせていただき感情や思考をコントロールできるようになられました。
解決法をお伝えしますので同じようにお悩みの方は、どうぞ参考にしてください。
認知の歪みが生き辛くさせる
認知の歪み
「認知の歪み」というのは誰にでも育った環境などによって少なからずあるのではないかと想います。
特にお父さん、お母さん、養育者や先生などから聞いた話、言われた言葉などは子供の頃であれば、疑いもなく正しいと思っています。
それが大人になっても、ご本人を縛りつけて苦しくなっておられることもあるのです。
当然、私にもあります。
私の場合は「男のクセに泣くな」です。でも男でも泣いてもいいんです。と最近、理解しました。(笑)
そのあなたが「正しいと思い込んでいる」ことを一度、深く見直してみませんか?
その事に気づくことで日常生活が楽になられる方もいらっしゃいます。
心が不安定な方は認知の歪みがあるかもしれない
みんな育った環境が違うのです。
よく「価値観が違う」といいますよね。その価値観みたいなものです。
誰にでも考え方の癖があるのです。
あなたは今まで生きてきて、いろんな経験をしてきて、そして今のあなたがあるのです。
どんな思考の癖があるのかを、じっくりみていきたいと思います。
認知の歪みとは
- 完璧主義
- 一般化のしすぎ
- 心のフィルター(「いい事なんて1つもない」みたいに極端な物の考え方)
- マイナス思考
- 結論の飛躍
- 感情的決めつけ
- レッテル貼り
- 個人化
- すべき思考
- 白黒思考
全か無か思考
完璧主義の方の思考です。
白か黒かハッキリしないと気がすまないのです。
「この計算問題は絶対に間違ってはならない」「計算ミスは絶対に許されない」「1つでもミスしたら全部失敗したのと同じである」
このような考え方です。
このような親に育てられた子供はどうなるでしょうか?
「僕は失敗ばかりで悪い子だ。お母さんの言う通りできないアホだ」となってしまいます。
自己尊重感が低くなってしまうのです。
とっても綺麗好きの方がいるとします。
ゴミ一つ落ちていないとします。
でも部屋の掃除は全て24時間、完璧ですか?
人間のやることに完璧というのは無いに等しいことが多いのです。
専門的には二分法思考といいます。「ゼロか100」「全か無」「白か黒」と両極端の考え方をしてしまう方です。
一般化しすぎ
「いつも」「すべて」「絶対」というのが口癖です。
「いつもこうだから失敗するに決まっている」みたいな感じです。
ある意味、思い込み、自己暗示ですね。
強い思い込みで他をシャットアウトしてしまいます。
一般的だという思い込みで、「みんながこう言っているから、こうに決まっている」みたいに囚われてしまいます。また自分がこう思うから、絶対間違いないという考えの方も、この考え方に近いです。
心のフィルター
「今まで生きてきて、良いことなんて一つもない」というような感じで、マイナスのことしか頭に入ってこない状態です。
これは選択的抽出といって自分にとって良い事が少しくらいあるのに、それを見ない様にして悪いことだけを選択的に考えるようにしているということです。
うつ傾向の方に多いです。
プラスのことも悪くマイナスに考えてしまいプラスを遮断します。
自分でそのように強く念じてしまうと、そうなってしまうのです。
先日、お越しくださった方に施術の後になると、しんどくなるという方がおられました。
好転反応だと説明しておりましたが、マイナス思考になると、そのループから逃れにくいので、一度、パターンを崩すことも必要なことがあります。
マイナス化思考(プラスの否定)
心のフィルターは良い部分を遮断してしまいます。
マイナス化思考は良い事もマイナスに考えるということです。
たとえば、「教室のゴミを拾った」とした場合、ゴミを拾ったけど、皆に良い奴だと思われたいばっかりにやっているだけで、どうせ「自分は腐った偽善者だ」と自分を卑下するような解釈をしてしまうのです。
結論への飛躍
心の読みすぎ
その人の断片的なところを見て、その人がどう思っているか決めつけてしまう。
先読みの誤り
誰もわからない未来を断定的に決めつけて思ってしまうこと。
「どうせ私は一生独身だ」みたいな感じです。
拡大解釈と過小評価
自分の間違ったことを必要以上に大きく考え、自分のうまくいったことは極端に小さく考える思考のパターンです。
日本人の特徴で謙遜というのがありますが、そんな感じです。
人に対しては逆に考えるパターンがあります。
自分に厳しく、他人に寛容ということが多いです。
感情的決めつけ
自分の感情を根拠に、決めつけてしまいます。
「俺がこんなに怒っているんだから、あいつは本当に馬鹿なやつだ!」みたいに、すべてを決めつけてしまうのです。
ワンマンの経営者に多いタイプです。
他人の意見を聴かない、もしくは意見を言ってくれる仲間や右腕が居ない状態です。
お山の大将のようになってしまうこともあります。
状況などによっては、以前の経験したことと別の結果になることもあるにも関わらず、決めつけてしまいます。
すべき思考
「~~するべき、~~しなければならない」というのが口癖です。
「男だから泣いてはいけない」というのもその一つなんですね。
「女の子だからおしとやかにしなさい」「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」などもそうです。
料理は嫌だけど子供がいるから仕方なくやっている=お母さんだから料理を作らなければならない!
こんなママさんは、たくさんいらっしゃいます。
レッテル貼り
「まったく私ってヤツは・・・」というのが口癖です。
一般化のしすぎという感じです。
柔軟性のないイメージをつくりあげて固定してしまうのです。
ある一面だけを見て、すべて悪というような解釈をしてしまいがちです。
陰と陽があり、良い事も悪いこともあります。
すべてが良い、悪いではないのです。逆にマイナスのことも必要だと考えることができるなら、すべてが必要なことだと理解できるのです。
例えば、ガンになったとします。でも手術ができるところで完治できたとします。
これを「なんで私だけがガンにならないといけないの!」と僻むより、「生活習慣を見直しなさいと身体が教えてくれたんだ、手術で治るということは、生かされているんだ。ありがたいな」と考えることができるのです。
個人化
必要以上に自分に責任があるという考え方。失敗したのは、全て私の責任だ!というような感じです。不登校のお子さんがいるお母さんに多いです。「子供が学校に行かないのは私のせいだ」というような感じです。
この逆が責任転嫁です。
認知の歪みは悪いものではなく「思考の偏った癖」
認知の歪みって、誰にでもあるものだと思います。
それこそ完璧な人はいないんです。
テストの点数で例えると
学校のテストが1教科だけ返ってきました。
そこで、こんな例で考えてみます。
全か無か思考
99点だった。
でも100点でなければ0点と同じだ。
一般化のしすぎ
30点だった。
他の教科も低いに違いない。
心のフィルター(マイナスだけに注目する)
60点だった。
40点も間違った、私は、なんて馬鹿なんだ。
マイナス化思考
100点だった。
今回たまたまマグレだった。
基本的に私はバカだから。
結論の飛躍
心のよみすぎ
30点だったので皆に笑われた。全ての科目の勉強ができない馬鹿なやつだと思われただろうな。
先読みの誤り
頑張ったのに50点だった。これじゃあ、進学は無理に決まっている。
拡大解釈と過大評価
拡大解釈
30点だった。もう終わりだ。卒業なんてできないに決まっている。
過大評価
100点だった。超簡単だったから、みんなも同じように点数は良いに違いない。どうせ自分なんて大したことないに決まっている。
感情的決めつけ
20点だった。人生終わった。イライラする!もう、やけくそだ!
すべき思考
20点だった。テストでは常に80点以上とらなければならないのに。
レッテル貼り
10点だった。もうダメだ。人生終わった。自分は勉強はできない。取柄がない。
個人化
30点だった。クラスの平均点が悪かったそうだ。皆の点数が悪かったのは自分の責任かもしれない。
誰にでもあるもの
こんな思考は本当に誰でも少しは持っておられます。でも執着しすぎると生きていくのがお辛くなられるのです。
思考、認知の歪みを本人に気づかせることで新たに認知の改善を図るというものがあります。
参考文献:「心理学概論」より
あまり執着しすぎないようにしたいですね。
でも脳や自律神経は考えたくなくても考えてしまうものです。
否定形が通じませんから・・・どうすればいいのか?
認知の歪みの修正の仕方
トリプルカラム法
①状況を把握して、自動的に考えてしまう「思考」や気持ちなどを「書き出す」
②認知の歪みに気づく
③適応的思考として、第三者的な視点から、どう考えたら良いのか書き出す。そして今の気分を書き出してみる
例えば
お母さんから「あなたは勉強ができないから」と言われ続けていたとする。すると勉強が全部できないと思い込んでしまう。
①学生時代から勉強はできないと思いこんでいるので、会社で仕事を頼まれても、「どうせ、私なんか、何もできない」と考えて落ち込んでしまう。とっても悲しい。
②一般化、マイナス思考、過小評価、レッテル貼りなどの認知の歪みがあると気づく
③私でも、できることがあるんじゃないかと考えてみる。100%何もできていないんだろうか?本当にそうなのかな?「全て」という「決めつけ」をなくしていく。
「どうせ、私の体の不調は治らない」と決めつけてしまう方がいます。すると脳はイメージしてしまうので、本当に治らなくなってしまうのです。
少しでも良くなっていることを確認(客観的に)することによって、「なんか治っていきそう」と思えてきます。こう考えることが大切です。自分で治りにくくしないでくださいね。
認知行動療法をやってみる
冷静に考えて「もっとこう考えたらどうだろう」と思考の歪みを、自分の中で変換していきます。するとストレス度合も減ってくるものなのです。
当院で良くなられた方
どんなことでお悩みでしたか
すぐに疲れて、しんどくなってしまう。
少し疲れると動悸が起こり、疲れから、だるさが出てしまうと1週間寝込んでしまう時もあり、動悸、息苦しさも2週間続くこともありました。
何がきっかけで当院の施術を知りましたか
知人の紹介で知りました。
すぐに予約されましたか
とても辛い時だったので、すぐに連絡しました。
何が決め手で受けていただきましたか
漢方やサプリも試しても、なかなか良くならず、自律神経専門に治療して頂けるという事で受けてみようと思いました。
施術を受けてみてどうでしたか
何度か施術を受ける事で気持ちも楽になり、眠れるようになり、また疲れにくくなって、出来る事が増え、それが自信につながるようになりました。
HYさん
HYさん
本当にお辛かったですね。
自分の価値観や思考の癖に気づくことは傷着くことになる事も多いです。私もそうでした。正しいと思って今まで生きてきたことを否定された気持ちになることもあります。
でも新しい自分を見つけてしっかりと不安をコントロールできるようになれば、今よりももっと過ごしやすくなります。
今後も全力でサポートしますので、どうぞ宜しくお願いします。
まとめ
- 自分の考え方が全て正しいと思うと辛くなることが多い
- しなければならないと思い込むと余裕がなくなる
- 認知の歪みがあることに気付くことで修正する一歩となる
- 自分を許すことができたら、今よりも楽に生活できるようになる