

朝、起きれなくて学校に行けなくなりました。
学校に行った時に立ちくらみが起こり怖くなりました。
薬などが全然効かないので困っています。
学校の先生は連絡をくれるのですが、行けないのが辛いです。
夕方には動けます。
習い事には、少しづつ行けるようになってきました。
これから、どうしたら良くなるでしょうか?
このようなことでお悩みの方が少しでも楽になっていただけたら嬉しいです。
小学生の男の子で立ちくらみ、めまいでお悩みの方です。
朝、起きれないということで学校に行けなくなった方です。
朝起きようとしたら立ちくらみがするなどで、お悩みの方は、どうぞご覧になってください。
- 立ちくらみや起立性調節障害でお悩みの方
- 学校に行けないのでお悩みの親御さん
- 朝起きれなくて辛い小学生の方
朝起きれない!小学生の男の子の解決方法
起立性調節障害は自律神経の乱れが原因

小学4年生の男の子です。朝から、起きることができません。
夏休みが終わってから学校に行けなくなりました。
「いじめ」などの人間関係のトラブルなどのようなことは、ないそうです。
仲の良い友だちは多くはないそうですが、数人います。
親には従順な感じで「いい子ちゃん」です。また親御さんは、とってもきっちりとした真面目な方で、高学歴、安定したお仕事をされておられます。
親御さんにお話を聴くと、息子さんは、なんでもいう事を聞き、真面目な性格だそうです。
起立性調節障害は、血圧のコントロールの問題のことが多いです。つまり自律神経の乱れが原因のことが多いのです。
まずは耳鼻咽喉科、もしくは小児科で診察を受けていただき、脳などの問題や他の病気では、ないことを確認しておいてください。
病気でない場合は、当院がお役に立てるかもしれません。
なぜ?朝、起きれないのか?
これは病気なのではなく体からのサインだと考えることができます。
体は必要があって、やってくれていると考えてください。
大きなストレスがあって、それを我慢していた経験はないでしょうか?
もしくは、スマホを数時間、毎日やっていたり、姿勢が極端に悪くなっていないでしょうか?
またお子さんが育ってこられた環境、特に親御さんが構い過ぎたりする過干渉、過保護、もしくは虐待や愛情不足、愛着障害なども原因としては可能性があるかもしれません。
- 過保護、過干渉
- 虐待、愛情不足、愛着障害
- いい子ちゃんすぎて自分の意志が言えない
- 真面目すぎる、我がままなことが言えない(自我が弱い)
- 社会性が強すぎる
- 生活習慣の乱れ(長期休みで夜更かし、夜遅くまでスマホ、長時間スマホ、スマホの目覚まし時計代わり、ゲームのしすぎ、猫背など姿勢が悪い、昼夜逆転の生活、偏った食事、ジャンクフードなどの栄養の偏り)
- 発達障害などの発達系の問題
- その他、失恋、事故、家族との別れ、災害、トラウマなどの強いストレス
自我と社会性

このお子さんは、今まで、すべて親御さんの言う通りにやってきたそうです。
「子供なんだから、こうしなさい!」
「はい」
素直に「嫌」といわなかったそうです。
親御さんは躾に厳しく、少し神経質なところがあるように感じました。
ですので親のいう事と違うことをすると、ひどく叱られるので仕方なく言う事を聞いてきたそうです。
子供にとっては、生きていく上で、親は絶対です。嫌われて放りだされたら生きていけません。
ですので小さい頃は、間違っていると思っても自我を出し過ぎず、言う事をある程度は聴くことが多いです。
でもそれが続くと自我が弱くなってしまうのです。
ある意味、過干渉や過保護も虐待と同じような精神的ストレスとなることがあるのです。
このような環境で育つと精神的に未熟な状態で「インナーチャイルド」「アダルトチルドレン」というような感じになってしまうことがあるのです。

このように育つと本人としては、不安や回避になりやすくなります。

外部からの刺激に対して「不安」になりやすかったり、少しでも嫌なことがあると「回避」傾向になってしまうことが多いのです。自分で安全地帯や愛着で満たされていると、少しくらいの外部刺激に対しては、自分でバリアが張れるようになるのです。

このような方の特徴としては、「過去」や「未来」の事を考えすぎる傾向にあります。
ですので脳は、とても疲れます。そして少しづつ身体も動けなくなり、朝起きれなかったりして、生活が乱れてきてしまうことがあるのです。
ストレスからの自律神経の乱れで多いのが感情の抑圧です。「嫌だ」ということが言えない、もしくは怒りがあるのにニコニコしているという状態が続くと、強いストレスとなります。
その方にとって感情の抑圧となると、身体が反応して、「そのままじゃいけないんだよ」と教えてくれます。それが立ちくらみや目眩や頭痛として症状として反応することがあるのです。
だから我慢しすぎることにも注意をして欲しいのです。
逆に心身共に健康・元気な人はといいますと交感神経も副交感神経も働ける状態です。
つまり「怒る」時は怒れて、「悲しみ」が有る時は涙を流し、自分を表現できる状態なのです。
もちろん優位・得意なタイプはありますが素直に感情を出せるということなのです。
力がうまく抜けない人
リラックスできない人は普段から十分に「悲しみ」や「寂しさ」を表現できていないことが多いです。
つまり副交感神経が働きずらく「愛」を感じられない場合もあるのです。
そうすると「不安」になったりしやすいのです。
感情を出すというのもいきなりは、できないことが多いです。
マラソンの練習と同じだと考えてください。
例えばフルマラソンを走りたいとします。
42.195Kmいきなり、「さあ走ってごらん」といわれても練習していなかったら陸上部などでない限り難しいですよね。
それと同じで感情も普段から出していないと、いきなりは出せないのです。
「怒り」を出さない人は「怒り」を出すことを忘れているんです。
出し方を忘れているので出せなくなってしまうのです。
そして「交感神経=怒り」の最強タッグが働かないので、やる気がなかなか出なくなってしまうことが多いのです。
起立性調節障害の方への当院のアプローチ
「起立性調節障害」についての当院のアプローチです。
- ストレスを減らす
- ストレス耐性を増やす
- 身体の歪みを調整
- 精神的ストレスの解決
- 生活習慣の見直し、姿勢、睡眠、スマホ、食事など
- 体力を増やす
- 自律神経の乱れた原因を探り正していく(丁寧な聞き取り)
- 運動指導
- 交感神経の上げ方、副交感神経の上げ方をお伝えし実践してもらう
体位変換と脳の位置
座っている状態
↓
立つ
寝ている状態
↓
座る
↓
立つ
この動きに注目します。
当たり前ですが脳(頭)の地面からの高さ(位置)が変わります。

その時には血をより高いところへ運ばないといけないのは理解できますでしょうか。
人間は脳でコントロールされていて脳の血液の流れ(量)は常に満タンの状態を確保しておきたいのです。
だから血圧を上げて確保しようとします。およそ8mmHGの血圧上昇が必要とされています。
これは自律神経(交感神経)が自動的にやってくれているのです。
↓
心臓を強く頑張らせる
↓
血圧を上げる
↓
脳への血の流れを同じ状態になるように一定に保つ
これを一瞬に瞬時にやってくれているのです。ですが、この働きが正常に働かない場合は、脳への血流が一時的に供給されないことが起こってしまうのです。
これが「立ちくらみ」です。起立性調節障害です。
ストレスや生活習慣の乱れで自律神経が弱り、乱れると起立性調節障害となり、これがやり辛くなるのです。
血圧を上げるのは「交感神経」です。
感情でいいますと「交感神経=怒り」です。
つまり日頃から「怒り」を押さえ込んでいると、この交感神経の働きが弱くなって血圧を急に上げることができなくなるのです。
また手足に力が入りにくいという方も交感神経の働きの弱さによるものです。
逆に力を抜けないのは副交感神経の働きが弱いのです。

ですので精神的ストレスになっていることの対策も大切ですし、構造的ストレスである背骨や頭蓋、骨盤などの歪み、化学的ストレスや冷えなどのストレスにも十分注意をして、横隔膜と筋肉運動を中心に動いてストレス解消するのがいいのです。
さらにストレス耐性を増やしていくことが大切です。具体的には、「情緒的サポート」「対処能力」「体力」「自己尊重感」です。
これに加えて自律神経の働きを強くすることをプラスすると、良くなっていかれる方が多いです。
まずは背骨、特に首の調整をさせていただき、問題となっている精神的ストレスの解消、生活習慣の見直しをして、睡眠の質を上げることが大切です。すると体力が増えてくるので調整力が安定し、血圧のコントロールも安定してくるのです。当然ですが、姿勢も大切です。
ここで注意したいのが、親御さんが焦りすぎないことです。
焦りすぎると、「いい子ちゃん」のお子さんは、頑張りすぎようとしてしまい、もっと悪化することがあるのです。
まずは「意志」を働かせて交感神経をあげていきたいです。
「今日、何食べたい」と聞いてあげてください。
そしてお菓子ばっかりやインスタントラーメンばっかりではダメですが、たまには好きなものを自分の意志で選んで食べるということも、ストレス解消にはいいのです。これが「自我」を強くする方法なのです。
姿勢の重要性


血流の調節という面で考えると姿勢も凄く影響します。
ある研究では目線が水平から5度以上低くなる姿勢を続けていると脳のところにある全身のホルモンを調節する「下垂体」というところの血液量が悪くなるというのがわかっているそうです。
当院の検査の一部と症例
生活の中で注意したいこと
- 家族みんなで過ごせるリビングを居心地のよい空間にする
- 昼間はできたら散歩したり、友達と遊ぶ(学校を休んでも治療の薬と同じと考え、友人と遊ぶことはOK)
- 自分のペースで学校に行く、焦らない
- 急に立ち上がらない、動かない、お辞儀をしたり、振り向いたりしない
- 電車などでは足踏みをする
まとめ
- 起立性調節障害は怠け病ではないと認識する
- 立ちくらみも血圧を調節する機能が低下している
- 生活習慣を整えることが大切
- 睡眠に注意する
- ストレス発散を心がける
参考文献です。
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![]() 改訂 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応 [ 田中 英高 ]
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