不安に感じることが多く、泣けてきます。
考えたくなくてもグルグル不安が襲ってくる感じです。
私なんてどうせダメだし・・・と悲観的に感じてしまうことが多く情けないです。
何か自分でできる対策などはありますか?
このようなお悩みを一緒に解決します。
先日、不安に感じると泣けてきて、マイナス思考の癖が働き、やる気もなくなってしまうというご相談を受けました。ぐるぐる不安が襲ってきて息苦しくなり日常生活で困っているそうです。
そこで自分でできる対策としては「笑顔」がいいですよ!とお話させていただきました。
そのヒントになったのは素敵な笑顔のバスの運転手さんです。
私が通勤する時に毎朝出会います。その運転手さんは、いつも素敵な笑顔で運転されているんです。
不安は無意識に考えてしまっていることが多いです。その事にも触れ対策を一緒にやっていきます。どうぞご覧になってください。
- 不安が減る
- 自分で不安をコントロールできるようになる
不安がぐるぐる回るのは無意識領域
大阪大学の教授の研究に、面白いものがあります。
「意識」は、いつ生まれるのかという研究です。私たちは目に見えているものが見えてから体を動かしているというだけではないということです。特に危険だと察知した時は視覚で感じるよりも先に体が反応してくれるというのです。
目で見たものは脳で処理されるまで0.1秒以上かかります。でも意識していない状態、つまり姿が見えなくても何かいると感じるというのは無意識の領域です。その無意識の領域というのは、もっと瞬間的なものなのです。不安というのは「意識」でも「無意識」でも働いてしまうものなのです。
だから不安が強い時には無意識に感じてしまうので、当院では何か別のことに集中することが大切だとお伝えしているのです。
自分で気づいていない無意識の領域で不安に感じるのは0.001秒~0.003秒といわれています。これは不安を早く感じないと命にとって危険だと脳が判断しているからなのです。ただし、不安を感じるメカニズムは全てがそうではなく一部分だけなのです。
不安に感じることもあるけど、「今はテレビを見ているだけ」と客観的に認識することで不安が減っていくのです。
参考:「意識はいつ生まれるのか」大阪大学教員による講義より
幼稚園のバスの運転手さんの笑顔に癒される
私は名前も知りませんでしたが、いつもこの方を見習おうと想って自転車をこいでおります。
ある時、そんな話をしていたら、ある患者さんが、その方は田○さんという方で「いつもニコニコ有名な方ですよ」と教えてくださいました。
「笑顔の素敵なバスの運転手さん」
でも子供たちが危ないことをした時は、きっちりと注意してくれるそうなんです。
お母さんの間でもすごく評判がいいそうです!
やっぱり、笑顔って大事なんですね!大切な気づきを、ありがとうございます。
感謝いたします。僕も見習います。
笑顔を分析する
外国からみると日本人って本音と建て前を分けて、真面目で冷たくて神経質で気難しい人が多いと思われているそうです。
ある調査では日本人は無表情の方が多いと言われているそうです。欧米人はオーバーアクションで表情豊かだと言われています。
日本人の顔を見てみると眉間にシワを寄せている人が多いと思われています。
表情筋と脳は直結している
表情筋は、ほぼ自分の意志で動かすことができます。これを随意筋といいます。
ちなみに自分の意志で動かせない筋肉を不随意筋といいます。
心臓などの自律神経が支配する筋肉です。
顔の筋肉は、笑った顔になるには、いろんな筋肉が働いてくれます。
表情筋には、前頭筋、眼輪筋、頬筋、口輪筋、咬筋、オトガイ筋、笑筋などがあります。
この筋肉は脳と直結しております。
そして直結することで感情にも影響を与えることがわかっているのです。
簡単にいいますと演技で悲しい顔をしたりすると悲しい感情になり、涙を流すこともできるのです。
逆に笑っていると脳は楽しいと錯覚し、喜びという感情になるように体が反応してくれるのです。
だから面白くなくても笑うということで、脳は騙されるのです。
だから笑顔で過ごすことが大切なのです。
いつも難しい顔をして居る方は、どうぞ笑顔になってください。
ひとつポイントとしては、感情は表情にあらわれるということです。
私は以前、笑いヨガを体験させていただきました。とっても楽しくて汗をかきましたよ。
無理矢理でも笑顔になると脳は騙される
生まれつき全盲の方でも、面白いことを経験すると自然と笑顔になるそうです。
誰の笑顔も見たことが無くても、自然とできるんです。
これは心の状態を体が自然と反応している状態といえるのです。
そして人が影響を受ける情報としては、言葉(メールなど)7%、音(声)が38%、目(表情や仕草)が55%といわれています。これをメラビアンの法則といいます。
ですので自分の笑顔の表情を鏡で見るということも有効なのです。
レスポンデント反応
反射的な反応です。環境に応じて反応するので受動的な反応で意志的ではない反応となります。生きるためには、必要な反応です。
パニック障害や広場恐怖など、条件付けされて症状を引き起こす場合も、これにあたります。
パブロフの犬というのをご存じでしょうか?
毎日、ベルが鳴って犬を呼んでから餌をやるとします。すると犬はベルの音を聞いただけで餌がもらえると思い、よだれがでます。
条件がそろうと体が反応するということです。
オペラント反応
行動することで環境に変化するという反応です。笑顔でいると脳は楽しく感じるということになります。意志的反応とも言われます。
レスペラント反応
反射と意図的反応の両方を含みます。無意識的な反射と意志的反応の両方が含まれています。主として筋骨格系の反応です。
- 呼吸反応
- 筋反応
- 表情
- 発声
- 姿勢反応
- 歩行反応
- 対人距離反応
- 対人接触反応
プラシーボ効果を使う
上の新聞記事はマウスの実験です。
マウスに過去の楽しい記憶を思い出させることで「うつ」状態を改善させるということがわかったということです。
当院では、これを応用した心理セラピーをさせていただいております。
自己暗示をかける方法で、かなり心理的に楽になられる方が多いです。
先日では電車に乗れない方が飛行機に乗れるようになられました。
笑顔になることで幸せに感じる
私たちは「ワクワクする」、「楽しい」、「幸せ」と感じると、自然と笑顔になります。
そして脳からはセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。
前述のように本当に幸せと感じなくても口角を上げるだけでも、このホルモンは出てくれます。
形だけの笑顔でも幸せホルモンが出るてくれるのです。これは科学的にも証明されています。
「心からの笑顔」だけでなく、「作り笑顔」でも、幸せホルモンの分泌を促します。
つまり笑顔には、素晴らしい効果があるのです。
ストレスを感じるときこそ、笑顔を意識してみてくだだい。
気分も明るくなります。
さらに、幸せホルモンが適度に分泌すると、腸の働きがよくなるので、便秘改善効果も期待できます。
落ち込んだとき、つらいときこそ、口角を上げてニコッと笑ってみてください。
割り箸を奥歯で挟む
口角を上げることで脳に変化が出ることは前述いたしました。
そこで、奥歯に割り箸を挟むことで、わざと笑顔を作ってみるのをご紹介します。
これだけでも、かなり変化が実感されますよ。
不安を感じる時の対策
最近は、マスクで相手の表情も半分見えません。
これは呼吸の問題もありますが、メンタルへの影響もあると私は考えます。
メールだけで物を伝える場合と、電話で話をする場合、そして面と向かって会う場合です。
やはり私は目の前で会うというのが一番伝わりやすいように感じます。
だから、少人数で外で自然の中だったら、たまにはマスクを外して笑ってみるのもいいのではないかと考えています。
笑うことで不安にばかり考えていたことが、明るくなり活力も元気も出てくるのです。
別のことを考える
瞑想やマインドフルネスなど、別のことに集中することで不安は減ります。体の感覚を細かく感じることも有効です。
運動をすると偏桃体が刺激され交感神経が抑制される
運動をすると「疑核」が刺激されます。すると交感神経が抑制されて副交感神経が働きやすくなるのです。こちらを参考にしてください。
思考を変換する
客観的に自分を見つめなおして、「その不安って本当に・・」と自分に問い直してみてください。客観的にみることで冷静になれることがあります。
まとめ
- 作り笑いでもいいので口角を上げて「笑う」
- 表情筋を使うことで相手にも良い影響を与える
- 姿勢を正し、笑顔でいることで血流アップ、免疫力アップが見込める
- 奥歯に割り箸を挟み「笑顔」を作る
- 幼稚園バスの運転手さんのように運転中も笑顔を忘れない
参考文献:「動きが心をつくる」より:春木 豊 著