

脳内麻薬というのがあって痛みなどのコントロールなどしてくれているそうですが、ストレスが強くてこの脳内麻薬が分泌されにくくなることがあると聞きましたが、どうなってしまうのでしょうか?
このようなお悩みを解決します。
自分の脳から出ている脳内麻薬について考えてみます。
もしも、ずっと痛みや不調がよくならない方は、ストレスなどの影響で脳内麻薬が少ないのかもしれません。
どうぞ参考に、ご覧になってください。
- 原因不明の長期の異常な痛みでお悩みの方
- ストレスが継続して強すぎると思われる方
脳内にある脳内麻薬
脳内麻薬とは、脳内に自然と存在する化学物質です。今のところ、エンドルフィン、ドーパミン、エンケファリン、セロトニン、ノルアドレナリンなどが知られています。
モルヒネなどの麻薬とよく似ているため、脳内麻薬と呼ばれています。
ちょっと幸せ感が出たりするので、こう呼ばれているのです。
ランナーズハイ

私はマラソンが趣味なのですが、少し走っていたら、すごく気持ちよくなってくるのです。これをランナーズハイと言います。
このランナーズハイは体のストレスや心のストレスを減らすことがわかっています。
βーエンドルフィンという物質が高揚感をもたらすとされています。
人がストレスをかけても生きていくには、必要不可欠なものなのです。
βーエンドルフィンは性行為や食事でも分泌されるといわれています。
脳内麻薬の種類
エンドルフィン
子牛などの脳から発見されました。
体内で分泌されるモルヒネといわれています。
実際はモルヒネより数倍の鎮痛効果があるといわれています。
これが分泌されると気分が高揚したり、幸福感が得られます。
ただストレスが強いと分泌されにくくなります。
エンケファリン
麻酔や鎮痛効果があります。
神経の末端から分泌され、痛覚などに働く神経伝達物質です。
2種類あるといわれています。
ドーパミン
快感を増幅してくれます。
快感の神経のスイッチを入れてくれます。
覚醒剤とよく似た構造です。
ハイな感じになります。
これが分泌されないとパーキンソン病になります。表情に笑顔がなくなったりしてしまいます。
ノルアドレナリン
意欲と生きるために必須のものです。
脳幹、大脳辺縁系、視床下部、小脳などに広く分布しているのがアドレナリン作動性神経系と呼ばれています。
恐怖、驚愕の体験にあうとノルアドレナリンを分泌して、逃走か闘争かの態勢に入ります。
セロトニン
脳幹の縫線核から網様体の比較的せまい範囲にあるのがセロトニン作動性神経系です。
他の神経系に対して抑制的に働きます。過剰な興奮や衝動、抑うつ状態を軽減してくれます。
セロトニンが不足すると「うつ症状」が出やすくなったり、暴力的、攻撃的になったりしてしまいます。
朝日を浴びて、同じリズムの運動をするのがおすすめです。
軽いマラソンやフラダンスがおすすめです。
神経の種類
神経の名前 | 太さ(μm) | 伝達速度(m/秒) | 機能 |
Aα(アルファ) | 20 | 100 | 運動刺激・深部感覚(固有感覚) |
Aβ(ベータ) | 10 | 50 | 触られる感覚・圧迫される感覚 |
Aɤ(ガンマ) | 5 | 25 | 筋紡錘への運動刺激 |
Aδ(デルタ) | 3 | 13 | 痛み・温度覚(熱い、冷たい) |
B | 2 | 7 | 交感神経節前 |
C | 1 | 1 | 痛み・交感神経節後 |
簡単にいいますと太い神経の方がスピードが速いです。
痛みを感じる神経
痛みを感じるには、2つあります。
痛みを感じて手を引っ込めるように速く伝わるのが「Aδ」です。
後から鈍い痛みで不快感も感じるのが「C」です。
痛みを感じる仕組み

ゲートコントロールとは
超簡単にいいますと「手当て」のことです。痛いところに手を当てていると痛みが和らぐということです。
例えば、椅子に足の小指をぶつけたとします。すると自然と手でぶつけたところを抑えます。無意識にです。
すると痛みが少し和らいでくれるというのを経験したことがあるのではないでしょうか?
これがゲートコントロール理論といわれるものです。

上の図のように通常、痛みという刺激は、門があってバトンが手渡されるように伝達されて脳に感じるようになっています。その門を閉じたり開いたりしており「痛み」として感じたり、感じなかったりするようにコントロールしています。

この痛みに対して和らげるようにするシステムが本来、産まれた時から人には備わっているのです。
それがゲートコントロールといって門を閉めてくれるシステムがあるのです。
この門を閉めるというのは「触れる」ということで閉まるようになっています。
また上からも門を閉めるシステムがあります。それが下行性疼痛抑制というものです。
これは脳から痛みを和らげる物質が出てくれているのです。
参考文献:「痛みの考え方」丸山 一男 著 南江堂 より
下行性疼痛抑制とは
脳から痛みを抑えてくれる物質も出てくれています。オピオイドなどがそれです。

上から門を閉めるように働いてくれています。
参考文献:「痛みの考え方 しくみ・何を・どう効かす」(丸山一男 著 南江堂)より
脳内麻薬を味方につけて痛みを減らす方法

皮膚を撫でると身体が感じて、無意識に心とも繋がります。それが安心へと繋がっていきます。
人間は自然とそうしています。
例えば、足を机にぶつけたとします。すると勝手に手をそのぶつけた場所に当てているのを想像できると思います。これが「手当」なのです。
そして気持ち良く感じる実験をしたところ、顔と前腕では、顔の方が気持ちよく感じるのがわかっています。
それと1秒間に5cmほどの速度で撫でる時に、一番、気持ち良く感じるということもわかっています。これは神経でいいますと「C線維」ということになります。
このような刺激はホメオスタシスを正常にしてくれる働きもあります。

ホメオシタシスとは、身体の機能を自動的に調節して、ある一定の範囲内に保ってくれることを言います。外の環境が変わっても、ある範囲内で一定に保たれている状態です。
例えば、体温や血圧や血糖値、免疫などです。
具体的には、露天風呂に入っていたとします。外は冬だとします。
寒いので温泉に入っている時は、体温などを低く調節してくれています。
ですが、湯船から出ると外気温は寒いので急激に体温や血圧を上げて調節しないといけなくなります。健康な状態ですとこれを勝手にやってくれているのです。
ですが自律神経が乱れてしまうとホルモンの分泌や免疫が乱れ、この調節がうまくいかなくなり、夏でも冷え症、寒いのに汗が出る、いつも微熱がでるなどの症状が出てしまう事があるのです。
参考文献:「手の治癒力」(山口 創 著 草思社)より
まとめ
- ストレスが強くなると脳からの痛みを抑える物質が減る
- ストレスを減らすことが大切
- 脳も身体も健康な状態にする
- 生活習慣を見直す
- 夜更かしするなど自然に反することをしない